NHK「ですが、周りのみなさんはもう払ってくれてますよ?」

紬「その手には乗らないわ!そんな怪しげな宗教に誰が!」

NHK「」

斉藤「お嬢様、ちょっと」コソッ

紬「な、何よ」

斉藤「あれをなんだと?」

紬「聞いてたでしょ?MHゲイって宗教よ」

斉藤「・・・(今度、耳鼻科に連れていこう)」

紬「エムでエッチなゲイの団体なんて・・・!」

斉藤「お嬢様・・・」

紬「なに?」

斉藤「あれは、その、NHKですよ」

紬「へ?」

斉藤「だから、テレビのNHKの集金ですよ」

紬「」

斉藤「お嬢様?」

紬「私ったらなんて勘違いを・・・!」

斉藤「聞き間違えは誰にでもありま」

紬「恥ずかしい・・・!今すぐ消えてなくなりたい・・・」

斉藤「いや、そんな大げさな」

紬「・・・」

斉藤「・・・」

紬「・・・」グスッ

斉藤「あれはMHゲイという宗教団体です」

紬「・・・!」

斉藤「ここ最近じわじわと入信者数を伸ばしている宗教団体です」

紬「やっぱり、そうだったのね・・・!」

斉藤(涙目になった紬お嬢様を放っておくなんて誰にできようか)

紬「ちょっとあなた!」クルッ

NHK「はい?」

紬「話は聞いたわ」

NHK「えっと・・・?」

紬「私は無神論者なのよ。お呼びでないわ」

NHK「・・・(この子、頭がアレなのかもしれない)」

紬「帰りなさいっ」

NHK「・・・(この子じゃ駄目だ。ここは保護者に・・・)」チラッ

斉藤「帰りなさいっ」

NHK「あ、はい・・・(駄目だ、こいつら)」

バタンッ

紬「やったわね!」

斉藤「えぇ、やりましたな」




律「実は昨日、すげー太ったおばさんがさー」

澪「太ったおばさん?」

律「あぁ、幸せのハンケチーフがどうのってしつこくて」

紬「何?幸せのハンケチーフって」

律「さぁ?持ってると幸せになれるらしいぞ」

澪「なんだそれ」

梓「もしかして・・・」

律「どうした?」

梓「昨日、私の家にも太ったおばさんが来たんですよね」

澪「え!?同じ人か?」

梓「さ、さぁ。話を聞く前に帰しちゃったので」

律「えぇー?それどうやったんだよ?私なんてなかなか帰らなくて大変だったんだぞー?」

梓「玄関を開けた瞬間『あ、セールスだ』とわかったので、すぐに扉を閉めました」

澪「手厳しい」

紬「そういえば、私も変な人が家に来たの」

梓「え!?ムギ先輩の家に!?」

律「そいつ勇者だな、屋敷の中にセールスなんて」

紬「ううん、今は斉藤と二人でマンションに住んでるの」

律澪「なんで!?」

梓「あれですか、愛の逃避行ですか」

紬「梓ちゃん?」ニコッ

梓「あうっ」ビクッ

紬「今、なんて・・・?」

梓「本当に申し訳ないと思っています」ガタガタ

紬「わかればいいのよ」

律澪(怖っ)

梓「でも、どうしてマンションに住んでるんですか?」

紬「みんなと同じような暮らしをするのが夢だったの♪」

律澪(どんだけー)

梓「それで、その人は太ったおばさんだったんですか?」

紬「ううん、普通のおじさんよ。宗教に入らないかってしつこくて」

律「その割に嬉しそうに話すな、ムギは」

紬「うふふ、セールスを追い払ったのなんて初めてだったから嬉しくて」

澪「なるほど、よかったな」

紬「うんっ」

紬「MHゲイだったわ」

律「うん?(どうしよう、唐突にムギがおかしくなった)」

澪「そ、そっか・・・?(おい、急になんの話だ)」

梓「なんですか?それ」


紬「その宗教団体の名前よ」

律「変な名前だなっ。MHゲイ?」タハハ

澪「なんだよ、MHゲイって」アハハ

律澪「ん、待てよ・・・?」

梓「・・・それ、NHKの集金じゃなかったんですか?」

律澪「それだ!!」

紬「・・・」

紬「・・・」シュン

律「おい、ムギ?」

紬「斉藤も・・・同じこと言ってた・・・」シュン

律「えっと、それはだな」

澪(いや、そりゃ言うよ)

紬「私、間違っていたかもしれない・・・」グスッ

律「わわわ!泣くなよっ!」

紬「だって・・・」

律「馬鹿だなー、MHゲイだろうがNHKだろうが、追い払うべき相手には変わらないって」

澪「こらっ」

紬「でも・・・」

律「いいのいいの。それにNHKならしつこいからまた来るって」

紬「そうなの?」

律「あぁ、そんなに気になるならその時に払えばいいだろ?」

紬「・・・うん!」

梓「上手いこと宥めましたね」ボソッ

律「うるせいっ」

澪「さて」

律「どうしたんだよ」


澪「さっきから唯が喋ってないワケだが」

梓「あれじゃないですか?」

澪「なに?」

梓「唯先輩が黄色いハンカチ持って『見てー!買っちゃったー♪』って部室に入ってくるのがオチなんじゃないですか?」

澪「あー、だな」

律「馬鹿。唯ならそこで寝てるよ」

澪梓「え゛」

紬「今日は唯ちゃんが一番乗りだったじゃない」

澪「そ、そうか」

唯「うーん・・・呼んだぁ?」ムニャムニャ

律「あー、ごめんな。起こしちゃって」

唯「ううん、どうしたの?」

梓「唯先輩、黄色いハンカチって知ってます?」

唯「あー、昨日そんなセールスが来たって憂が言ってたよー」

澪「唯のところにも来たのか」

唯「でも、今どきそんなの買う人いないよねー」アハハ

律「だ、だよなー(よかった、思ったより唯がまともだ)」

澪「あはは、そんな言い方したらセールスのおばさんが可哀想だろ?」

梓「そうですよ、あのおばさんはあれが仕事なんですから」

唯「そっかー。ごめんなさい、おばさん」

バタンッ

和「ちょっと!」

律「おぉう!?」

澪「和!?・・・律!お前また申請書出し忘れただろ!」

律「この間ちゃんと出したよ!」

和「見てー!これね、幸せになれる黄色いハンカチなのよー!♪」

唯澪梓紬「」

和「そういえば律のドラムって黄色よね!私のハンカチと同じ色っ」

律「うん、帰れ」








おわり



最終更新:2010年04月13日 00:32