唯「あずにゃん、私先に入ってるからすぐに来てね~♪」ヌギヌギ

憂「あ、お姉ちゃん!洗濯物脱ぎ散らかしちゃダメだよ~」

唯「へへ、ゴメンゴメン!じゃあお先~」タタッ

憂「もう、お姉ちゃんってば……///」

律(唯のおかげで少しは憂ちゃんの怒りも収まった、か……?)

梓「……」

律「どうした梓?」

梓「ゆ、唯先輩がはいていたストッキング……」ハアハア

律「おいやめろ」

梓「ちょっとだけですから!ちょっとクンカクンカして、頭から被ってペロペロするだけですから!」

律「全然ちょっとじゃねえよ!やめろ変態!」

憂「あ・ず・さ・ちゃん?」ニコォ…

律・梓「!?」ビクウッ

梓「唯先輩を待たせると悪いので、もう行きますね!」ダッ

律「あっ、おい!」

憂「……」ゴゴゴ…

律(こんな状態の憂ちゃんと二人っきりにするなよ~!)



律「ふう、やっと落ち着いた……」カポーン

律「梓のやつは唯と一緒に風呂入れてご満悦だったけど」

梓『至福の時間でした……///』

律「憂ちゃんがどんどん怖くなっていくから、あまり刺激するなよな……」

律(それにしても、梓はともかく憂ちゃんの唯ラブも相当なもんだよな……)

律(弟しかいないからよく分からないけど、姉妹ってあんなものなのか……?)

律「……考えても仕方ない。この後憂ちゃんが入るんだし、早めに上がるか」ザバーッ


律「ふう、いいお湯だった」

ガチャッ

憂「ああ……お姉ちゃんの下着……」クンカクンカ

律「……」

憂「この素晴らしさは梓ちゃんだって知らない……ああ、最高だよお……///」スリスリ

バタンッ

律「……」

律「何もなかった、何もなかったんだ……」


ガチャッ

憂「あ、律さん。ゴメンなさい、勝手に脱衣所に入っちゃって……タオルがなかったんで、入れときました」ニコッ

律「あ、ああ。ありがとう」

憂「いえいえ、ごゆっくり♪」

律「……」

律「憂ちゃん……ポケットから唯の下着がはみ出してたよ……」



就寝!

律「うおっ、もう1時か」

梓「明日も学校ありますし、そろそろ寝ましょうか」

唯「え~、もっと遊びた~い!」

憂「ダメだよお姉ちゃん、起きられなくなっちゃうよ?」

唯「ちぇ~……じゃああずにゃん、一緒に寝ようよ!」

梓「え、一緒に……ですか?///」

梓(再びキターーーーーッ!!!)

唯「うん、りっちゃんと憂も一緒にね♪」

梓「あ、そうですか……」


唯「あずにゃ~ん♪」ギュウ

梓「あっ、あっ、あ……唯先輩ぃ……///」

憂「……」ギリギリ

律(う、憂ちゃん……隣で寝てる私が参ってしまうから、それ以上プレッシャーを放たないでくれ……)ガクガク



─────深夜。
静まり返った街の中、二人の少女が対峙していた。

憂「……よく来たね、梓ちゃん」

梓「……憂」

憂「どうして呼び出されたか……言わなくても分かるよね?」

梓「もちろん。……決着をつける時が、来たみたいだね」

憂「……」

梓「……」


憂「お姉ちゃんは、私のものだから」

梓「ふふ、今日の唯先輩を見てなかったの?あずにゃん、あずにゃんって私のことばかり。憂が話してた一緒にお風呂も一緒に寝るのも体験したし、もう憂の出る幕じゃないよ?」クスクス

憂「……」ギリッ

梓「ふふ、どうしたの?」

憂「お姉ちゃんは……誰にも渡さない!」ゴウッ

梓「くっ……相変わらず凄いオーラだね、憂……!」

憂「梓ちゃん、行くよ!」ドンッ

梓「はっ!」ボウッ


飛び交う影と影。
二人の動きは人知を超えたものであり、視認するのはほぼ不可能。
深夜の街に、不気味な戦闘音だけが響き渡る。


梓「ぐ、は……!?」

憂「……遅いよ、梓ちゃん」

しかしその戦いも長くは続かない。
パワー、スピード、経験、オーラ量……全てにおいて憂は梓のそれを上回っていた。

憂「妙に不敵だった割にはたいしたことないね、梓ちゃん。やっぱり梓ちゃん程度には、お姉ちゃんはふさわしくないよ」

梓「……」

憂「お姉ちゃんと一緒にお風呂に入ったり寝たりするのはもちろん、お姉ちゃんの下着をクンカクンカするのも、愛らしいお姉ちゃんを視姦するのも私だけの特権だから」

梓「……」


憂「友達だから、本当はこんなことはしたくないんだけど……ゴメンね、梓ちゃん」

ドンッ!

憂の攻撃……それも常人では見ることさえ不可能であろう神速の一撃が梓に放たれた。
梓は何も言わず……いや、言えずに倒れた。

憂「終わった、か……」

梓の亡骸を一瞥すると、憂は帰途に着こうとした。
考えているのは、もちろん愛する姉のこと。
溺愛していた後輩がこんなことになったと知ったら、唯は悲しむだろうか……いや、私の愛で癒してみせる。
憂は、そう決意した。
そして、

ズンッ!

憂「え……?」


戦いが終わり、気を緩めた瞬間。
その一瞬を狙われ、憂は地に伏した。

憂(攻撃された……?一体誰に……)

梓「私だよ」

憂「なっ……!馬鹿な、間違いなく倒したはず……!」

梓「ふふ、気付かないなんて憂らしくもないね。……幻術、だよ」

憂「そ、そんな……」

梓「形成逆転だね。その怪我じゃあ、もう私には勝てない。今降参するなら、見逃してあげてもいいよ?」クスクス

憂「誰がそんなこと!」

梓「そう……じゃあさよなら、憂」


そこからは一方的だった。
手負いの憂は本来の実力の半分も発揮することも出来ず、ただ梓の攻撃を受け続けるのみ。

そして、決着の時が訪れた。

ドンッ!

梓「これで、終わり」

憂「あ、う……」

梓の全オーラを込めた一撃が憂を貫いた。


梓「じゃあね、憂」

憂「あ……ずさ……」

梓「唯先輩のことは、私に任せてよ」

憂「何で……こんな……」

梓「……?」

微かな違和感。
それを梓が感じ取った瞬間、

憂「あ~あ、梓ちゃんってば、ひっどいな~」

憂の声が、背後から聞こえた。


梓「なっ!?じゃあ、こっちは……」

純「……」

梓「じ……純!?」

梓が憂だと思い込んで攻撃し、倒れたのは───二人の友人である純だった。

憂「純ちゃんボロボロ……梓ちゃんが本気で攻撃しちゃったからね~」

梓「う、憂……一体いつから……!」ギリッ

憂「いつから?」

梓「一体いつから、私に幻術をかけていたの!?」


憂「ふふ、おかしなことを言うね。じゃあ逆に聞くけど、梓ちゃんはいつから『幻術にかかっていない』って思い込んでたの?」

梓「~~~!」

憂「なかなか楽しい余興だったけど、ここまでだね」

梓「く……」

憂「そうだ梓ちゃん、冥土の土産にいいことを教えてあげるよ」

梓「いいこと……?」

憂「そう、いいこと。三日前なんだけど、お姉ちゃん何だかおかしくなかった?」

梓「三日前……」


必死に思い出す梓。
そうだ、確か三日前は……

憂「何だかモジモジしてて、落ち着きがなかった。顔を赤らめていて、色っぽかった……違うかな?」

梓「……」

確かにそうだ。
三日前の唯は様子がおかしく、妙にそわそわしていた。
頬を薄らと赤く染め、梓は『唯先輩色っぺえええええ!』と狂喜乱舞していたが……

憂「あの時、実はお姉ちゃんはパンツはいてなかったんだよ?」

梓「なっ!?」

憂「平沢家の家事全般を取り仕切るのはこの私。お姉ちゃんの下着をクンカクンカした後全部洗濯して、お姉ちゃんにノーパンを強要するくらい造作もないよ」クスクス

梓「……!」


気付かなった。
自分はただ、憂によって調教を施されていた唯を見て興奮していただけ。
そのことが梓の心に深いダメージを与えていた。

憂「分かった?お姉ちゃんは私のもの。一緒にお風呂とか、もうそんな次元じゃないんだよ?」

最後にそんなことを梓に伝えたのは梓を憐れんだためか、それとも完全な敗北を味あわせるためか。
いずれにせよ、絶対的な実力差がある以上、梓は憂によって倒されるだろう。

憂「今度こそさよならだよ……梓ちゃん」

……今のまま戦えば。

梓「う、あああああああああああああっ!」ゴウッ!

憂「!?」


もう……ここで終わっても……

梓「……」シュウシュウ

憂「な、何このオーラ量……それに、その姿は……?」

梓「憂……」

梓の体は変わっていた。
─────圧倒的な力を秘めた、『未来の梓』に。

憂(強制的に成長したんだ……!私を倒せる、年令まで……!)ビリビリ

命を圧縮することでしか、成しえない能力。
梓は、二度と戦えなくなってもいい……それほどの決意と覚悟でそれを発現させたのだ。


梓「……」ヒュンッ

憂(はやっ……)

ドンッ!

憂「か、あ……!?」

早い。
そして、圧倒的なオーラ量を誇っていた憂を軽く上回る力。
天賦の才を持つ者が更に、その才を全て投げ出してようやく得られるほどの力。

いくら憂とはいえ、この梓───いや、梓さんには勝てるはずもなかった。


憂「う、うう……」

梓「おやすみ、憂……」

数分後、動くことさえ困難になった憂の前で、梓は最後の一撃を放とうとしていた。

ビリッ…

梓の圧倒的なオーラに耐えきれず、衣服が破れていく。
─────そう、パンツさえも。


梓「……大丈夫」

梓「恥ずかしくないよ、強がりじゃない」

梓「少しだけ、嬉しい」

梓「これで唯先輩と……」

───── 一緒になれた

憂(梓ちゃん……そこまでお姉ちゃんを……)

憂が最後に見た光景は、涙を流して腕を振り上げた梓の姿だった……


ガバッ

律「……」

律「……」キョロキョロ

梓「唯しぇんぱ~い……」ダキッ

憂「お姉ちゃ~ん……」ギュウッ

唯「う~んう~ん、苦しい~……」

律「ゆ、夢か……ひどい悪夢だった……」



音楽室!

梓「律先輩、昨日はありがとうございました!」

律「……おう」

梓「昨日は最高でした……///」ホクホク

律「……よかったな」

梓「律先輩?元気ないですけど、どうかしたんですか?」

律「いや、大丈夫……」

梓「それならいいんですが……」

律「悪い、ちょっとトイレ行ってくる」

梓「はあ」

律「ふう……」スタスタ

ガチャッバタン

梓「本当に大丈夫かな、律先輩……顔色悪かったけど……」


律「……」

律「昨日のはただの夢、変態二人に囲まれたから変な夢を見ちゃっただけ!うん!」

律「はあ~、まったく参ったぜ……。しかし唯はあんな変態二人と一緒にいてあんなに純粋無垢でいられるのか……尊敬するぞ……」


律「お、唯だ。あいつもトイレかな?」

ガチャッ

律「お~い、唯……って気付かないまま入っていっちまった」

律(まあ出てきてから話し掛ければいいか)

律(~~~♪)

ハアハア…

律「……?何か声が……」




唯「あずにゃん!あずにゃん!あずにゃあぁああああああうわああああああああ
ああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!
あずにゃんあずにゃんあずにゃぁわぁああああん!!!
あぁ!クンカクンカ!
スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!あずにゃんの黒髪ツインテールをクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
昨日のあずにゃんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
抱きつかれて真っ赤になるあずにゃん……あぁあああああ!かわいい!あずにゃん!かわいい!あっああぁああ!
一緒にお風呂に入れて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
いやっほぉおおおおおおお!!!私にはあずにゃんがいる!!やったよ憂い!!ひとりでできるもん!!!
ああああ、あずにゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんありっちゃああああん!!澪ちゃああん!!ムギちゃああああああん!!!
ううっうぅうう!!私の想いよあずにゃんへ届け!!音楽室のあずにゃんへ届け!」






唯「ふう……」



ガチャ、バタン

唯「~~~♪」ジャー

唯「あっずにゃ~ん♪」タタタッ

律「……」

律「もうヤダこいつら」





終わり♪



最終更新:2010年05月16日 23:37