澪「あ、あのっ……!///」
唯「どうしたの? 頬、林檎みたいな色にして(笑) 暑い?この部屋」
澪「あっ、いえ!///」
唯「ちょっと、上着脱いじゃうね。…澪も、どう?大丈夫?」
澪「う、うん…///」
唯「…あれ?わたしの顔、なんかついてる?ずっと見つめて」
澪「」
紬「呼吸だけ一応確認しといて」
澪「」
梓「大丈夫です。息はしてます」
唯「ごめんね澪ちゃん…」
梓「大丈夫ですか澪先輩っ」
澪「」
唯「大丈夫澪ちゃん?」
澪「」
律「澪は特に、誰かと付き合うとかいう経験がないから余計にな…」
紬「あら?それならりっちゃんは、そういう経験を一度でもしたことあるの?」
律「……っ! そ、それを言うならムギだって、そんな経験あるのかっ?」
紬「私はなくていいもーん」
律「ずりぃ」
紬「ずるいもーん」
律「子供かお前は」
紬「十七だもん子供だもん」
唯「それより澪ちゃん大丈夫かなぁ」
梓「まあ呼吸はしてるしほっといたら治るでしょう」
澪「……ああ。もう大丈夫だ」
紬「おかえり」
澪「ただいま」
紬「どうだった?」
律「なにがだよ」
澪「…ピンクだった」
律「なにがだよマジで」
澪「意識が飛んでる間…ずっとピンク色の世界に取り囲まれてて…」
紬「きっと澪ちゃんの脳内世界ね」
梓「なんかやらしー」
唯「なんか色々あって疲れちゃった」
紬「もうそろそろ帰る?」
律「そうするか」
律「帰りどっか寄ってく?」
唯「アイスー」
澪「まあいいけど」
紬「肉まんが食べたいわ」
唯「この前食べて嵌っちゃったんだよね」
紬「そうなの」
梓「この時期売ってるんですかね」
律「微妙だな」
澪「それにしても、いつ肉まんなんて食べたんだ?ムギ」
紬「えっとね」
紬「先週くらい前に、唯ちゃんの家に行って」
梓「一人でですか?」
紬「ええ」
律「お呼びがかからないな」
澪「同じく」
梓「私もです」
唯「ご、ごめんねみんな」
澪「浮気者」
唯「うっ……」
紬「わたしは妻だから」
律「なんじゃそりゃ」
唯「たまたま街で会ったから、私の家に誘ったの」
紬「そしたら冷蔵庫に、肉まんがあるって言うから」
唯「チンして食べたんだよね~」
紬「おいしかったわ」
澪「ほんとムギはそういうのに弱いな」
紬「THE・庶民食品?」
律「金持ちに言われると腹立つ!」
唯「あ、アイス屋あった」
律「おいはしゃぐなやい」
唯「チョコのと、苺の乗せたアイスひとつください」
店員「はいかしこまりました」
店員(うわ格好いい)
店員(ギター背負ってる)
店員(目大きいな…睫長っ)
唯「……」
唯「あ、あの…?」
店員「あ、はい」
唯「……なんか私の顔、ついてますか?」
店員「へっ?……あ、いえ!すいません!///」
紬「こうして世の女性は着実に、遊び人
平沢唯にたぶらかされていくのね」
澪「嫌な話だな」
梓「アイス、美味しいですか?」
唯「うん。あずにゃんもほら、一舐めいいよ」
梓「…失礼して」ペロ
紬「本妻の前でいい度胸ね」
梓「にゃ」
律「なんか今日は、変な一日だったなー」
紬「吐き出しなさい」
梓「にゃひ」
澪「お前はまだいいだろ。私なんて意識飛んだんだぞ」
唯「澪ちゃんごめんね…」
澪「だからお前はそういう表情で迂闊に距離を縮めるな」
律「澪しゃんときめいちゃうだろ」
澪「そうだぞ」
唯「ごめんね…明日はヘアピンしてタイも締めるから」
紬「駄目よ」
唯「へっ?」
澪「うん。駄目だ」
唯「あれ?」
律「今のままでいいよ。全然」
唯「な、なんで?」
梓「好きだから」
唯「え、告白?」
梓「とにかく、明日はもっと練習しましょうね」
律「え、今日結構したじゃん」
紬「そうよそうよ。したわよ」
澪「黙れ」
唯「明日雨らしいよー」
律「うげー」
紬「癖毛が踊るわ」
澪「ベース濡れないようにしなきゃ」
梓「唯先輩もギター濡れないようにしてきてくださいよ」
唯「うげー」
紬「いちいち可愛い」
澪「心の中で言ってくれ」
唯「……」
唯「ねぇムギちゃん…」
紬「あら、何かしら」
唯「さっきから、可愛いとか格好良いとか好きとかバカみたいに何度も言ってくれるけどさ…」
紬「妻だもの」
唯「それって……全部冗談…?」
紬「愛してるもの」
律「話を聞けよ」
唯「ねぇ、ムギちゃん!」
紬「え? ああ、冗談なわけないでしょ?」
紬「本当に好き。愛してる。食べたい」
澪「そこまでは聞いてない」
唯「……ほんと?」
紬「ええ。本当よ」ニコリ
唯「……///」
梓「あああ~~!!!、あああ~~~!!!、せーいしゅーんのーひびよー!!!」
律「泣くな梓」
澪「次だよ次。こんなもんはな」
唯「ねえムギちゃん!私のことどれくらい愛してるっ?」
紬「ごめんね唯ちゃんそういう天使みたいな表情で距離縮められるとねさすがに私の心の臓がね」
唯「あ、ごめんね」
紬「いいのよわかってくれたらいいのよ」
律「いいなー幸せそう」
澪「見るな。直視するな。あほらしい」
梓「ほんまですわ」
澪「切り替え早いな」
律「恋とかってさ、したい?」
梓「してましたよ。数秒前まで」
律「あごめん」
澪「憧れたりはするけど、いざやろうとは思わない」
梓「恋は憧れるものでもやるものでもないです。落ちるものです」
律「なるほど」
澪「後輩に諭された…」
唯「ねえ、私のことどれくらい愛してるの…?」
紬「宇宙六個分?」
律「梓は今まで彼氏とかまたは彼女とかいたことないの?」
梓「ねーです」
澪「グレるな梓あああ私もないぞおおお」
律「私もない」
梓「律先輩はともかく澪先輩は意外です」
律「泣けるわ」
澪「なんていうか恋なんていわばエゴとエゴのアレだし」
律「肝心なとこ忘れるなよ」
紬「唯ちゃんの唇ってなんでこんなに柔らかいのかしら」
唯「私も今ムギちゃんの唇に対して同じこと思ったよ?」
澪「律は割りと、恋してみたい派だろ?」
律「うん」
澪「私は別にしなくてもいい派」
梓「私はさっきまでしてた派」
律「だから悪かったって」
梓「まあ私は律先輩の好きな人、知ってますけどね」
律「へっ?」
澪「え誰?」
律「いや…えっ?」
澪「おい誰だ」
梓「澪先輩のも知ってます」
律「おい誰だ」
澪「へっ?」
梓「……」
梓「あ~あ……恋してないのは私一人だけ、か」
律「おい誰だ」
澪「お前こそ誰だよ」
律「私のいない間になにしてんだよ」
澪「お前こそ私の見てない間にふざけんな」
律「バカ。もう澪嫌い」
澪「なんでだよもう私だって嫌いだよ。バカ」
唯「だ~れだ?」ムギュ
紬「もうっ。背中に回ってても、目をふさいでても。唯ちゃんが瞼の裏に見えちゃうわ//」
唯「愛の力、だね……///」
梓「いい加減にしてくれませんかバカ二人…じゃなくて唯先輩、ムギ先輩」
紬「バカって言った?」
梓「気のせいです」
澪「……」
律「……」
唯「あれ?なに?どうしたの?」
紬「あらあらあれれ」
梓「唯先輩とバカ先輩が二人して愛の小宇宙に旅行してる間に妙な亀裂が」
紬「あれ気のせいかな」
梓「気のせいですよ」
紬「どうして亀裂が生じたの?」
梓(…………あれもしかして私のせいか?あれ?)
梓「…わかりません。まったく、お二人の考えることは私にはよく…」
紬「…そうね。幼馴染同士。長い付き合いだからこそ細かいところで妥協てきないところとか」
唯「なるほど……でも私とムギちゃんは、その点上手くやっていこうね?」
紬「そうね。二人を反面教師にして」
梓「…可哀想な澪先輩」
律「おい私は?」
律「大体梓!お前が急に変なこと言い出したから、こんな雰囲気になったんだろ!?」
梓「にゃは」
律「おい澪!私に好きな人はいないっつの。マジで!私を信じろ」
澪「……」
律「おい澪…」
澪「私には……いるよ。好きな人」
律「…えっ」
梓「にゃはは…」
紬「なんてこと…」
唯「…澪ちゃんの好きな人はムギちゃんには関係ないよね?なんでムギちゃんが焦ってるの?ねぇ?」
紬「それは誰なの!?澪ちゃん!??」
唯「あれ私の声聞こえてる?聞こえてない?聞こえてますか?」
澪「……っ」
紬「澪ちゃん!?」
梓「律先輩でしょ」
澪「っっっ!!!!!!!!!//////」
律「はっ?//」
紬「あ、なんだ」ホッ
澪「おい梓っっっっ!!!!!////」
梓「にゃひひ」
澪「……//////」
律「……/////」
梓「大体、じれったいんですよ。二人共」
紬「同意」
梓「何年恋煩いするつもりか知りませんがね、片思いが趣味なんですか?」
紬「ちょー同意」
唯「どうい!」
梓「しゃっしゃっと告白してしゃっしゃっと付き合えばいいものを、ウジウジウジウジいつまでも小手先のアウトボクシングで…」
紬「喩えがよく…」
唯「どうい!」
紬「……」
未完
最終更新:2010年04月19日 23:49