唯「わーいオレオだ!やったね~」カパ
律「あっ!」
唯「……なに?」
澪「り、律はオレオ二つに分けない派なんだよ……」
唯「へ~。なんで?」
律「失礼だろうが…」プルプル
唯「えっ」
律「オレオを作ってくれた人に失礼だろうがッ!!!!」バンッ
唯「ひっ!」
紬「機械に失礼なの?」
律「は?」
紬「だ、だって実際に作ってるのはオレオマシーンでしょ?」
律「……」
唯「……(よく分からないけど早く食べたいから食べちゃおう)」
サリッ
澪「うぁあっ!!」ガタン
唯「!? な、なに澪ちゃん……(また私何かやらかしたのかなぁ…)」
澪「唯お前今…クリームを歯でこそぎ取ったよなぁ……」
唯「だって両方ともクッキー部分だけにして食べるのすきなんだもん」
澪「……汚い…」
唯「え」
澪「汚い食べ方するなよ……」
唯「」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ……皆お茶でも飲んで落ち着いて」
律「茶だぁ?オレオ食うのに茶だってのか?牛乳一択だろ」
紬「り、りっちゃん……」
澪「私は別にお茶でもいいけどな。大体牛乳って言ってる奴は浸けて食べるんだろ?ハァ…」
律「なんだよ。浸けて食べちゃいけないのかよ」
澪「……なんか汚いんだよ、浸けて食べるのって。見てて不快なんだよな」
律「はぁーッ!?」
澪「オレオは二つに分けて最初にクリームのついている方、次についてないクッキー」
澪「これが一番バランスが取れてるよ。クリームを後に食べるとくどさが残る」
唯「じゃ、じゃあ私の食べ方でもいいんじゃ」
澪「唯の食べ方は汚いって言ったろ? それになんていうかチョコクッキーでも食べてろって言いたくなるんだよ」
唯「え……」
澪「唯ってかしわ餅のあんこ先に食べるだろ」
唯「……うん……」
澪「ほらな。餅だけ食べてろって感じだよ」
唯「…ぅう……グスッ…………」
澪「みたらし団子も先に餡だけなめ取るタイプだろ」
唯「ヒグッ……そう…だけど……ェグ……」
澪「やっぱりな。きったないんだよそういうの……すあまでも食べてろよ」
唯「ぁうぅ……ぅわああ~~ん!!」
紬「唯ちゃん……ちょっと澪ちゃん言いすぎよ」
澪「だって気になるんだからしょうがないだろ」
律「でも人の食べ方にケチつけんのって感じ悪いよなー」
澪「…おい律。お前が最初に唯にケチつけたくせに何言ってるんだ」
律「はぁ?私のはケチじゃないし…あくまで作ってくれた人に失礼だろって言ったんだよ」
紬「だから作ってるのはオレオマシーンじゃないの?」
律「…………」
澪「…………」
唯「うわぁぁああ~ん!ぅう……グスッ……うわぁあぁあん」
律「今日もう終わりにするか」
澪「そうだな……」
紬「唯ちゃん、帰りましょう」
唯「ぅ…うん……グズ……」
―――
ガチャ
憂「お姉ちゃん?おかえりー」
唯「……ただいまうい~…」
憂「どうしたのお姉ちゃん…泣いちゃったの?ひどい顔してるよ……」
唯「うぅ……ういぃ……」ギュウ
憂「お、お姉ちゃん…何があったの?」
唯「グスッ、澪…ちゃんに、ばかにされた……たべかた……」
憂「えっ」
唯「おれおのたべかた汚いってばかにされたぁあ゛あ゛ぁ…グスン……」
憂「オレオの食べ方で馬鹿にされたの!?き、汚いって!?」
唯「う゛ん゛……ぇぐ……」
憂「ど、ど、どうやって食べたの?」
唯「ぇと……ふたつにわけて、クリームを歯でそぎとってからたべた……」
憂「…………」
憂(そ、そうか一人の時ってそうしてたんだ…いつもは私がクリーム舐め取ってあげてたから…)
唯「グス……えぅっ…グスン……」
憂「泣くことないよお姉ちゃん、食べ方なんて人それぞれなんだから。 それは、澪さんが心の狭い人ってだけの話だよ。本当に馬鹿にされるべきは澪さんだよ」
唯「で、でも澪ちゃんのことばかにしたくない……友達だもん…」
憂「もう、お姉ちゃんは優しすぎるよ~」
唯「えへへ そうかなぁ~…//」
憂「そうだよぉ」
唯「そうかなぁ~!」
憂「そうだよー♪」
―――
紬「今日はフルーツタルトよ♪」
律「おーっ、うまそう!なぁ唯~」
唯「ほんとだねりっちゃん、おいしそうだよぉ~♪」
唯「むぎちゃんありがと~、いただきま~す! …あっ」ピクッ
澪「……」
唯(うぅ……澪ちゃんが見てる…じっと見てる……)
澪「…………」じいぃいい
唯(またやらかしちゃったらどうしよう…やだなぁ……)
律「ん、なんだ唯食べないのか?もらっちゃうぞ~」
唯「え?食べる!食べるよぉ」スクッ
澪「!!」ザワッ
唯「ほぁっ」ピタリ
唯(澪ちゃん怖い顔してる!私やらかしちゃってるんだ…何がいけないんだろう……)
唯(…でもおいしそうだから手が出ちゃうよぉ~!もうだめだ食べちゃえ!)パクッ
唯「」ビクッ
律(澪の奴またかよ……)
唯「な、な…なに?澪ひゃん」モグモグ
澪「なんでタルトの中身だけ先に食べてるんだ?」
唯「えっ(そ、そこだったの!?やっちゃったよぉお)」
唯「えと……この外の部分の食感が好きだから、あとでこれだけ食べようかなって……」
澪「はぁ…汚いんだよ。それも」
唯「あぅ……」
紬「ま、まぁまぁまぁ」
澪「ムギそれでいいのか?せっかく持ってきたお菓子こんな風な食べ方されていいのか?」
紬「私は唯ちゃんがおいしいって思ってくれれば食べ方なんか……」
澪「…私食べ方は綺麗なのがいいけどな、そういう綺麗ごとは嫌いなんだよ。ホントは嫌だろ」
紬「え……(ホントにいいんだけど…)」
律(なんとかなんねーかな澪のこのクセ…めしがまずくなるよ)
澪「な~んてね!嘘だよ唯っ、おいしかったらなんでもいいって!」
唯「澪ちゃん!やったー澪ちゃんと仲直りできた!」
律「よかったな唯、やっぱり軽音部はこうでなくっちゃな~」
紬「皆仲良くが一番よね♪」
唯「あはははは、あははは」
――
唯「はっ」
唯「ゆ、夢……」
憂「お姉ちゃんどうしたの?ご飯さめちゃうよ」
唯「う、ういちょっと見ててほしいんだけど……」
憂「? 何を?」
唯「い、いただきまーす」スッ
唯「モグモグ」
唯「……ゴクン」
憂「……?」
唯「ど、どうかなー」
憂「えっ、どうって?」
唯「…たべかた…変じゃないかなぁ」
憂「お姉ちゃんまだそんなこと気にしてるの?別に普通だよ~」
唯「それならいいんだけど…」モグモグ
憂(なんか元気ない顔して食べてるよ…)
憂「今日のおかずあんまり美味しくなかった?」
唯「ううん、おいひい!おいひいよ!」モグッ
唯(うぅ、澪ちゃんに言われてから色々気になっちゃって全然おいしく食事できないよぅ…)モグ…
―――
唯「オイッス」ガチャ
律「おっす唯、今日はかしわ餅だってよ!」
唯「ほんと!?私だいすきだよー」ガタッ
紬「ふふふ、良かったわ。今お茶淹れるわね」
唯「わーい♪いっただっきまー…」ペリペリ「あ゛っ!」
律「ん?」
澪「……」
唯(そういえばこの間…)
――唯ってかしわ餅のあんこ先に食べるだろ。餅だけ食べてろって感じだよ
唯(あ、あぶないよぉやるところだったよ……普通に食べなきゃ)
唯「……いただきまーす」パク
唯「……」モグモグ
唯(やっぱりあんこと餅別で食べたいよ~…うぅ……なんか損してる気分だよ…)
律「どした唯、あんまりうまそーじゃないな」
紬「ほんと?唯ちゃんのお口に合わなかったかしら…ごめんね」
唯「えっ?お おいひいよ~!」モグ…
澪「な。やっぱり物には食べ方ってもんがあるんだ。唯もやっとわかったんだな」
唯「う、うん」
澪「これからは今まで変な食べ方してたものがどんどんおいしくなるぞ~」
唯「うん……」モグモグ
唯「やっほー」ガチャ
律「おっす」
唯「あ、今日はかすていらだ!」
唯(澪ちゃんまだ来てないや)
紬「唯ちゃんカステラ好き?」
唯「だいすきだよー♪ムギちゃん下にひいてある紙捨てちゃった?」
紬「えっ?箱の中にまだ入ってるけど」
唯「ほんと!?私あの紙に付いてるのぐーって取って食べるのだいすきなんだ!」
律「お、それ分かる分かる!」
唯「へへへ、だよね!やっちゃうよ~ん」ぐぐっ
ガチャ
唯「あ」
澪「……何してんだ唯」
唯「えと…ひ、ひつまぶしです…澪ちゃんも来て皆揃ってから食べようかなって…」
律「暇潰しだって。聞いたろ澪、さっさと座って食べようぜー」
唯「フォローありがとうりっちゃん!」ヒソッ
律「いいっていいって」
澪「……」
唯(でもどうしよう、かすてらはどうやって食べれば澪ちゃんに怒られないかな)
唯「……」チラッ
律「ん?」
律「いただきまーす!」パクッ
唯「…」チラ
澪「……」
唯(澪ちゃん何も言わない。りっちゃんの食べ方でいいんだ)
唯「いただきまーす!」ザリッ
唯「あぅっ」
唯(ざ、ざらめだぁ…これ好きな人多いみたいだけど私にがてなんだぁ)
唯(ふわふわの食感だけ楽しみたいんだもん…憂にはいっつも切ってもらってたよぉ)
澪「……」
唯(うぅ、多分取ったら澪ちゃんにつっこまれちゃうよー)
唯「お、おいひい!」ざりざり
澪「はは、そうか唯!おいしいか!私も食べよーっと」パクッ
ジャーン♪
律「ふー、今日はこれぐらいでいいか」
唯「うん、そうだね」
澪「じゃあ帰るか」
紬「そうね」スッ
唯「あっ、むぎちゃん!かすてらの箱私が片付けとくよー」
紬「え?でも」
唯「いいんだ!いっつもごちそうになってるお礼!」
唯(紙についたのやっぱり食べたいもん)
紬「そう?じゃあ…」
唯「えへへ」ゴソゴソ
パクッ
唯「うまい!」
律「唯いくぞー」
唯「ほーい」
憂「お姉ちゃん今日はごきげんだねー」
唯「ん~?…ういはさぁ、かすてらの下の紙についたやつ好き?」
憂「あっ、お姉ちゃんあれ好きなんだよね~」
唯「うん!えへへ、今日部活でおやつかすてらだったんだー」
憂「だからごきげんなんだ」
唯「そうなのです」
憂「私も好きだよー、あれ。お姉ちゃんケーキのセロハンについたクリームとかも好きだよね」
唯「あぅ、すいやせん…」
憂「なんで謝るの?」
唯「あっ そうだよね。変だよね~」
唯(なんか食べ方のことで反射的に謝る変なクセついちゃったよ…)
律「なんだ唯、昼飯スイートブールだけかぁ?」
唯「うん、お金あんまりなかったから」
唯「それに私結構これすきなんだ♪」
律「私も好きだぞー、皮がいいんだよな皮が」
唯「そうそう!りっちゃんわかってるね!」
律「へへ、貸してみ?」ペリペリ
唯「あっ、私のスイートブールだよー」ペリリ
澪「何してんだお前ら」
唯「あぅ」
律「は?いや皮はいでるんだけど」
澪「なんでそんなことしてるんだって聞いてるんだ、皮はいだら見た目にも汚いだろ」
律「なんだよ。皮だけ食べるとうまいんだぞ澪知らねーの?」
澪「知らない。そんな食べ方しないから」
律「食わず嫌いで否定かよ~、感じ悪ぃの」
澪「あ?」
唯「や、やめようよ二人とも」
律「いやいい機会だからはっきり言おうぜ唯。 神経質に食い方気にされてたらめしがまずいってさ」
澪「な、なんだよ…」
律「実際そうだから仕方ないじゃん。嫌なら見るなよ」
澪「なんだその言い草、一緒に食べてるのに嫌なら見るなはないだろ」
律「じゃ澪は別で食べろよ」
澪「あぐ…」
唯「だ、大丈夫だよりっちゃん私がまんするから…」
律「唯が気を遣う必要ないし」
澪「……」
律「てか澪食べてみろよ、ほら。皮」
澪「い、いらないよそんなもん」
律「いいから食べろよ」ガボッ
澪「むが…!」
澪「……」モグモグ
澪(……なにこれ、おいしいんですけど…)モグモグ
律「どうだ澪」
澪「……」モグ…
澪「……味とかって問題じゃないんだよ」
律「ん?そんなこと言うってことはうまかったんだよな」
唯「ほ、ほんと?澪ちゃん」
澪「だ、だから味は関係ないって言ってるだろ!見た目の美しさがないんだよ!」
澪「パンの皮だけはいで先に食べるなんておかしいだろ!貸せっ」バッ
唯「あっ」
澪「ぱんはやふぁりふぉうふぁっへふふーひはへふほは」モガモガ
律「何言ってるかわかんねーよ」
澪「…ングング……ゴクッ」
澪「パンはやっぱりこうやって普通に食べるのが一番うまいんだよ!ゲプッ」
唯「わ、私のおひるごはん…」
澪「」
最終更新:2010年01月23日 23:19