唯「憂ー」

憂「! …どうかした? お姉ちゃん」

唯「どうして憂ってばそんなに可愛いの?」

憂「は……え!?」

憂「い、いきなりそんな…どうしたの///」

唯「それに加えて家事もそつ無くこなしちゃうし」

憂「え…あ、いや…えっと」

唯「基本スペック高いし…」

唯「大抵のけいおんSSでなんか最強だし…」ブツブツ

唯「一家に一台欲しいとか言われてるし…」

憂「……お、お姉ちゃん?」

唯「…お前はいいよなぁ」

憂「!?」


唯「憂ってもうあれだよね。存在自体反則だよね」

憂「な、なに訳の分からないこと言ってるの!?」

唯「ギターもさぁ…? 何あれ?」

唯「何であんなに簡単に弾けちゃうのかなぁ?」

唯「よく私も何でギター買ってすぐにあんなに弾けてるんだよとか言われるけどさ」

唯「あれでも陰ではお風呂入る時以外はギー太持たないなんてことはないってぐらい必死に練習した結果なんだよ? 知ってた? ねぇ、知ってた? 私の努力?」

憂「あ…えっと…その…落ち着いておn」

唯「これが落ち着いていられるか!?」

憂「本当にどうしちゃったの!?」


唯「さすがの私もマジでキレる5秒前!」

唯「はい! 1、2、3、4、5!」

唯「むきぃ~~~っ!!」プンスカ

憂(どうしよう。ツッコミが追いつかない…)

唯「そこで私は憂をいじめてやることに決めました!」

憂「何で!?」

唯「嫉妬してるからだよ!」

憂「ごめんっ、もうちょっと落ち着いてから話して! わけわかんない!」


唯「はぁはぁ…」

唯「…つ、つい興奮しすぎて取り乱しちゃったよ」

憂「だ、大丈夫?」

唯「あー、またそうやって優しくしようとする! ほんと嫌になっちゃうよ」

憂「いや、そこは人として当然のことでしょ!?」

唯「やめてよ! 一々私の言うことに的確にツッコミ入れてくるの!」

憂「じゃあお姉ちゃんはさっきから私に何を求めてるの!?」

唯「……んー」


唯「察してよっ」

憂「分からないよ!?」


唯「とにもかくにも」

唯「私は憂をいじめることにしたんだからね!」

唯「せいぜい覚悟してなよ!」

タタタタタ…

憂「行っちゃった…」

憂「お姉ちゃん。どうしちゃったの…」

prrr…

憂「あ、お姉ちゃんから電話」ポチッ

憂「もしもし、お姉ちゃn『憂の母ちゃんでーべそ』ガチャリ

憂「……」

憂「…色々と心配になってきたよ」



つぎのひ!

憂「…ということが」

梓「……」

梓「なんていうか」

梓「…困ったね」クスッ

憂「うん…」

梓「あはは」

梓「…唯先輩のことだしなぁ」

憂「うーん…」

憂(和さんにも相談してみようかなぁ


和「唯が?」

憂「何か心当たりとかありませんか?」

和「そうねぇ…」

和「…んー」

和「あ」

憂「!」

憂「知ってるんですか?」

和「……」


和「いや、唯だからかなぁって」

憂「え?」

和「だから、唯は唯じゃない?」

和「つまり…そういうことじゃないかしら?」

憂「??」

憂「それじゃあ納得できません!」

和「んー、そう言われても」

憂「だっていきなりあんなこと…気まぐれで始まる問題じゃないですよっ」

和「うーん…そうなんだ。じゃあ私そろそろ生徒会いくね」

憂(面倒くさくなって逃げた!?)


憂「…はぁ」

憂「どうしちゃったんだろ…お姉ちゃん」

生徒A「平沢さーん」

憂「え?」

A「平沢さんのお姉さんがさっき教室に来て…。それでこれを渡してって…はい」

憂「あ、うん。ありがとう……手紙?」

憂(お姉ちゃんから…何だろ?)ガサガサ

『憂へ むらさきかがみ 追記:20歳までに忘れてなきゃ死ぬ』

憂「……」

憂「私を殺しにかかってる…」

A「え?」


憂「なんだかショックだよ…予想以上にツラい…」グスン

A「よ、よく分からないけど元気出して!」

純「どうしたー?」

A「私もよく分からない…」

純「は?」

憂「純ちゃん…」

純「う、憂!? 何で泣いてるの!?」

憂「お姉ちゃんからこんな手紙を…」チラ

純「むらさき…あー、昔そんなの流行ってたっけ。で、それが問題あるわけ?」

憂「分からないの!? これはお姉ちゃんが私を間接的に殺そうとしているってことなんだよ!? どうしよう…! もう私二十歳までにこの言葉を忘れることができなさそうだよ…ううっ」

純(なんかかわいい…)


純「ただの悪戯でしょ?」

憂「どうなのかな…」

憂「だって昨日、お姉ちゃんが私をいじめるって突然言ってきたんだよ?」

純(いじめることを事前に直接本人に話すのって…)

純「憂のお姉さん…唯先輩だっけ? ほら、あの人って色々と普通じゃないじゃん! きっと悪戯かなんかだよ」

憂「うう…」

ガチャリ

唯「たのもー!」

純(まさかの当事者登場!?)


唯「平沢憂はいるかなぁ?」

A「そこにいますけど…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「ふふーん! 予想通り、手紙のダメージは大きかったようだね!」

憂「何で、こんなことするの?」

唯「それは昨日言ったでしょ」

純「あの…」

唯「おっとー、部外者は口を挟まないで!」

純(まだ何にも言ってないけど!?)

憂「…今度は何をしに来たの?」

唯「ん? ただ、憂のその無様な姿を笑いに来ただけだよ」

唯「わっはっはー!」

憂「くっ…」

純(ああ、暇なんだこの人)


唯「さてと」

唯「十分笑わせてもらったし、そろそろ帰るとするよ」

憂「……」

唯「この程度でこんなにダメージが大きかったらこの先、憂はどうなるだろうねぇ」ニヤリ

憂「ひっ」

純(この状況…私は一体どうすれば…)

唯「それじゃあね」ガチャリ

憂「……」

憂「…ぐすっ」

憂「えーん! ひ、ひどいよぉっ…おねえちゃぁぁん!」グスングスン

純「憂!?」


その後、唯の憂へ対するいじめはエスカレートしていく…

憂「……」テクテク

唯「……」ソローリ、ソローリ…


唯「えいやっ」ヒザカックン!

憂「きゃあ!?」カックン!

唯「きゃははははは!」スタタタタ…

憂「……ううっ」


憂「……」テクテク

ガチャリ

憂(あれ? 下駄箱の中に何か入ってる)

憂「…ん?」

憂「!」

憂「ね…猫の…」







憂「……ぬいぐるみ…」





自宅ですらもちろん…

憂「あ、あれ?」

憂「洗濯物が全部たたまれてある…」

憂「! まさか…」

唯「ふっふっふ…」

憂「お、お姉ちゃんっ」

唯「残念だったね。憂! 私が全部たたんじゃったよ!」

唯「憂の楽しみの一つでもある洗濯物たたみを…この私が! ふっふっふ!」

憂「うう…」


憂(そろそろお風呂沸かさなきゃ)

憂「って、あれ!?」

憂「もう沸かしてある…ま、まさか!」

唯「そう、私がやったんだよ」

唯「私好みの熱さでいれちゃったからね!」

唯「せいぜいゆっくりとお湯につかって、今日の疲れを落とすといいよ!」

唯「あはははは!」

憂「あうっ…」


憂「…お風呂は後で入るとして、ご飯作っちゃおうかな」

唯「ふふっ」

憂「…まさか」

唯「そう、出前をとったよ」

憂「お、お金が勿体ないよっ!」

唯「ふん、憂のは勝手に私が選んどいたから」

憂「そ、そんな…」


憂「ということが続いて…」

純「え」


唯「さてと」

紬「あら、また憂ちゃんのところに?」

唯「そーだよ」

律「お前も頑張るよなー」

唯「まぁね」

律「応援はしておく」

唯「りっちゃんってば優しい!」

澪「…優しいのは唯のほうだよ。ほんと妹思いというか」

唯「…えへへ~それじゃ、行ってきます!」



純「よく考えてみて、憂。それっていじめじゃないよね」

憂「ううん…もう私のハートはボロ雑巾のごとくずたぼろだよ…」

憂「はぁ…お姉ちゃん…」

純「元気出してよー」

純「あー、梓も何か言ってあげて?」

梓「うーん、パスかなぁ…」

純「ぱ、パスって」

梓「唯先輩は唯先輩で色々頑張ってるんだよ」

純「色々って…頑張るベクトルがおかしいじゃん!?」

梓「あはは」ガタッ

純「どこ行くの?」

梓「部室に」テクテク

純「…行ってらー」


憂「…はぁ」

純(ここは私が一肌脱ぐとしますか)

純「憂!」

憂「っ!?」ビクッ

純「唯先輩に言いに行こう! こんなことやめてって」

憂「え! で、でも…」

純「いつまでもウジウジしてても仕方がないでしょ!? 何もしないよりましっ」

憂「うーん…」

純「ほれ! いくぞ!」グイグイッ

憂「ちょ、ちょっと純ちゃんっ」

純(なんか今の私目立ってる! すっごく目立ってる気がする!)


梓「……」テクテク

梓「あ」

唯「あ」」

梓「…ほんとに゛あれ゛やってるんですね」

梓「正直もっと他の…」

唯「ノンノン!」

唯「゛これ゛がいいんだよ。あずにゃん!」

梓「…ほんとにそうなんですか?」

唯「……」

唯「や、やってみなきゃわからないよっ」

梓「はぁ…まぁ、頑張ってみてください」


ガチャリ

純「失礼しまーす」

律「ん?」

澪「あれ、たしか前に軽音部を見学しに来た子…と憂ちゃん?」

紬「いらっしゃい。何か用かしら?」

純「あの、唯先輩はいらっしゃいますか?」

紬「唯ちゃんなら確か…」

律「憂ちゃんのとこに向かった…って、あ~、すれ違っちゃったね」

憂「きっと、また私をいじめようとしていたんだ。………はぁ、鬱だ…鬱だよ…純ちゃん…」

純(憂が萎れてる…)


律「唯に何か用だった?」

純「実は憂が唯先輩にいじめられているそうなんです」

憂「じゅ、純ちゃんっ」

純「言っておいたほうがいいでしょ」

紬「いじめ…」

澪「あー」

律「…えっとな」

憂・純「…?」

律「あのね、こういうのもなんだけどさ。憂ちゃん、何も言わずに唯に付き合ってあげてよ」

憂「ど、どういうことですか?」

律「んー、近いうちに事情知ることになるかもしれないからさ。とりあえず、な?」

憂「…?」


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最終更新:2010年05月09日 23:39