♪オマケ

梓「ねえ、4月になって私たちも二年生になったわけだけど……」

憂「純ちゃん学校に来ないね」

梓「…………今日何日だっけ?」

憂「四月六日だね」

梓「今日来ないとさすがにまずいよね?」

憂「うーん、まあ純ちゃんの一話に場合確実に出番があるかと言えば必ずしもそうでもないし」

梓「微妙に失礼だよ、憂。それに一話だよ?一話って言ったら脇役が唯一出れる
回でしょ?」

憂「梓ちゃんもそれ、相当失礼だよ」

梓「電話しても出ないし、困ったなあ」

憂「よし、梓ちゃん。それじゃあ私に任せて」

梓「家にでも行くの?」

憂「ううん、ある人に頼む。ところで梓ちゃんは和さんに貸したハンカチ返してもらった?」

梓「うん、返してもらったよ。というか新品になってた」

憂「ありがとう。それだけわかれば十分」

梓「?」


♪三年二組

唯「あれ、憂?どうしたの」

憂「うん、ちょっと用事があってきたんだけど……」

紬「キョロキョロしてるけど、誰か探してるの?」

憂「はい、簡単に言うと犯人を」

澪「ん?何かあったのか?」

憂「いえ、既に事後です」

律「いやあ、購買は相変わらず混んでた……って憂ちゃん、どうしたの?」

憂「ある人に用事があったんですけど……」

唯「それより憂!もうすぐだよ、もうすぐっ」

律「そうそう、そうだぜ!私らがまた大活躍して画面をところ狭しと暴れ回るんだからなあ

澪「捏造するなっ」ドスッ
律「ぐえっ!」

紬「でも最初の『けいおん!』と二期の『けいおん!!』って何が違うのかしらね?」

唯「なんだろうね?」

律「うーん、案外前回と同じで何も変わらないんじゃない?」

澪「というか変えようがないしなあ」

憂「より正確に言うなら変えちゃダメなんですよね」

律「まあ、コンセプトがゆるーい女子高生の日常を描く、だもんな」

澪「まあみんなもそう言うのを求めてるしな」

唯「はいはい!りっちゃん隊員!いい案があります!」

律「ほほう?」

唯「ライブシーンを迫力満点にすればいいんだよっ!」

紬「たとえば?」

唯「こんな感じに」



唯『放課後ティータイムのライブにようこそー!!』

唯『ふわっふわた~いむっ』

澪『ふわっふわた~いむっ』

ジャジャン、ジャジャン、ジャ-ン、ドっカーン!!

唯『どうもありがとおおおおおっっっ!!』

ドドドドドドドドカンドカ-ンドカ-ン!!!!

観客『うおおおおっ!!』



唯「……みたいな?」

澪「……どうやってその大量の火薬を用意する気だ?」

紬「私のほうでよければ」ニコ


律「……いや、違うな。こんなのじゃダメだ」


律「けいおん二期は一期よりも放送される地方が格段に増えたんだから、もっと
ファン層を増やすべきだろ」

憂「たとえば?」

律「たとえば床の間の奥様方を味方につけるべくミステリーものとかどう?」

澪「……それはサスペンスって言うんじゃないのか?」

律「似たようなもんだろ?」

紬「でもそんなシリアスな話をやったらもとの視聴者がいなくなっちゃうんじゃ……」

律「そこはミステリーもんでも、『けいおん』風にアレンジするんだよ
こんな感じに」



和『律、今度は校長先生が殺されたみたいよっ』

律『あちゃーついにさわちゃんまでやられたかあ』

梓『今日こそ事件を解決しに行きましょうよっ』

澪『梓の言うとおりだっ!いい加減犯人を捕まえないと』

律『えーまだティータイムの最中じゃん。なあ唯?』

唯『うん、もっとティータイムしてたーい』

梓『ダメったらダメです!』

律『よし、そこまで言うなら民主的に多数決で決めようぜ!行かない!』


唯『行かないっ』

澪『行く』

梓『澪先輩に同じく……ムギ先輩は?』

紬『じゃあ……行かないの方向で』

澪『なっ……まさかの裏切り!?』

紬『事件現場に行くよりもさわこ先生のお墓参りに行きましょ。私、子供の頃から
みんなでお墓参りに行くのが夢だったの』


唯『うん、じゃあそうしよっか』

紬『今から楽しみね♪』


律「……どうよ?」

梓「……シュールというか、もはや視聴者を馬鹿にしてますね」

澪「こんなの放送したら色んなところから苦情が来そうで恐い……」


憂「あの……ところで」




♪職員室

憂「失礼します」

さわ子「あら、憂ちゃん。どうしたの?キョロキョロしちゃって」

憂「……いないなあ」

さわ子「?」

憂「いえ、こちらの話なんです」

さわ子「もしかして用事のある先生でもいる?」

憂「違います……って先生なんだかお疲れですね」

さわ子「ちょっとね……」

憂「そういえばもうすぐ『けいおん!!』が始まりますけど……」

さわ子「ああーぶっちゃけどうでもいいわね。つうか二期の出番より彼氏の欲しいわ。
ここをウロチョロとしてる連中は唯ちゃんのことを狙ってるみたいだけどね、たくっ
だいたいこの学校は生徒の数に対して教師少ないわクーラーかからんわ、いった(以下略)」

憂「先生……素が出てます」

さわ子「あら、ヤダ。いけないいけない。それで憂ちゃんは何しに職員室に来たの?」

憂「実はというと……」


♪屋上

憂「教室にもいなくて、職員室にもいなくて生徒会室にもいなかったらもう、ここにしか
いないと思っていました」

和「……来ると思ってたわ。何か私に用事があるんでしょ?」

憂「ええ。率直に言います。純ちゃんをもとに戻して下さい」

和「……言ってる意味がわからないわね」

憂「あの皆さんとご飯を食べた日からずって考えていたんです」

和「…………」

憂「それで気づいたんです。梓ちゃんと純ちゃんの二人の共通点に」

和「そもそもその二人についても詳しく知らないし、その二人に何が起きたのかも
知らないのに急にそんな話をされても困るわね」

憂「いいえ、そんなはずはありません。和さん、あなたは知ってたんですその二人の
ことについては何も知らなくてもその二人が私に対して交尾の話を延々としていたのはね」

和「話だけは聞いてあげる」


憂「最初の事件。純ちゃんが私に対して交尾の話をしまくった。これ、私は途中で
嫌になって逃げたんです。

和「それで?」

憂「廊下を全力で走って、私は和さんに注意された……」

和「生徒会執行部としては当然の行いね」

憂「私が廊下の角を曲がる前にね」

和「……!」

憂「そう。おかしいんですよね和さん。和さんは廊下の角に隠れてたんだから
見えてるはずがないのに」


憂「次に梓ちゃん。これもまたおかしい点が一つ」

和「……」

憂「私、あの時梓ちゃんがあんまりにも交尾の話をするから、悲鳴をあげたんです。
しかし、和さん。あなたはまるで何も聞こえなかったみたいに振る舞った」

和「それだけ?それだけかしら。なら教室に戻らせてもらうわ」

憂「そして最後。最後は私のことです。覚えてますよね?私がご飯五合を一人で食べたこと」

和「後、半世紀は忘れられそうにないわ」


和「何せ女子高生が、ご飯五合も食べたとかギャグ以外のなんでもないわ」

憂「そうですね」


和「その上立ち食いまでして……」


憂「……意外ですね。こんな簡単に和さんがボロを出すなんて」

和「……え?」

憂「今、和さんは少なくともご飯を食べていたときの私を見ていたことを認めたんです」

和「どういうこと?」


憂「だって私、一言も言いませんでしたから」

和「自分で説明しておいてよく言えるわね」

憂「確かに私は自分でご飯を食べたことを説明しました。でも立ち食いをしたことについて
は一言も言ってないんですよ」

和「!」

憂「こうもあっさりボロを出すとは思いませんでした」

和「……」

憂「それと、和さん。梓ちゃんにハンカチを借りたことは覚えてますか?」

和「覚えてるわ。当然きちんと返したわ」

憂「新品を、でしょう。梓ちゃんが本来使っていたハンカチと同じ種類のものを買って
返したんでしょう?」

和「それが何か意味があるとでも言うの?」

憂「はい。なんでわざわざ新品のものを買ったのか……どこかで無くしてしまったからでしょう?」

和「……ええ、そうよ」

憂「ついでに、そのハンカチっていうのはこれですね」

和「どこでそれを……?」

憂「家の勝手口付近です。あそこからなら、流し台の前でご飯を食べる私を
見れますよね」

和「……っ」

憂「もう一つ。このハンカチを発見したのは皆さんが帰ってからすぐです。あの日は雨が
降ったり止んだりしてましたね、覚えてますか?」

和「……」

憂「このハンカチ濡れてたんです。そして私がご飯を食べていた時、雨が降っていました」


憂「私の推理は全て、和さんがその場にいた、ということを証明していてめ決して
和さんが犯行をしたというのを証明しているわけではありません」

和「……そうね」

憂「でも、そのことを隠してたんだから疑う余地は十分にあります。
……どうですか?間違ってますか、私の考え」


和「…………いいわ、認める。認めます。あなたやその二人を操ったのは私、真鍋和よ」

憂「どうしてこんなことしたんですか?」

和「交尾」

憂「はい?」


和「誰でもよかった。交尾を、交尾について熱く語れる人間なら」

憂「……話が見えないです」

和「だから、交尾について語れる友達がほしかった……」

憂「それで、純ちゃんや梓ちゃんを?」

和「ええ。でも所詮、操り人形。彼女たちと語り合っても全然ときめかなっかった」

憂「……あの、じゃあ私はなんで?」

和「うん?えーとうーん」

憂「ぶっちゃけ理由無いみたいな?」

和「まあぶっちゃけちゃうと、ね。何となく自分の能力を試したくなっただけって感じね」

憂「酷い言い草ですね」


和「まあ、純ちゃんについては戻すの忘れてただけだから……戻しておくわね」

憂「あの……結局その和さんの力って何なんですか?」

和「二期で教えてあげる」

憂「…………」

和「…………」

憂「…………」

和「私、アニメは闘ってなんぼだと思ってるから。ちなみに一番好きなアニメは
マシュランボーよ」

憂「聞いてませんし、そんなアニメ知りません。だいたい私たちが闘い出したら
苦情が来て打ち切りになっちゃいますよ」

和「それもマシュランボーみたいでいいわ」

憂「帰っていいですか」

和「もうすぐ始まるんだからここにいなさい。ワンセグあるし」

憂「いいです。家で私はじっくりお姉ちゃんと一緒に見ます」

和「そう、さよなら」


♪次の日!!

『けいおん!!』については皆さんのこれからの楽しみを奪うつもりは無いので何も
語りませんが、とりあえず純ちゃんは無事帰ってきました。

純「次はハエの交尾がいい?それともカメムシ?やっぱクジラ!?なんでも説明してあげるっ」

……はい、無事なんだと思います……。

梓「…………ねえ、どうしちゃったの、この娘?」

憂「知らない……」

和さんの洗脳は解けたのか、純ちゃんの瞳はいつものように輝いていましたが、問題は
そんなことではなく、和さんの洗脳がきっかけでどうやら本格的に交尾について目覚めて
しまったという事実が問題なのです。

憂「よかったですね和さん。語りあえる仲間が見つかって……」

梓「?」

純「なに、二人ともテンション低いなあ。せっかく私が交尾の
話しまくってんのに~」

まあ、何はともあれ今日も平和です、神様。


おしまい!!



最終更新:2010年04月10日 23:48