唯「憂~、あれとって~」

憂「はーい」

唯「憂~、アイスぅ~」

憂「今買ってくるからちょっと待っててね」

唯「うー…」

律・梓「うわぁ…」

唯「スーパーカップ…バニラ味ぃ…うぇへっへ…」ゴローン

律「…お前、姉としてそれでいいのかぁ?」

梓「憂に申し訳ないとか思わないんですか?」

唯「ん~? そうだねー」

律・梓(聞いちゃいねぇ…)


憂「お姉ちゃんはたしか…バニラ味…」

憂「あれれ…? ない? 売り切れちゃったのかな」

憂(仕方がないか。別のスーパーにも捜しに行ってみよっと)

私、平沢憂はお姉ちゃんのためならたとえ火の中、水の中!

よく甘やかしすぎてるって言われるけど…でも、お姉ちゃんのことが大好きなんだもん!

お姉ちゃんが私に笑ってくれればそれが私の生きる糧となるんだよ!

だから、お姉ちゃん! 私の為に笑って!


憂「あ、やっと見つけた♪」

憂「よかった~…3軒も巡って見つからなかったから心配しちゃったよ。ふふ」

憂「…っと、こんなことしてる場合じゃないよね。早く帰ってお姉ちゃんにアイス食べてもらわなきゃ!」

憂「ここから家まで走れば…10分」

憂「ううん! 5分でついてみせる! お姉ちゃんのためにも!」

憂「待ってて~、お姉ちゃんっ」Start up…ビュォォォン


唯「あ~い~すぅ~…」ゴロンチョ

律「この漫画の続きはー?」

梓「あ、私読んでます」




4:49!

シュタタタ…

憂「はっ、はっ、はっ」

純「むー…いないなぁ。…あれー? 憂じゃん」

ピタ

憂「純ちゃん! …どうしたのこんなところまで?」タッタッタ…

純「あー、私は…って、何足踏みしてるの?」

憂「え? あ、うん。ちょっとね! 急いでて…」

純「そうなの? 呼びとめちゃってごめんね」

憂「ううん! 気にしないで、それじゃあ私はこれでっ」シュ

純「ばいばーい……はぁ、よわったなぁ…うーん…」キョロキョロ

憂「」ピタッ

唯「う~ぬ~…」

律「梓まだ?」

梓「……もうちょっと」


純「ホントに!?」

憂「うん。純ちゃんが困ってるんだもん、放っておけないよ」タッタッタ…

純「う、憂ぃ……あ、ってことでこれが逃げたウチの猫の写真」

憂「ふむふむ、把握したよ! 純ちゃん!」

純「よし! じゃあ私はこの辺捜すから憂はあっちお願い!」

憂「うんっ」タタタ…




3:58!

憂(急いでたのに、こんなこと引き受けちゃってホントによかったのかな…)

憂「…ううん、これでいいんだよ! きっと! 困ってる友達は見捨てられないもんっ」

憂「猫の一匹、1分もあれば十分見つけられるはず!」タタタ…

憂「猫~! 純ちゃんの猫ちゃ~ん! いたら鳴いて~!」

ニャウ…

憂「!」

憂「聞こえた! ここからだとおよそ23m先の場所からだ!」

憂「泣き声の様子からすると、どこかから出られなくなって困っちゃってる感じ…」

憂「きっとどこかの溝にはまってるに違いない!」ダダダ…


唯「小腹が…スッカスッカ」

律「このゲームしていい?」

唯「んあ~? いいよ、別に」

梓「…ふむふむ」


猫「ニャウ…」

?「ははは、いい気味だなぁ! お前はその溝に詰まってるのがお似合いだぜ!」

猫「Oh…」

?(日ごろ姉ちゃんから受けてるストレスをこいつで晴らしてやるぜ!)

聡「ひーっひっひっひ!」

聡「ひっひっひひひひ…」ケラケラ

シュタタタ…ピタッ

憂「純ちゃんの猫~!」

聡「!」

猫「にゃう」

憂「そこだねっ…て、何してるの君?」

聡「え、あ…その…」

猫「にゃうぅぅ」

憂「え、そいつが苛めた? …ほんと? そこの君」

聡(なんだこの女!?)

憂「どうなのかな」

聡「いやっ、そんな…おれ…ぼ、僕はそんなことは…!」

憂「してないんだね?」

聡「はいっ!!」

憂「とりあえず純ちゃんに早く猫を届けないと…」ヒョイ

猫「…ふぅ」

憂「それじゃあね。ばいばい!」シュタタタタ…

聡「は…速い! イカす! めっちゃラブリィ!」

聡「…ふぅ」ズキュン…!



純「ホントにありがとう憂~!!」ギュゥゥ

猫「GJ!」

憂「えへへ、それじゃあ私はこれで!」ビュォォォン!

2:56!


唯「違うよりっちゃん! そこはスタングレネードを…」

律「えぇ?」

梓「…この漫画、中々…」


憂「はっ、はっ」ギュォォォォッッ…

澪「でな、律が」

和「唯もね、昔…あら」

和「憂?」

澪「え?」

ピタッ

憂「何か!?」

澪(!?)

和「え? あ、いや…ちょうど通りかかったから声かけただけなんだけど…何、急いでるの?」

憂「ええ、ちょっと…」タッタッタ…

澪(わ…私には憂ちゃん見えなかったんだけど…)

2:01!


澪「な…なぁ、和…」

和「憂がそんなに急ぐ理由…聞かなくても分かるわ」

和「ずばり唯ね」

憂「そうに決まってるでしょう! それでは…」タッタッタ…

和「待ちなさい」ガシッ

憂「! な、なんですかっ。急いでるんですっ」

和「前から言ってるでしょ? あんた…このままじゃ唯をダメにするわよ」

憂「むっ」

澪「あの…」

和「悪いことは言わないから、憂。そろそろ唯離れしなさい」

澪「和…」

憂「お断りします!」

和「ダメよ! めっ!」

澪「あ…の…」


和「あんたがそんなだから唯はいつまでたってもだらしないまま…」

和「ニート一直線よ!」

憂「私が養いますから平気ですっ!」

和「馬鹿言ってないで現実を見なさい!」

憂「いやですっ」プイッ

澪「ふ、二人とも…何もこんなところで喧嘩しなくても」アセアセ…

和「…言ってダメだというのなら、力づくしか…ないか」

澪「え」

ドゴンッ

憂「」ヒューーーー…ズガガガ…

澪「!?」


憂「……」ボロボロ…

澪「憂ちゃんっ!! 大丈夫か!?」

澪「和なにやってるんだよ!? 正気か!?」

和「手は抜いたわ。どう、憂…考え直してくれたかしら?」

憂「は、はやく…ウチに帰らないと…」グググ…

和「っ!」

和「どうやらもっと痛い目を見なければわからないようね!」ゴゴゴ

澪「なんなんだ!? お前たちなんなんだよ!? ねぇっ!?」

1:24!


ドンッ、ズガァッ、バキッッ!

憂「か…は…!」

和「私の、言うことを、聞きなさいっ」

憂「……っぐ!」キッ

和「何でわかってくれないのよ!?」

澪「和! もう、よせっ!」

憂「…お姉ちゃんが好きだからっ」

憂「誰よりも、誰よりも愛しているからっっ!!」

憂「大好きなんですっ! お姉ちゃんが!!!」

和「だからこそ甘やかすべきじゃないのよ!? わからず屋!」バァァン

憂「あうっ」

澪「も、もう止そう! な? ほ、ほら…人も見てるしさ…!?」

憂・和「……」ギラギラ


憂「お姉ちゃんが毎日楽しければそれでいいんですっ」

和「歪んでるわ!」

憂「そんなことないもんっ」

和「…もういい。これで最後よ…憂」グォン…グォン…グォン!!

憂・澪「!」

憂「……」

憂「負けられない…! お姉ちゃんのためにも…私のためにも!!」ギュォォォオオオオォォ…!!

澪「よ、よせ…やめてくれ…恥ずかしいから…なぁ…頼むから…」

憂・和「くたばれぇぇえぇえぇぇぇぇぇっっぇぁぁあぁあああああ!!!」

澪(…ああ、もう……おしまいだ…)

ドカーン

和「……」

憂「……」フラフラ…

澪(…ごくりっ)

和「かはっ…」バタッ…

澪「!」

憂「それでは…失礼、します…」タッタッタ…

和「まち、なさい…」

憂「……」

和「…幸せになりなさいよ」

憂「! …はいっ」ギュォォォ…ビュゥゥゥン

和「例え、歪んでいても…愛に偽りはない…私にはあの子を止めることはできない…ならせめて、応援するだけよね…私にできることは…」ガクッ

澪「和…和ぁぁぁぁぁぁっ!!」

1:03!


憂(いそがなくちゃ…! お姉ちゃんがアイスを待ってる!)シュタタタ…

?「きゃー! やめて~!!」

?「大人しくしていろ!」

?「逃がすなよっ、そいつは琴吹家のお嬢様なんだからなっ」

憂「…あれは?」ピタッ


ステーンバーイ、ステーンバーイ…

律「…ふー、ふー……」

唯「あせっちゃダメだよ、りっちゃん…」

梓「…な、なんと! こんな展開になるとは…」


紬「は、離してっ」

男A「やかましい! くそ、どこにこんなに暴れる力があんだよこいつ…」

男B「よし、荷台に乗ったな! このまま行くぞ!」

紬「いやー!」

シュッ…

男B「!!」

男A「…? おい、どうした?」

紬「…?」

男B「わ…分からない…と、突然頭が…う…うげげ…」

男A「お、おい?」

男B「ひでぶっ!!」ブシャー……

男A「ひっ!? な、なんだ! なんだよぉぉ!?」

?「その人を離しなさい!」

紬・男A「!」

0:43!


紬「う、憂ちゃん!」

男A「お、女…!?」

憂「ムギさん! すぐに助けますからね」

男A「あ、あんな女の子が…男Bをあんな無残に…?」

男A「う…」

憂「む!」

男A「うわああぁあぁぁああああ!!」ブンッ、ブンッ!

シュ…

男A「ひぃ!?」

憂「…めっ!」ドスッ…キキーーン

男A「う、うっげ…げげげ…い、いひぃひひひ…ひ、ひひ…」

男A「あずにゃんにゃっ!!」ブシャー……

憂「…ふぅ」

0:33!


律「…た、大尉っ」

唯「…あいすぅ」

梓「や、やだ…なんか泣けてきちゃった…ううっ…」


紬「憂ちゃん…ああ、なんてお礼を言えばいいか…!」

憂「気にしないでください! 困った時はお互い様ですよ!」タッタッタ…

憂「急いでいるんでそれでは!」ギュォォァァァァ…ビュォォォォンンッ

紬「う、憂ちゃん…///」

0:25!


ビュゥゥォォォッォン!

憂「はやく、はやくお姉ちゃんにアイスを!!」

憂(そしてお姉ちゃんが喜ぶ顔をはやく見たいよっ…!)

憂「待っていて! お姉ちゃん!」

0:14!


律「まーた、やられたよ…ていうか、梓」

梓「待ってください! あともう少しです…」

唯「はらへった…」ゴロリンチョ


0:09!

憂「はっ、はっ、はっ…!」ダダダ…

憂「あとちょっと!」

0:04!

憂「お姉―――」

0:02!

憂「ちゃあああぁあぁぁあぁぁああああんっ!!」

0:01!


ガチャリ

0:00! …Time out

憂「ただいまー!」

唯「あ、おかえり憂~。アイス、アイスぅ~」

梓「読み終えましたよ。律先輩…最高ですね、これ」

律「やっとかー…どれどれ」

憂「はい、お姉ちゃん。これ」ス

唯「ぬほぉ~…アイスぅ~♪」パカッ

パクパク

唯「おぅ~…ンまいっ!」

憂「ふふ、よかった」ニコ

憂「二人にも…はい、アイス」ス

律「お、気がきくなぁ♪」

梓「ありがとう。憂」

憂「いえいえ」

唯「憂~」ギュッ

憂「!」

唯「ありがとぉ、憂~」ギュゥ

憂「えへ、えへへ…お姉ちゃん!」ギュゥ…

やっぱり…お姉ちゃんは最高だよ!

LOVE! お姉ちゃん! ビバ! マクミラン!


おわり



最終更新:2010年06月01日 21:58