和「…はい」
さわ子「(ちょっと機嫌悪い…)私もお風呂入ってきまーす…」
和「……………」
さわ子「……あ」
和「え?」
さわ子「…」ちゅっ
和「!」
さわ子「いってきーす!」そそくさっ!
和(………もうっ!)カァァァッ
さわ子「ふぅー」ホカホカ
さわ子(和ちゃんのご機嫌は直っているかしらー?)ソー
和「……」カキカキ
さわ子「?なにしてんのー?」
和「あ、おかえりなさい。ちょっと宿題を…」カキカキ
さわ子「真面目ねー」
和「ふつうですよ」カキカキ
さわ子「ふーん…」カチッ ブオー
さわ子(…そろそろ乾いたわね)カチッ
さわ子「…ふう」
和「…………」カキカキ
さわ子「……なんか飲む?」
和「あ、はい」カキカキ
さわ子「なにがいい?」
和「なんでも」カキカキ
さわ子「…はーい」
さわ子「どーぞ」コトッ
和「ありがとうございます」カリカリ
さわ子「ミルクティーでよかったかしら?」
和「はい」カリカリ
さわ子「………」コクッ
和「……」カリカリ
さわ子「あっ分かんないところあったら教えてあげようか?」
和「大丈夫です」カリカリ
さわ子「あ、そ…」
和「…………」カリカリ
さわ子「…………」
さわ子(……つまんない)ムー
さわ子「それなに?」
和「数学です」カリカリ
さわ子「数学ってそんなに宿題でるの?」
和「そうですね…数学はいつも多めですね」カリカリ
さわ子「ふーん…」
さわ子(数学…○○先生よね…ったくどういうつもりかしらこんなに宿題出して…)
さわ子(これじゃ私と和ちゃんのスイートタイムが台無しじゃない!!!)
さわ子(………あんま宿題出さないように言っとこ)
さわ子(暇…ね)
和「………」カキカキ
さわ子(恋人ほったらかしで宿題って…)
和「………」カキカキ
さわ子(旦那が仕事持って帰って来て構ってもらえない新妻の気分…)
和「………」カキカキ
さわ子(さーみーしー…)うと…
和「………」カキカキ
さわ子(早く…終わらない…かなぁ…)うとうと…
和「………」カキカキ
さわ子「……………」
和「………」カキカキ
さわ子「………」スー…
和「………」カキカキ
さわ子「………」すぅ…すぅ…
和(ふぅー…やっと終わった…)コキコキ
和「………さわ子さん?」
さわ子「………」スー…スー…
和「…寝てる」
和(しかもこっち向いたまま)
和「さわ子さん、ちゃんとベットで寝ないとダメですよ?」ポンポン
さわ子「すかー…」グーグー
和「さわ子さん」ユサユサ
さわ子「……」スカー
和(…起きない)
和(どうしよう…私じゃ持ち上げられないわよね…?)
和(人間力が入ってないと更に重く感じるって言うし…)ウーン
和(とりあえず布団かけて…)パサッ
さわ子「……」スースー…
和(…私がほったらかしにしたから)
和(ごめんね、さわ子さん)なでなで
さわ子「んっ…」ピクッ
和「…」ビクッ
さわ子「……」スースー…
和「………」ホッ
和「………」ジー
さわ子「……」すぅ…すぅ…
和(……メガネ外してる顔もきれいだなぁ…)
和(お化粧してる顔も好きだけど、すっぴんも好き)
和(先生としてちゃんとしてるさわ子さんも好きだし、私や軽音部の子達といるときに見せる幼いさわ子さんも好き)
和(……そういえば)
和(いつから好きになったんだろう…?)
三年生に進級して唯や軽音部の子達と同じクラスになった
それはもちろんとても嬉しいことだった
でもそれよりも嬉しかったのが
担任がさわ子さんだと知ったとき
そのときに初めて
私は自分の気持ちに気づいた
同性、教師と生徒、歳の差
ひっかかるところはたくさんあって
ましてあんな美人が私なんか相手にするわけがないって思ってた
告白したのはフラれるため
自分の中できちんと踏ん切りをつけて受験勉強に集中しようと思った
それなのに
何故かあの人は私を受け入れてくれた
和(…さわ子さん、なんで私なんかと付き合ってくれたんですか?)なでなで
さわ子「……」スースー…
和(さわ子さん、やっぱり女同士より男の人の方が…って思ったりしませんか?)なでなで
さわ子「……」スースー…
和(さわ子さん、年下相手に疲れたりしませんか?)なでなで
さわ子「……」スースー…
和(さわ子さん、卒業しても私と一緒にいてくれますか?)なでなで
さわ子「……」スースー…
和「さわ子さん」なで…
さわ子「……」スースー…
和「…愛してます」スッ
頬に口付ける
起こさないようにそっと…そっと…
和「……やわらかい」
さわ子「………ん…」
さわ子(………体痛い…)
さわ子「……………ん?」
和「……」スースー…
さわ子「……………和ちゃん!?」
さわ子(え?え?あれ?………あ、そっか泊まったんだっけ?)
さわ子「ってやだ私寝てた?」
さわ子(……布団かけてくれたんだ)
さわ子「…でもなんで一緒になって床に寝てるのかしら?」
さわ子(ベット使ってよかったのに…)
さわ子(………持てるかしら)
さわ子「…よいしょっ」ぐいっ
さわ子(うっ…女の子と言えど結構重い……でもなんとか持てるわね)
ぽふっ
さわ子「……はぁー」
さわ子(何故夜中にこんなこと…)
和「……」スースー…
さわ子「…………」なでなで
さわ子(寝顔はさすがにまだ幼いわね…)なでなで
さわ子「……私も寝よう」もぞもぞ
和「……」すぅ…すぅ…
さわ子「ふふっ…(かわいい)」なでなで
さわ子(ぎゅー)ぎゅっ
和「……」すぅ…すぅ…
さわ子「おやすみ、和ちゃん」ちゅう…
朝
ジュウー
さわ子「…………ん…?」
ぱたぱた
さわ子「んん…?」
ジュウー
さわ子「……」むくっ
さわ子「…………」ボー
さわ子「…あれ……?のどかちゃんは…?」ぼへー
ジュウー
さわ子「……いい匂い」
さわ子「……」のそのそ
和「おはようございます、さわ子さん」
さわ子「おはよぉ」ぼへー
和「ごめんなさい台所勝手に借りてます」
さわ子「ん?んーん…いいよぉ」ぼぉー
和「……ちゃんと起きてますか?」
さわ子「うん…たぶん…」ぼへー
和「………」ちゅっ
さわ子「……へ」
和「…目覚めました?」ニコッ
さわ子「……………」カァッ
さわ子「かっ顔洗ってきます!(いやああああああ!!!!!恥ずかしいいいいいい!!!!!!)」カァーッ ダダッ
バシャバシャ
さわ子「………ふぅ」
ふきふき
さわ子(やっぱり和ちゃんって危険だわ…!)カァッ
和「あっ先生ご飯できてますよ」
さわ子「おぉー(目玉焼きにベーコンに昨日のおひたしと味噌汁…!)」
さわ子「THE・朝食って感じね」
和「はい、お箸」
さわ子「ありがとー」
さわ子「じゃ」
さわ子・和「いただきます」
さわ子「おいしっ」もぐもぐ
和「ふふっ」
さわ子「ねぇ玉子焼きはないの?」もぐもぐ
和「目玉焼きがあるじゃないですか」モグモグ
さわ子「玉子焼きがいいのー」もしゃもしゃ
和「…お弁当に入ってますよ」
さわ子「え!お弁当作ってくれたの!?」
和「はい」ぱくっ
さわ子「やーんうれしー!」キューン
和(そうやって喜んでもらえると私も嬉しいです)にこ
さわ子「さ、少し早めに出なきゃね」
和「はい」
さわ子「……………」ジー
和「?」
さわ子「和ちゃんって視力いくつ?」
和「えっと…確か…0.2かな…」
さわ子「あっ同じぐらい!」
和「そうなんですか」
さわ子「ねぇねぇじゃあさ!」
さわ子「――――――!」
和「え?」
教室
唯「和ちゃーん!」がばっ
和「きゃっ…ちょっともう唯…」
唯「おはよー」スリスリ
和「はいはい」
唯「………?(あれ…和ちゃん…)」
澪「おはよう」
紬「おはよう(まぁまぁ!)」
唯「あっおはよー」
和「おはよう」
律「おいおいさわちゃんに怒られんぞー」ハハッ←ようやく三人の関係が理解できた
澪「おっおい…」カァッ
唯「ふーんだっいいんだもーんっ」スリスリッ
紬(そうよ!いいわよ!)パシャパシャ
律「…ん?あれ和そのメガネ…」
さわ子「はーい席ついてー」ガラッ
律「お?」
「あれー?さわちゃんそのメガネどうしたのー?」
「本当だーいつもと違ーう」
さわ子「あぁ今日はちょっと予備のにしたの」
「へー」
「先生赤いフチのメガネも似合うよー」
さわ子「ありがとう」
律(なるほど)
澪(そういうことか)
紬(いい!すごくいいわ!!!)ハァハァ
さわ子「…」チラッ
和「…」ニコッ
さわ子「!…」デレー
唯「………」ムー
唯(……はぁ)
唯(ま、いっか。……和ちゃん幸せそうだし)
唯(あんなに嬉しそうな二人見てたら私の出る幕なんかないって分かるしね…)
唯(…和ちゃん、さわちゃん)
唯(二人で、もっともっと幸せになってね)
さわ子・和「…」ニコニコ
お わ り
最終更新:2010年05月23日 22:07