梓の家

コナター! バルサミコス! カガミ- アラアラ チョットコナタ!  コナタ- 

梓「……」ジーッ

オイッスコナタ! ソンナノカンケェネエ コナタァ ネェコナタァ

梓「……」

梓(うーん)

梓(かがみってこなたをしかったり呆れてばっかりだけど)

梓(なんだかんだでいつも側にいるよね)

梓(こなたの教室にいりびたってるし)

梓(これって……)



翌日

梓「ムギ先輩」

紬「梓ちゃん。どうだった?」

梓「かがみって、こなたの事好きなんですか?」

紬「なん……ですって?」

梓「こなたに呆れつつ結局いつも一緒だし」

梓「口をひらけばこなたこなただじゃないですか」

梓「あれは実はこなたの事が好きなんじゃないでしょうか?」

紬「梓ちゃん……」グスン

梓「ム、ムギ先輩?」

紬「最高よ!」ガシッ


梓「え?え?」

紬「そう!かがみはこなたの事が好きなの!よく気づいたわね!」

梓「やっぱりそうでしたか!うーん、なんだかすっきりしました!」

梓「でも、かがみも素直じゃないですね。あれがツンデレってやつなんですよね」

紬(梓ちゃんも、そのツンデレなんだけどね)

梓「もっと素直になればいいのに……。進展がなくてちょっとモヤモヤします」

紬「ついに渡すときがきたようね……」

梓「渡すもの?」

紬「これよ!」ポスッ

梓「なんですか?この薄い本」

紬「これはね、同人誌っていうのよ」

梓「同人誌?」


紬「まあまあ、まずは読んでみて?」

梓「はい」ペラッ

紬「……」

梓「……」ペラッ

梓「かがみが告白!?」

紬「うふふ」

梓「嘘……」ペラッペラッ

梓「……!」

梓「恋人になっちゃいました……!」

紬「どう?」

梓「ど、どうって言われても」ヘラッ

紬「うふふ。梓ちゃん、顔がニヤけてるわよ?」

梓「はっ!?そ、そんなことないです」

梓「でも、ムギ先輩からかりた本にはこんなシーンありませんでしたよ?あの他にも本が出てたんですね」

紬「それは原作者が描いた本じゃないのよ」

梓「へっ?そ、そういえば……絵柄が違います!」

梓「じゃあ他人が勝手に描いたってことですか?意味がわかりません」

紬「ファンの二次創作……そういう本を同人誌と言うのよ」

梓「へぇぇ……」マジマジ


梓「でも勝手に描いていいものなんですか?」

紬「うーん、許可をとってるわけじゃないけれど、黙認されてるっていうのが現状ね」

紬「そこらへんは色々とあるから、あまり気にしないで」

梓「はぁ、わかりました」

梓「……あのう。他にも同人誌って持ってたり……」

紬「うふふ……貸しましょうか?」

梓「お、お願いします……!」

紬「じゃあ、コレ♪あとはまた明日持って来るわね♪」

梓「はい!」



梓の部屋


梓「……」ペラッ

梓「……っ」

梓「ふふ……」ニヤニヤ

梓「~っ……」プルプル

梓(ダメ!顔がニヤけちゃう!)

梓(だって、あのツンツンがこのデレデレっぷりだよ!?)

梓(ニヤけるなっていうのが無理な話だよ!)

梓「うふ……」ペラッ



翌日

梓「ムギセンパーイ!」

紬「梓ちゃん」

梓「昨日の本、おかえしします!ありがとうございました!」

紬「うふふ。気に入ってくれたかしら?」

梓「はい!よかったです!あ、あと」チラッ

紬「持ってきたわよ♪」ドスン

梓「これは……けいお○!の同人誌ですね!」

紬「梓ちゃん、けいお○!おもしろいって言ってたから♪」

梓「うわぁ……!」キラキラ


紬「梓ちゃんがどのカプが好きかわからなかったから、満遍なく持ってきたの」

梓「ちょっと見せてもらっていいですか!?」ガシッ

紬「どうぞどうぞ~♪」

梓「ツンデレツインテAZU×天才ギタリストYUI本に……!」

梓「クールビューティーベーシストMIO×AZU本!」

梓「こっちは……軽音部部長ドラマーRITSU×MIOの幼馴染カプ本!」

梓「あっ!AZU×UI本もあるなんて!これは興味深いです!」

紬「あっ、あとこれも」ゴソゴソ

梓「!?AZUが軽音部全員に好かれちゃうAZUハーレム本……!」

紬「どう~?」ニコニコ

梓「ワクワクしてきました……!」ブルブル

紬「よかったわ~。それじゃあこれも渡しておくわね♪」

梓「これは?なぜ紙袋に入っているんです?」

紬「秘密♪もしさっき渡した本を気に入ったようなら、その袋を開けてみて♪」

梓「わかりました!」



梓の部屋


梓「……」ニヤニヤ

梓「っ~~~!」ゴロゴロゴロ

梓(良い!良すぎるよこの本!)

梓(やっぱり私はAZUが出てくる本がいいなあ)

梓(本当にAZUを見ていると他人の気がしないよ)

梓(キャラとしては、最初はMIOがいいかなって思ったけど……)

梓(なんだかんだでYUIが一番かな)

梓(やる時はやるっていうのがカッコイイし、普段ボケてるところや手のかかるところも可愛いな)


梓(カップリングなら……)

梓(RITSU×MIOは間違いなしだよね)ウンウン

梓(あとは、やっぱりYUI×AZU!AZUは絶対にYUIの事が好きだよ!)ニヤッ

梓(MIO×AZUは最初いいと思ったんだけど……やっぱりMIOはRITSUと組んでこそかな)

梓(お姉ちゃん大好きなUI×YUIもイメージしやすいんだけど……何だかムカムカするから却下!)

梓(でもUI×AZUなら悪い気はしないかな。私UI自体は好きだしAZUに惚れるならアリ)

梓(問題はMUGIだよね……。皆を見守ってるイメージが強くて特定のキャラとは組ませづらいよ)

梓(MUGIなら……MUGI×YUIかな?でもMUGI×RITSUが気になるんだよね。けいお○!3巻のRITSUとMUGIが2人で遊ぶお話とか……)

梓(いや、でもMUGI×AZUもありかも……。優しいMUGIとAZUのカプ……。AZUもMUGIになら素直に甘えられそう)

梓「ふ……ふふ」ニヤニヤ


梓「はっ!?」

梓(妄想してたらいつの間にかこんな時間に……。うぅ、何やってるんだろ私)

梓「あ……」

梓(この紙袋、何が入ってるんだろう?気に入ったら開けろっていってたよね)

梓「……」ガサッ

梓「な゛っ……!」

梓(な、ななな、何コレ!?)


梓(えっちな本……!)

梓(同人誌ってえっちなのもあるんだ……!)

梓「ちょ、ちょっとだけ……」ドキドキ

梓「……」パラッ

梓「っ///」

梓(AZUがYUIとえっちしてるっ!)

梓「ええ~っ……///」

ギシッ

梓「!!!」ビクッ

梓「あわわわっ」ガサガサッ

シーン

梓(誰もいない……。び、びっくりした)

梓「……」ガサガサ

梓「……」ペラッ

梓(わぁぁ///)

梓(AZUがYUIとえっち……。女の子同士で……)

梓(YUIがAZUを優しくリードして……)

梓(あぁ……。キレイ……)

梓「!?」ハッ

梓(今何考えてたの私!?)

梓「……」ペラッ

梓(唯が……梓を)

梓(ってこれは唯先輩じゃないよ!?)

梓(お風呂入って忘れよっ!)


~~~~~~~~~~~~

梓「ムギ先輩~!」

梓「昨日の本よかったです!もう読んでて……悶絶しちゃいました」テレッ

紬「まぁ!よかったわぁ」

梓「あっ!でもあの紙袋に入ってた本は……びっくりしました」

紬「嫌だったかしら……」

梓「いえっ、悪くは無いというか……その」ゴニョゴニョ

梓「ま、まあああいう本もたまにはいいかもしれませんね!」ゴホン

紬「うふふ~♪(梓ちゃん、もう同人への抵抗はないみたいね)」

紬(ならばここで一気に畳み掛けるしかないわ!)


紬「今日は梓ちゃんにこれを持ってきたの」ガサガサ

梓「!」

梓(またけいお○!本かな!?またえっちな同人誌だったりして……きゃー///)

紬「はい!」カタッ

梓「……え?CD?(同人誌じゃないの?)」ガクリ

梓「あのう、なんですかコレ」

紬「これは同人ゲームよ♪」

梓「同人ってゲームもあるんですか……」ヒョイッ

梓「えっと、東○紅魔郷?」


紬「東○っていう、今同人界でとても人気のある作品なの」

梓「へぇ……」ヒョイッ

梓「でもこれって普通のゲームに見えるんですが……。百合関係あるんですか?」

紬「ゲーム自体にそういう要素はないんだけど、百合同人誌がたくさんでてるのよ」

梓「同人ゲームの同人誌ですか?なんだか滅茶苦茶ですね」

梓「でもこれってシューティングゲームですよね?私こういうのは苦手なんですよね」

梓「この東○の同人誌だけ読むってわけにはいかないんですか?」

紬「そういう楽しみ方もあるけれど、やっぱり原作をプレイしておけばもっと楽しめるわよ」

梓「うーん……。じゃあ借りてみます」

紬「うんうん!」



梓の部屋

梓「ムギ先輩、しっかりコントローラーまで用意してるなんて……」ポチ

梓「えっと、このイージーってやつでいいかな?」

梓「キャラはどうしよう……?よくわからないけど、れいむでいいか」ポチポチ

チャンチャラチャッチャッ……♪

梓「……」カチカチカチ


数時間後

ピチューン

梓「ああっ……」ガクリ

梓「なにここ!敵の攻撃が多すぎ!こんなの避けれるわけないじゃん!」

梓(きっとコツがあるんだ!ムギ先輩にメールしてみよう!)パカッ

梓(『図書館みたいな面ですが、攻撃が多すぎて避けれません。何かコツがあるんですか?』っと)カチカチ

梓「……」

梓「きたっ!」パカッ

梓(何々?自機狙いが多いから弾をよくみてちょっとだけ横に避ける……?自機狙いってなに?)

梓(とりあえずやってみるか……)ポチポチ


チュンチュン ピーチクパーチク

チュドォォォン

梓「……」ブルブル

梓「きゃああああ!やったああああ!」バンザイ!

梓「倒せた!倒せた!これでクリアだよね!?」

梓「エンディングが始まる……」ドキドキ

梓「……」

梓「えっ?」

梓「そんなぁ……」ガクリ



教室

梓「……」

憂「おはよう……どうしたの?」

梓「あ……おはよ」

憂「目真っ赤だよ?顔色も悪いし……」

梓「徹夜でゲームやってて……はぁ」

憂「ええっ!?徹夜で!?」

梓「……」コクリ

憂「そんなに熱中するなんて……なんていうゲームなの?」

梓「東○っていうシューティングゲーム」

憂「!(東○!)」


憂(梓ちゃん、東○知ってるんだ!)ドキドキ

憂(どうしよう……。私もお話したいよ)

憂「レミリア……」ボソッ

梓「!」ピクッ

憂「咲夜……パチュリー」ボソボソ

梓「憂!知ってるの!?」ガバッ

憂「あれっ?聞こえちゃったかなぁ?」ドキドキ

梓「そうなんだ……。じゃあEDを見るにはノーマルで、コンティニューなしでクリアしなきゃだめなんだね」

憂「うん、そうなんだよ」

梓「私はイージーで、コンティニューしてようやくクリアだから……先は長いかも」ショボン

憂「でも、梓ちゃんが東○をやってるなんて……意外かも」

梓「ああ、実はムギ先輩に勧められて始めたんだ」

憂(あっ……もしかして、この前おねえちゃんが言ってた百合繋がりで?)

梓「百合目当てでプレイ始めたんだけど、ゲームとしても面白いね」

憂(梓ちゃん、堂々と百合好きをカミングアウトしてる……!すごい……)

梓「あーあ、早く帰ってやりたいな」


数週間後

紬「そう……。ついにもこたんを……」

梓「はい!もう最後はギリギリでしたよ!緊張で心臓が止まりそうでした!」

紬「永夜抄までクリアすればいいかしらね……」

梓「え?何がですか?(もう!もっと私のドラマチックなプレイを聞いて欲しいのに!)」

紬「東方の同人誌デビューよ!」

梓「ああ、同人誌ですか(目的を忘れてた……)」

紬「梓ちゃん、東方をプレイしてみて百合妄想はできた?」

梓「うーん、正直な所あまり。ゲーム内での会話が少なすぎてイメージが……」

紬(やっぱりそうよね……。荒療治でいくしかないかな)


紬「梓ちゃん、はいこれ」ドスン!

梓「なっ……なんですかこの同人誌の山は!」

紬「永夜抄までのキャラクターを題材とした同人誌よ」

梓「うわぁ、よく考えたら3作だけでこんなにキャラが出てるんですよね」

紬「東方はとにかくキャラクターが多いから、色んなカップリングが楽しめるわ」

紬「中でも梓ちゃんがやった紅魔郷、妖々夢、永夜抄はかなり人気のあるキャラクターが集中しているの」

梓「へぇ……」

紬「マリアリ、レイマリ、レミ咲、ゆかれいむ、ゆゆみょん、けねもこに……」ペラペラ

梓「すごい……」

紬「あら、ごめんなさい。とりあえず、この本を読んで東方を知って頂戴?」

梓「わかりました!」


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最終更新:2010年05月23日 01:26