律「・・・いいよ。わかった」
澪「・・・///」
律「それじゃ、軟骨開けるぞ?」
澪「あぁ、頼む」
律「・・・」
プツ・・・
澪「ったぁ・・・」
律「動くなよ?今、皮膚に穴が開いたところだ。この後、軟骨に穴が開いて、その後ろの皮膚に穴が開いて・・・それで貫通だ」
澪「そっか・・・耳たぶみたいにすんなりはいかないんだな・・・」
律「そうだよ、ほら。我慢して」
律(本当はすぐに終わるんだけどな)
律(出来るだけ長くこの感触を味わっていたいんだ・・・ごめん、澪)
ツツ・・・
澪「!?」
律「ほら、動かない」
澪「いったぁ・・・!」
律「あぁ、今軟骨イったと思う。あとは裏の皮だけだから、もうちょっと我慢な」
澪「りつぅ・・・痛いよ・・・」
律「・・・!」ゾクッ
律(・・・私、痛がってる澪に興奮してないか?)
律(いや、まさかな)
律(おっと)
律「おい、澪。目瞑った方がいいな」
澪「へ?なんで?」
律「いいから。ここで暴れられたら大変だ、早く」
澪「な、なんだよ・・・いった・・・」
律「目、瞑った?」
澪「あ、あぁ」
律「了解」
律(・・・ニードルが注射器みたいに中が空洞になってるのすっかり忘れてたよ)
律(・・・まさか、その中から血が垂れてくるとはな・・・)ゾクッ
律(まただ、またゾクッて・・・私、サドなのかな)
澪「律・・・早く・・・痛いよ」
律「」ゾクッ
律(絶対そうだ)
ツツツツ・・・
律「っよし」
澪「へ?」
律「澪、貫通したよ」
澪「本当か?」
律「あぁ、あとはピアスをスライドさせて終わりだ」
澪「は、早くしてくれ・・・」ブルブル
律「・・・澪、なんか顔色悪いな?」
澪「そうか?なぁ、目・・・開けていいか?」
律「うーん、ピアスつけ終わるまで駄目」
澪「なんだよ・・・」
律「いいからいいから」
澪「わかったよ」
ツツツツ・・・
澪「いったぁ・・・ん・・・」
律「よし、終わり」
澪「ピアスついた?」
律「あぁ、似合ってるよ」
澪「そっか・・・///」
律「目も開けていいよ」
澪「うん」パチッ
律「えっと、鏡どこやったっけ・・・」キョロキョロ
澪「なぁぁぁぁ!?!?」
律「!?ど、どうしたんだ!?」
澪「なななななんだよ、この血!!」
律「え、えーと、あははは」
澪「もしかしなくても、これ・・・私の血か?」
律「まぁ、そうとも言う」
澪「そうとしか言わないだろ!?」
律「えーと、ごめん」
澪「こんなにたくさん・・・」サァー
律「おい、さらに顔色が悪くなったぞ?」
澪「当たり前だ!」ガツンッ!
律「いってー!?」
澪「全く・・・」
律「澪しゃん?」
澪「なに?」
律「耳から流血させながら怒っても説得力にかけましゅよー?」
澪「へ?」サワッ
ベタァ・・・
澪「んな・・・!」
バタン
律「!!おい!澪!?大丈夫か!?」
数週間後、放課後、屋上にて
律「・・・」クー
澪「・・・」スースー
ガチャ
紬「あら、こんなところにいたのね」
紬「二人とも手繋いだまま寝るなんて・・・本当に仲がいいんだから」クスクス
紬「一時はどうなることかと思ったけど」
紬「タバコなんかにも手を出す様子はないみたいだし」
紬「二人が不良になっちゃうかもしれないっていうのは私の杞憂だったようね」
紬「それにしても、同じ位置にピアスしてるって気づいた時はビックリしたわ。もう・・・二人ったら///」
紬「澪ちゃんにとってピアスはりっちゃんの心を縛り付けるための手段に過ぎなかった、ということかしら」
紬「よいしょっと」ソッ
紬「りっちゃんは澪ちゃんが好きで、澪ちゃんはりっちゃんを手放したくない」
紬「それならそれでいいじゃない」
紬「・・・」
紬「私もピアス開けようかしら、なんてね」クスクス
紬「それじゃね、風邪引かないようね」
バタンッ
部室
唯「ねーねー、りっちゃんと澪ちゃんって同じところにピアス開けてるよね」
梓「そうですね」
唯「あれ、どう思う?」
梓「うーん、いいんじゃないですか?澪先輩もまんざらじゃない様子ですし」
唯「うんうん、愛には色んな形があるよね」
梓「そうですね、でも・・・」
唯「でも?」
梓「あれは結局どっちの勝ちなんですかね?」
唯「何が??」
梓「自分の体を犠牲に律先輩の心を繋ぎとめようとした澪先輩と、
欲望のままに澪先輩を傷つけた律先輩と・・・」
唯「きっとそういうのじゃないよ」
梓「?」
唯「勝ちとか負けとかじゃなくて、りっちゃんは澪ちゃんにそうしたかっただけで、
澪ちゃんはりっちゃんにならそうされてもいいと思っただけ。それだけだよ」
梓「・・・それもそうですね」
唯「でもね・・・私ね、りっちゃんの気持ちちょっとわかるんだ」
梓「唯先輩までSですなんて言わないでくださいよ?」
唯「あはは。そうじゃないよ、あずにゃん」
梓「本当ですか?」
唯「うん。好きな子には自分のものだって証、残したくなるよねって話」
梓「それ思いっきりドSの発想じゃないですか!?」
唯「・・・あずにゃん」
梓「なんですか?」
唯「ピアス、開けたいと思わない?」
律「んー・・・!」ノビー
澪「ん・・・ん?」
律「澪ー?ほら、もう4時だぞー?」ユサユサ
澪「へ?あ、あぁ。もうそんな時間か・・・」ノビー
律「あ、あれ?」
澪「どうした?」
律「手紙だ」
澪「手紙?」
律「・・・ムギからだ」
今日のお菓子はマドレーヌよ。
二人が来るの、待ってるからね。
ムギ
律「あちゃー、結構待たせちゃったな・・・」
澪「よし、急ぐか」
律「おう!」
澪「あ、待って律!」
律「なんだよ」
澪「その、今度・・・拡張、するんだよな?」
律「あぁ。ドコまで広げようか?6Gくらいがいいかなって思うんだけど」
澪「そうだな。00Gまでいくとどこかの民族みたいだしな」
律「あぁ。もちろん私にさせてくれるよな?」
澪「あ、当たり前だろ・・・///」
律「よっしゃ!・・・澪ー?」
澪「ん?」クルッ
チュッ
澪「ばか、そういうことは耳じゃなくて口にしろよ・・・///」
律「仕方ないだろ、澪の耳が可愛かったんだから」
澪「ばーか///」
律「よっす!」
唯「あ!りっちゃん!澪ちゃんも!」
澪「ごめん、待たせたな」
梓「どこ行ってたんですかっ」
律「ちょっとなー」
紬「うふふ」
澪「ムギも、わざわざごめんな」
紬「いいのよ。いいもの見せてもらったし」
律澪「?」
梓「もー、早くお菓子食べましょうよー」
おわり
最終更新:2010年05月11日 23:43