唯「……………」
澪「えっ!唯、何を言ってるんだ?あ、あとその服装と、手に持ってるのは…銃?」
唯「……………」
ダ ダ ダ ダ ダ ダ!!
澪「ひっ!」ガクッ
唯「質問してるは私なんだよ?澪ちゃん死にたいの?」
澪「ひ…あ……」ガクガク
唯「貴方の名前は?」
澪「え…………」
唯「……………」
ダ ダ ダ ダ!!
唯「生年月日は?」
澪「あ……あ…」ガクガク
唯「……………」チャキ
澪「や、やめて!撃たないで!」
唯「………早く」
澪「い、1月15日です…」
唯「血液型は?」
澪「A型…」
唯「出身校は?」
澪「さ、桜が丘高校」
唯「何の部活に入ってた?」
澪「…え……なにを…」
ダ ダ ダ ダ ダ ダ!!
澪「いやー!!」
唯「答えられないの?」チャキ
澪「けいおん!軽音楽部です!!」ビクビク
唯「部活の構成員の名前は?貴方含めて全部答えて…」
唯「飼ってた亀の名前は?」
澪「と、とんちゃん……」
唯「………」
唯「ごめんね澪ちゃん、驚かしちゃって」サッ
澪「えっ?」
唯「立って」グイ
澪「あっ」スッ
唯「澪ちゃんは今だ…昔じゃない…」
澪「む、昔とか今とか、どういう事なんだ!?それに唯、その銃!?」
唯「それは後で説明するよ…とりあえずこれだけは言わせて…」
澪「?」
唯「ようこそ、今へ」
数時間後
唯「あずにゃん、ただいま」
梓「あ、唯先輩、おかえりなさい」
澪「えっと…梓?」
梓「!?」チャキ
澪「あ、梓!?」
唯「あずにゃんやめて……澪ちゃんは昔じゃないよ」
梓「で……でも」
澪「あ…なに……また…銃」ガクガク
梓「……………」
梓「ちゃんと確認したんですか?」
唯「うん……ちゃんと全部言えたよ…」
梓「……………」
唯「あずにゃん少し神経質になってない?あんまり固執すると過去がやってきちゃうよ?」
梓「あんな出来事……もう嫌ですから…」
澪「…………」
澪「な、なんなんだよ!さっきから!昔とか、過去とか!わ、訳がわからない!」
澪「あ、あと、建物とか凄く壊れて!!ま、まるで戦争でもあったみたいに!」
澪「何なんだよ!何なんだよー!!」
唯「……………」
梓「……………」
唯「色々説明しなきゃならない事があるね…」
澪「…………」
唯「ただ今はこれだけは覚えてて」
澪「…………」
唯「私達は今を生きてる。未来に向かって進んでる。だから昔を思い出さず、過去は振り返らないの」
唯「昔は過去を呼ぶ、過去は破滅を招き寄せる」
澪「……………」
唯「そして破滅は何も残さない」
澪「…………」
唯「もちろんこれは私の言葉じゃないよ、これは誰かの言葉」
澪「…………」
唯「でも今は皆の言葉」
梓「…………」
澪「……よく…わからないよ」
唯「今はわからなくて良いよ。でも今を生きてる澪ちゃんはいずれわかるはずだよ」澪「…………」
唯「もう一度言うよ、ようこそ、今へ………いや、今の澪ちゃんにはこっちのほうが良いかな?」
唯「ようこそ二年後へ」
ザッザッザッ
唯「……………」
梓「……………」
澪「…………なぁ…」
唯「なに?」
梓「…………」チャキ
澪「どこに行くんだ?」
唯「拠点に戻るの……」
澪「拠点?」
唯「うん、皆が居る所だよ」
澪「皆!軽音楽部の皆か!?」
唯「それも含めての皆だよ…」
澪「ムギと律は元気か!?」
唯「……ムギちゃんは元気だよ」
澪「えっ…律は?」
唯「…………」
澪「な、なあ律はどうしたんだよ?」
梓「………少し黙っててくれませんか?」
澪「えっ」
梓「気が散りますから」
澪「……………」
ザッザッザッ
ピタ
唯「さぁ、着いたよ」
澪「ここが拠点?」
梓「そうです。ここが私達の拠点ですよ」
澪「でも、テントしか無いじゃないか…」
唯「定住は執着を呼ぶの…そして執着は過去を呼び寄せる」
梓「今の澪先輩にはきついかもしれないけど耐えてください」
澪「そんな……」
梓「言っておきますけど、お風呂に何か入れませんからね?体を洗いたいなら濡れタオルで体を拭いてください」
澪「そ!そんなそれじゃ汚くなるじゃないか!?」
梓「知りませんよ。そんな事」
唯「…あずにゃん澪ちゃんをあまり虐めないで…週に一度シャワーが使えるじゃない」
澪「しゅ、週に一度……」
梓「一度墜とされたほうがましに感じるでしょう?」
澪「…………」
中年女性「おかえりなさい、唯さん、梓さん」
唯「……どうも」
梓「……………」
中年女性「………彼女は?」
唯「帰還者です」
梓「本当かどうかわからないですけど…」チャキ
澪「……………」
中年女性「ちゃんと確認はした?」
唯「はい」
梓「…………」
中年女性「もし違ってたら…ちゃんと殺すのよ」
澪「!?」
唯「…………」
梓「はい」チャキ
澪「…………」
唯「行こう、澪ちゃん」
澪「う…うん」
澪「……………」
唯「……………」
梓「そこを左です」
澪「………なぁ、梓…」
梓「…何ですか?」
唯「何で私が先頭なんだ?」
梓「そのほうが楽じゃないですか」
澪「えっ」
梓「色々と」
唯「…………」
梓「着きました。ここが私達の家です」
澪「…………」
梓「今、小さいって思ったでしょう?」
澪「い、いや……」
梓「これでも五人用なんですから、贅沢言わないでくださいね」
澪「………うぅ」
梓「……ムギせんぱーい!」
ムギ「ハーイ!!」
紬「唯ちゃん、梓ちゃんお帰りなさい!!無事でよかっ……」
澪「あっ…ムギ!」
紬「………もしかして澪ちゃん!?」
澪「うっ、うん」
唯「どうやら帰還できたみたいなんだ」
梓「…………」
紬「まぁ!まぁ!良かったわ!唯ちゃんと梓ちゃんが澪ちゃんだけは見かけないって言ってたからもしかしたらって思ってたの!」
澪「見かけない?」
紬「澪ちゃん、お帰りなさい!」
澪「あ、あぁ!ただい…」
紬「どうかしたの?」
澪「ムギ!腕が……」
紬「これ?運が良いでしょう?片腕だけですんだの」
澪「えっ…」
紬「そんな事より良かったわね!ねぇ!唯ちゃん、梓ちゃん!」
唯「うん、そうだね」
梓「……そう…ですね」
紬「今日はお祝いにおいしい物を作るわ!」
澪「あ、あぁ」
梓「野菜とかしかないですけどね…」
紬「それは工夫すれば良いのよ」
唯「うん、紬ちゃんの料理はおいしいからね」
紬「ありがとう!」
澪「き、期待してるよ」
紬「うん♪」
紬「こうしているとあの頃に戻ったみたいだわ!本当に懐かしい!」
唯「!!」
梓「!!」
紬「あの頃は…」
バキッ!
澪「ゆ、唯!」
唯「…………その言葉は、禁句だよ?」
梓「何考えているんですか?」
紬「ご、ごめんなさい…つい」
唯「私も……殴ってごめんね…」
紬「私も悪かったの…ごめんなさい」
澪「……………」
カチャカチャ
澪「…………」
唯「…………」
梓「…………」
紬「澪ちゃん、おいしい?」
澪「う、うん」
紬「そう、よかったわ」
梓「……どうだか」
紬「梓ちゃんそんな事言っちゃ駄目よ」
梓「すいません」
澪「…………」
澪「…………」
唯「…………」
梓「…………」
紬「…………」
澪「な、なぁムギ」
紬「ん?澪ちゃん何かしら?」
澪「この拠点って男の人が見かけないけど、何かあったのか?」
紬「男の子ならいるわよ?」
澪「いや、大人の……」
唯「男の人は過去に捕らわれやすいから、たぶんもういないんじゃないかな」
梓「ある意味気楽ですけど」
紬「確かにそうかもしれないわね♪」
澪「…………そう、なんだ」
唯「…………」
梓「…………」
紬「…………」
澪「……なぁ、皆」
澪「昔とか過去とかって何なんだ?」
唯「………いずれわかるよ…」
梓「恐がりの澪先輩のくせに聞きたいんですか?」
紬「昔は怖い、過去はもっと怖い、そんなところかしら」
澪「そう…なのか」
唯「今は考えなくて良いよ。そのほうが良い」
梓「澪先輩ひきずりそうですからね」
紬「今は体を洗って寝ましょう?」
澪「…………」
梓「といっても濡れタオルしかないですけどね」
唯「恥ずかしいからって断ったりしないでよ?」
紬「やるとやらないとじゃ段違いなのよ」
澪「ちょっ、ちょっと待って」
梓「早く洗ってください。言っておきますけど隠す物なんて無いですからね?」
唯「早く慣れてね?」
紬「開けっぴろげも良いものよ?」
澪「そ、そんなー」
深夜
澪「せまいな…」
澪「みんな寝たのか?」
唯「…………」
梓「…………」
紬「…………」
澪「………寝たのか」
澪「……………」
澪「………これは夢なんじゃないかな?」
澪「起きたら全部元通りで……」
澪「朝に学校に行って…」
澪「皆でバカ騒ぎして…さわ子先生に起こられて……」
澪「…………そして皆でバンドして」
澪「寝て起きたら、きっと元通りになってるんだ」
澪「ベットから起きて夢だったのかって思うんだ」
澪「そしてシャワーを浴びてすっきりして…」
澪「そして……」ウトウト
澪「……そ…して…」ウトウト
澪さーん 澪さーん
最終更新:2010年06月03日 00:13