澪「た、確かに割り切れないな」

和「それだけじゃない。1÷7の解は0.142857142857…」

澪「!?」

和「そう、小数点の後に142857という数字が延々と繰り返されるのよ」

和「つまり142857こそ真のパスワードとなる数字」


律「くそ……!あと3分切った!時間がなさすぎる!」

澪「くっ……ここまできたのに。完全下校のチャイムがなった後に学校にいるのはまずいぞ」


和(142857…これをあのローマ字の羅列に当てはめれば……)


カキカキカキ



   jqc unafmtc rvospw zybkcef
   142 8571428 571428 5714285



和「…………ッッ!!!」



---真鍋和。今、真実への軌跡を見る……!---



和「逆流する1/7のズレ!」


和(つまり既存のローマ字を割り当てた数字分逆に読むということ……!)


カキカキカキ


   jqc unafmtc rvospw zybkcef
   142 8571428 571428 5714285


 ↓


   ima miteiru monono uragawa


和「いま みている ものの うらがわ」

和「今見ている物の裏側……」


和「そんな……ここまできてまた謎解きだなんて……」

和「今見てる物なんてそれこそ色んなものが見えてるじゃない」


律「もう残り1分でチャイムが鳴っちまう!」

澪「うぅ……ここまでなのか」

純「時間が止まればいいのにぃ!」


和「みんなが今見ている物……」


和「!!!」


ガチャガチャ


律「ど、どうした!和。椅子なんか動かして」

澪「椅子の付近も調べたけど何もなかったんだ……! 何か分かったのか!」

和「みんなが今全員固唾を呑んで見守っている物。それは【時計】よ」

和「時計の裏側に隠されてるはず!」

和「く…私じゃ少し届かないっ!澪、お願い!」


澪「わ、分かった!……くっ……えい!」

ガコッ

澪「あ……あった!」パァー


キンコーンカンコーン



「こらぁああああ、誰かまだ残ってるのか!部活動停止にするぞ!」


律「やばい!生活指導の先生だ!ダッシュで帰るぞ!」

澪「ひぃぃー」

純「あわわわ」

和「ふ……やれやれね……」クス



律「ふぃー。なんとか姿を見られずに出れたな」

澪「もう少し遅れてたら、確実に1週間は部活動停止だったぞ」ゲッソリ

律「でも……」

澪「ああ……」


純「やりましたね!和先輩!」


律「ほんと、まったくたいしたもんだ!まさか本当に見つけちゃうなんてな」

澪「尊敬に値するよ」

和「何いってるのよ// みんなが最後まで諦めないで探し続けたから見つけられたんじゃない」

純「先輩テレてる。可愛い」クス

和「ちょっと、純!」


あははははは



律「よっし、もう色々満足したけど、とりあえず戦利品はいただかないとな」

和「私は別にいらないけど……なんだかんだで十分楽しめたし」

律「なーに水臭いこといってんだよぉ~。一番の功労者のくせに」

澪「そうだよ、貰ってくれ。もちろん純ちゃんもね。遠慮しちゃだめだよ」

純「あ…ありがとうございます」


律「っしゃあ!気合入れて開封すっぞ!」

ビリリリー

澪「お、おい!中身は破くなよ!」

律「大丈夫だってー……ん?」

澪「? どうした?」

律「たしか10万円だったはずだよな、賞金」

和「そのはずだけど?」

純「たしかに言ってました」


律「なんか……1万円札1枚しか入ってないんだけど」

澪「……は?」

ハラッ

純「あ、先輩何か落ちましたよ」ヒョイ

和「なになに?『無事賞金を手に入れたみたいね。おめでとう…  」


----

『無事賞金を手に入れたみたいね。おめでとう。

 約束していた通り、みんなが持ってた10万ペリカを現在の紙幣価値に直した金額分を進呈します。

 ちなみに、10万ペリカって日本の貨幣価値に換算すると1/10なの♪

 つまり賞金は1万円ね。あ、今嫌な顔してるわね?分かるわよ~、私エスパーだから☆ミ

 ってことでもう遅いから早く帰りなさい。明日の授業遅れたら許さないからね』


----

和「……by みんなのラブリー顧問 山中さわ子……」





澪律和「………」シーン



純「ひ…ひどい!あんなに先輩方頑張ったのに」

純「私、明日先生に抗議してちゃんと払ってもらいます!」


クスクスクス



純「あれ?」


あっはっはっはっは


純「え? え?」オロオロ


律「いいんだよ、純ちゃん。もうお金のことはさ。あー…はらいてー」ククク

澪「ああ、こういう先生だって知ってるし、それに…なぁ、和」クスクス

和「ええ、そうね」クスクス


純「和先輩まで!何がそれに…なんですか!?」


和「ごめんね。純があまりに可愛かったから」クスクス

純「ほぇ!?」カァー


律「今日は純ちゃんと仲良くなれたじゃん」

澪「このことの方が私達にとってみればお金なんかよりも嬉しいことなんだよ」

和「ある意味【本当の宝物】を見つけ出せたのかもね」


純「みなさん……」ウルッ


律「本当の宝物、だってさ!くさい!くさすぎる!」ケラケラ

和「律!」カァー

澪「次回作のタイトルは決定だな」ククク

和「澪まで!…まったく」




和「大分軽音部に毒されちゃったわね……私も」

和「まぁ…悪い気分ではないわ」


律「よーし、丁度ここに1万円あることだし。更なる親睦を深めるためにパァーっと何か食べにいくかー!」

澪「そうだな」

和「ここまできたら最後までご一緒させてもらうわ」ニコ

純「あ、私いいお店知ってます!」





こうして軽音部とその仲間達の熱い戦いは終わった。


最終更新:2010年05月03日 22:09