律「んん…」

律「(澪に監禁されて今日で3日か…)」

律「(唯たち心配してるだろうな…最近軽音部どうなんだろ…)」

ガチャ

律「(帰ってきた?)」

唯「りっちゃん!」

律「んっ!? (え、唯!?)」

唯「ひどい…ちょっと待っててね」ビリリ

律「ぷはっ! た、助かった…」

唯「今ほどいてあげるから…」

律「はぁ~解放されたぁ!」

唯「大丈夫りっちゃん!?」

律「ああ…ちょっと吐き気がするけど大丈夫だよ」

唯「とりあえず私の家へ行こう」

律「う、うん…」



唯の家

律「なあ…み、澪は?」

唯「まいてきた」

律「澪は学校でどんな様子だったんだ?」

唯「ちょっと様子がおかしかったよ、私が『りっちゃん今日も来ないね…誘拐でもされてたりして』ってふざけて言ったらかなり動揺してた」

律「そ、それでよくわかったな…私が澪に監禁されてるって」

唯「私の洞察力を舐めたらいかんぜよ、りっちゃん隊員」

律「あ、ああ…ありがとな唯」

唯「ささっ、まずは私の部屋に」ニヤッ



唯の部屋

唯「適当に座ってて、何か飲み物でも入れるから」

律「ごめん、ありがとう唯」

唯「ううん、私も元気なりっちゃんが好きだから」ガチャバタン

律「唯…」

律「唯って可愛いな…うんそうだな唯は可愛いよ」

律「私…唯が好きなのかな…?」

ガタガタ!

律「ひっ!? なんだ? クローゼットが揺れて…」

「むーっ! むむーっ!!」


律「なんか声が聞こえる…」ガチャ

律「!?」


梓「んーっ!? んんーっ!! (律先輩!? た、助けて下さい!!)」

律「梓!? 大丈夫か!?」

梓「!! ん゛ん゛!! ん゛ん゛―っ!!」

律「後ろ…?」クルッ

律「ゆ、唯…?」

唯「りっちゃん…」

律「お、おい唯…なんで梓が縛られて…」

唯「誤算だったよ、けっこう効き目にムラがあるんだね…憂はまだ寝てるのに」

律「お前何を言って…」

唯「最初に憂に嗅がせた時はすっごく苦しそうだったから、使うの躊躇ってたんだけど…量さえ間違えなければ余裕だね」

律「(なんだ…? 唯が持ってるのハンカチと小瓶?)」

唯「あずにゃんはあとでお仕置きだね…今日は3分過ぎるまでガムテープ剥がさないから」

梓「う、ううーっ!!」フルフルフル

律「おい唯、お前さっきから何を…」

唯「本当はもう気づいてるんでしょ?」

律「唯…お前…」

唯「さーてと…」チャプ

律「!?」

唯「この薬すっごいんだよ~、簡単に気絶させられるんだ」

律「やめろよ唯…」

唯「や・め・な・い」

律「ふっ…ぐぐ!?」

唯「大丈夫だよりっちゃん…ホラ、ゆっくり吸って…」

律「むぐぐぐぅーっ!!」バタバタ

唯「ダメッ! そんなに暴れたら余計に…!」

律「う…むぅ…」トロン

唯「あ、目がトロンってしてきたね…そろそろやめないと」ぱっ

律「ぐぐ…ゆ…い…どうし…て…だ…よ…?」ガクリ

唯「ふう…りっちゃん…許してね」



澪の家

澪「律……………」

澪「そんなに私じゃダメか…?」

澪「じゃあいいよ…唯から律を奪い返すまでだ」



唯の家・唯の部屋

唯「あずにゃん…」ビリリッ

梓「ぷあっ! ゆ、唯先輩もうやめて下さい…」

唯「そうはいかないよ」

梓「な、なんでこんなことするんですか!?」

唯「最初は憂だけを私のモノにしようと思ってた…けど」

唯「あずにゃんだって可愛いからさ…りっちゃんも…みーんな私のモノにしたい!」ニコッ

梓「わ、私…もう苦しいのは嫌です…」ポロポロ

唯「窒息するの苦しいの?」

梓「3分間も無理ですよぉ…」

唯「そっか…」ペタッ

梓「ううっ!?」

唯「………………」

梓「うう! んーっ!!」フルフル

唯「やっぱり今日はやめてあげる」

梓「う…?」

唯「そろそろ来るかな…」


ピンポーン


唯「来た!」

澪「唯―! いるんだろー!?」

唯「うんいるよー! 上がってきてー!」


ガチャ

澪「律は?」

唯「そこで寝てる、これから縛らなきゃ」

澪「なんで律を連れてった?」

唯「りっちゃんも私のモノだからだよ!」

澪「いいや! 律は私のモノだ!」

唯「ちなみに澪ちゃんも私のモノだから」

澪「え…!? 唯、まさか…!?」

唯「みーんな、みーんな私の大切なモノ!!」

澪「唯落ち着け…」

唯「監禁! 監禁!」

その時だった、いきなり唯の背後から人影が現れ唯を抑えた

唯「な…!?」

澪「え!?」

その人影はそのまま唯の口をハンカチで覆った

唯「うぶっ!? んんっ!? んんんっ!?」

唯「むぐぅぅ!!!(ク、クロロホルムだ! やばいよやばいよ…い、意識が…)」じたばた! じたばた!

唯「ん…うぅ…(なんで…私が…)」

澪「お、おい…」

和「ダメじゃない…唯は私のモノなんだから」

唯「ん…んっ…(和…ちゃん…どうしてぇ…)」ガクッ

澪「和…どうしてここに?」

和「ずっと隠れてて正解だったわ…澪は律を連れ帰る?」

澪「いや…4人とも唯の家に監禁しよう」

和「そうね…ここなら周りの目もつきにくいし」

澪「しかし…軽音部が3人も行方不明ってさすがに疑われるか…」

和「ああその点は大丈夫よ、私が情報隠蔽しといたから」

澪「とにかく唯の暴走を止めてくれて助かったよ和」


数時間後・・・

唯「んー! むーっ!!」ガタンガタ

なんで!? どうして!?
あと少しで澪ちゃんも私のモノだったのに!!
こんなのってないよ…
私は暴れた…けど、誰も助けにはきてくれない
みんなを私のモノにする計画は…ここで潰えた…

唯「う…ん…(憂…)」

私はいまだに眠っている憂の胸に顔を埋めると、静かに両目を閉じた…


唯「かんきん!」” おわり



最終更新:2010年04月18日 00:13