憂「お姉ちゃん、そろそろ寝ないと明日遅刻しちゃうよ?」

唯「…」

テレビ「で、あるわけで意識下にあーだこーだ」

唯「…」

テレビ「思い込ませてこーだあーだ」

唯「……へぇ~」


唯「ういー、ちょっと来て」

憂「はいはい」

唯「いい?今から憂に催眠術をかけるよ」

憂「はいはい」

唯「憂はだんだん私にアイスをごちそうしたくなーる」

憂「…」

唯「な~る~」

憂「……ふふ、何のアイスがいい?お姉ちゃん」

唯「!!」


……

唯「というわけで、私は催眠術を使えるようになってしまったのだよ。りっちゃん」

律「…」

律「ほう」


唯「すごいでしょ。あ、お茶もらうね」ズズ

律「すっげー」ズズ



唯「りっちゃん、りっちゃん。こっち見て」

律「…うん?」ズズ

唯「りっちゃんは私を尊敬したくな~る」

律「…」

唯「な~る~」


律「唯すっげー」ズズ


唯「あ、ひらめいた!」ガタン

律「…なに?」

唯「自分に催眠術をかければさ、ブッちぎりにすごくなれるよ!きっと」

律「ああ、自己暗示ってやつ」


律「じゃあさ、どんな楽器でも使いこなせるーみたいな暗示してみなよ」

唯「いいね!軽音部だもんねそういえば!よし」


唯「…」

唯「うんたんうんたんうーんたうたたん」ボソッ

律「?!」ビクッ

唯「楽器マスターになぁ~れ!」

律「…」



律「じゃあまずドラム」

唯「…」ズンズンダムドゥドゥドゥデデデチャーン♪

律「キーボード」

唯「…」チャンチャラチャラリラリラリラーン♪

律「ベース」

唯「俺はベースは弾けねえんだ!ヘロインうめえ!」ペロペロガクガク


律「もう全部こいつ1人でいいんじゃないかな」


唯「和ちゃんにも見せに行こーーっと!」バビュン



律「本当に楽器マスターになるとは」

律「…」

律「おっぱいが大きくな~る~」

律「…」


律「まあ、肉体変化形はな」



……

唯「でね、憂もりっちゃんも私の催眠術にかかったんだ!」

和「ふーん。それよりあんたお弁当食べないの?」

唯「えへへ、今日忘れてきちゃって。あ、その玉子焼きちょうだい」

和「やよ」


唯「和ちゃんは私に玉子焼きをあげたくな~る」

和「…」

唯「な~る~」

和「…」


唯「…」

和「…」


和「あげるわ」

唯「あ、あとね、自己暗示で楽器マスターにもなったんだよ」モグモグ

和「へえ、でも暗示って結構危ないわよ。多分」

和「結局のところ思い込みってことでしょう?」パクパク

唯「そうかなあ…。あ、そのチクワかして!」


唯「…」ピーヒョロヒョローリラー♪

和「まあ、大丈夫かな…」


……

唯「憂、ただいま」

憂「おかえり、お姉ちゃん。待ってね、ご飯の支度これからなんだ」

唯「いいわよ、私がやるわ。憂は休んでいて?」

憂「!!!!」



憂「ごちそうさま」

唯「おそまつさまです」

唯「お風呂も沸かしといたから、先に入っちゃいなさいね」

憂「うん。ありがとうお姉ちゃん」


憂「…」


憂「お姉ちゃん、ちょっと来て~」

唯「はいはい、なーに」

憂「いい?ちょっと目を瞑ってて」

唯「ふふ、何かしら」

憂「いいからいいから」

唯「はいはい」


憂「…」


憂「…お姉ちゃんはだんだん眠くな~る」

唯「…」

憂「な~る~」

唯「…」


唯「…むにゃ?あ、ういおはよ~」

憂「もう、お姉ちゃんったら。こんな所で寝たら風邪ひいちゃうよ」

唯「うん、部屋行くね。おやすみぅいー」

憂「おやすみ、お姉ちゃん」


憂「…」

憂(勝手に起きちゃあ駄目じゃない、お姉ちゃん)

憂(本当のお姉ちゃんは格好よくて素敵……でも)

憂(お姉ちゃんのお世話をするのが私の生きがいなんだから…ね)

憂(もっと定期的に暗示をかける必要があるかな)



憂(……いつまでも眠っていてね?お姉ちゃん)


           完



最終更新:2010年04月18日 20:37