――唯宅
憂「純ちゃんが梓ちゃんを……」
憂「応援するべきなのになんでこんな気持ちに……」ハァ
(朝撮った梓の寝顔の写真を見る憂)
憂「梓ちゃん……」ドキドキ
(次に朝撮った唯の寝顔の写真を見る憂)
憂「お姉ちゃん、やっぱり可愛いけど……」
憂「お姉ちゃんに対するドキドキと、梓ちゃんに対するドキドキは違うよ……」
憂「私はお姉ちゃんのことを1人の女の子として好きなんだと思ってたけど……」
憂「本当はお姉ちゃんとして大好きなだけなのかな……」
憂「でも今までに感じた気持ちはどう考えても……」
憂「……何がなんだかわかんないよおー」ハァ
――バタン
憂「!!!」
唯「ういー、ただいま」
(急いで写真を隠す憂)
唯「ういー、どうしたのそんなにあわてて?」
憂「なんでもないよ、おかえり、お姉ちゃん」アセッ
憂(そんなに見つめないでお姉ちゃん///)
憂(ってあれ……そんなにドキドキしない)
唯「……隠し事はダメだからね、憂」
憂「う、うん、お姉ちゃん」
唯「わかったら、いいんだよー」ナデナデ
憂「うん///」(お姉ちゃんにこうされるとなんか落ち着く)
唯「そうそう、憂、今日もあずにゃんがお泊まりにくるんだよー」
憂「え、梓ちゃんが……」ドキドキ
唯「今日もギターの特訓するんだー」
憂「そうなんだ……よかったね、お姉ちゃん」
唯「うん、憂も嬉しいでしょー」
憂「えっ……うん」ドキッ
――ピンポーン
唯「おお、噂をすればなんとやらだねー」ニコッ
憂「……そうだね」
唯「はいはーい、あずにゃん、ちょっと待っててね」
――
梓「今日もよろしくね、憂」ニコッ
憂「う、うん」ドキドキ
憂「……もうちょっとで晩ご飯できるから待っててね」ドキドキ
唯「おいしいー」モグモグ
梓「本当においしい、やっぱり憂は料理が上手だね」ニコッ
憂「う、うん……ありがとう///」ドキドキ
唯「憂、どうしたの?顔赤いよ」
憂「えっ、別になんでもないよ」(梓ちゃんを変に意識しちゃうよ///)
唯「今日も一緒にお風呂入ろうよ」
梓「またですか……」
唯「うん、昨日楽しかったし」
梓「それは唯先輩だけですよ」(本当は私も楽しかったけど///)
唯「えぇー、いいよねー、憂?」
憂「えっ、えっと……」
憂(今、梓ちゃんとお風呂入ったら、本当におかしくなっちゃいそうだし///)ドキドキ
憂「今日は、1人ずつ入ろうよ」
唯「えぇー、なんでー」
憂「その、やっぱりせまかったし」
梓「それはたしかに」
唯「むー……」
唯「……わかったよー、今日は1人で入る」
憂「うん、ごめんね、お姉ちゃん」
梓(憂、どうしたんだろ……唯先輩と入りたくないのかな)
憂「そうだ、お姉ちゃんから入りなよ」
唯「わかったー……2人で私抜きで遊んじゃだめだよ」
憂「……うん」
(憂と梓が部屋に2人きり)
梓(チャンスなのに……ドキドキして何も言えないよ)
憂「……ねぇ、梓ちゃん」
梓「う、うん、何、憂?」ドキドキ
憂「そ、その……梓ちゃんはお姉ちゃんのこと好きなの?」
梓「!!!」
梓「えっと……どういう意味で聞いてるの……?」
憂「そ、その……れ、恋愛的な意味で///」ドキドキ
梓(ひょっとして憂は私が唯先輩のことが好きだと勘違いしてるの……)
憂「……」ジー
梓(よし、ここは、正直に私は憂が好きだって言ってやるです)
梓「あのね、憂、私は唯先輩に恋愛的に特別な意識は持ってないよ」
憂「えっ、そうなの!!!」
梓「うん、唯先輩のことは先輩としては大好きだけど、そういう意識はないよ」
憂「……そうなんだ」(私、今凄いホッとしてる)
憂(この気持ちは、お姉ちゃんが梓ちゃんに取られることに対する安堵感じゃなくて……)
憂(……やっぱり私梓ちゃんのことが///)
梓「うん、だって、私は……」ドキドキ
(憂をまっすぐ見つめる梓)
憂(ひょっとして、梓ちゃん……)ドキドキ
梓「……わ、私が好きなのは……」ドキドキ
憂「……」ドキドキ
――バタン
憂・梓「!!!」
唯「ふぅー、気持ちよかったよー」
唯「……2人ともどうしたの、顔真っ赤だよ」
憂「な、何でもないよ///」
唯「本当にー」
憂「う、うん……、そうだ、梓ちゃんお風呂先行きなよ」
梓「……うん」
――風呂
梓「ううー、唯先輩の馬鹿」グスッ
梓「昨日も今日も私の邪魔して」グスッ
梓「あとちょっとだったのに」ハァ
梓「まぁ、またチャンスはあるよね……あるかな……」ハァ-
――――
唯「憂、あずにゃんと何してたの?」
憂「何って、話してただけだよ」
唯「……」ジー
憂(お姉ちゃん、そんな視線で見られると言わないといけない気になるよ……)
憂「そうだ、お姉ちゃん、アイス食べない?」
唯「えっ、いいの」ニコッ
憂「うん」
―――
唯「おいしいー」チュパチュパ
憂(よかった……)ホッ
梓「憂、上がったよ」
憂「うん、じゃあ、私お風呂行くね」
――風呂
憂「はぁ……」
憂「梓ちゃん何て言おうとしたのかな……」
憂「もしかして……私がす、好きとか///」カァァ
憂「って私何考えてるんだろ」
憂「純ちゃんに協力しなきゃいけないのに……」
憂「でも、私は梓ちゃんのことが……好きみたい」ドキドキ
憂「今まで私はお姉ちゃんのことが好きだと思ってたし……純ちゃんのこともあるし……」
憂「どうすればいいか、わかんないよー」ハァ
憂「……そういえば梓ちゃんが入った後のお風呂///」ドキドキ
憂「……ってそんな場合じゃないよね」ハァ-
――――
(唯、アイスを食べ終わる)
唯「ハッ!!!」
唯「そうだ、あずにゃん、さっき憂と何話してたの?」
梓「えっ、そ、それは……」アセッ
唯「私には言えないことなのー」ウルウル
梓(そ、それは反則です)
梓「……ゆ、唯先輩のこと話してたんです」
唯「えっ、私のこと」
梓「そうです」
唯「どんな風にー」キラキラ
梓「そ、その私が『唯先輩はギターの上達が凄いはやい』って誉めてたら、憂が『お姉ちゃんはやればできる子なの』って誉めてたんです」
唯「なんか照れるよー」エヘヘッ
梓「そうしたら、唯先輩が入ってきたから、憂と2人で照れてたんです」
唯「そうなんだー、何か変に疑ってごめんね」
梓「別にいいですよ」ニコッ
梓(あながち嘘じゃないよね)
唯「あずにゃーん」ギュッ
梓「ちょっと、唯先輩……」
――バタン
梓「!!!」
唯「あ、ういー」
憂(お姉ちゃん、また梓ちゃんに抱きついて)ムー
憂「お姉ちゃん、離してあげなよ、梓ちゃん苦しそうだよ」
唯「はっ!」
唯「ごめんね、あずにゃん」
梓「別にいいです」(憂、また私に嫉妬してるのかな……)ハァ
――唯の部屋
梓「じゃあ、練習やりましょうか」
唯「おおー」
憂「私はそろそろ部屋に戻るね、2人ともおやすみ」
唯「うん、おやすみー」
梓「おやすみ、憂」(今日も駄目だったです)ハァ
――憂の部屋
憂「はあー、どうしようかな……」
憂「やっぱり、純ちゃんの応援しなきゃ駄目だよね……」
憂「でも、私は梓ちゃんが……この気持ちは抑えられないよ……」
憂「よし、明日純ちゃんに正直に言おう」
憂「純ちゃんならきっと許してくれるよね」
――翌朝
憂(今日も2人ともギターと添い寝……)
憂(梓ちゃん可愛い///)ドキドキ
――カシャ、カシャ
憂(やっぱりお姉ちゃんも撮っておこうかな)
――カシャ
梓「……ン、ンー」
憂(起きちゃったかな)ドキドキ
梓「憂、大好き……」
憂「えっ!!!」ドキドキ
梓「……」スースー
憂(もう、昨日と一緒じゃない)クスッ
憂「私も好きだよ、梓ちゃん」コソッ
唯「ういー……」
憂(お姉ちゃんも……)
唯「あーいーすー……」スースー
憂(お姉ちゃんも昨日と同じだ)クスッ
憂「お姉ちゃんも大好きだよ」(お姉ちゃんとしてね)コソッ
憂「……スゥ」
憂「2人とも朝だよ、起きなよー、遅刻するよ!!!」
―――第3話完
――キーンコーンカーンコーン
――2年2組――
律「今日もギリギリだな唯、また練習遅くまでしてたのか」
唯「そうだよー」
律「そうか、じゃあ期待してるぞ」
唯「任せて」
紬(梓ちゃんどうなったかしら……)
――1年2組――
純「今日も2人ともギリギリだったね」
梓「うん、昨日も憂の家に泊まったの」エヘヘッ
憂(梓ちゃん!!!)ハラハラ
純「……そうなんだ、またギターの練習?」
梓「うん」(……本当の目的は違うけど)
――キーンコーンカーンコーン
梓「あ、授業始まるよ」
純「憂、放課後話あるから……」コソッ
憂「……うん」(私も正直に言わないと)
――昼休み
憂「私、ちょっとトイレ行くね」
純「ねぇ、梓」
梓「何?」
純「梓は憂のことどう思ってるの?」
梓「えっ……どうしたの急に?」
純「いいから質問に答えて」
梓「そ、その……」ドキドキ
純「言いにくいことなの?」
梓「……純にならいいかな」テレッ
純(まさか……)ハラハラ
梓「私、憂のことが好きなの……、その、特別な意味で///」ドキドキ
純「そ、そうなんだ……」ガックリ
梓「うん///」
梓「あっ、憂には言わないでね、自分の口で言いたいから///」テレッ
純「わ、わかった」(言うわけないよそんなこと……)ハァー
――午後の授業――
純(……昨日の悪い予感が当たってた)ハァ-
純(どうしたら梓を私のものに……)
純(憂を上手く使わないと……)
――放課後
(梓が部活に行った後の2人だけの教室)
純「憂、昨日も梓が憂の家に泊まるんだったら、私も呼んでほしかったんだけど」
憂「……ごめんね、でもギターの特訓するって言ってたから」
純「そういう問題じゃない!!!」
憂(……純ちゃん)
純「憂、それくらいわかるよね?」
憂「う、うん」
純「憂、梓のこと協力してくれるって私に言ったよね?」
憂「……」
純「憂!!!」
憂「……純ちゃん、そのことなんだけどね」
憂「わ、私も梓ちゃんのことが好きなの」
純「えっ!?」
憂「だから純ちゃんに協力はできない……、ごめんね」
純「……昨日言ったことは嘘だったの?」
憂「そのときは自分の気持ちに気付いてなくて……」
純「……」
憂「……本当にごめんね」
純「憂ってそんなに都合のいい人だったんだ」
憂「えっ……」
純「だってそうでしょ、いくら憂も梓が好きになったからって、昨日した約束を簡単に取り消しちゃうんだから」
憂「そ、それは……」
純「私、憂がそういう人だとは思わなかった」
憂「……」
純「どうせ私のことなんてどうでもいいんでしょ」
憂「それは絶対に違うよ」
純「それならどうしてこんなに簡単に自分の言ったことを取り消せるの」
憂「そ、それは……」
純「ほら、やっぱりそういうことなんでしょ」
憂「…………」
純「何も言えないってことはその通りなんだ」(これだけ言えば憂なら引き下がる……)
憂「……純ちゃん、本当にごめん……純ちゃんの言う通り、私……最低だね」
純(……よし)ニヤッ
憂「純ちゃんには悪いことしてるってわかってる……」
純(……ん?)
憂「純ちゃんが梓ちゃんのことが好きなんだから、私も協力するって言ったから、諦めようって考えた、でも……」
憂「私はやっぱり梓ちゃんのことが好きで、この気持ちが抑えられなくて、純ちゃんは私の大事な友達だけど……」
憂「わ、私は梓ちゃんを誰にも渡したくないの」
純(憂はここまで梓のことを……)
憂(口に出すと恥ずかしい///)
純「……」(なら梓の方を……)
憂「純ちゃん?」
純「そっか……憂の気持ちはよくわかったよ」
憂「純ちゃん……」
純「でも憂が約束を破ったことには変わらないから」
憂(目が全然笑ってない……)
憂「……そうだよね」ショボン
純「梓は絶対に渡さないから」
――タタッ
憂「純ちゃん……」(やっぱり私が間違ってるのかな)ハァ
最終更新:2010年01月06日 23:59