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通訳「ペラペラ」

店主「ペラペーラ!」 つ[鉢]

紬「まあ!うふふ、これがあれば唯ちゃんも」

紬「ありがとう!ハーブ売りのおじさん!」

店主「ハハ、ペラペ 」  パーン!

どさっ

紬「     えっ 」 ピピッ


紬「え なに  これ」 ゴシゴシ

紬「……血…?」

通訳「ペラペーラ!」 がばっ

紬「きゃあっ!」

パーン!パーン!

通訳「ぐふっ」

紬「えっ…通訳さん?通訳さん!!」

通訳「」

パーン! パーン! ドカーン! ダダダダ.....

紬「どういう……こと……」


『ヘイ!』

紬(英語?)

黒人「こっちだ、嬢ちゃんっ!!」

紬「…………はいっ!」


黒人「間一髪だったな!HAHAHA!」

白人「なんだ、ボブ。観光客か?」

美人「あなた日本人?」

紬「はい。あなたたちは?」

白人「この国はクーデターがおきてうんぬんかんぬん」

美人「俺達は急ごしらえのレジスタンスってわけさ!」

紬「そう。危ない所をありがとう。日本に帰るにはどうすればいいの?」

黒人「ヘーイ、冷たいこと言うなよマユゲナデシコ」

紬「」ギロッ

黒人「オゥ……」 ブルブル


美人「軍事クーデターよ。飛行機は撃ち落とされるし、港は制圧されてる」

紬「それじゃあ……」

白人「ここに潜んでいるといい。私達がなんとかする」

黒人「へ、ヘイ!3人でどうするんだよ!俺はここから逃げられるっていうからついてきたんだぜ!?」

白人「なら逃げるといい。二人で何とかする」 ガシャ

黒人「ジーザス!」

紬「……私も行きます。それしか日本に帰る方法がないのなら」 チャキ

黒人「ヘイ、マユゲナデシコ!それは玩具じゃないんだぜ?」

紬「知ってるわ」

ズギューン!  カコ カコン


白人「ヒュー♪」

黒人「へ、へへ……ビールの缶に当たったからってなあ」 ヒョイ

黒人「オゥ、ノオ!なんてこった!垂直に立ったプルタブだけを正確に打ち抜いてやがるッ!」

紬「何か不満は?」

美人「どこで習ったの?」

紬「当然の護身術よ」

白人「そりゃあいい。ハッハッハッ!」

黒人「ジーザス……」


黒人「改めて自己紹介といこうか。俺様はボブ!こっちの白いのがミック」

白人「ベトナム支社への出向なんか受けるんじゃなかったぜ」

黒人「で、こっちのベトナム美人が…なんつったっけ?あんた」

美人「グエン・ティエン・チャンよ。ジェニファーでいいわ。」

紬「はい?」

美人「ジェニファーと呼んで」

紬「えーと、面白黒人に没個性の白人さん、あとはグエンさんね」

白黒美「えぇー……」


ベトコン「ちょぷちゃぷ」 ベトコン「ちゃぷちょぷ」

ズギューン!ズギューン!

ボブ「ひええ!」

ジェニファー「ムギサン!大丈夫!?」 バンバン

紬「まったく、お糞便たれだわ……こんなことになるなんて!」 ※

ボブ「気をつけろよ、マユゲナデシコ!どこにベトコンのブービートラップがあるかわからな」

ズシャ

ボブ「ぎゃあーっ!!」

白人「ボーブ!!」



※ムギちゃんはくそったれなんて汚い言葉は使いません


紬「面白黒人さん!!」

ボブ「」

白人「だめだ、こいつはもう……」

ジェニファー「ボブ!ボブ!!」

紬「面白黒人さん……」

ベトコン「にやり」

ミック「あっ!ムギ、あぶないっ!」


ズギューン!    ズギューン    ギューン   ギューン

紬「あっ!        あっ       あっ      あっ…」


ミック「しまった!」

ジェニファー「ムギサーン!!」

ミック「ファーック!」 バンバン

ベトコン「ちょぷー!」 バタン

紬「……う、うう」 ムク

ジェニファー「ムギサン!…大丈夫、どこにも傷はないみたい」

ミック「そりゃよかった。…ん?どうしたんだムギ」

紬「ミントの、鉢が……」

ミック「なんだって?こりゃ大変だ。ベトナムのミントは鉢がないと日本につくまでにしなびちまう!」

紬「そんな!本当なの!?」

ジェニファー「常識よ」


ミック「だが、そんなことよりも今は奴らを!」

紬「私は……このミントを届けるために、ここにきたのよ」

ジェニファー「ムギサン……」

ミック「だが、ムギ!半径5km以内にはそのミントを植えるに適するような鉢は存在しないような気がするぞ!!」

紬「……」

紬「…敵の」

ジェニファー「え?」

紬「敵の親玉のところには……さぞかし豪勢な鉢植えがあるんでしょうね」

ジェニファー「ムギサン……!」


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親玉「くっくっくっ、これさえあれば……」

ン゙イ゙ー!! ン゙イ゙ー!! ン゙イ゙ー!!

親玉「む?何事だ!」

幹部「敵襲!敵襲です!」

親玉「なぜ気づかなかった!敵の規模は!?」

幹部「三名であります!」

親玉「なにいっ!?」


ズギューン バキューン

ベトコン「ちょぷー!」 バタン

ベトコン「ちゃぷー!」 ベタン

紬「花瓶くらいしかないわね…庭かしら」 バン バン

ミック「ここを片付けてからゆっくり探せばいいだろう!」 バキューン

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紬「ここかしら!?」 バタン

ミック「むっ、あいつは!」


親分「くっくっくっ……ようこそ」


ジェニファー「敵の親玉の(※なんかベトナムっぽい名前)司令官!!」

親分「驚いたよ、まさか民間人の中にここまで出来る者がいるとは」

ミック「なぜだ!なぜお前はこんなことを!」 チャキ

ミック「ボブはいいやつだった…いいやつだったんだ!なのにお前がっ!」

親分「くくく…これを見たまえ」 ガコン ン゛イーーー↑↑

ジェニファー「ああっ、あれは!」

紬「水晶?大きいわね」

親分「くっくっくっ、このなんか古代遺跡から発掘された、古代文明より伝わるなんかクリスタルっぽいものがあれば、世界は私のものだ!」

ミック「させるかあっ!!」 だだっ

ズギューン

ミック「ぐはーっ!」

ジェニファー「ミーック!」

紬「白人さん!!」

親分「くっくっくっ、愚かな」

ジェニファー「貴様ぁっ!」 ジャキ

親分「まあそう急ぐな。お前達はなかなか骨がある。どうだ?私と共に世界を統べて見る気はないか?」

ジェニファー「ふざけるなあっ!!」 バキューン

親分「それは残念だ」

ズギューン!

ジェニファー「うわあああーっ!」

紬「ああっ、グエン!」


ジェニファー「ぐ……ム、ムギサン……」

紬「グエン、しっかりして!グエン!」

ジェニファー「お願い…あいつの………野望を……止め……………」 ガクッ

紬「グエン?グエン!グエンっ!!」

紬「………っ」

紬「ジェニファー…」 ぐっ


紬「………」

ボス「ふはははは!貴様は何がほしい!金か?地位か!名誉か!私につけば全てが手

に入るぞ!」

紬「そんなものはいらない……」

ボス「なにい!?ならば貴様は、何のために戦っているというだ!」

紬「私は……唯ちゃんの、喜ぶ顔が見たいだけよっ!」 バッ

ボス「こしゃくなあっ!」

紬「うおおおおおおっ!」



  ズギューン!!


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唯「ムギちゃん……大丈夫かな」

律「大丈夫だよ、きっと」

澪「ムギ……」

梓「……先輩…」 カチカチカチ

憂「うう、私のせいだよ…ムギさん…」

唯「憂は悪くないよ!あんな戦争が起こるなんて、誰もわからないよ……」

梓「あっ」 カチ

澪「どうした、梓!」

律「新しい情報か!?」

梓「翻訳記事です。……クーデター首謀者の軍の指揮官の、死体を発見…?」

唯「え?死んだってこと!?」

梓「特殊部隊が踏み込んだ時にはすでに死んでいた模様…銃撃戦の後があり、内部で抗争があったとみて……」

律「終わったんだ……終わったんだよ!ムギが帰ってくるんだ!!」

澪「無事なら……」

律「あ…うん」

澪「無事でいてくれ、ムギ……」

バラバラ    バラバラバラバラバラ

唯「えっ、なに?」

憂「ヘリコプターの音!」 バッ

律「うわ、校庭に降りようとしてるぞ、あれ!」

唯「ムギちゃんだよ!」

梓「えっ?」

唯「他にいないよ!行こう!早く行こう!!」 だだっ

憂「うんっ!!」


バラバラバラバラバラバラバラバラバラ

ガララッ

紬「みんな…」

唯「ムギちゃん!」

澪「ムギ!」

梓「ムギ先輩っ!」

紬「うっ…」 ヨロッ

ドサッ

澪「ムギぃーっ!!!」


唯「ムギちゃん!ムギちゃん!!」

紬「唯…ちゃん」 ゼェ ゼェ

律「うっ、ひ…ひどい傷だ」

梓「ムギ先輩!しっかりしてください!ムギ先輩っ!!!」

唯「ムギちゃん…うっ、ぐすっ…うえええっ」

憂「ムギさん、ぐすっ……あっ…その鉢は!」

紬「ふふっ……いい鉢でしょう?げほっ!ふぅ、ふぅ…っ、戦利品なのよ?ふふ…」

憂「ムギさん…っ!」


紬「憂ちゃん、お願いね……この、ミントで…唯ちゃんに……」

澪「ムギ、おまえ…このミントを届けるために……!」

律「ムギ…バカだよぉ、お前バカだよぉ…っ」 グスン

紬「おねがい……ね」 ガクッ

唯「ムギちゃーんっ!!」

律「ムギぃぃぃぃぃっ!!」

澪「うわあああああああっ!!」

梓「ムギせんぱあああああいっ!」

憂「ムギさん……」



憂「これ……ミントじゃなくて、バジルです……」

紬「えっ」

                                     完




最終更新:2010年06月01日 21:40