唯「結局あずにゃんにいれて貰いました!」
梓「唯先輩に任せると危なっかしいですからね」
唯「美味しいね~」
梓「それは良かったです」
唯「でもむぎちゃんのと比べるとあんまし美味しくないよ!」
梓「・・・悪気はないんですよね、悪気は」チラッ
唯「♪」ニコニコ
唯「ところであずにゃん」
梓「なんです?」
唯「自分でお弁当作ったりしないの?」
梓「そうですね。レパートリーが少ないんであんまり作ったりはしないです」
唯「でも作れるんだ?」
梓「え?まあ・・・一応」
唯「そっか~。明日はあずにゃんの手作り弁当食べたいな~」
梓「そうですか」
梓「・・・」
梓「・・・」
梓「えっ!?」
唯「ダメかな?」
梓「えっと、その(今更見栄を張っていたなんて言えない・・・けど)」
唯「あずにゃん」ウルウル
梓「(そんな目で見られると・・・)」
唯「食べたいな~」ウルウル
梓「ーーーっ、わかりました!唯先輩のために作って来ます!」
唯「本当!?明日楽しみにしてるねっ」ギュウ
梓「エヘヘ(もうどうにでもな~れ)」
梓「まだ時間がありますね。どうします?」
唯「・・・」グダー
梓「練習はやらなそうですね・・・」
唯「これやろうよ~」
梓「オセロですか?」
唯「うん」
梓「他にやることないですし、いいですよ」
唯「じゃあルールを教えて下さい」
梓「え?オセロったことないんですか?」
唯「そだよ~まるっきりの初心者です!」
梓「仕方ありませんね。説明しながら遊びましょうか」
唯「ほ~い」
唯「あ、私の勝ち?」
梓「・・・全部取ってしまいましたからね」
唯「真っ白で綺麗だね!」
梓「教えながら遊んでたのにどうしてこんなに差が・・・」
唯「ふふん、あずにゃんって経験者さんなのに弱いんだね」
梓「むっ、それは聞き捨てなりませんね」
唯「だって初心者の私に負けるんだもん(本当はオセロ得意なんだよね~1回も負けたことないし)」
梓「もう1回やりますよ!早く準備して下さい!」
唯「わかったよ~」
その後もあずにゃんの全敗!
キンコンカンコン~
唯「チャイム鳴ったね。教室に戻ろっか」フフン
梓「・・・」
唯「あずにゃん?」
梓「・・・まだです」グスッ
唯「(1回も勝てないで涙目なあずにゃん可愛いよ~)」ハアハア
唯「けどもう時間だよ?」
梓「そんなの知りません。唯先輩の番ですよ、早くして下さい」
唯「(あずにゃんが可愛そうだし適当に打ってわざと負けよっと)」パチッ
梓「・・・」パチッ
唯「(あれれ?どんどん白くなっていくよ)」パチッ
梓「・・・」パチッ
唯「(手加減してるんだけどな~どして?)」パチッ
梓「・・・っ」
唯「(あ、また全部取っちゃったよ・・・)」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「・・・さっ、始めますよ」
唯「また明日!また明日にやろうよ。ねっ?今日はこれで終わり!」
梓「・・・嫌です」
唯「あずにゃ~ん・・・明日も遊んであげるから」
梓「・・・わかりました」
唯「へ?」
梓「約束しましたからね。絶対明日もやりますからね!」グスッ
唯「いいよ!また明日勝負だぜぃ」
5時限目
唯「(やっぱ授業はつまらないよ~)」
唯「(あずにゃんはどうしてるかな)」チラッ
梓「・・・」スースー
唯「(ありゃ、寝てる)」
梓「・・・」
唯「(あずにゃんの寝顔・・・)」ハアハア
梓「・・・んっ」
唯「(あずにゃんの寝言・・・)」ハアハア
唯「(あずにゃん可愛すぎ!写メ取っちゃお)」ピロ~ン
梓「・・・んんっ」
唯「(はわわわ、早く携帯しまわないと)」アセアセ
唯「・・・」チラッ
梓「・・・」スースー
唯「(ほっ・・・)」
教師「・・・平沢さん」
唯「ほえ?」
教師「今授業中なんですけど、お忘れですか?」
唯「あっ」
教師「携帯を出しなさい。放課後まで没収します」
唯「あううっ・・・」
唯「(あずにゃんのせいで携帯取られちゃったよ・・・)」ジー
梓「・・・ふがっ」ガタッ!
バラバラ!
唯「(・・・あちゃ~)」
教師「・・・中野」
梓「はっ!」
クスクス
今の誰?
中野さんだよ
梓「はううっ・・・」
唯「(顔を真っ赤にしながら慌てて床に落ちた教科書を拾うあずにゃん最高だよ)」ハアハア
教師「2人とも後で職員室な」
唯「あっ、はい」
唯「分かりにくい解説!」
梓「・・・ふがっ」ガタッ!
唯「これは寝ている時無意識的に机を蹴っばしたり、椅子を引いたりする音だよっ」
唯「最悪机の物が全部床に落ちて恥ずかしい思いをするから注意してね!」
5時限目終了後
梓「ノート写し忘れてしまいました」
唯「寝てたもんね」
梓「・・・痛い所をついてきますね」
唯「だって本当のことでしょ?」
梓「唯先輩・・・?」
唯「授業中にあんなことして恥ずかしくないの?みんなに笑われてたよ」
梓「ううっ・・・」
唯「あずにゃんのせいで授業が台無しだねっ」
梓「す、すみません・・・」グスッ
唯「本当に反省してる?」
梓「・・・はい」
唯「それなら次からは気をつけるんだよっ」
梓「あの・・・」
唯「なに?」
梓「良ければノート見させて貰えませんか?」
唯「・・・」
梓「唯先輩?」
唯「ね、寝ていたあずにゃんが悪いんだからね!私は貸さないよっ」
梓「そうですか。なら勝手に見せて貰います」
唯「ああ~」
梓「・・・うわ、酷いノートですね」
唯「えへへ・・・」
梓「ミミズ文字が綺麗な文を塗りつぶしていてなんて書いてあるか読めない・・・」
梓「寝ていましたね?」
唯「ギクッ」
梓「・・・いいですよ。私も人のこと言えませんから」
唯「ご、ごめんね?あはは・・・」
6時限目
教師「次の問題をーーーそうだな。平沢答えろ」
教師「平沢?」
唯「・・・」スースー
憂「(雰囲気的にお姉ちゃんだろうけどまた寝ているよ)」アワワ
憂「(ここはお姉ちゃんのために私が・・・!)」
憂「はいっ」ガタッ
教師「ん?ああ、妹ではなく姉の方にーーー」
憂「答えはーーーです!」
教師「せ、正解だ。もういいぞ」
憂「ふうっ」スタッ
教師「では次の問題こそ平沢ーーー」
憂「はいっ(お姉ちゃんのために私が答えないと!)」ガタッ
以下ループ
放課後
唯「んっ・・・」
梓「ようやく起きましたね」
唯「あずにゃんおはよ~」
梓「1日に何回居眠りしたら気が済むんですか・・・」
唯「さあ~」
梓「さっきの授業だって唯先輩が寝ているせいで憂が大変だったんですよ」
唯「ええ~なにかあったの?」
梓「唯先輩に何度も問題当てられていたんですけど、気がつきませんでしたか?」
唯「そりゃあ寝てたんだもん。わからないよ~」
梓「・・・その度に憂が代わりに答えてたんですからね」
唯「おお、憂~お姉ちゃん助かったよ」
梓「それは私にではなく、憂に言って上げて下さい」
唯「がってん!」
梓「全く・・・。さっ、私たちも帰りましょう」
唯「あれ?部活は?」
梓「さっき律先輩から部活休みのメールが着ましたから今日はお休みです」
唯「ふ~ん、どしてだろ」
梓「何でも紬先輩が体育の着替え中に鼻血を出して倒れたらしくて早退したみたいですよ」
唯「そっか~新学期からむぎちゃんは絶好調だねっ」
梓「日に日に酷くなっていく気がして心配ですけどね」
唯「じゃ、そろそろ帰ろっか」
梓「はい」
憂「職員室に行ってたら遅くなっちゃった。お姉ちゃん一緒にーーー」
憂「あれ?おトイレかな。でも梓ちゃんもいないし・・・」
憂「帰っちゃったのかな?」
憂「・・・」
憂「グスッ・・・お姉ちゃん待ってよ~」タッタッタ
帰り道
唯「そういえばさ」
梓「なんです?」
唯「今日から私とあずにゃんは同期だよね?」
梓「はい。一応そういうことになりますね」
唯「だったらいつまでも敬語で話すのはおかしいよっ」
梓「え?」
唯「2人きりの時くらいは友達感覚で話そうよ~」
梓「でも唯先輩が私の先輩にはかわりありませんし・・・」
唯「私はいいから唯って呼んでよ。あ~ずにゃん」ギュウ
梓「で、できません!無理なものは無理です!」バッ
唯「・・・中野さん」ボソッ
梓「え、今なんて・・・?」
唯「だって私たち友達じゃないんでしょ?だから中野さん」
梓「止めて下さい!そんなの・・・他人行儀みたいじゃないですか・・・っ」
唯「私は中野さんが唯って呼んでくれるまで止めないよ?」
梓「ううっ・・・」
唯「どうするの?」
梓「ゆ、ゅ・・・ゆ」
唯「・・・」ハアハア
梓「やっぱ言えません!うわあ~ん」タッタッタ
唯「ああ、待ってよあずにゃん!私が悪かったよ~」タッタッタ
近場の公園
梓「いいですか。さっきみたいなことは無しですからね!」
唯「ごめんね~あずにゃん」スリスリ
梓「全く・・・」
憂「お姉ちゃ~ん」
唯「あっ、憂だ~」バッ
梓「(あっ・・・)」
憂「酷いよ。先に帰っちゃうなんて」
唯「ごめんね?もう先に帰ったと思ったよ」
憂「もうっ」
憂「はい、これ。お姉ちゃんの忘れ物だよ?」
唯「ああっ、私の携帯!」
憂「授業中に携帯取られちゃったでしょ?」
唯「そうだった、忘れてたよ~」
憂「ふふっ、そうだろうと思ってお姉ちゃんの代わりに取りに行ってたの」
唯「憂・・・ありがとう!大好きだよ~」ギュウ
憂「お姉ちゃんくすぐったいよ~」
唯「憂~」スリスリ
憂「私もお姉ちゃんが大好きだよっ」ギュウ
梓「・・・」ポツーン
梓「(姉妹か・・・)」
梓「もし唯先輩が私のお姉ちゃんだったら・・・」
ぽわぽわ~ん
梓「お姉ちゃんまた人参のこしてる!」
唯「いいじゃん、あずにゃんが食べてよ~」
梓「嫌です。それくらい自分で食べてください」
唯「ぶーぶー、食べてくれないならあずにゃんのこと嫌いになるよ?」
梓「どうぞ御勝手に」
唯「・・・」モグモグ
梓「・・・」モグモグ
ぽわぽわ~ん
梓「ああ・・・ダメだ。きついことしか言えないや」
梓「でもこれだったら・・・」
ぽわぽわ~ん
梓「お、お姉ちゃん!」
唯「んん、なに~?」
梓「一緒に寝てもいいかな?」
唯「怖い夢でも見たの?」
梓「ううん。お姉ちゃんにギュッてして寝たいの」
唯「あずにゃんは甘えん坊さんだねっ」
梓「ダメかな・・・?」
唯「全然いいよ~ほらっ、おいで?」
梓「お姉ちゃん大好き!」ギュウ
ぽわぽわ~ん
梓「うん、こんなの私のキャラじゃありませんね。けど・・・」
梓「えへへ・・・」
梓「・・・」ほわほわ~ん
唯「あずにゃん?」
梓「・・・はっ」
憂「急にボーっとしてどうし大丈夫?」
梓「あっ、うん。なんでもないよ」
憂「具合悪いなら無理しないでね?」
唯「ええっ、あずにゃん具合悪いの!?」
梓「そんなんじゃありませんから大丈夫ですよ」
梓「唯先輩は心配し過ぎです」
唯「えへへ~だってあずにゃんのこと大好きなんだもん。あずにゃんと出会えて私は最高だよっ」
梓「・・・」
唯「あれ?私おかしいこと言ったかな?」オロオロ
梓「大丈夫ですよ。おかしなことは言ってませんから」
梓「さっ帰りましょう。暗くなって来ましたし」
唯「そだねっ。はい」スッ
梓「なんですか?」
唯「折角だから手を繋いで帰ろうよ~」
梓「はい・・・!」ギュウ
唯「憂もはいっ」スッ
憂「お姉ちゃん・・・」ギュウ
唯「今日の晩ご飯はなんだろ~」
憂「ハンバーグだよ!」
唯「わーい、ハンバーグ大好き!」
憂「そうだ。梓ちゃんもおいでよ」
梓「いいの?」
唯「あずにゃんなら大歓迎だよっ」
梓「それじゃあお言葉に甘えてお邪魔しますね」
憂「今日の夕食楽しくなりそうだね?」
唯「うん!」
こうして私たちの新学期が幕を開けたのでした
おしまい
最終更新:2010年05月31日 00:34