帰り道
律(いい加減嘘ってバラさないと私の身が持たねえ!)
律(しかしあそこまで信じてくれたみんなを裏切るとなると……)
律(どうすりゃいいんだよぉおお!)
聡「あれ、姉ちゃん?何やってんの?」
律「聡……あ!」ピーン
律「そうか……この手があった……!ふっふっふ」
聡「……?」
……
澪(私はもしかして……もしかしなくとも、律の事が好きなのかもしれない)
澪(小さい頃から律が好きだった。律が他の女の子と仲良くなるのは嫌だったし、今日だって……唯に嫉妬した)
澪(律は女だからと諦めていた。この嫉妬心も行き過ぎた友情から来るもんだと思ってた。でも律は男なんだ)
澪(つまり……律が元に戻れば…律と付き合える?)
澪「ふふ……ふはははははは!」
唯「澪ちゃん頭大丈夫?」
澪「……」
唯(私は多分りっちゃんが好きなんだと思う)
唯(一緒にいて楽しいし、何よりりっちゃんは可愛い。ずっと笑顔を見ていたい人)
唯(りっちゃんは女の子だからずっと仲の良い友達でいたいって思ってたけど、りっちゃんが男の子なら話は別)
唯(りっちゃんを男の子に戻して、付き合う!)
唯(でも今のりっちゃんは女の子に慣れすぎていて女の子を好きにならなそうだから、何とか誘惑して男の子の心を取り戻してもらわなきゃ!)
唯(頑張るぞぉ!)
澪「ふ…ふはははははは!」
唯(きっと澪ちゃんも同じこと考えてるんだ……負けられない!)
梓(私は今まで律先輩はちょっとだらしないけど面倒みのいい先輩だと思っていた)
梓(でも、今日……先輩達から襲われる涙目の律先輩を見てぞくぞくした……)
梓(律先輩が男だというなら……是非ともお付き合いしたい!先輩達から律先輩を守って男の人に戻さなきゃ!)
紬(私はとりあえずりっちゃんは女の子のままでみんなといちゃいちゃすればいいと思うわ)
翌日の放課後
律「今日はみんなに話がある」
澪「何だよ改まって?」
唯「ところでりっちゃんこの下着どう思う?」ぬぎっ
律「とりあえず唯は服を着ろって思う。ヒッ!?澪!?」
澪「この頃また胸がでかくなった気がするんだ……触ってみないか?」ぐいぐい
律「えっえっ遠慮しておく!」
梓「皆さん真面目に話を聞く体制に入ってください!」
紬「ふふふふふ、そうねぇ」
梓「肯定しながら撮影するのはやめてください!」
律「おっお前らこの頃おかしいぞっ!」
律は恐怖のあまり涙目になってみんなを睨みつけた。
梓はそんな律を見て少し興奮している。
普段真面目な人というのは、何かしら変な特質を持っているものである。例えば梓でいう、性癖……とか。
梓(や、やっぱり怯え顔の先輩は可愛い!)
律(ぞくっ!……急に悪寒が!?)
紬「あらあらうふふあらうふふ」
律「ま、まぁみんな聞いてくれ」
澪「もしかして魔法使いのじいさんの情報が入ったのか!?」
律「いや……それはもういいんだ」
唯「どういう意味?」
律「私、好きな人ができたんだ」
梓「な、何ですと!?」
澪(もしかして……)
唯(私の……こと…?)
澪唯「どきどき」
律「だから私はこのままの姿でいいんだ……相手は……その…言いづらいんだけど(架空の男をでっち上げるより、弟とかの方がリアルだよな?)」
澪「分かってるぞ、律」
唯「分かってるよ、りっちゃん」
紬(ついにりっちゃんも女の子同士の良さが分かったのね!)
梓「……?」
律「わ、分かってくれたのか……」
澪「だがそれなら尚更早く魔法使いのじいさんを探すべきじゃないか?」
律「は?」
唯「そうだよりっちゃん。相手だってきっとそう望んでるよ!」
律「はああああ!?」
律(何でこいつらウチの弟をそっちの気があるようにしてんの!?え!?もしかしてそうなの!?)
澪「相手(私)のためにも男になるんだ律!」
唯「そうだよ!相手(私)のためにも!」
梓「そ、そうです!」
紬(せっかく良いところだったのに!)
律「う、う……」
澪「律……?」
律「うわあああああああ!嘘だ嘘だぁ!馬鹿にすんなぁ!」ダッ
梓「せっ先輩!!」
唯「行っちゃった……」
律の家
律「うっ…うう…もうみんな信じられない」
聡「姉ちゃん……大丈夫?」
律「聡……大丈……なぁ聡、お前女の子が好きだよな?」
聡「はっはぁ!?」
律「答えてくれよ!」
聡「おっ女はすぐ泣くしうるさいから嫌いだよ!」
律「なん…だと…」
聡「でも姉ちゃんは別に……ごにょごにょ」
律「……そんな……馬鹿な…」
律「弟がみんなの言うとおり同性愛者だったなんて!!」
聡「えっ!?ちょ、ちょっと」
律「私は聡が好きな設定だからやっぱり男にならなきゃいけないのか!?いやそれは男にならないための設定だし……ああこんがらがってきた!」
聡「姉ちゃん!?どうしちゃったんだよ!?」
律「もう嫌だ!こうなったら全部言う!最初からそうすれば良かったんだよ!」
聡「姉ちゃん……疲れてるんだよ」
律「ああ……疲れてるな…」
翌日放課後
澪「なぁ律」
律「何だ澪(さてどうやって話を切り出すか)」
澪「子供は何人欲しい?」
律「……何の話だい?」
唯「あ、私も聞きたい!私りっちゃんのためなら何人でも頑張るよ!」
律「何を?」
梓「私はしばらくは二人の生活を楽しみたいですね……子供ができたら色んなプレイできませんし」
律「プレイ?」
紬「私はみんなの夜の生活を覗かせてもらえれば何でもいいわ」
律「狂ってやがる……遅すぎたんだ!」
律「ところでみんな、私はみんなに謝らなきゃいけないんだ」
澪「(ビクッ)……わっ私今日は用事が」
唯「(ビクッ)わっ私も!」
梓「(ビクッ)実は私もです!」
律「なぁみんな……もう気付いてるんだろ?」
澪唯梓「……」
律「今まで騙しててごめんな……まさか信じるとは思ってなかったんだよ…」
律「魔法使いのじじいの話も、私が男だったって話も、全部嘘だ」
律「みんな、ごめん」
澪「薄々感づいてたよ…でも、信じたくなかったんだ」
唯「私達、りっちゃんが大好きだから……」
梓「……」
律「ごめん。でも私も、みんなのこと……大好きだよ」
澪「律……」
澪「言ったな?」にやり
律「へ?」
唯「やったーこれで両想いだよ!」ぎゅっ
律「は?」
梓「これからよろしくお願いしますね!先輩」
律「え、え……ええええええええええええ!?」
紬「あらあらうふふ」
嘘でした編 完!
最終更新:2010年01月06日 01:27