食休み後!


紬「お風呂です!」

紬「露天風呂です!」

紬「すっごいいい眺めです!」

紬「極楽極楽です!」

紬「……」

紬「紬ちゃん、胸大きくなった?」モミモミ

紬「う、ひゃあん…あん」

紬「うふふ、お返しよ!」モミモミ

紬「ちょ、やめ…あん」

紬「はあ……」キラキラ


紬「いいお風呂だったわ♪」

紬「さあて、寝床の準備をしましょうか」

紬「もうクタクタ~」

紬「れ・ん・し・ゅ・うは?」ニコ

紬「私もう疲れちゃった、テヘ」

紬「もう、そんなんじゃ学園祭どうするの?」

紬「やりましょう皆!」


紬「ポロロンポロポロポロローン」

紬「う~んいい感じ」

紬「さっきのは今までで一番よかったんじゃない?」

紬「でもやっぱりキーボードだけじゃ…」

紬「皆それぞれ違う音にしたりしてみない?」

紬「いい考え♪」

紬「今まで思いつかなかったのが不思議」

紬「たしかに」


紬「いっぱい練習したね~」

紬「よし、休憩しましょう」

紬「……そうだ!皆、ちょっとまって」

紬「どうしたの?ムギちゃん」

紬「今日はこれを見ようと思って、部室から持ってきたの」

紬「……ビデオ?」

紬「そう、これは昔の軽音部…つまりは先輩方の学園祭ライブの様子を写したビデオなの」

紬「へえ~面白そう!」

紬「はやく見ましょう!」パア

紬「あらあら、ちょっと落ち着いて。今セットするからね」


紬「わくわく、わくわく」

紬「再生っと…」

ジャジャン!!

こんにちわ~放課後*****ムでーす!

今日は皆来てくれてありがと~う!それでは一曲目、ふわふわ時間!

紬「……え?私が映ってる?」

紬「これは、どういうことなの紬ちゃん」

紬「それにふわふわ時間って、私達の曲?」

君を見てると、いつもハートドキドキ~!揺れる想いはマシュマロみたいにふ~わ、ふわ

紬「このボーカルの子…知ってる」


軽音大好き~~!

紬「ボーカルの子だけじゃない、ベースの子もドラムの子も皆知ってる……」

紬「でも、名前が思い出せない。どうしてかしら」

紬「……そう、あなたは思い出しはじめたのね?」

紬「……」

紬「……」

紬「どういうこと?」

紬「それを聞いてしまっていいのかしら?」

紬「なんか怖いよ、紬ちゃん」


紬「ここでお別れね…」

紬「とうとうこの瞬間がきてしまったのね」

紬「後はあなた次第よ、がんばってね。紬ちゃん」

紬「それって、どういうことなの?どうして私がビデオに映ってるの?」

紬「……」

紬「……」

紬「なんで、皆黙ってるの?教えてよ!!」ウル

紬「……放課後*****ム」

紬「え?今なんていったの、ムギちゃん?」

紬「……放課後***タイ*」

紬「放課後、たくあんタイム?」

紬「さようなら…」


その言葉を最後に皆消えてしまった……そう、まるではじめからいなかったかのように。

一人取り残された紬はただただ涙を流していた。

紬「……練習しよう」グスン

紬「ハニィースウィートティータイム」

ポロンロンポロンロン♪


―――――――

一人の少女が奏でる切ない音色ときれいな歌声が広い別荘内に響き渡る。それはまるで世界の終焉のような光景であった。

紬「……何やってるのかな、私」

紬「今日は寝ましょうか」


飛びに飛んで学園祭!!

紬「いよいよ今日が学園祭……がんばりましょう」

それでは次は軽音部琴吹紬さんによる、キーボード独奏です!!

ワーワー、イエーイ!!ええ一人?、誰あの子

紬「……」

紬「こんにちは、軽音部キーボード担当の琴吹紬です。それでは一曲目、ハニィースウィートティータイム」


♪~♪~♪~

紬「……」

パチパチパチパチパチ

紬「続いて2曲目、ふわふわ時間」

ヒューヒューいいぞいいぞ!

シーーン………

あれ?あの子なんか様子がおかしいわ ザワザワ


紬「うう……グスヒック」

あれ?泣きだしちゃったぞ?どういうことだ? ザワザワ

紬「弾けないわ……独りじゃ弾けない」

紬「うっうわああああああああああん」



―――――何泣いてんだよ?ムギ



  ―――――ムギちゃん、元気だして♪


   ―――――私達抜きでライブにでるなんて、そんな悲しいことするなよ


    ――――――そうですよ。ムギ先輩。さあ涙を拭いて……


紬「ヒック…グス、え?み、み、んな?」


お、おい!なんか人が増えたぞ! ザワザワ



――――こんにちはー放課後ティータイムでーす!それではあらためましてメンバーの紹介をしたいと思います!

まずは私、ギター&ボーカルの平*唯です! そしてこちらの黒髪美人さん、ベースの秋山*~! 後ろにいらっしゃるおでこの広いこの御方…ドラ~ムのぉ*井中律~!!

私達の唯一の後輩、リズムギター、中野*~!!

イエーーーイ!!ヒューーヒューー!!

そして最後、キーボード担当!――――――――――

――――――――――


   ――――――――――


     ―――――――――― 社長!社長!琴吹社長!



―――――――――――――


夕暮れ時のとある高層ビルの一室にて


女「お目覚めですか、琴吹社長。」

紬「長い夢を見ていたわ…そう、とても不思議で懐かしい夢」

・・・・・・・

女「お疲れですか…穏やかな寝顔でしたよ」

紬「あら、恥ずかしいところを見せたわね。ねえあなた、放課後ティータイムってご存知かしら?」

女「それはもう!、今から約20年ほど前に一躍時の人となった伝説のガールズバンドですからね」


女「同じ大学のサークルで組んだバンドだそうですね。ギター&ボーカルのYUI、同じくギターのAZUSA、ベースのMIO、

  ドラムのRITU、そしてキーボードの"AKANE"」


紬「ウフフ、詳しいのね。ごめんなさい、あなたってそういうことには疎いと思ってたから」

女「……母がよく聞いていましたよ。幼き日の私も母の影響で熱狂的なファンだった時期もありましたね」


女「私はエリート街道まっしぐらでしたから…大学のサークルで軽音楽なんて青春をおくることもなかったですね」

紬「……」

紬「あの子達がそう、当時高校生…まだアマチュアだったころの話よ。私ねえ、HTTのメンバーだったことがあるのよ」

女「えええ!?それは初耳ですよ。そんなことをよくご親族の方が許してくれましたね」

紬「ウフフ、驚くのも無理はないわね。なんてったって当時は琴吹財閥の令嬢、今や父様の後を継ぐ身ですものね」

女「……もしや、いつも机に大事に飾ってたあの写真に写っているのはお嬢さんではなく」

紬「この写真は私の執事から娘の写真として送られてきたもの。気をきかせたんでしょうね、私は思い出を封印するためにすべて忘れることにしたのだから…

  そうよ、これは私の娘ではなく私自身とHTTのメンバー」

女「でもこれまるで別人じゃないですか…これでも私はHTTを追っかけてたことがあるんですよ」

紬「大学に行ってから私を除いて皆別人のように変わってしまったからかしらね…気付かないのも無理はないわ」


紬「ひょんなことから私は高校で軽音部に入部したの。そこであの子達に出会ったわ。

  私はキーボードと作曲を担当してたわ。とても楽しくて忘れるはずのない輝かしい毎日……

  高校卒業後、父親の後を継ぐために経営学を学びに私だけ違う大学に進んだわ。それも海外の。それからはすっかり付き合いがきれてしまって…」

女「それで日本に帰ってきた時には、すでに…」

紬「大学で知り合った、新メンバーのキーボード担当三浦茜さんが加わってHTTはプロデビューを決めていたの。…まったく驚いたわ」

女「それは、とても誇らしいこととともに寂しさも覚えたのでは?…」

紬「ええ、そうね。私が日本に来てまず帰るべき場所が無くなるとともに、あの子達に空いた隙間はいつのまにか埋まっていた…

  私はそこで高校時代のすべての思い出を心の奥に閉じ込めることにしたわ。悲しくて寂しくて何より悔しかった。これもこの家に生まれた宿命かしらってね。

  日本に帰り仕事に専念するためにも何もかもを吹っ切って、すべて忘れることにした………

  でも茜さんはとても素敵な方だと聞いているわ。だってあの子達の……唯ちゃん達に認められた人なんですもの」


紬「どうして今まで忘れていたのかしら…あの子達の笑顔を。放課後の楽しいティータイムを。学園祭ライブでのあのたくさんの人達から送られてくる声援を」

女「社長……」

女「いい笑顔ですね、この写真。今にも聞こえてきそうですよ。放課後、楽しく練習している様子が」

紬「ウフフ、本当に懐かしいわね…」

紬「ねえ、次の商談までは後どのくらいの時間があるかしら」


女「20分ほどありますね」

紬「もっと詳しく聞きたいかしら?いいえ、語らせてちょうだい」

女「喜んで聞きますよ」

紬「それじゃあ始めるわよ!」  




―――――キーボード担当!お菓子の目利きはお手の物!しっとりノリノリ天然系お嬢様!琴吹紬の青春秘話のはじまりはじまり♪




お  わ   り



お ま け ?


唯「放課後うんたんタイム」
ガチャ

唯「おい~ス」

唯「あ、唯ちゃんおい~ス今日も元気いいね」

唯「今、お茶いれるね~っとととあちち!!」

唯「お菓子はお菓子は~」

唯「え?唯ちゃんが持ってくるのかと」

唯「私もってきてないよー」

唯「ええー食べたい食べたい」

続かない
なんかふえたの人にはかなわない






最終更新:2011年10月13日 21:22