~エピローグ~
あの日から3日後、私は桜ケ丘の自分の家に帰ってきた。
帰ったらね、憂が泣いて抱きついてきた。
私は何も言えなかったんだ…
憂や家族のことももちろん心配したけどね、
あの日、みんなが死んじゃったことがショックすぎて
憂の鳴き声も全然耳に入ってこないくらいだったの。
頭の中がからっぽになって。
1日中部屋に閉じこもって。
憂が何回も私を元気づけようとしてくれた。
でも、無理だった。
それでね、私…もう何もする気がおきなくて…
もう自殺しちゃおうかと思ったんだ。
みんなのこと背負って生きて行くって…心に決めたんだけど…
みんなが…大切なみんなが…みんな…死んじゃったのが
何よりも辛くて…
もうみんなとお茶飲んだり、お菓子食べたり…
一緒に練習したり出来ないんだなぁって思うと辛くて…
しかもね、桜ケ丘高校辞めて、転校するように言われたの。
これは決まりなんだってさ。もう桜高にいられないんだってさ。
でもね、私断ったの。学校はもう行かない。だから転校もしない。
それで私はずーっと家に引きこもった。部屋から1歩も出ずに。
誰とも会話しなかった。お母さんとも、お父さんとも。憂とも。
でもね、それから1年近く経った頃に、憂があずにゃんを連れて私の部屋に来たの。
私はあずにゃんの顔を見て、10年ぶりの再会のように感じた。
あずにゃんはね、何も聞いてこようとしなかった。りっちゃんたちの事とか。
ただ、私のそばにいてくれた。
それから毎日うちに来て、学校であった話や、ギターの話、
私のカーテンを閉じっぱなしの暗い部屋でずーっと話してくれてた。
でね、私、嬉しくてとうとうあずにゃんの前で泣いちゃったんだ…
そしたらね、あずにゃん、ぎゅってしてくれた。
なんか私が後輩みたいだよね…へへへ
当然だけど、桜高の軽音部、あずにゃん1人になっちゃって…
軽音部廃部になっちゃったんだって。
私、それ聞いた時すごく悲しくて…
でもね、あずにゃんがこう言ってくれたんだ。
梓「唯先輩、また、バンドやりましょう!私、唯先輩がギター弾いてるところ、また見たいですっ!」
梓「律先輩、澪先輩、むぎ先輩…それにもちろん和さんも…っ!みんな唯先輩がギター弾くの待ってますよ!!」
あずにゃん、目にいっぱい涙を溜めながら。
あずにゃんの言葉で私、目が覚めた。
りっちゃんと最後にした約束…守らなきゃ
みんなを夢の武道館に連れて行くんだ!
私にはまだやらなくちゃいけないことがたくさんある
ここで何もかもあきらめちゃ駄目だ。って思ったんだ。
ごめんね、りっちゃん。
約束…絶対守るよ…。絶対。
あずにゃんには感謝しなきゃだね。
あずにゃんのおかげで私、またここまで来れたんだよ。
私はまたギターをやることを決意した。
そしたらね、ギー太壊れちゃったからってあずにゃんがギー太と同じギター貸してくれたんだ。
色とかはちょっと違うけどね。
それで毎日、あずにゃんとうちで練習した。放課後ティータイム再結成に向けて。
1年近くのブランクはあったけど、練習していくうちに感覚取り戻せた。
そしたらある日、あずにゃんと一緒に純ちゃんが来た。
純「私、澪先輩の代わりになるかわからないですけど、一緒にバンドやらせてください」
純ちゃんがこう言ってくれた時、本当に嬉しかったな…。
それでね、純ちゃんも放課後ティータイムの仲間になったんだ!
その後、憂とあずにゃんと純ちゃんは高校を卒業して大学に進学した。
あずにゃんと純ちゃんは大学で音楽サークルとか入りたかったろうに…
サークルとか何も入らないで2人とも毎日学校終わりにうちに来てくれた。
あずにゃんが家からアンプとかいっぱい持ってきてくれてね。
そのあとね、むぎちゃんの代わりになるかわからないけどって憂もメンバーに入ってくれたんだ。
キーボード担当で。
そのあと今度はね、聡君がね、放課後ティータイムでドラムやりたいって。
家に来たんだ。
あれから1年間、お姉ちゃんのドラムでたくさん練習したんだって!
高校でも軽音楽部に入ったんだって!
すごいよね、りっちゃん。いい弟さんだね。
聡君、りっちゃんの使ってたスティック…あのお茶のマークが入ったスティック使ってるんだよ!
あ、あとちゃんとお姉ちゃんカッコよかったって言っといたよ!本当にりっちゃんカッコよかったもん…
そんなお姉ちゃんのこと、すごく大好きだったって言ってたよ。私もすごい嬉しかった。
憂もすごく喜んでた。お姉ちゃん元気になってよかったーって。
私も憂も、あずにゃんと純ちゃんと聡君にすっごい感謝してる。ありがとう。
それからずーっと5人で練習してきた。
路上で演奏したり、小さいライブハウス借りてライブやったり。
武道館目指してみんなで頑張ったよっ!
そして今―。
YUI「それじゃあっ!放課後ティータイム、メンバーを紹介します!!」
『ギター、AZUSA!』
『ベース、JUN!』
『ドラム、SATOSHI!』
『キーボード、UI!』
『そしてボーカル&ギターは私、YUI!』
それからバイトしてお金貯めてね、新しくギー太の弟買ったんだ!
ギー太もちゃんと見守っててね!
YUI「(ギー太…ごめんね…ありがとう)」
ギー太の魂を吹き込んで―。
YUI「いくよっ!みんな!!オーケイ?」
ステージには5人。
『放課後ティータイム』のメンバー。
ボーカル&リードギター、平沢 唯
リズムギター 中野 梓
ベース 鈴木 純
ドラムス 田井中 聡
キーボード 平沢 憂
みんな―。
ありがとう―。
みんな、新しくなった放課後ティータイムだよ!!
私たち、武道館目指してたくさん練習したよね!
いつもみんなでお茶したり、ふざけてばっかりだったけど…
いま、私たち、横浜アリーナにいるんだよ!!すごいでしょ!!
りっちゃん、澪ちゃん、むぎちゃん…それに和ちゃん、見てる?
武道館は無理だったけど、私、頑張ったよ!こんなに大きくなったんだよ!!
でもここがゴールじゃない。ここがスタートライン。
私たちは、武道館に向けて今ここから、走り出すよ!
~完~
※
8話で唯の出席番号順が29番だってことが確定して
急きょ「長谷川 聡子」を「檜山 聡子」に変更したんだったwwwwww
8話より前に書き始めてたからさ・・・画像の方だけ直してssの方で直すの忘れたorz
最終更新:2010年06月06日 02:30