唯「……………」

律「……………」

唯「………どうしたのりっちゃんため息なんかついて…」

律「…お前こそどうしたんだよ…」

唯「………実は…」

律「………うん」

唯「…憂のアイス食べちゃった………」

律「…は?」

唯「だから憂のアイス食べちゃったんだ…」

律「…ふーん」


唯「ふーんじゃないよりっちゃあん!!!」

律「うお!なんだよ急に」

唯「だって憂のアイス食べちゃったんだよ?絶対憂怒るよ…」

律「唯じゃあるまいし憂ちゃんそんなことで怒んないだろ」

唯「そうかなぁ………でも言いにくいなぁ…」

律「……………」

唯「……………」



唯「………で?」

律「…ん?」

唯「りっちゃんはなんでため息ついたの…」

律「………実は…」

唯「うん…」

律「澪に借りたノートに落書きしちゃったんだ…」

唯「………消せばいいじゃん」

律「油性マジック…」

唯「…なんでそんなことしたの」

律「…つい」

唯「ついって…」

律「………どうしよう…」

唯「謝ればいいじゃん」

律「………許してくれるかなぁ…」

唯「……………」

律「……………」

唯・律「………はぁ…」


唯(………ノートに落書きぐらいでふつうそんなに怒んないでしょ…憂のがよっぽど恐いよ…)

律(………アイス食ったくらいでふつうそんなに怒んないだろ…澪のがよっぽど恐いよ…)

唯・律「!」ピーン

唯「りっちゃん!」

律「唯!」

唯・律「入れ替わろう!!!」

唯「はい、ヘアピン」

律「ほい、カチューシャ」

唯「おぉー!そっくりだねりっちゃん!」

律「唯もそっくりだ!これならバレないぞ!」

唯(ふふ…りっちゃんには悪いけど犠牲になってもらうよ)ククク

律(へへ…唯には悪いけど犠牲になってもらおう)ククク

唯「りっちゃん!」ガシッ

律「唯!」ガシッ

唯・律「友情って素晴らしい!」



唯「んじゃ今日一日よろしくね」

律「おう任せとけ!澪に家にノート取りに来るようにメールしといたからもういると思うぞ」

唯「了解!これでやっと帰れるね」

律「うん。部活終わっても帰りたくなくて二人で音楽室にいたんだもんな」

唯「あ、りっちゃん家アイスある?」

律「お前まだアイス食うのか?」

唯「へへー」

律「まったくしょうがない奴だなー」ニシシ

唯「あ、ここでお別れだね」

律「おう!唯ン家はあっちだな」

唯「りっちゃん家はこっちだね」

唯・律「じゃ健闘を祈る!」ゝビシッ



……

唯「ふんふんふーん♪」

唯(昨日の夜からずっとどうしようって思ってたけどこれでやっと気が軽くなった!)

唯(りっちゃんには悪いけど憂怖いもん!)

唯(それにりっちゃんだって入れ替わろうって納得したからいいよね!)

唯(ふふ~澪ちゃんはりっちゃんには厳しいけど私には優しいからノートの落書きくらい許してくれるよね♪)

唯「あ!田井中…ここだ!」

ガチャ

唯「たっだいま~!」

律母「おかえり」

唯「あ…こ、こんにちは!(わわっりっちゃんのお母さん初めて会った!)」

律母「なに言ってんのあんた」

唯「え…あ…(そっか私がりっちゃんなんだ!りっちゃんっぽくりっちゃんっぽく!)」

唯「お…おう!今帰ったぜおふくろぉ!」

律母「おふくろ…?」

唯「え…(ち…違うのかな…)」

律母「…あ、そういえば澪ちゃん待ってるわよ」

唯「お、おう!知ってるぜ!」アセアセ

律母「…?早く行ってあげなさい」

唯「ほ、ほーい!」ダダッ

律母「………変な子」



唯(ふうー焦った焦った)ガラッ

澪「遅いぞ律!」

唯「あ、澪ちゃんお待たせ!」

澪「み、澪ちゃん?」

唯「あ…(またやっちゃった…)」


澪「………お、遅くなったの誤魔化そうったってそうはいかないんだからな!」かぁ

唯「わ…わりーわりー!ごめんな澪!」

澪「まったく…」

唯「へへっ(あ、この笑い方りっちゃんっぽい!)」

澪「で、ノートは?」

唯「あ、うん。ノートねノート…(どうしようどこにあるんだろう…)」キョロキョロ

澪「…まさか失くしたんじゃないだろうな」

唯「そっそんなことないよ!えっと…えっとねぇ…」キョロキョロ

澪「………?(なんかいつもの律と違うような…)」

唯(ど…どうしよう………あ!あった!秋山澪!)

唯「はい、これ!」

澪「ん。ちゃんと写したのか?」パラパラ

唯「あー…うん!ありがとう!えっと…それでね…」


澪「ちゃんと授業中に起きてないからこういう目に………」パラパラピタッ

唯「あ、あのね…」

澪「………おい」

唯「え?」

澪「………なんだこれは」プルプル

唯「(落書きのことだよね?)えーっと…ごめんね…実はちょっと落書きしちゃっ」

澪「ちょっとお!!!?」

唯「ひぃっ!?」ビクッ

澪「そーかそーか…お前にとってこれはちょっとの落書きなのか!」バンッ

唯「うわっ…(ノート見開きに極太マジックででっかくバカ澪って書いてある!)」

澪「…」ペラッ

唯(次のページにはおっぱいおばけって文字とおっぱいの大きな鬼の絵が!!)

澪「………」ペラッ

唯(さらにその次のページにはフジツボって小さな字がページ一面に!!!)

澪「………これがちょっとなのか」プルプル

唯「あーっ…えっと…えーーーっと…(りっちゃんのバカー!!!これはやりすぎだよ!!!)」

唯(あ、でも澪ちゃん私には優しいからきっとそんなに………って私今りっちゃんじゃん!!!どっどうしよう叩かれる!!!!)ビクビク

澪「………………はぁー…」

唯「え?(これはもしや呆れちゃって何も言えないってパターンじゃ…よしっ!今必死で謝れば許してくれるかも!)」

唯「あ、あの…」

澪「………おしおきだな」

唯「……………え?」



……

律「ふんふんふーん♪」

律(昨日の写すのダルすぎて澪のノートに落書きして八つ当たりしたけどフジツボって紙一面に書いた時点でハッと我に返ったんだよなー)

律(それからずーっとどうしようか悩んでもう死ぬ覚悟で行くしかないと思ったけど…ラッキーだったな♪)

律(まぁ唯もノリノリだったし…いいよな?)

律(くくっ…澪の奴どうすんだろ?げんこつ百連発かなーそれとも一時間グリグリ攻撃かなーそれとも筋肉バスター10連発!?)ルンルン♪

律(ふっふっふ♪唯のやつ泣くんじゃないだろうなー♪)

律(これでもう憂ちゃんが怖いなんて二度と思わない…いや思えないだろうなー)ククッ

律(あの憂ちゃんがアイス食ったくらいで怒るわけないじゃん!唯のしたことなら何でも許しちゃうような子なのに)

律(バッカだなー唯も。まぁ今日は一日唯のつもりで憂ちゃんに甘えますかね!)ヘヘッ

律(あんな妹ほしかったんだよなー♪)

律「お、ついたついた」

ガチャ

律「う~い~ただいまー(ふふっ完璧!)」

憂「お帰りなさいお姉ちゃん」パタパタ

律(うおっ!エプロン姿で小走りでお出迎え!くぅー!まるで新婚さんじゃないか!)デレデレ

憂「?どうしたのお姉ちゃん楽しそうだね?」ニコッ

律(喋りながらもさりげなくスリッパを用意してくれる新妻!かぁー!可愛い!今日一日これを自由にできるなんて幸せ!)ジー

憂「ふふっもーなぁにお姉ちゃん?」ニコニコ

律「(くぁいい!くぁい過ぎる!)なんでもないよ憂ーお腹すいたー」

憂「今煮込んでるからもう少し待ってねー」

律「はーい」


憂「お皿お皿…っと」

律「(ひまだな……怒らんとは思うけど一応機嫌取っとくか)うーいー手伝おうかー?」

憂「えっ…どうしたのお姉ちゃん?」

律「憂ががんばって家事やってくれてるから私も手伝おうかなーって!」

憂「お姉ちゃん…」ジーン

律(おお…すごい喜びよう…唯の奴よっぽど普段何にもしないんだなー)

憂「ありがとう…じゃあお茶碗だしてそこにおいてくれる?」

律「えっ…そんなことでいいの?」

憂「うん!十分だよ!」にこっ

律(十分って…猿かなんかと勘違いしてないか?まぁいいか。ついでにご飯よそっとこう)カチャカチャ カパッ

憂「!お姉ちゃん!!!」

律「!?」ビクッ

憂「ダメだよお釜開けちゃ!危ないでしょ!?」

律「え?は???」

憂「やけどしなかった?平気?」

律(ええーーーーーー!?)

憂「炊き立ては熱いんだからもう開けちゃダメだよ?分かった?」

律「う、うん…(おいおい…過保護にもほどがあるだろう…)」

憂「お茶碗だしてくれてありがとう♪すっごく助かっちゃっよ!」ニコニコ

律「…あははどういたしましてー(なにから突っ込めばいいのかもう分からん)」


律「おおー!美味しそう!いただきます!!」

憂「召し上がれー」

律「ぱくっ…うまっ!うまっ!」バクバク

憂「ふふっお姉ちゃんおなか空いてたのー?」

律「うんっ!(澪への不安で昼もあんまり食べられなかったからなー)」パクパク

憂「いっぱい食べてね?」ニコニコ

律「はーい!」

律「ふぅー…食った食った」ポンポン

憂「もーお姉ちゃんお行儀悪いよー?」コポポポ

律「(ありゃうっかり素が…)えへへごめんね憂」

憂「はい」コトッ

律「ありがとー(おおっ食後のお茶まで…さっきもご飯のおかわり持ってきてくれたし至れり尽くせりだな)」ズズッ

律(こりゃ唯が怠け者になるのも無理ないな)


憂「お姉ちゃんお風呂沸いたからどうぞー」

律「はーい」


憂「お姉ちゃん着替えとタオルここ置いとくねー」

律「はーい」ワシャワシャ


憂「お姉ちゃん髪乾かすからこっち来てー」

律「…はーい(そんなことまでやらしてんのか)」

憂「熱くない?」ブオー

律「うん平気ー(あー…人に髪乾かしてもらうのって気持ちいいんだなー…)」ボヘー

憂「これ終わったらアイス食べようね」ブオー

律「うん(おおーアイスまで自動で出るのかー………って忘れてた!)」バッ

憂「きゃっ…もうお姉ちゃん動いたらダメだよー」ブオー

律「ご、ごめん…(そうだアイスのこと謝るためにここにいるんだ…)」

律(えーと…なんて謝るかな。怒りはしないだろうけどいざ人に謝るとなると緊張するなー)

律(『ごめんアイス食べちゃったーえへっ』でいいか)

憂「…はい。乾いたよお姉ちゃん」

律「ありがとぉー」

憂「今アイス持ってくるから待っててね」

律「あ…う、憂!」


憂「なあに?お姉ちゃん」

律「えっと…あ!お風呂!憂もお風呂入っちゃいなよ!」

憂「え…でもお姉ちゃんいつもお風呂あがりはアイスだって…」

律「えーっと…じ、実はさっき食べ過ぎちゃったみたいでさ!だから憂がお風呂入り終わった頃まではいいかなーって!」

憂「え、でもお姉ちゃんいつももっとご飯食べるよね?」

律「(おいあいつどんだけ食うんだよ!?)え…えっと…ムギちゃん!ムギちゃんのお菓子食べすぎちゃって…」

憂「そうなの?んー…じゃあ先にお風呂入ってきちゃうね」

律「うん。出たら一緒にアイスたべようねー」

憂「うんっ!じゃあ入ってきちゃうね」

律「いってらしゃーい!………………ふぅ」

律(やっぱりいざ謝るとなると緊張すんなー)

律(そういえば唯のやつどうしたかな)

律「電話してみるか…」カチカチ

プルルルル…

律「………………」

プルルルルル…

律「……………出ないなー…」プッ

律(まだ澪いんのか?いやでももう九時過ぎ…)

律(まっまさか殺されたんじゃ…)ガクブル

律(……そんな訳ないか…)

律「…とその時の私は気楽に考えていた…まさか唯の身にあんなことが起こっているとも知らずに………」

律(なーんちゃって)

憂「マンガごっこでもしてるの?」ホカホカ

律「うおっ!?」サッ

憂「んー?」フキフキ

律「な、なんでもないよー(あっぶねー携帯見られてないよな?…ってまだ何て謝るか考えてない!)」

憂「そう?」フキフキ

律「って憂早くない?」

憂「うん、お姉ちゃん待たせたら悪いなーって」フキフキ

律(ええ子や…)ジーン

憂「もう食べる?」ワシャワシャ

律「あー…憂が髪乾かしてからでいいよー」

憂「じゃあちょっと待っててね」

律「うん(こんだけ唯が第一の子なんだから素直に謝ればべつに怒んないな、うん)」

憂「お待たせ。じゃあアイス持って来るねー」

律「あっ…ういー」

憂「うん?」

律「えっとねー…実は…憂のアイス食べちゃった…ごめんなさい…」シュン

律(ふふっ!こんなにシュンとしてる唯を怒れまい!)

憂「えっ…」

律(………えっ)

憂「………食べちゃったの?」

律「う、うん…(おいちょっと待てなんか雲行きが…)」

憂「………どうして食べちゃったの?」

律「えっと…美味しそうでつい…」

憂「…二人で食べようねって言ったよね?」

律「え?」

憂「………忘れちゃったの?」

律「ご、ごめんなさい…(な、なんか怖いぞ…)」


憂「二つセットになってて二人で食べるとずっと仲良しでいられるって噂だから一緒に食べようねって言ったじゃん!」バンッ

律「!」ビクゥッ

律(おいおいおい!聞いてないぞ!!唯大好き憂ちゃんのことだからアイスくらいで怒んないだろと思ったけど唯大好きだからこそ怒るようなアイスじゃねぇか!!!)

憂「食べちゃったんだ…一人で…」

律「あ…あう…(どうしようどうしよう!なんかすっごく怖い!)」

憂「………………はぁー…」

律「え?(これはもしや呆れちゃって何も言えないってパターンじゃ…よしっ!今必死で謝れば許してくれるかも!)」

律「あ、あの…」

憂「………おしおきだね」

律「……………え?」


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最終更新:2010年05月29日 00:06