今日は私と梓ちゃんが付き合い始めて初めてのお出掛け、いやデートです
―――日曜日
憂「待ちきれなくて、1時間も前に来ちゃった」
――30分経過
憂「梓ちゃん可愛いよぉー///」ニヤニヤ
(梓の写真を見てニヤニヤしながら梓を待つ憂)
――45分経過
憂「もう写真の梓ちゃんに飽きちゃった……」
憂「早く梓ちゃんに会いたいよ」
――待ち合わせ時間
憂「もう時間なのに……初めてのデートで遅刻するなんて……」
憂「……!!!」ハッ
憂「でもこれを口実に梓ちゃんに遅刻した罰という名目であんなことやこんなことを……///」ハァハァ
憂「いい……遅刻した梓ちゃんに感謝しないと……」
少年「ママー、あのお姉ちゃん一人で何か言ってるよー」
少年の母「見たら駄目よ」
――――
梓「ごめーん」
憂「もう、遅いよ」ニコニコ
梓「準備に時間かかっちゃって……」(なんでニコニコしてるんだろう?)
憂「そっかぁ」ニコニコ
梓「憂、怒ってないの?」
憂「怒ってるよ、だって私は梓ちゃんとのデートが楽しみで1時間も前に来てたんだから」
梓「憂、ごめん……憂がそんなに私とのデートを楽しみにしてたなんて……」
憂「うん、だって梓ちゃんとの初めてのデートだもん」ニコッ
梓「憂……」(駄目だ、憂が可愛いすぎて遅れてきてよかったなんて考えちゃうよ)
憂「だからね、こんな記念の日に遅れてきた梓ちゃんをただで許すわけにはいかないの」ニコッ
梓「……うん、わかってる」(憂、可愛いよ、憂、可愛いよぉ)
憂「だから梓ちゃんは今日1日私の命令に絶対に従うこと、それで許してあげる」
梓「わかった、約束する」(そんなのなくても憂の言うことだったら何でも聞いちゃうよ)
梓(でも、憂の命令って……)
―――梓の妄想
梓「憂、顔にアイスついてるよ」
憂「えっ、本当!?」
梓「うん」
憂「……」
梓「どうしたの、拭かないの?」
憂「梓ちゃんになめてほしいな」
梓「そ、そんなの無理だよ、周りに人いるし恥ずかしいよ///」
憂「約束は?」ニコッ
梓「もう、憂ってば……」ドキドキ
―ペロッ
憂「ありがとう、梓ちゃん」ニコッ
梓「えへへ///」
憂「じゃあ、行こう」
梓「……」ニヤニヤ
憂「梓ちゃん!!」
梓「にゃっ!?」
憂(可愛い……///)
憂「どうしたの、ニヤニヤして」
梓「な、何でもないよ」アセッ
憂「もう、はやく行こう」ニギッ
梓「う、憂……///」
憂「えへへ///」
梓(はぅっ、幸せです///)
憂「買い物楽しかったね」
梓「うん、でも憂が色々私の写真撮るから恥ずかしかったよぉ///」
憂「ごめんね、好きな人の可愛い姿見るとつい……」
梓「はぅぅっ」カァァ
梓(やっぱり付き合うっていいな、純に感謝しないと)
憂「じゃあ、そろそろ昼御飯食べに行こっか」
梓「うん」
―――マックスバーガー
憂「じゃあ、梓ちゃんに初めての命令をします」
梓「えっ、ここで!?」
憂「うん、私の分も注文してきて」ニコッ
梓「そんなことでいいの?」
憂「ただし、語尾ににゃん、にゃあとかの猫を思わせるような言葉をつけてね」ニコッ
梓「えぇっ!?」
梓「で、できないよ、そんなの!」
憂「梓ちゃん、約束は?」
梓「……う、憂の意地悪」ムー
―カシャッ
梓「ちょ、ちょっと、憂……」
憂「膨れっ面の梓ちゃんの写真撮っちゃった」ニコッ
梓「もう、憂ってば……///」
梓「わかった、やってやるです」
憂「あっ!!これを付けてもらうの忘れてた」
梓「……猫耳は無理!!」
憂「や・く・そ・く」ニコッ
梓「うぅっ……」ウルウル
―カシャッ
憂「えへへ、梓ちゃんの可愛いさなら大丈夫、店員もイチコロだよ」
梓「……」カァァ
梓「わかったよ、憂、やってやる、やってやるです!!」
憂「その意気だよ、梓ちゃん」
梓「よーし」スチャ
憂(私ははやく写真を撮れるポジションに移動しないと)
店員「いらっしゃいませ……!?」
(梓の猫耳に気づく)
梓「チーズバーガー2つとコーラのMサイズ2つだにゃん」
店員「………」ヒクヒク
梓「………」(やっぱり恥ずかしい///)カァァ
―カシャッ
憂(梓ちゃん可愛い……)
店員「ご、ご注文をく、繰り返させてい…ただきますチーズバーガー2つとMサイズのコーラ2つでございますね」プルプル
梓「にゃん!(はい)」
店員「はい、ってことでよろしいですか?」
梓「にゃあ!」コク
―カシャッ
憂(可愛い、可愛すぎるよ)
店員(変な人かと思ったけど可愛いかも)
店員「ご一緒にポテトもいかがですか?」ドキドキ
梓「にゃあ(じゃあ)ポテトも1つだにゃん」
店員「は、はい、全部で○○○円になります」
梓「にゃ!」
―カシャッ
店員「それではちょっとお待ちください」
梓「みゃあ!」
―カシャッ
憂(なんだかんだ言って梓ちゃんノリノリなんだから……)ニコニコ
憂「梓ちゃん、ご苦労様、可愛かったよ」ニコニコ
梓「恥ずかしかったんだから……///」
憂「そのわりにはノリノリだったじゃない」ニヤニヤ
梓「そ、それは……///」カァァ
梓「やるからには本気でやらないと……」ドキドキ
憂「そうだね」ニコッ
梓(あっ、憂の顔にケチャップが……これはチャンスかも)
梓「う、憂、顔にケチャップついてるよ」
憂「えっ、本当!?」
梓(よし、ここで憂がためらうように……ってあれ……!?)
―フキフキ
憂「あっ、本当だ、ありがとう、梓ちゃん」ニコッ
梓「う、うん」(そうだよね、普通自分で拭くよね)ショボーン
憂「あっ……梓ちゃんも人のこと言えないね」
梓「何が?」
憂「ケチャップついてるよ」ニコニコ
梓「えっ、本当!?」
憂「うん」
―ペロッ
憂「えへへ、おいしい」
梓「はぅぅっ」ボンッ
憂「あ、梓ちゃん!?」
憂「今日は楽しかったね」
梓「うん、憂に色々変な命令されたけど……」
憂「えへへ、梓ちゃん可愛かったよ」
憂「やっぱり私は梓ちゃんのこと好きなんだなって思った……///」ドキドキ
梓「……わ、私も」カァァ
憂「梓ちゃん、最後のお願い、いい?」ドキドキ
梓「な、何?」ドキドキ
憂「キスしてほしいな……///」ドキドキ
梓「う、うん、わかった……///」(可愛すぎるよぉ)ドキドキ
―チュッ
憂梓「えへへ……///」
憂「ねぇ、梓ちゃん、もう一回」
梓「もう……しょうがないな……」
―チュッ
梓「じゃあね、憂」
憂「うん、バイバイ、梓ちゃん」
―チュッ
梓「う、憂……///」
憂「えへへ、また明日学校で」
―バタン
憂「ただいま、お姉ちゃん」ニコッ
唯「あっ、憂、おかえりー」ニコッ
―――晩御飯
憂「どうしたのお姉ちゃん?何かあった?」
唯「べ、別になんにもないよ、私なんかおかしい?」
憂「うん、いつもだったらおいしいって言いながらモグモグ食べるのに、今日は無言でモグ食べだよ」
唯「そっかぁ……憂の目はごまかせないね」
憂「何かあったの?」
唯「うん……憂、あずにゃんとのデート楽しかった?」
憂「……うん、楽しかったよ」
唯「そっかぁ……」
憂「それがどうしたの?」
唯「……憂はあずにゃんのことが好きなんだよね」
憂「うん、大好きだよ」
唯「……そうだよね」
憂(ひょっとしてお姉ちゃん梓ちゃんまたは私に嫉妬してるのかな?)
憂(梓ちゃんに嫉妬してるんだとしたらそれはそれで嬉しいけど、私に嫉妬してるとしたら複雑だな)
憂(でもお姉ちゃんは嫉妬なんかする人じゃないし、私達のことも祝福してたし……)
憂(でもとりあえずここは……)
憂「私はお姉ちゃんのことも大好きだよ」
唯「私も憂が大好きだよ……」
憂「……」(この言い方はどう考えても妹としてだよね)
唯「憂、私は別に憂やあずにゃんに嫉妬してるわけじゃないよ」
憂「!?」
唯「そう考えたんでしょ」
憂「う、うん」(お姉ちゃんがこんなに鋭いなんて……やっぱりお姉ちゃん変だ)
唯「お姉ちゃんにはお見通しなんだから」エッヘン
憂「さすがお姉ちゃんだね」(とりあえず一安心だよ)
憂「じゃあ、さっきの質問はどういう意味なの?」
唯「それはね、好きってどんな感じなのか聞きたくて」
憂「うーん、そうだねぇ……一緒にいて楽しいとか、幸せだなって思えたり、もう可愛くてどうしようもないって思ったり、その人のことで頭がいっぱいになったりかな」
唯「友達と一緒で楽しいのとは違うの?」
憂「うん」
唯「どう違うの?」
憂「言葉では上手く説明できないけど……心が違いを感じるのかな」
唯「そっかぁ……だったらそうなのかなぁ……」ハァ
憂「ひょっとしてお姉ちゃん、誰かを好きになっちゃったかもって悩んでるの?」
唯「……うん」
憂「誰なのそれ?」キラキラ
唯「いや、まだ好きかどうかわかんないし……」
憂「じゃあ質問、お姉ちゃんは今その人のことを気づいたら考えてる」
唯「……うん」
憂「その人のことを見たり、考えたり、その人と話すとドキドキする」
唯「……うん」
憂「その人が他の人と仲良くしてるのを見るとちょっと悲しくなる」
唯「……うん」
憂「お姉ちゃん、それ完全にその人にホの字だよ」
唯「ホの字?」
憂「その人が好きだってこと」
唯「ほぇっ!?」
唯「やっぱり……?」
憂「うん」
唯「そうなんだぁ、私どうすればいいんだろー、憂、私、どうしたらいいの?」
憂「それはその人を聞いてからじゃないと」ニコッ
唯「言わないとだめ?」モジモジ
憂「うん」
唯「誰にも言わないって約束する……?」
憂「うん」
唯「絶対に……?」
憂「私がお姉ちゃんとの約束破るわけないじゃん」
唯「そうだよね……あのね、私が好きなのはね……」
唯「み、澪ちゃんなの」
憂「澪さん?」
唯「……うん」カァァ
唯「澪ちゃんカッコいいし、優しいし、背も高いし、胸も大きいし……それに恥ずかしがったり、怯えてる姿が凄く可愛くて……」ドキドキ
憂「うんうん」
唯「だからね……」
憂「お姉ちゃん、澪さんのこと大好きなんだね」
唯「ほぇっ!?」ボンッ
憂「……」ニコニコ
唯「……うん」カァァ
唯「それで憂、私どうすればいいの?」
憂「お姉ちゃんは普段通りが一番だよ、お姉ちゃんはそのままで可愛いんだから」
唯「そうかなぁ///」テレッ
憂「うん」
憂「それで水曜日が祝日で休みだから火曜日に家にお泊まりに誘ってそのときに告白しよ」ニコッ
唯「こ、告白ぅっ!?」
憂「うん」
唯「そ、そんなの無理だよぉ……」
憂「お姉ちゃん、気持ちは言わなきゃ伝わらないよ」
唯「で、でもフラれたら私……」
憂「お姉ちゃん勇気出して、私、応援するよ」
唯「……わかったよ、私、頑張るよ」
憂「うん、その意気だよ、お姉ちゃん」
唯「よーし、やるぞー」
――月曜日――
―――昼休み
憂「どうしたんですか律さん、私と2人きりで話がしたいなんて」
律「その……憂ちゃんに聞きたいことがあって」
憂「私にですか?」
律「うん……梓をメロメロにした憂ちゃんに」
憂「えっ!?ひょっとして恋の相談ですか!?」
律「なんだよー、そんなに驚かなくてもいいだろ」
憂「ごめんなさい、でも律さんらしくないなって」
律「どういう意味?」
憂「その……人に相談なんかしないで思ったらすぐに行動するってイメージがあったから」
律「私だって女の子らしく悩んだりするんだぞ」
憂「そうですよね」クスッ
憂「それでまず相手は誰なんですか?」
律「その……ムギなんだ」
憂「紬さん!?」
律「あぁ」
憂「そうなんですか……でもならなんで私に?」
律「それは……憂ちゃんは梓に告白させたからだよ」
憂「……?」
最終更新:2010年01月07日 00:08