律「がおー 」
律「律っちゃんドラゴンは強いんだぞー」
律「がおー 」
律「おっと、いけないいけない」
律「可愛い子供達の為にご飯を持っていってあげなきゃ」
律「がおー 」
律「今日も人間達の家畜を襲っちゃうぞー♪」
……
純「今日も日が暮れるなー」
純「家畜を小屋に返さなきゃ」
?「がおー 」
純「何だ?」
律「がおー 」
純「あっ!律っちゃんドラゴンだ!」
律「がおー 家畜は貰っていっちゃうぞー」ガシ
純「あっ!家畜返せー!」
律「やだよー返さないもんねー」 バサ バサ
純「うわーん!悔しい!」
……
律「いやー人間達の家畜を襲うのは楽で良いな♪」
律「人間達は弱いから」
律「がおーと脅せば簡単にご飯が手にはいるぜ!」
律「がおー 」
律「待ってろよ子供達」
律「今ママがご飯を持っていってあげるからなー♪」
律「がおー 」
唯「ママ遅いなー ピヨピヨ」
梓「もう少しで来ると思いますよ? ピヨピヨ」
澪「このまま来なかったらどうしよう… ピヨピヨ」
紬「大丈夫よー♪ ピヨピヨ」
律「おーい律ちゃんドラゴンだぞー♪」 バサ バサ
唯梓澪紬「 あ っ ! マ マ だ ! 」
律「皆、ご飯を持ってきてあげたぞー」ポイッ
唯梓澪紬「 わ ー い ! 」
律「たんと食べろよー?」
律「がおー」
唯「ママ、最近ご飯取ってくるのが早くなったよねー? ピヨピヨ」
梓「さっきまで遅いなーって言ってたじゃないですか ピヨピヨ」
唯「えへへー そんな事いったけー♪ ピヨピヨ」
澪「ママに何かあったら心配だ… ピヨピヨ」
紬「大丈夫よーママは強いからー♪ ピヨピヨ」
律「そうだぞー律ちゃんドラゴンは強いんだ! だから心配はいらないんだぞー♪」
澪「良かったぁ… ピヨピヨ」
梓「ところでママ? ピヨピヨ」
律「なんだー?」
梓「何でこんなに早くご飯を持ってこれるようになったんですか? ピヨピヨ」
律「それは人間から、げふんげふん、狩りの腕が格段に上達したからだぜ?」
梓「本当ですかー? ピヨピヨ」
澪「嘘だったらどうしよう… ピヨピヨ」
紬「大丈夫よーママ嘘つかないからー♪ ピヨピヨ」
律「そ、そうだぜ!まったく澪は心配症だなー」
律「が、がおー 」
その頃
純「えーん!憂女王さまー!」
憂「あれ?純ちゃん農夫どうしたの?」
純「律っちゃんドラゴンにまた家畜をさらわれちゃいましたー!」
和「また?まったく困ったわねー」
憂「今まで仲良くやっていたんのに…」
純「このままじゃ生活できませーん!和大臣、憂女王様、何とかしてくださいー!」
和「うーん…何とかって言われても律ちゃんドラゴンは強いし、退治なんて出来ないわ…」
純「そ、そんなー!」
憂「待ってください和大臣」
和「憂女王何か良い考えが?」
憂「律っちゃんドラゴンが退治出来ないのなら…」
和「はい」
憂「巣を壊して余所に移って貰ったら良いじゃない」
和「その発想はなかったわ」
純「まさにそとみち」
憂「良い考えだった?」
和「はい、直ちに実行しましょう」
純「律っちゃんドラゴンはもの凄く硬くて大きい木に住んでいます!」
和「それなら腕利きの木こり達を連れて行きましょう」
その頃
梓「やっぱりおかしいですよ ピヨピヨ」
唯「あずにゃんどうしたの? ピヨピヨ」
梓「あんなに狩りが下手だったママがあんなに早くご飯を取ってこれる訳ありません ピヨピヨ」
唯「きっとママが言ってたみたいに狩りの腕が上達したんだよー ピヨピヨ」
梓「本当にそうでしょうか… ピヨピヨ」
澪「外で何か悪い事してたらどうしよう… ピヨピヨ」
紬「大丈夫よー心配しないでー? ピヨピヨ」
澪「う、うん ピヨピヨ」
ワー ワー ガヤ ガヤ
唯「あれ、何か木の下が騒がしいよ? ピヨピヨ」
紬「何かあったのかしらー? ピヨピヨ」
…
和「ここが律っちゃんドラゴンの巣の木か…」
純「いつ見ても大きいですねー」
和「大きいからって怖じ気づいていられないわ」
和「桜ヶ丘木こり隊前へ」
木こり「 お ー ! 」
和「頼みましたよ?さわ子隊長」
さわ子「任せてちょうだい!」
さわ子「みんなー!始めるわよー!」
木こり「 は ー い ! 」
カッコン カッコン カッコン
唯「ど、どうしよう人間達が私達の木を切りにやってきたよー! ピヨピヨ」
梓「や、やっぱりママが何かしてたんですよ!それで人間達が復讐に! ピヨピヨ」
唯「ど、どうしよう!あずにゃん! ピヨピヨ」
梓「だ、抱きつかないで下さい! ピヨピヨ」
澪「ママー!怖いよー! ピヨピヨ」シクシク
紬「皆大丈夫よー律ちゃんドラゴンの木は硬いからこんな事じゃ倒せないわー ピヨピヨ」
唯梓澪「 ほ ん と ー ? ピヨピヨ」
紬「本当よーママが来るまで皆で我慢しましょうねー? ピヨピヨ」
唯梓澪「 は ー い ! ピヨピヨ」
さわ子「みんなー成果はー?」
木こり「駄目ですー!硬すぎて切れませーん!」
木こり「こっちもですー!」
さわ子「うーん困ったわねー」
和「どうですか?」
さわ子「あっ、和大臣…駄目です木が硬すぎて切れません」
和「そうですか…うーんどうしましょう」
純「こんな時憂女王が居てくれたら…」
憂「呼んだ?」
和純さわ子「 憂 女 王 ? 」
憂「えへへ、皆が心配で来ちゃった」
和「もう、護衛もつけないで…」
憂「ごめんなさい…ところでどうかしたの?」
純「はい!それが律っちゃんドラゴンの木が硬くて切れないんです!」
憂「そうなの?それは困ったなぁ」
さわ子「何か良い考えはないでしょうか?」
憂「ムムム…そうだ!!」
和「何か良い考えが?」
憂「うん!」
憂「木が切れないなら、根っこを掘ってから木を引っ張れば良いじゃない」
和「その考えは無かったわ」
純「まさにそとみち」
さわ子「幸い頑丈なロープもスコップも持ってきています」
和「それなら始めましょう」
憂「私も手伝うよ」
和「憂女王は護衛を連れて王宮に帰還なさって下さい」
憂「やっぱり駄目?」
和「はい」
憂「そうかーなら仕方ないね、皆頑張ってー」
さわ子純木こり「 任 せ て 下 さ い 女 王 様 ! 」
グラグラ グラグラ
唯「な、なんか揺れてるよ! ピヨピヨ」
梓「人間達が木を引っ張ってるんです! ピヨピヨ」
澪「こ、怖いよームギー! ピヨピヨ」
紬「よしよし大丈夫よ?怖くないからー ピヨピヨ」ギュ
唯「うわ!うわー! ピヨピヨ」 グラグラ ポト
梓「あっ!唯先輩が落ちたー!! ピヨピヨ」
澪「ゆいー!! ピヨピヨ」
紬「ゆいちゃーん!! ピヨピヨ」
唯「うわーん!怖いよー!! ピヨピヨ」フワ フワ
さわ子「ヨイショ ヨイショみんなー後もう少しよー!」
木こり「 が っ て ん だ ! 」
純「あ!」
和「どうかしたの、純農夫?」
純「何かが空からフワフワ落ちてきます!」
和「えっ?」
唯「えーん!怖いよー! ピヨピヨ」 フワ フワ
純和さわ子木こり「 ド ラ ゴ ン の 子 供 だ ! 」
唯「えーんえーん!地面に落ちちゃったよー!人間に食べられちゃうよー! ピヨピヨ」ポサッ
純「律っちゃんドラゴン子供いたんだ…」
和「そうか、子供がいたからあんなに頻繁に家畜を襲ってたんだわ」
さわ子「この子どうしますか?」
和「取りあえず連れていって憂女王の進言を聞きましょう」
さわ子「木の倒壊作業はどうします?」
和「中止します」
純「うーん子供いたんじゃ仕方ないかなー」
唯「えーんえーん!連れてかれちゃうよー! ピヨピヨ」
和「よしよし泣かないでー」
唯「えーんえーん! ピヨピヨ 」
梓「た、大変です!唯先輩が連れてかれちゃいました! ピヨピヨ」アセアセ
澪「うわーん!唯ともう会えないのは嫌だよー! ピヨピヨ」シクシク
紬「大丈夫よーママが来たらきっと何とかしてくれるからー ピヨピヨ」グスン
梓「そのママは一体何をしてるんですか! ピヨピヨ」
澪「もしかしてママもうやられちゃったのかも… ピヨピヨ」
紬「それは無いわよ…ママはとっても強いから… ピヨピヨ」
澪「でも… ピヨピヨ」
バサ バサ バサ
律「おーい」
梓澪紬「マ マ だ ー ! ピヨピヨ」
律「皆どうしたんだ?何か木が傾いてるし、それに唯は?」
梓「ママどこ行ってたんですか!遅いですよ! ピヨピヨ」
律「それはあっちの草原にお肉が一杯落ちてたから…」
梓「ママが居ない間大変だったんですよ! ピヨピヨ」
澪「唯が人間にさらわれちゃったんだよーママー ピヨピヨ」
律「な、なんだってー!人間めーやっつけてやるー!」ガオー!
紬「待って下さいママ… ピヨピヨ」
律「なんだよー止めるって言うのかー?」
紬「ママ人間に何か悪い事したんですか? ピヨピヨ」
律「えっ?それは……」
紬「ちゃんと話して下さい ピヨピヨ」
その頃
唯「うわーん!人間怖いよー!食べられちゃうよー! ピヨピヨ」
和「憂女王これが律っちゃんドラゴンの子供です」
憂「…………」
和「憂女王?」
憂「かわいーい!」
和「憂女王!?」
憂「可愛いドラゴンさん、大丈夫よ 食べたりしないから」
唯「うぅ…ほんと? ピヨピヨ」グスン
憂「本当よ、だから泣かないで?」
唯「うん… ピヨピヨ」
憂「ドラゴンさんお名前は?」
唯「ゆ、唯ちゃんドラゴンだよ? ピヨピヨ」
憂「そうかー!私は憂って言うの、憂お姉ちゃんって呼んでね?」
唯「うん、憂お姉ちゃん ピヨピヨ」
憂「怖がらなくて大丈夫よ?ちゃんとママの所に返してあげるからね?」
唯「ほんと!?憂お姉ちゃん大好き! ピヨピヨ」
和「憂女王!?」
憂「和大臣唯ちゃんドラゴンを巣に返す準備を」
和「もう、わかりました」
憂「それじゃあ帰ろうか?」
唯「うん! ピヨピヨ」
その頃
梓「人間の家畜を? ピヨピヨ」
紬「ママー それは泥棒ですよー? ピヨピヨ」
澪「ママそんな事しちゃ駄目だよ? ピヨピヨ」
律「ごめん、簡単に手に入るもんだからつい…」
梓「もう、何な変だと思っていたんです ピヨピヨ」
律「ごめんなさい……」シュン
紬「ママー、他に謝る相手がいるんじゃないですかー? ピヨピヨ」
律「他に?…唯か?」
紬「人間さんにですよー ピヨピヨ」
律「に、人間にか!?」
紬「はい、そうですよー ピヨピヨ」
律「で、でもあいつ等は唯を!」
紬「元々はママが人間さんの家畜を取っちゃったからこういう事になったんですよー? ピヨピヨ」
律「う、うーん」
紬「それに誠心誠意謝れば、人間さんも唯ちゃんを返してくれますよー ピヨピヨ」
律「た、食べられてるかもしれないし…」
澪「そ、そんなの嫌だよぉ…唯に会いたいよー ピヨピヨ」シクシク
紬「ママー? ピヨピヨ」
律「わ、わかったよー!人間達に謝ってくるよー!」
紬「よろしい ピヨピヨ」
梓「吉報お待ちしてますよ?ママ ピヨピヨ」
澪「唯をちゃんと返してもらってね?ママ ピヨピヨ」
律「わ、わかった!が、がおーん!」バサ バサ
そして
憂「あ」
律「あ」バサ バサ
唯「あっ!ママだー! ピヨピヨ」ピョンピョン
律「あ…あの……ごめんなさい!!」
憂「えっ?」
和「律っちゃんドラゴンが謝ってる…」
憂「反省してくれてるんですか?」
律「う、うん…あの…家畜襲っちゃってごめんなさい」
憂「…………」
律「その…だから…唯を…」
憂「わかりました、お返しします」
律「ほ、本当か!ゆ、唯ー!!」
唯「ママー会いたかったよー! ピヨピヨ」
唯「あ、ママ聞いたよー!憂お姉ちゃん達の大事な物を取っちゃったんだって? ピヨピヨ」
律「う、うん……」
唯「めーだよ?めー! ピヨピヨ」
律「ご、ごめん…」
憂「律っちゃんドラゴンさん…」
律「は、はい!!」
憂「もう家畜を襲ったりしちゃ駄目ですよ?」
憂「めー!です!」
律「本当にごめんなさい…」
律「がおー」
和「めでたし めでたしかしら?」
その日、はた迷惑な律っちゃんドラゴンの事件は解決した。
唯ちゃんドラゴン達はその後すくすくと育ち、
憂女王様達とお友達になるのでした。
終わり
最終更新:2010年06月03日 21:36