澪は自室に篭りぽつりと呟いた
律は幼なじみでもう十余年の付き合いになる。

澪「女の子同士なんてありえないか…」

そんな思いが自然と歌詞に現れてしまう。



翌日
澪は新しい歌詞を部活仲間にお披露目した

澪「がんばって書いてみたんだけどどうかな?」

唯「すごく良いと思うよ!」

紬「まぁ?素敵」

律「これはまた……無いな…」

澪「え?」

律「いや…さすがにさぁここの部分の『気持ち良さなら忘れない、脳細胞に叩き込め!』はないだろぉ?」

澪「な、なんでだよ!?恋しい気持ちをぶつける少女をイメージして作ったんだけど…」

律「あのさぁ、澪の歌詞は攻撃的過ぎるんだよなぁ…」

澪「そ、そんなこと…」

律「だってさ前の曲の『際どい快感におかされて楽しめなきゃまずいんじゃないの?』って部分とかさぁ普通の女の子が考えるような歌詞じゃないって」

澪「あれは危険な恋愛を楽しむ女性をだなぁ…」

律「澪の恋のベクトルっておかしいんじゃないの?」

澪「な、なんてこと言うんだよ!?」

律「私たちガールズバンドだぜ?女の子が歌う曲じゃないって」

唯「そうかなぁ私は良いと思うけど…」

紬「澪ちゃんのダイレクトな感情が表れてて私も良いと思うわ♪」

律「大体どんなこと考えてればこんな詞が浮かぶんだ?」

澪「それは……」

律「それは?」

澪「私の…好きな…人をかんがえて……」

律「澪のすきな奴ぅ?」


紬「まぁ///」

律「澪って凄まじい恋愛観持ってるんだな…長年一緒にいたけど全然気づかなかった…」

澪「……(律が好きな人なんだけどな…)」

唯「ねーねー澪ちゃん?」
澪「え!?」

唯「澪ちゃんの好きな人ってりっちゃん?」


澪・律「な!?」

澪・律「なに言ってんだよ!?私達女だぞ?」

紬「まぁ//息ぴったり//」
唯「おぉ~!」

澪・律「ちょっと!!」

澪「って…//」

律「またかよ//」

律「おい!唯、いいかげんにしろよなー!大体澪が女が好きでましてや私なんか好きな訳無いだろ!?」

紬「そうかしら?」

律「なっ!?」

紬「澪ちゃんが学校で歌詞を書いてるときずっとりっちゃんを見ながら書いてたわ。りっちゃんは気づいてないみたいだったけど♪」

澪・律「…」

紬「りっちゃんはいつもミルクティーのむわよね?」
律「それがなんだよ…?」

紬「この間の曲に『彼女はいつもミルクティーYEAH!』ってフレーズがあったわよね♪」

律「そ、そういやぁ…」

紬「それに『どうしようほかの子が邪魔するこんなとき妙に仲が良いよねこれが女の連帯感なのか?』って部分に出てくる『他の子』って」

紬「明らかにりっちゃんと戯れる唯ちゃんよね?」

唯「ほえ?あたし?」

紬「そうなんでしょ?澪ちゃん?唯ちゃんとばかり仲良くするりっちゃんに嫉妬したのよね?」

澪「…」

紬「他にもあるわ♪『迷いを吸い込み自信を吐き出してこれからどこまで行こう?』とか同性愛に対する葛藤じゃない?」

紬「『ボロボロにKOされる夢を見て君にしがみついた』ってライブの失敗を恐れてりっちゃんに縋り付く澪ちゃんそのものよね♪」

紬「『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』なんて説明は不要ね」

紬「『氷のようなプライドをほんとはあなたに溶かしてほしいよ』って素直になれない自分を嘆いたんじゃない?」

紬「『いらないなにも捨ててしまおう君を探しさまようマイ ソウル』ってりっちゃんが風邪でお休みしてたときの澪ちゃんの気持ちじゃない?」

紬「ねっ?こんなにいっぱい♪」

唯「澪ちゃんホントなの?」

澪「それは…その…」

唯「ねぇねぇ~」

澪「ううぅぅ~…」

紬「澪ちゃん、言っちゃったほうが楽になると思うわ。最近澪ちゃん思い悩んでたし…」

澪「ムギ…」

律「(ドキドキ)」


澪「あー!もう良い!そうだよ…私が好きな人は…り、律だよ…」

律「!!!」



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最終更新:2010年07月03日 04:52