律澪紬梓「おかえりー!!」パーンパーン

憂「皆さん……」

唯「………すごい!」


紬「さーさーこちらへー」

ガタッ

律「それではー唯の回復を祝って……」
律「せ~の~…!」
「カンパ~イ!!」

唯「美味しい………!」モグモグ

律「だろだろ~」
梓(これが普通だったんだよね…)


律「第一部は自己紹介だ!パフパフー」
律「まずわ私!田井中ぁ律!ちなみにドラムでーっす!」

澪「えと…秋山澪です!ベース担当です」澪(なんか可笑しいな…)

紬「琴吹紬です!ピアノやってます!」
梓「中野梓と言います。唯先輩と同じギターです!」


梓(なんか恥ずかしい…)

唯「面白い人達ですね!」

澪「あはは……」

律「っとまあこんな感じで。じゃあ続いては演奏のコーナーでーす!」

律(いくぞみんな……!!)

澪(頼む…)

紬(奇跡起こって…!)

梓(先輩!)

律「1234!」



ジャカジャン!

パチパチパチ

唯「スッゴーい!感動しました!」

律「そ…そうか……はは」

律(ダメか…)

唯(でもどっかで聴いたような…)

澪(くそ…)


憂「では皆さんさようならー!」

唯「今日は楽しかったよー!ありがとう!」

律「また来いよー!」

澪「絶対だぞー!」



梓「思い…出してくれませんでしたね…」

紬「しょうがないわよ…あとは唯ちゃんを信じるしかないわ…」

澪「このまま本当に終わっちゃうのか……?」

律「だ、大丈夫だよ!時間はあるし!」

澪「でも文化祭まであと一ヶ月とちょっとしかないんだぞ?」

律「こればっかりはどうしようもないよ…澪」

澪「でもこんな終わりかた嫌だよ……」




文化祭当日


梓「…去年と同じですね」

律「まったくだ…」
紬「唯ちゃん結局何も思い出してくれなかったね…」

律「んまあしょうがないよ!今は演奏に集中しよ?」

梓(去年の唯先輩は絶対来てくれるって思えたけど今年は…)

澪「……」

律「みーお!どうしたんだよこんなところで」

澪「いや…色々あったなって…」

澪「思い出すとキリがないけどさ、この音楽室でやってきたこと思い出すとさ…………涙がさ…………」


澪「届くかな…唯に」

紬「届くわよ…きっと…」

紬「だって澪ちゃんにも聴こえてるんじゃない?」

澪「……へ?」


紬「"頑張れ!!"って言ってるの!」

澪「むぎ……」

律「さあそろそろ時間だ!」

律「みんな…長い間ありがとうな!」

梓「何を言い出すんですか急に」

律「だがな泣くのはまだはやーい!」

律「これが終われば最高の"放課後ティータイム"が待ってるからさ、みんなはりきっていこうぜ!」

澪「……」

律「唯は来る!」

律「部長の私が言ってるんだぞ?」

澪「信じるよ」

律「んじゃ、いきますか!」

梓(唯先輩……!)



病院

憂「あ…電話…ごめんお姉ちゃん!ちょっと外で電話かけてくるね!」

唯「うん…」

ガラガラガラ

唯「………」
唯「………zzz」



「」は現在
『』は過去or夢と受け取ってくれるとありがたいです




唯『はっ……』

唯『え?』
和『え?じゃないわよ!あんたこのままだと本当にニートになっちゃうよ?』
唯『部活やってないだけでニート!?』

唯『ってあれ?前にも同じような……ブツブツ』

和『何言ってるのよ…まあ早く決めなさいよ?』
唯『うん…』

唯【デシャヴってやつなのかな…】


唯『……!』

律『これで入部者も増えるなあ』
澪『見てくれるかな…』
紬『あと一人くらい大丈夫よ!』
律『んーそもそも軽音部の存在を知らないだろうからなあ』
澪『とりあえず掲示板を誰かが見てくれるのを祈ろう!』


唯『あの…』

律『?』

唯『田井中さん?』
律『そうだけど……?』

唯『それに秋山さんと琴吹さん?』

澪『なんで知ってるんだ?』

紬『どうして私達の名前を?』

唯『けいおん部の皆さんですよね?』

律『うんそうだよ!………………………………あれ?』
紬『?』
澪『なんで知ってるんだ!?』


律『もしかして未来人とか?』

唯『いや………』

澪【謎過ぎる…】

律『まあいいや!ちょっと私達用があるから!』

紬『またどこかで』
澪『じゃあな!』

唯『じゃあね』


唯『あのーーー!!』

律『なんだーー?』
唯『きっと大丈夫ですよー!』
唯『けいおん部潰れたりしませんよー!』
律『はぁ?』
紬『可笑しな人!』

澪『でも…なんか不思議なんだけどさ…』
律『お前もか!?』
紬『やっぱり!?』

『また会えそうな気がするんだよね』



掲示板

唯『これかあ…けいおん部…』

唯『……』

唯『もしかして私過去に来てるんじゃ…』

唯『だとしたら…』
唯『私は何かやり直したいことがあるのかな…』




唯『え?』

澪『どうした?』

唯『あれ?』

唯『ここどこ?』

律『音楽室に決まってるだろ?早くやるぞ練習!』

唯『ちょっとまって………』

律「123!」


唯『はっ……』
梓『どうしたんですか?先輩』

唯『先輩…?』
梓『ついにおかしくなりましたか』

唯『へ?』

唯【どうなってるの?】

唯『…………!』
『私入るよ!けいおん部!』

『名前はギー太!』
『夢は武道館!!』

『ふわふわターイム♪』

『りっちゃん!』
『澪ちゃん!』
『むぎちゃん!』
『あずにゃん!』



『明日の13:00高校の講堂で演奏するから!良かったら来て!』


唯「……!」

唯「そうだ…私行かなきゃ!」

ガラガラガラ

唯『はぁ…はぁ』
和『どうしたのそんな急いで!』
唯『き、決めた!』
和『決めたって………なにを?』

唯「全部…」

唯『私…入るよ!』
タッタッタ

唯「全部思い出した!」

唯『軽音部!!』

唯「みんな…今行くからね!」

ガラガラガラ

憂「お姉ちゃん今高校でけい………………………いない………!?」



タッタッタ

憂「お姉ちゃーーーん!!」

唯「憂!?そんなとこから危ないよ!」

憂「頑張ってーーー!!」

看護婦「ちょっと困ります!」グイグイ

タッタッタ


『今は不安でも』

『いつか入って良かったなって思える日が来るから!』

『きっと…』

憂「きっと!」

タッタッタ

唯「着いた………はぁはぁ」

唯「これじゃあ去年と一緒…」

和「一緒じゃないわ」


唯「和ちゃん!」

和「だいぶ大人になったわよ…唯は」
唯「……グス」
和「行って来なさい!みんな待ってるわよ!」

唯「うん!」

山中「待ちなさい」
唯「さ、さわちゃん!?」

山中「あなたそんな格好で出るつもり?」

唯「あ……」

山中「まったくしょうがないわね…これ来なさい!」

和(なんで持ってるんですか…)

唯「ありがとうございます!」

山中「じゃ、頑張りなさい!」

唯「はい!」
ガラガラガラ

和「唯…大きくなりましたね…」

山中「そう?」
和「きっともう私なんかが知ってる唯じゃないですよ」
山中「そうかもね……ウフフ」

山中「でも…私も今となっては良かったって思ってるのよ?軽音部の顧問になって」

山中「たくさんいい思い出できたし、美味しいおやつも食べられたし」

山中「それにあの子達に教わったこともたくさんあるしね」
和「教わったこと?」

山中「あなたも本当は気がついてるんでしょ?」

和「………」
和「……フッ」

和「そうかもしれませんね」

《キャー》
パチパチパチ

和「そろそろ私達も入りますか」
山中「そうね」

ガラガラガラ


生徒A「そんなこと本当にあったんですかあ?嘘だよー!」

生徒B「その後は………その後はどうなったんですか?」

唯「どうだったっけなあ…………あ、それで私!」

ガラガラガラ
生徒D「先生!」

唯「はい?」

生徒D「なんかお客さん来てますけど?」
唯「……誰だろ…」
生徒D「なんか『高校のお友達』って言えばわかるって」

唯「うそ!?」ガタッ
生徒B「先生!?」

唯「ちょっとごめん!」

タッタッタ



これは私の気まぐれから始まった物語。
それはまだまだ始まったばっかりで、

私達の夢はまだ叶ってないけど、

いつか…

いつかきっと叶うよね!

そういえばあの日もこんな青空だったっけ。

唯「みーんなー!」
あれから何年経っても、

そこにはあの日と変わらない笑顔が待っていて、

あの日と同じことを私は言うんだ!


唯「みんな!」



『ただいま!』



おしまい



最終更新:2010年06月11日 02:44