梓「フフ……あはは……片足スキーたのし~い……」ズーリズーリ

…ペンション

律「いやぁわりぃわりぃー。あまりにも楽しくて梓の事すっかり忘れちまってた」

梓「いいです。私は片足スキーマスターになりますから」

律「だから悪かったって~」


……

唯「おこたぬくぬく~♪」

憂「お姉ちゃんみかん剥いてあげたよほら」

唯「うわ~いみかんだ!」


澪(ケロっとして……唯のやつさっきはどういうつもりで……)

律「何だ?澪まで元気ねぇな!」ポン

澪「あひゃぁっ!」

律「な~に変な声出しやがんだ、びっくりした」

澪「り、律が不意打ちするからだろっ!」

律「この程度で不意打ちたぁ……これが戦国時代なら命がいくつあっても足らねぇぜ」

澪「お前みたいなやつこそ即刻打ち首にされてるわ!」

さわ子「うっふっふっ……りっちゃんも隙ありよん」ガシッ

律「ぐわっ変態教師!?ム、ムギはどうした!」

さわ子「何か編集作業で忙しいみたい」

紬「ああ斎藤……ここは舐める様に!舐める様に撮らなきゃダメでしょ!」

和「ん~、唯と澪のキスのトコは無いのかな?」

紬「ぬあんですってぇ~!?」

唯「みかんうまい!」

梓「唯先輩、私もみかん剥きましたよ」

憂「ちょっと梓ちゃん、勝手にお姉ちゃんにみかんを与えないで!」

梓「白い繊維まで取ったのよ!邪魔しないで!」

憂「じゃあ私は薄皮まで剥くんだから!」

唯「あっもう自分で剥くからいいよ~」

梓「えっ……それじゃあこれ憂にあげる」

憂「そう?ありがとう梓ちゃん」モグモグ

梓「良く剥けてるでしょ私の」

憂「うんいやらしいよ」モグモグ


さわ子「しっかしホントに胸ないわねぇ。男の子みたい」サワサワ

律「こらっさわちゃんやめろ!マジでやめて!」バタバタ

澪「せ、先生!律が嫌がってるだろ!」

さわ子「何よう冗談よ。ちゃんとあるわおっぱいも」プニプニ

律「そういう意味じゃねえ!」

澪「おいムギ止めてくれ!お前ら付き合ってるんだろ!?」

紬「……」●REC

澪律「「何してんだぁーーー!!」」

紬「ごめんなさい身体が勝手に」

和「許してあげて。彼女は今、百合に飢えているの」

さわ子「じゃあリクエストにお応えしないとね」

律「いーやーだーっ!」バシバシ

澪「やめろっ!律をやるなら私をやれよ!!」

律「み、澪……」

紬「まあ」キラキラ

さわ子「ほう……その心意気やよし!」ギラッ

澪「ひっ!(やっぱり怖い!)」

唯「ちょっと待ったぁーーー!!」

唯「澪ちゃんとは、この私がイチャイチャする!」

澪「何言ってんだ唯!?」

さわ子「じゃあ私は誰とイチャイチャすればいいのよ!?」

憂「澪さん!お姉ちゃんから離れてください!」

梓「憂こそ唯先輩から離れなさいよ」

さわ子「しょうがない、やっぱり私はりっちゃんと」

律「落ち着け!い、異常だこんなの!」

和「そろそろ誰か構ってよ」

紬「すごい……かつてない百合連鎖だわ!」

唯「えへへー!澪ちゃんのおっぱいすりすり~!」

憂「私もお姉ちゃんにすりすり~」

梓「離れろ離れろ……」ゲシゲシ

澪「ちょやめろ唯!てか梓痛い!痛いって!」

律「おい和!助けろっ!」

和「出番ね!?分かったわ律!」

さわ子「よかろう……二人まとめて相手にしてやる!」

紬「ばっよえ~ん!」●REC


……

律「ふぅ……何とか抜け出せたな」

澪「ご飯が出来たら流石にみんな大人しくなって良かったよ」

律「呼びに来た従業員さん固まってたけどな」

澪「まあちょっと気まずかったよね」

律「全くあいつらは……まともなのは澪だけか」

澪「そ、そういう言い方はないだろ……」

律「私だってみんなの事好きだけどさ、ああいうのはちょっと引くよ」

澪「そう……かもね」

律「でもさっきは助かったぜ澪」

澪「いや助けになってなかったけどな」

律「ははっ、気持ち的に嬉しかったんだ。引っ込み思案な澪が庇ってくれてさ」

澪「あっ当たり前だろ……長い付き合いじゃないか」

律「ありがとう澪」

澪「うん……」

律「んじゃそろそろ戻るかぁ~!」

澪「ああ」


…翌日

唯「澪ちゃ~ん!今日も教えてくれる?」

澪「ああいいぞ」

唯「わ~いわ~い!お師匠様お願いします!」

澪「お師匠様って……」カー

梓「澪先輩……ついでに私もご指導願いたいのですが」

澪「うん?別にいいけど律はどうしたの?」

梓「もうあの人にはついていけません」

澪「そ、そ~か……」


……

律「うへぇ憂ちゃん上手くなったもんだね」

憂「いえまだまだおっかなびっくりやってますよ」

和「それでいいのよ。怪我でもしたらつまらないわ」

憂「ええ、下手でも楽しいですよねスキーって」

律「何か嫌味にしか聞こえん」

和「唯達はどうなのかしらね?」

律「澪も面倒見がいいよな。遊ばずに二日続けてコーチとは」

和「梓ちゃんは律が放棄したんじゃなかった?」

律「まあそうなんだけどさ」


……

さわ子「ムギちゃんまたビデオ撮影?」

紬「斎藤には任せられないの」

さわ子「ふ~ん……んじゃ滑ってくるわ」

紬「先生の勇姿も撮らせていただきますよ~」

さわ子「コケてくださいってフリ?」

紬「そ、そんなサービスは求めてませんから!」

さわ子「大丈夫よ。これでもスタントマンに憧れた事もあるんだから」

紬「ダメですって!」


……

澪「おっ何だ梓、結構スムーズに歩けるじゃないか」

梓「片足スキーマスターですから」

澪「流石に器用だな梓は。これならすぐに滑れるよ」

梓「へへっ……小回りだけは利くんです」

澪「でも転ぶ練習はしておこうな……
こう手を使わずにゆっくり膝を曲げて横向きに倒れてみて」

梓「こうですか?」ドサッ

澪「そうそう。起き上がる時もゆっくりこうするんだ」


唯「あわわわ……バ、バランスが……澪ちゃ~ん!」スルスルスルー

澪「あっちょっと唯んとこ行ってくるね!」

梓「はい(澪先輩もやっぱりいいかも)」

澪「もっとこうしてみたらいいぞ唯」

唯「う、うん……(あっ澪ちゃんとこんなに密着してる)」ドキドキ

澪「よしやってみて」

唯「はうぅ~!」ペタン

澪「大丈夫か唯?人の話ちゃんと聞いてたか?」

唯「ご、ごめんなさいボーっとしてました」

澪「しょうがないな~ふふっ」

唯「てへへ……木陰に変な人影が見えた気がして」

澪「えっえっ!?どど、どこ!どこに!?」ガクブル


……

唯「わ~い澪ちゃ~ん!」スー

梓「コツさえつかめばちょろいものですね」スー

澪「二人とも上達したな~。でも油断しちゃダメだぞ」

唯「うん!澪ちゃんも滑ろうよ~!」

梓「澪先輩じゃこのコースは物足りないかも知れませんが」

澪「いいよ滑ろう滑ろう」


憂「お姉ちゃ~んもうお昼だよ~」

唯「あっうい~」

澪「そっかもうそんな時間か」

梓「唯先輩!私の隣なら空いてますからね!」


…昼食

律「ひょお~、相変わらず美味そうな飯だぜ!」

和「よだれが出てるわよ律」

紬「……」

律「何だムギ?飯だってのに元気ないな~」

さわ子「私がわざとコケたから拗ねちゃってんのよ」

律「はぁ?頭大丈夫なの、さわちゃん?」

和「そういえばメガネ少し曲がってますね」

さわ子「ちょっと擦り傷しただけよ。こんなの怪我の内に入らないわ」

紬「ふざけないで!」

紬「わっ私がどれだけ……」ポロポロ

さわ子「ごめんごめんもうやらないって言ったでしょ?ねっ?」

紬「今度やったら私が死んでやる!」

さわ子「あはは……」

律「あははじゃねぇよ。ムギが可哀想だ」

和「悪ふざけにしてもちょっと行過ぎてます」

さわ子「はっ反省してるってば!」

紬「さっ……さわちゃんは私!私はさわちゃんなの!」

さわ子「へ?」

紬「だから勝手に危ない事とかしたらダメなんだから!」

さわ子「分かったわ!分かったから!」

紬「うえええぇぇ~~~!」ガバッ

さわ子「……ごめんなさいねムギちゃん」ナデナデ

紬「さわちゃぁん……」チュッ

さわ子「ムギちゃん……」チュッチュウッ


律「おい何してんだこら」

和「人目をはばかってよ頼むから……」


……

唯「あっもう食事出来てる~」

憂「遅れてすみませんみなさん」

梓「もうお腹ペコペコちゃん」

澪「すまない待ったか律」

律「いやある意味お腹いっぱいにされたから別に……」

和「そうね……」

澪「どうしたんだ一体?」


さわ子「早く席着いちゃいなさい。ご飯冷めちゃうわよ」

紬「私達は冷めないけど……うふふ」

さわ子「ムギちゃんたら……」

澪「……なるほど」


唯「ここにしよっと」

梓(あっ既に唯先輩の横に憂がいる!)

憂(ふっふっふっ……)

梓(しかしまだ片方残っている!そこは譲れない!)

唯「澪ちゃ~ん!ここ座ってよ!」

澪「ああ、ありがとう」

梓「えっ」

唯「わ~い澪ちゃんが隣だ~、えへへ~」

梓「……」

澪「どうした梓?私の横に来るか?」

梓「ゆ、唯先輩は私の事が好きなんじゃないんですかっ!?」

澪「なっ!(梓が唯に告白!?)」

唯「好きだよ~」

梓「それじゃ何で……」

唯「だって一番好きなのは澪ちゃんだから」

梓「!!」

澪「な、何言ってんだ唯!?」

唯「私本気だよ澪ちゃん!」ガシッ

澪「待ってくれ唯!急にそんな事言われたって……」

憂「お姉ちゃんが澪さんと……お姉ちゃんが澪さんと……」ブツブツ

梓「……」

梓(変だな……不思議と悲しくはない)

唯「澪ちゃん!私と付き合ってください!」

梓(そもそも何で私、唯先輩が好きだったんだっけ?)

澪「こ、困るってそんな!」

梓(いつも抱きつかれて勝手に自分が好かれていると思い込んで)

憂「そうよお姉ちゃん!困ってるよ澪さん!」

梓(勘違いしてのぼせ上がってただけなんじゃないの?)

唯「今すぐじゃなくてもいいから考えておいてよ」

梓(元々私が好きだったのは)

律「澪はそんなんじゃないんだって唯~」


梓(……)

澪『梓、軽音部には慣れそう?』

梓『むしろ慣れたくありません。お茶菓子食べてコスプレして……
こんな事する為に軽音部入ったんじゃないですから』

澪『ごめんな。ダラダラしすぎだとは私も思ってる』

梓『澪先輩のせいじゃないですよ。部長がああなのがいけないんです』

澪『いやあれで結構行動力があってな、頼もしい所もあるんだぞ』

梓『そうとは思えませんが……澪先輩が部長やった方がいいと思います』

澪『まあそう言うな。その内分かるよ梓にも律の良さが』


澪先輩は綺麗でしっかりしてて大人で……律先輩の事が好きな人。
初めから勝負はついてると思って諦めていた。
でも本当はずっと憧れていた……いや好きだったんだ。


……

梓「律先輩ちょっといいですか?」

律「んあ~?何だ梓?」

梓「聞きたい事があるんです」

律「なんだ~?クソ真面目な顔しちゃって……」

梓「クソ真面目な話だからです」

律「それは面倒だな」

梓「細かい事を気にするなんて律先輩らしくありませんよ」

律「ひどい……私だって繊細な乙女なのよ?」

梓「0.5秒でバレるウソはいいですから」

律「なかなか言うじゃないか梓……いや梓君」

梓「言い直す意味が分かりませんが」

律「で?用件はなんだね?」

梓「そ、それは……」

律「なんだね?早くしたまえ。こっちも予定が詰まっているのでね」

梓「律先輩は澪先輩の事が好きなんでしょ?」

律「はぁ?」

梓「友達としてじゃありません。もちろん恋愛感情で」

律「アホか」

梓「……」

律「私はお前らとは違う。大体な、澪だってそうだ」

梓「そうでしょうか?」

律「そうだよ……っていうかそれが普通だかんね?」

梓「普通……ですか」

律「梓の気持ちも分かるが、自分の感覚を人に押し付けちゃいけないよ」

梓「ハハッ……」

律「梓?」

梓「まさかこんな人に遠慮してたなんて」

律「何言ってんのお前?」

梓「もういいです律先輩分かりましたから」

律「分かったって何が?」

梓「ふふっ……律先輩、一つ忠告しておきますよ。
壊れるのを怖がっていたら何も手に入らない」

律「何のこった……」

梓「失った時に分かりますよ……では」

律「ヒントくれよヒント」


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最終更新:2010年01月05日 03:00