紬「(さっきよりだいぶ気持ちが落ち着いた…。)」
紬「(やっぱり唯ちゃんちは暖かい…。)」
紬「(ずっとここにいれたらいいのに…)]
紬「(…だめ!ここは私の家じゃ無いんだから…。)」
紬「(仕事…見つかるかしら)」
唯「ムギちゃん、寝よう」
紬「ええ、おやすみ」
唯「…ねぇムギちゃん」
紬「ん?」
唯「ムギちゃんは、ずっとここにいないの?」
紬「そうねぇ…いたいけど、無理だよ」
唯「どうして?」
紬「ここは、私の家じゃないもの」
唯「でも、ムギちゃんちは…。」
紬「無くなっちゃったわ…。でも、どこかに暮らすと思う」
唯「どこか?」
紬「場所は分からないけど、どこかに」
唯「やだよ…ずっとここにいてよ」
紬「ごめんね、唯ちゃん」
唯「ムギちゃんが寂しくなっちゃうもん」
紬「私は大丈夫。きっと寂しくないから」
唯「私が寂しいもん」
紬「唯ちゃんには、軽音部があるじゃない」
唯「キーボードの無い演奏なんて、寂しいよ」
唯「それに、みんな寂しがるよ」
紬「お菓子も紅茶も持っていけないから…分からないわ」
唯「だって、ムギちゃんは必要な子だもん!!」
唯「りっちゃん言ってたよ?」
唯「本当は合唱部希望のムギちゃんが、軽音部に入ってくれたって」
唯「澪ちゃんも言ってたよ?」
唯「ムギちゃんが曲を作ってくれるから、私は歌詞を書けるって」
唯「あ…あずにゃんも、言って、たよ」
唯「ムギ、ちゃんは、いつ、いっつも、優しくて、私の、憧れだって」
紬「唯ちゃん…」
唯「ひっく、私、だって、ムギちゃん、いないと、ヤダもん!!」
紬「唯ちゃん…泣かないで」
唯「ムギちゃんも、泣かないで」
唯「ごめんね、私が泣いちゃだめなのに」
紬「いいの、唯ちゃんは優しい子だから」
唯「ムギちゃん」
紬「ありがとう唯ちゃん」ぎゅっ
よくあさ!
唯「ふあぁ…ムギちゃん、おはよう…」
唯「あれ?…ムギちゃん?」
唯「ムギちゃん!?」
憂「お姉ちゃんただいまー…?」
唯「憂っ!ムギちゃん知らない!?」
憂「え?知らないけど…」
唯「ちょっと探しに行ってくる!!」
憂「あ!お姉ちゃん!?」
唯「(ムギちゃん…どこいっちゃったんだろう…!?)」
憂「行っちゃった…。」
憂「…あれ?置手紙?…紬さん!?」
唯ちゃん・憂ちゃんへ
二日間だけだったけどありがとう
とても暖かく、素敵な家にいられて、私は幸せでした
憂ちゃん、お世話になりました
憂ちゃんの作る料理はとてもおいしかったです
突然来た私を快く受け入れてくれて、嬉しかったです
唯ちゃん、ありがとう
唯ちゃんが私のせいで泣いてしまったこと、反省しています
心の優しい唯ちゃんは、きっと私を探そうとするよね?
でも、どうか、探さないでください。
私は、唯ちゃんから離れるけれど、唯ちゃんには帰る家があります。
だから、唯ちゃんは帰るべき場所で、笑っていて下さい。
紬より
唯「ムーギーちゃーん!!」
唯「どこいっちゃったのー!?」
唯「ムギちゃーん!!」
律「?唯、何叫んでるの?」
唯「あ、りっちゃん!ムギちゃん見なかった!?」
律「え?見なかったけど…。」
唯「どこいっちゃったんだろう…」
律「ムギがどうかしたの?」
唯「朝起きたら、ムギちゃんがいなくて…。」
律「え!?」
唯「だから探してるんだけど…。」
律「もしかして…お父さんのお墓とか…?」
唯「!!」
そのころ!
紬「…お父さん…本当のお父さんじゃなかったんだ…。」
紬「私がよその子だって事、お父さんは知ってたの…?」
紬「それとも私がお母さんのお腹にいる事を知ってても、お母さんを愛したの?」
紬「…お父さん…。」ぐすん
唯「でもりっちゃん!」
律「なんだよ!?」
唯「私、ムギちゃんのお父さんのお墓知らないよ!!」
律「え!?ムギ、前に言ってたじゃんか!!」
唯「そうだっけ…?」
律「ほら、あっちをそっちにいって右に曲がってそのままだから!」
唯「分かった!ありがとりっちゃん!!」ダッ
律「やれやれ…」
唯「(ムギちゃん…!お願い、どこにも行かないで…!!)」
紬「お父さん、私ね、大好きな友達がいるの」
唯「(ムギちゃん…!)」
紬「とっても可愛くてね、面白くって」
唯「(あった、ここだ!!)」
紬「優しい子なの」
唯「ムギちゃん!!」
紬「…唯ちゃん!?」
紬「どうしてここに…。」
唯「だって、ムギちゃん、いなくなっちゃったから…」
紬「ごめんなさい…。」
唯「帰ろうよ!」
紬「嫌!!」
唯「何で!?」
紬「もう唯ちゃんちに迷惑はかけられない!!」
唯「だめだよ!また昨日みたいに酷い目にあっちゃうよ!」
紬「でも…!!私にはもう家は無いもの…。」
唯「家が無くても、ムギちゃんはいるもん!!」ぎゅっ
紬「唯ちゃん…」
唯「帰ろう!」
紬「…ごめんね、それだけは嫌なの。ダメなの。」
唯「…なんで?」
紬「…私、家が見つかったの。」
紬「家賃がすごく安くて…近くで仕事できる場所も見つかった」
紬「でもね…お仕事するから、高校は退学しなきゃいけないの」
唯「え…」
唯「ムギちゃん、高校やめちゃうの?」
紬「うん…。」
唯「軽音部も、やめちゃうの?」
紬「みんなと離れるのは寂しいけど…。」
唯「でも、ムギちゃん」
紬「大丈夫。仕事場で、きっと新しい居場所が見つかるわ」
唯「ムギちゃん…」
紬「唯ちゃん。…笑って?」
唯「うう…うっ…」
紬「…ごめんなさい唯ちゃん」
唯「ひっく…やだ…ムギちゃん…」
紬「唯ちゃん、大好きよ」
唯「…私もだよ」
紬「唯ちゃん、暖かい」
唯「ムギちゃんも暖かいよ」
紬「唯ちゃん」
紬「私の事、忘れないでね」
唯「…忘れないよ」
紬「…さよなら、唯ちゃん」
唯紬「大好き」
いっしゅうかんご!
唯「ムギちゃん…」
律「ムギ…元気でやってるかなぁ…」
澪「キーボードも、ホコリかぶっちゃったな…」
梓「ムギ先輩…。」
ムギちゃんが退学して1週間
私達は、一人いなくなった軽音部にいた
唯「ムギちゃん…寂しくないかなぁ」
唯「(無理して笑ってないかなぁ…心配だよ…。)」
部室の隅っこにおかれたキーボードは
寂しそうにホコリを被っていた
唯「…会いたいなぁ」
ぶかつご!!
律「唯、窓閉めよろしくな!」
唯「うん…。」
今日の空は綺麗な茜色だ
ムギちゃんも、この空の下にいるんだよね
唯「…キーボード…弾いてみようかな」
ポーン
唯「綺麗な音…」
ポーン
唯「うっ…ひっく…」
鍵盤に涙が落っこちる
泣いてたムギちゃんみたいに
唯「ムギちゃん…。」
キーボードをゆっくり、1音ずつならしていく
「唯ちゃん」
と、声が聞こえた気がした。
唯「えっ!」
唯「…いないよね…。」
唯「ムギちゃん…。」
キーボードにぼたぼたと涙が落ちる
ムギちゃんの声が、幻聴だと分かった時だった。
「だーれだ?」
唯「…?」
目の前が、真っ暗になった
暖かい手の感触が離れる
そこには、暖かい茜色の
大好きな笑顔があった
終わり。
補足 ※反転
※>>233 「でもなんでムギちゃん犯したし」
そういう事を全く知らないムギが怖い体験をして唯の愛情を感じる場面
お母さんとかの複線回収…のつもりでした。
最終更新:2010年07月08日 22:20