律「とりあえず、日曜日までに憂ちゃんに梓のことを特別な人と意識してもらわないとな」
唯「!?」
そんなの駄目
憂にとって特別な人は私じゃないと……
澪「そうだな」
紬「そうね」
梓「……でも、どうしたらいいんですか?」
律「そうだな、唯の家に泊まるってのはどうだ」
唯「!!!」
梓「それはいくらなんでも駄目ですよ」
律「構わないよな、なぁ、唯」
律「唯?」
澪「唯、どうかしたのか?」
唯「………」
紬「唯ちゃん?」
梓「……」
唯「……ごめん、あずにゃん、私協力できない」
律「はぁ!?唯、どうしたんだよ?」
唯「……ごめんなさい」
律「それじゃわかんないだろ!」
唯「とにかく、協力できないの」
―タタッ
(部室を飛び出した唯)
澪「ちょっと、唯!」
紬「どうしたのかしら、唯ちゃん」
梓「唯先輩……」
律「ったく、唯の奴どうしたんだよ」
澪「さぁな」
紬「唯ちゃんらしくなかったわね」
澪「まぁ、唯も明日になったら落ち着いてるだろ」
律「そうだな、詳しいことは明日聞くとして、今日は帰るか」
紬「そうね」
梓「(唯先輩もしかして……憂を……)」
―――
唯「あずにゃん、ごめんね、ごめんね……」
(涙を目に浮かべながら家へと走る唯)
結局自分に嘘はつけなかった
梓ちゃんより自分を優先したんだ
姉妹とかそんなこと考えられない
私の憂に対する想いはもう抑えられないよ
―パタン
憂「えっ!?」
―タタッ
憂「お姉ちゃん、どうしたの?こんなに早く、部活は?」
唯「憂、ういー」
―ギュッ
憂「お、お姉ちゃん!?」
(泣きながら憂に抱きつく唯)
唯「グスン、グスン」
憂「お姉ちゃん、どうしたの?」
唯「私ね、憂が好きなの」
憂「私もお姉ちゃんのこと大好きだよ」
唯「そ、そうじゃなくて……」
ここで私の言葉を止めたのは私の先輩としての気持ちだったのかな
あずにゃんに何も言わずに憂に自分の気持ちを言うのは卑怯だって
それとも実の姉にそんなことを言われて、憂が私にひいちゃう
そう考えたからだったのかな
このあと私は気持ちが落ち着くまで憂に抱きついていた
唯「ごめんね、憂」
憂「別にいいよ、でもどうしたの、あんなに泣いて」
唯「……ちょっとね」
憂「私には言えないことなの……?」
唯「ごめん……今は言えないの、でも絶対言うから」
憂「そっか……別に心配しなくていいことなんだね?」
唯「うん」
そうだ、あずにゃんにもみんなにもはっきり自分の気持ちを言おう
自分勝手だけど、みんなならわかってくれるよね……
そして憂に自分の気持ちをはっきり言おう
―――翌日
――放課後
律「ほら、唯、放課後になったら話してくれるって言ったよな」
唯「……うん」
律「ならはやくー」
澪「律、あんまり急かすなよ」
律「だってー」
唯「私ね……憂のことが好きなの」
律「はぁ!?そんなのわかってるって」
梓「(やっぱり……)」
澪「唯、どういうこと?」
唯「わ、私は……姉妹だとか関係なく一人の女の子として憂が好きなの」
律澪紬梓「……」
この瞬間みんなが黙りこんだ
やっぱりひかれるよね……実の妹が好きだなんて
律「……それは本気で言ってるのか?」
唯「…うん」
律「自分が何言ってるのかわかってるのか?」
唯「……うん」
澪「だから梓には協力できないのか?」
唯「………うん」
紬「それで唯ちゃんはどうしたいの?」
梓「……」
唯「わ、私は……憂に自分の気持ちを伝えたい」
律「梓の気持ちはどうするんだよ……」
唯「それは……」
律「いい加減な答えじゃ許さないぞ」
澪「律、落ち着けよ、唯だって散々悩んで決めたんだよ……だろ唯?」
唯「……うん、あずにゃんには悪いと思ったけど、やっぱり気持ちは抑えられなくて……」
唯「だから、私はあずにゃんが告白した後に憂に告白するよ」
律「憂ちゃんが梓の告白にOKしたらどうするんだよ?」
唯「そのときは告白しない……」
紬「唯ちゃんはそれでいいの?」
唯「うん……だって先に憂のこと好きって言ってたのはあずにゃんだもん」
律「梓はどうなんだ、唯の言ってることに納得できるのか?」
梓「……」
澪「梓?」
梓「………」
唯「やっぱり駄目だよね、こんな自分勝手なこと、しかも憂は私の妹なんだし」
梓「本当に自分勝手です……」
澪「梓……」
梓「唯先輩はいつもいつもそうです」
唯「ごめんね、あずにゃん」
梓「でも、そんな唯先輩が私は好きですよ……もちろん先輩として」
律「梓……」
紬「梓ちゃん……」
梓「わかりました、唯先輩、憂をかけて勝負ですね」
唯「あずにゃん……」
梓「絶対に唯先輩が憂に告白できないようにします」
(そう言って唯に向かってニッコリと笑う梓)
唯「あずにゃーん」
―ギュッ
梓「ちょ、ちょっと、唯先輩!」
唯「うぅっ、あずにゃん、ありがとう」
梓「もう、ちょっとだけですよ」
律「いつも通りの光景だな」
澪「ああ」
紬「うふふ」
律「よーし、じゃあここからは私達は中立の立場だな」
律「二人とも日曜日まで頑張れよ」
梓「はい」
唯「がってんです」
やっぱり話してよかった
私の心は今とても晴れやかだった
私は本当にいい友達と後輩に囲まれてるんだなと実感した
でも憂は渡さないよあずにゃん
―――
それから私は憂に私を少しでも見てもらおうと家事をしてみたりもした
結果は言わなくてもわかるよね
失敗して憂に迷惑ばかりかけていた
でもこれが私らしいかな
あずにゃんも色々と頑張っていたようだった
そして決戦の前日……
―――唯の家
唯「憂、明日はあずにゃんと出掛けるんでしょ?」
憂「うん、ってあれ、お姉ちゃんにもう言ってたっけ?」
唯「ううん、あずにゃんが嬉しそうに話してたから」
憂「そっか、梓ちゃんが……」
唯「私はお留守番してるから、楽しんできてね」
憂「うん」
―――唯の部屋
唯「いよいよ明日かぁ……うぅっ、ドキドキするよー」
唯「憂に告白……できるかどうかはあずにゃん次第だけど……憂喜んでくれるかな」
唯「ギー太、どう思う?」
唯「そうだ、ギー太を弾いて気持ちを落ち着けよう」
唯「ギー太たくさんお喋りさせてあげるからね」
―――梓の家
梓「き、緊張するです……」
梓「な、何て言おうかな」
梓「憂、大好きだよ……は、恥ずかしい」
梓「憂、大好きだにゃん……これはないよね」
梓「とりあえず寝よう、明日は寝坊するわけにはいかないんだから」
梓「よし、明日はやってやるです」
梓「おやすみ」
―――
ジャンジャーン
唯「あっ、もうこんな時間」
唯「お風呂入って寝なきゃ」
―――
唯「よし、寝よう」
唯「あっ、髪乾かしてないや……まぁ、いいか」
唯「おやすみ、ギー太」
最終更新:2010年01月06日 01:39