梓「ところで初春もあなたなら、料理…できます?」

唯「もちろんだよ!…多分」

梓「…不安だ」


唯「できたよー」

梓「………」モグモグ

梓「あぁ…先輩………」

唯「………何?」

梓「確かにありました。目玉焼きにも美味しい不味いが…」

唯「だね…」

唯「おかしいなぁ…調理法は知識として頭に残ってるのに…」

梓「本番に強い先輩らしくないですね」

梓「今日からは私が作ります…」

唯「おねげぇします」

梓「あ…!そういえば…」

唯「どしたの?」

梓「学園都市に来てから初春以外にも確か懐かしい感覚?を感じたことがあったような」

唯「………いつ?」

梓「そこまでは…覚えてません」

唯「そっか」

梓「でも確か来てすぐだったと思います」

唯「…そっか」



【登校中】

唯「とりあえず学園都市に来てから寄ったところを順に回ってくしかないか…」

梓「そうですね…えっと最初行ったところは…」

バサッ

唯「………」

唯「???!?!?///」

佐天「やっほー」

佐天「あれ?初春?どしたの?」

唯「………」

梓「固まってるね…」

佐天「え?梓が初めて行った場所?」

佐天「確かジャッジメントの第一七七支部だったはずだよ」

梓「あ、そういえばぎゅうに…固法さんは元気?」

唯「うん、あずにゃ…中野さんに会いたがってたよ…ですよ?」

佐天「………?」

唯「…あははは」

梓「じゃあ今日行ってみよっか」

唯「ちょうど今日は仕事があったはず」

梓「元気にしてるかな…牛乳女…」



【放課後、第一七七支部】

固法「おおーっ!よく来たわね」

梓「はい、ご無沙汰してます」

固法「まぁ座りなさいよ、何飲む?牛乳?」

梓「あ、紅茶お願いします」

固法「ミルクティーね」

梓「あ、いえ…やっぱもうそれでいいや」

黒子「初春?どうしたんですの?」

唯「ゆび…指つった………」

唯(知識はあるのに体がPCに追いつかない)

梓「…牛乳の割合、多くないですか?」

固法「ティーオレよ、知らないの?」

黒子「初春、何をやってますの?」

唯「PCに…ポチッ…文字を…ポチッ…打ってます…ポチッ…」

黒子「体調が悪いんですの?」

唯「そんなことは…ポチッ…無いです…ポチッ…」


唯「まさかジャッジメントを追い出されるとは…」

梓「ま、仕方がないですね」

唯「次は…っと、病院か…」

梓「ん?病院?」

唯「どうしたの?」

梓「何かひっかかります」

唯「ま、とりあえず行こっか」

梓「…はい」

唯「あずにゃんは病院に行ってから誰かに会った?」

梓「私があったのは蛙顔のお医者さんと同居人の春上さん…あ、思い出した」

唯「何が!?」

梓「春上さんと一緒にいた子だ…」

唯「まさか…枝先絆理ちゃん!?」

唯「で、そのばんりちゃんは誰なの?」

梓「それは…分からないです」

唯「そんな…」


唯「ん?じゃあ何で私の時は分かったの?」

梓「そ、それは…///」

唯「まぁ、とりあえず会ってみよっか」

梓「…はい」

梓「失礼します」コンコン

「は~いなの」

唯「また来たましたよ!」ガラガラ

春上「あ、初春に中野なの!」

梓「や、やぁ」

唯「ねぇ枝先さんどこにいるか分かる?」

春上「え?多分自分の…右隣の部屋だと思うの」

唯「そっか!ありがとう春上さん!じゃあ行こっか、あず…中野さん」

梓「あ、…え?」

春上「え?」

唯「じゃあねぇ、また来るよ」

春上「………?」

梓「先輩…、部屋くらい受付で聞きましょうよ、春上さんに失礼です」

唯「え?そうなの?」

梓「そうなんです」


唯「ま、いいや」コンコン

「はい」

唯「………」ガラガラ

枝先「え?」

唯「やぁ、ばんりちゃん」

枝先「あの…えりいちゃんは隣の部屋ですよ?」

唯「いや、分かってるよ」

唯「今日はばんりちゃんに会いに来たんだ」

枝先「私に…?」

唯「あずにゃん、どう?」ボソボソ

梓「あ、はい、間違いないです」ボソボソ

唯「そっか」チラッ

枝先「??」

唯「少し…話そっか」

枝先「…はぁ」

枝先「私に会いに来たって、何か用があったんですか?」

唯「いや、ただ顔が見たくなって…あははは」

枝先「…はぁ」

枝先「確か初春さんはジャッジメントでしたよね、非番なんですか?」

唯「いや、…今日は何というか」

唯「追い出された…みたいな?」

枝先「追い出された?」

唯「うん、実は…」

………………

唯「どう?酷いと思わない?」

枝先「いえ、皆さん暖かいと思います」

唯「え?どうして?」

枝先「多分ですけど、それは調子の悪い初春さんを気遣ったんだと思いますよ」

唯「え?」

枝先「あんまり無理はするなってことじゃないですかね?」

唯「う~ん」

枝先「まぁでも初春さんが嫌われて追い出されたって事は無いと思います」

唯「…どうして?」


枝先「それは…」

枝先「だって初春さん、私たちの為に頑張ってくれたじゃないですか」

唯「………」

枝先「そんな人が嫌われてるなんてとっても思えないですよ」

枝先「きっと皆さん」

枝先「初春さんのことが大好きですよ」

唯「!!!」

「ミンナユイノコトガダイスキダヨ」



「皆、唯のことが大好きだよ」


唯「…りっちゃん?」

枝先「え?」

唯「もしかしてあなたは…田井中律?」

枝先「………」

枝先「うわあああああああああああ!!!」

唯「りっちゃん!!!」

枝先「ぐぬううあああああ…」

唯「だい…じょうぶ?」

枝先「…心配かけたな、唯隊員」

唯「りっちゃ…りっちゃん!りっちゃん隊員!!!」

唯「うわあああああああああん!!!」ポロポロ

梓「律先輩でしたか…」

律「梓!梓も久し振りだな!」

梓「全く、何日振りかも分からないですよ」

律「ははっ、それもそうだな」

梓「笑い事じゃないです」ジワッ

律「あぁ、それもそうだな。心配かけた、悪いな」ギュッ

梓「まったくです」

梓「うわああああああああん」ポロポロ


………………


唯「りっちゃん、結局入院したままなんだね」

梓「仕方ないですよ、いきなり退院なんてできないでしょ」

唯「そっかぁ、まぁすぐに会えるもんね!」

梓「はい、すぐに会えます」

唯「他の皆はどうしてるんだろ」

唯「そもそも学園都市にいるんだろうか」

梓「手がかりも無くなっちゃいましたしね」



【初春宅】

唯「もしかしたら元々3人だけだったのかも」

梓「ギター2人にドラムですか?」

唯「はっ!ギー太は!ギー太はどこっ!?」

梓「私のギターも初めからありませんでしたし」

梓「ちゃんと帰らないとギターもお預けですね」

唯「そ、そんな…」




アレイスター「よし、順調だ…」

ヒュン

「こんな時間に呼び出してなんのつもりだ」

アレイスター「来たか、土御門」

土御門「何の用だ?仕事か?」

アレイスター「あぁ、実は…」

………

土御門「お前、ふざけてるのか?」

アレイスター「これも任務の一つだ、頼んだぞ」

土御門「チッ、糞が…」




【翌日】

土御門「実はカミやんの手持ちフラグを見込んでのお願いがあるんだにゃ~」

上条「何だ?手持ちフラグ?」

土御門「詳しい事情は言えないんだが、JCだけを8人、週末のカラオケに誘ってほしいんだにゃ~」

上条「JC8人?てめぇ何を企んでやがる!」

土御門「いや、だから詳しいことは話せないんだ」

上条「流石の上条さんも8人も知り合いがいないですよ」

土御門「そこを何とか頼むぜよ!」

上条「まぁ頑張ってみるけど…」



【放課後】

上条「はぁ、不幸だ…」

「あんた、何やってんのよ」

上条「あん?あぁお前か…下校してるだけだよ」

御坂「だから何で不幸だとか言いながら下校してんのかって聞いてんのよ」

上条「ん~上条さんにも色々悩みがあるんですよ」

御坂「へぇ、今度はどこの女を助けに行くのよ?」

上条「何だそれ?いや、まぁこればっかりは御坂には解決できないんだよ」

御坂「はぁ?この常盤台のレベル5に解決できない問題なんてないわよ!」

上条「………あれ?」

上条「………」

御坂「な、何よ」

上条「週末、カラオケにでも行かないか?」

御坂「…え…は?///」

上条「そうか…なるほど!幸運だ…」

御坂「べ、別に、行ってあげてもいいけど」

上条「おおーっ!流石は御坂様!」

御坂「何よそれ」

上条「じゃあ後7人、女の子連れてきてくれ、ただし中学生に限る」

御坂「………は?」

御坂「ふ、ふ、ふざけんじゃないわよ」

ビリビリーッ

上条「のわっ!」バシュッ

御坂「私を利用する気!?」

上条「そんなんじゃねぇ!」

上条「ただお願いだ!後7人、何とか呼んでくれ」

御坂「………」ピタッ

御坂(後7人呼んだらこいつとカラオケ…)

上条「?」

御坂「し、仕方ないわね、呼んであげるわよ」

上条「流石だぜ御坂!うっひょーっ!」


唯「結局今日も手がかり無しだったね」

梓「まぁ仕方ないと言えば仕方ないんですけどね」

ギンギラギンニサリゲナクッー

梓「何?この音…」

唯「あ、メールだ」

梓「着うただったんですか…」

唯「御坂さんからだ」

唯「週末カラオケ行こう!だって」

梓「ま、最近、根を詰めすぎてましたし丁度いいでしょ」

唯「じゃあ行くって返信するね~」メルメル



【週末】

上条「よう御坂、ちゃんと面子は揃えたか?」

御坂「もちろんでしょ、そっちはどうなのよ」

上条「実はというと俺もまだ誰が来るかは分からん」

御坂「は?どういう意味?」

上条「俺の友達が集めとくってさ」

上条「先に入っててくれだとよ」

御坂「じゃあもう少ししたら入りましょうか」

上条「そうだな」




佐天「御坂さん、お待たせしました」

梓「久し振りです」

唯「…はは」

御坂「あら皆、久し振りね」

佐天「そちらは?」

上条「あぁ、俺は上条当麻、よろしくな」

佐天「よろしくお願いしま~す」

唯・梓「お願いしま~す」

黒子「お姉様~」

湾内「ま、待ってください白井さん」

黒子「な、…!なぜ…なぜ類人猿がここに!?」

上条「類人猿って…」

黒子「きーっ!黒子は黒子は!今日は徹底的に監視させてもらいますの!」

上条「何もしねぇよ…」

御坂「ははは…」

「ちょっと、急に走っていくなんてどういうつもりかしら?」

梓「…え?」

唯「………」


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最終更新:2010年04月13日 16:18