紬「どこを探りに行ったの?」
澪「桜ヶ丘だよ」
梓「な、何のために…?」
澪「魔術サイドを調べるためだろ」
梓「魔術…サイド?」
澪「私たちは仲間だった…」
澪「でもお前らはスパイだった」
澪「だから我々桜ヶ丘はお前らを逆スパイとして利用しようとした」
唯「で、どうなったの?」
澪「まずは記憶を消した」
澪「そっちの能力でもどうにもならないようにな」
澪「しかし、不具合が起きた」
律「不具合?」
澪「お前らがお互いの事を忘れていなかった…ま、私の事は忘れていた訳だが」
澪「だから魔術的にそれぞれの記憶を消した」
澪「そして新たにスパイとして学園都市に送ろうとした」
唯「でもスパイにならなかった…?」
澪「あぁ」
澪「私がお前らを殺そうとしていたからな」
澪「急いで学園都市に転送した結果、洗脳が不十分だった」
澪「あの時殺せなかったから今殺す」
澪「裏切り者には死だ」
唯「そんな…」
澪「少し喋り過ぎたようだ…時間ももう無い…」
澪「どうやら私から手を下すのは不可能そうだな」
律「どういう意味だよ」
………………斬!
澪「かっ…はっ………」バタッ
律「な…!?」
「喋り過ぎよ、バカ」
………
アレイスター「ついに来たか…」
アレイスター「もう…終わってしまった」
………
律「だ、誰だ!」
和「一応、桜ヶ丘を仕切らせてもらってるわ」
和「ま、わざわざ私が出向いた理由は逆スパイ計画の失敗作の始末と」
和「そこの独断専行韓国人の説教よ」
澪「………」
和「ま、ついでだし学園都市も滅ぼしちゃうわ、逆スパイ計画もばれちゃったし。そもそも先にスパイ仕込んできたし」
唯「………」ゴクッ
和「あ、一応言っとくけど、私の魔術は天使とか目じゃないから」
和「あの窓の無い建物…」
和「中に統括理事会の一番偉い人がいるみたいね」
和「確か核でも効かないんだっけ?」
梓「ま、まさか…」
和「………」ブツブツ
和「ほい」
轟!
ドォォォン!!!
唯「い、一瞬で消し飛んだ…」
和「ま、ちょっと頑張れば日本列島ぐらい沈めれるけど」
和「そんなことしたら自分も危ないしメリットも無いしね」
律「き、規格外すぎる…」
インデックス「あんな魔術、初めて見たかも」
上条「…それでも戦うしかないだろ」
上条「自分の大切なもん守るためにはな」
和「面白いわね」
和「じゃあ手始めにここにいる人間を全員眠らせましょうか」
梓「な!?」
和「………」ブツブツ
和「ははっほらっ避けてみなさいよ」ボウッ
上条「ちっ!」バシュッ
和「へぇ、あれを防ぐんだ…」
上条(技を出すときに一瞬隙ができる、それを狙うしかない!)
和「………」スッ
上条「今だっ!」ダッ
和「ま、詠唱破棄もできるけど」ボウッ
上条「!?」
上条(な、まずい…右手が間に合わな…)
和「ちっ」ダッ
上条「攻撃が来ない…?」
一方「バカがトロトロやってくれたお陰で充電完了したぜェ」
上条「ア、一方通行!」
御坂妹「後は任せました…とミサカは何もできない己の無力さを嘆きます」
一方「あァ、任せとけェ」
和「…ウザったらしいわね」
一方「ただ闇雲に行っても全部かわされンのがオチだ」
上条「じゃあどうするんだ…?」
一方「それは分かンねェな」
上条「なんだそりゃ…」
一方「そもそもどンな作戦でも通用するかは分かンねェからな」
上条「それじゃあ…」
一方「結局は闇雲に行くしかねェだろ」
上条「ま、仕方ねぇか」
一方「行くぞ三下!」
上条「おうっ!」
和「実に愉快ね」
梓「もう…どうしようも…」
唯「………」
「弱気だな」
唯「澪ちゃん!生きてたの!?」
澪「なんとか…な」
梓「弱気ったって…どうすることも…」
澪「本当に何もできないか?」
律「それじゃあ何をしろってんだよ」
澪「お前らと言えば演奏だろ…」
紬「でも楽器が…」
澪「………」ブツブツ
澪「はっ!」ボンッ
唯「こ、これは…!?」
唯「ライブステージに…」
梓「私たちの楽器!?」
澪「あぁ、お前らの楽器を転送してきた」
澪「時間は無い、早く演奏してくれ…」
唯「澪ちゃんは?」
澪「もう私は立つこともできん、いいから行ってこい!」
律「…すまねぇ!」ダッ
上条「わっ」
一方「チッ」ダッ
上条「すまねぇ」
一方「もうお前3回は死ンでンぜェ?」
和「ちょこまかと…」
「1、2、3、4!」
和「!?」
唯「君を見てると~いつもハートドキドキ!」
黒子「う、初春!?何をやってますの?」
唯「揺れる思いはマシュマロみたいにフーワッフワッ」
唯「いーつも頑張るっ」
和「止めて…」
唯「きーみの横顔っ」
和「………」
唯「瞳閉じても浮かんでくるよ」
和「やめろって言ってんのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ボウッ
一方「おっと」シュバ
一方「何か知らねェがえらく効いてるみたいじゃねェか」
一方「悪いが邪魔はさせねェぜ?」
和「糞がっ!!!」
唯「あぁ神様お願い、二人だけの」
和「止めやがれクソヤロウ!!!」
上条「おいおい、俺のこと忘れてねぇか?」
和「邪魔するな!」
上条「そいつは不可能な相談だな」
和「お前も死んどけぇぇぇ!!!」ボウッ
上条「………」バシュッ
和「何故効かないんだ!?」
上条「………」
唯「お気に入りのウサちゃん抱いてぇ」
和「うらっ!」ボウッ
上条「………」バシュッ
和「何で効かないんだよぉぉぉ!!!」
バキッ
和「ぐはっ…」
一方「もう能力は使えねェ、後は任せたぞ三下ァ」
上条「あぁ、行くぜ!皆の願いと歌の力が合わさった、俺の幻想を思い知れ!」
上条「てめぇの都合で操作しようとして失敗した人たちを失敗作扱いして始末していいと本気で思ってるなら」
上条「まずはその幻想をぶち殺す!」
和「うっ………」バタッ
上条「やった…のか?」
唯「ふわふわタイム!」
ジャーーーン
御坂「やっと終わった…のね」
澪「フッ………」
一方「やってくれやがったぜ三下の野郎ォ」
うおぉぉぉぉぉぉぉ勝ったぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
「ぷはっ、非常に愉快ね」
上条「な…、なん………だと?」
さわ子「いやぁ、まさか和ちゃんを倒すなんて…凄いわね、みんな!」
上条「新手…か?」
さわ子「あ、勘違いしないでね?別に戦いに来た訳じゃないから」
上条「何しに来たんだよ」
さわ子「うん、桜ヶ丘は学園都市から撤退して二度と干渉しないからあしからず」
上条「なに…?」
さわ子「じゃあ伝えることは伝えたし、和ちゃんは連れて帰るから」
上条「ま、待てよ!」
さわ子「………」ドウッ
ドゴオォォォォォンッ!!!
さわ子「ん~この威力じゃヨーロッパは残っちゃったかな?」
さわ子「ユーラシアも沈めれないなんて、やっぱり移動による消耗が激しいか…」
和「せ、先生は年なんじゃ…ないですか?」
さわ子「あら、起きたの?そういう事は私より強くなってから言いなさい!」
さわ子「それじゃあ帰るわね、ほっといたら地球を壊しかねないモンスターを捕らえてるの」
さわ子「早く帰らないと今度こそここにいる一人を除いて全員死ぬことになるしね」
さわ子「それじゃあごきげんよう」ヒュン
和「命拾いしたわね」ヒュン
上条「………」
上条(な、何も言えなかった…)
一方「………」
一方(まさか、これほどの戦力差があるとはなァ)
唯「なにはともあれ…」
唯「一応、助かった…」
【桜ヶ丘高校地下牢】
憂「………」
さわ子「ただいま…」
憂「お姉ちゃんを殺したの?」
さわ子「殺してないわよ、それと何度も言うように本当のお姉ちゃんじゃないんだから…」
憂「あまりうるさいと殺すよ」
さわ子「聞いといてそれ?しかも捕らえられてる態度じゃないわね」
憂「まぁ捕らえられてるとは思ってないですから」
憂「時が来るまでの休憩程度ですよ」
さわ子「………」ゴクッ
【後日】
唯「あずにゃん、遅刻しちゃうよ~」ダッ
梓「それにしても先輩と同学年というのは未だに違和感がありますね…」ダッ
唯「間に合った!」ガラガラ
澪「今日も遅刻ギリギリじゃないか」
梓「先輩がなかなか起きてくれなくて…」
澪「あんまり梓に迷惑かけるなよ?」
唯「分かってるよ~あ、今日はお見舞いに行こっか!」
唯(私たちはあれから数日、平和な日々を暮らしています)
唯(ただ、あの場にいた皆が引っ掛かってるであろう、あの女の去り際の言葉…)
………………
さわ子「それじゃあ帰るわね、ほっといたら地球を壊しかねないモンスターを捕らえてるの」
さわ子「早く帰らないと今度こそここにいる一人を除いて全員死ぬことになるしね」
………………
唯(記憶の無い私たちには分からないですが、きっととんでもなく恐ろしい人がまだいます)
唯(願わくばそんな人とは二度と関わらずにこのまま平穏に暮らしていきたいですね)
唯(この時は誰もがそんな甘い幻想を抱いていたはずです、後に何があるのか気づかない振りをして…)
唯(こうして不幸な人生の中でいつまで続くかも分からない細やかな幸福を噛みしめ)
唯(私たちは強く生きていくと決意しました)
唯(例え、この先どんな絶望が待ち受けていたとしても…)
……………
憂「…………」ニヤ
……………
澪「おい、行くぞ!唯!」
梓「早くしてください」
唯「あ、待ってぇ!」
~END~
最終更新:2010年04月13日 16:21