唯「あーずにゃん!」
全員「!」
梓「……なんですか」ドキドキ
唯「あずにゃんの……」
梓「……」ドキドキドキドキ
唯「好きな漫画ってなーに?」
梓「へ……?」
律「梓、別にドラマでもいーぞ!」
澪「映画でも……」
梓「な、な、何の話ですか?」
唯「答えてよー」
梓「うぅ……どれもそんなに詳しくないですが……」
梓「……音楽のきれいな作品、でしょうか」
唯「なるほどなるほど……」
梓「何のメモ取ってるんですか?」
唯「あ、だめ見ちゃだめぇー!」
梓「(変な人だ……)」
律「はいはーい!これから心理テストやんぞー!」
律「告白されるなら次のうち、どこ?」
律「夕日の見える海、夜景の見えるホテル、学校、高級レストラン」
唯「レストラン!」
紬「はい!私は夜景がいいと思います」
澪「学校……かな」
梓「私も、学校……」
律「なるほどー、梓は学校か。心理テスト終わり!」
梓「えっ」
紬「律ちゃん、答え答え」ひそ
律「あ、そっか。……学校を選んだ人はー……」
律「……学校が好きなんじゃね?終わり!」
梓「えっ」
紬「わー、じゃあ私は夜景が好きなのねー!」
梓「えっ」
澪「学校大好き!」
梓「えっ」
唯「あずにゃんもレストランじゃなくてよかったー!」
梓「えっ」
唯「えっ?」
梓「(……変な人達だ……)」
澪「誰か・ロマンティック♪止めて・ロマンティック♪」
澪「ロマンティックあげ~るよ~♪」
澪「ロマンティックに腰を振る♪」
澪「梓、ロマンティックはもらいたい派か?止めたい派か?それとも……」
梓「腰を振る以外なら何でもいいです!それよりどうしたんですか先輩たち!何かおかしいですよ?」
全員「……!」ぎくっ
澪「(あれ?さりげなく聞けたと思ったのにな……)」
梓「もしかして、何か隠してます……?」
唯「そっ」
唯「そーーんなことないよ!ね、ね、みんな?」
澪「うんうん」
紬「うんうん」
律「うんうん」
トンちゃん「……」コクコク
梓「(怪しい……)」
~♪
紬「あら、誰かしら」
ぷちぷち
紬「……うふふ」
唯「誰だったの?」
紬「私のスール」
全員「……」
全員「ええーっ!?」
律「お、おいっ、初耳だぞ!」
澪「もうスールがいたのか、ムギ!」
紬「ごめんね、別に隠すつもりはなかったんだけど言うタイミングが……」
唯「相手は誰?誰なのっ?」
紬「みんなが知ってる子か分からないけど、生徒会の子よ。和ちゃんの後輩」
唯「ほえー……」
紬「和ちゃんが憂ちゃんと決まっちゃって、ちょうど寂しがってたらしいから。私が代わりになれるかは分からないけど……」
梓「(代わり……)」
紬「でも、きっと仲良くなれると思うの。大切なのは、姉妹になるまでじゃなくて姉妹になってからだと思うから……お姉さんになったからには頑張らなくちゃ」
梓「……」
唯「もー、ムギちゃんったらとんだサプライズだよ!」
澪「びっくりしてカップ落としそうになったぞ」
紬「ごめんなさい、うふふ」
梓「(……ムギ先輩は、えらいな)」
律「なんだよそのうふふって!幸せ者かー、このっ」
紬「きゃっ♪」
澪「しかし以外だったな、ムギが生徒会のメンバーと……」
梓「(誰かの代わりって分かってても、努力でそれをカバーしようとしてる……)」
紬「決め手?そうね……趣味が一緒だったことかしら」
唯「シュミ?」
律「そいつも楽器やるのか?なぁなぁ」
梓「(私が贅沢すぎるだけなのかな……)」
紬「趣味は趣味。同じものを見て心がときめくの。素敵でしょ?」
澪「よく分からんが……楽しそうだからいいか」
紬「うふふ」
梓「…………」
唯「でも、それじゃあ」
紬「なぁに?」
唯「ここの3年生でスールがいないの、私だけになっちゃったねぇ……」
梓「!」
紬「そうねぇ……」
梓「あ、あっ……(今だ!)」
唯「何だかちょっと焦っちゃうけど……」
梓「あのっ……(今、私が『代わりでもいいからスールになりませんか』って、言っ……)」
唯「でも大丈夫!」
梓「!?」
唯「だって……(今日あずにゃんのことをしっかりリサーチしたもん、きっといいプロポーズができるよ!)……ね♪」
澪「……だな。(いいプロポーズにしような、唯)」
律「な、ふふふ。(あぁ、梓の驚いた顔が早く見たい……)」
梓「……」
梓「(……だ……)」
梓「(『だって……ね♪』?)」
梓「(それに他の先輩まで……この余裕……)」
唯「(あずにゃん、喜ぶかなぁ……)」
梓「(ほ……)」
梓「(……他に、候補ができたんだ!)」ガーン
唯「というわけで!」
唯「第一回あずにゃんドキドキプロポーズ大作戦会議、開催しまーす!」
紬「ぱちぱちぱちー」
律「ぱちぱちぱちー」
和「(なんだかおおごとになってきました)」ぷちぷち
和「(和)」ぷちぷち
澪「和、何打ってんだ?」
唯「それでは、昨日のリサーチ結果です!澪ちゃん!」
澪「はい、梓は『学校できれいな音楽とともに止まらないほどのロマンティックをもらいたい』タイプのようです」
唯「グッド!」
律「……それじゃあ、やることはもう決まったな」
全員「ライブ!」
澪「……正直、何となく最初からこうなる気がしてた」
律「定番っちゃ定番だよな」
紬「でも一番私達らしいと思うわ」
唯「やっぱこれでしょー、日程は契約期間ギリギリ・来週の月曜で!」
律「スリリング!」
和「準備に土日使うわよね?申請こっちで書いといてあげる」
澪「いつもありがとうな」
唯「(あずにゃん、あずにゃんに早くプロポーズしたいよぅ……ふふふ)」
梓「……」ずーん
純「あずさー?」
梓「……」
純「おーい」
梓「……」
純「卵焼きもらうよー」
梓「……」
純「なにこれこういう人形?」
憂「梓ちゃん、朝からこうなの」
梓「……やっぱり、もっと早く……」
純「あ、喋った」
梓「もっと早く……いやそもそも……はじめから断らなければ……」
純「???」
憂「梓ちゃん、よかったら何があったか話してくれない?」
梓「……かくかくしかじかもえもえきゅん」
純「へー、唯先輩なかなかやり手だね」
憂「純ちゃん!」
梓「……」しょぼん
憂「……」
憂「(……和さんからのメールが本当なら)」
憂「(梓ちゃんはとんでもない勘違いをしてるはず)」
憂「(でも困ったな。私がネタばらししちゃったらお姉ちゃん達の努力が水の泡だし……)」
憂「……あ、梓ちゃん」
梓「?」
憂「私はまだ、お姉ちゃんからそういう話聞いてないなぁ?」
梓「でも……」
憂「まだチャンスがあるかもしれないよ?もうちょっと信じて様子見てみたら?」
梓「……そ、そうする……!」きらきら
純「(分かりやすっ)」
ガチャ
唯「よ、やってるー?」
律「らっしゃい。キープ開けますか?」
澪「いい加減居酒屋
シリーズに飽きろ」
梓「……」ちら
唯「ムギちゃん、今日のおやつ何ー?」
梓「(ロザリオ、青だ……)」ほっ
紬「今日はガトーショコラよ」
律「おー、うまそー!」
唯「いただきますぱくごちそうさま!」
梓「……え?」
唯「さー、練習やっるよー!」
律「おー」もぐもぐ
澪「律、ちゃんと飲み込んでから叩けよ」
紬「シールドをセットして……と」いそいそ
梓「ど……どういうこと……?」
唯「ほらあずにゃんも早くー」
梓「!?!?」
律「やー、やっぱ久しぶりに合わせると楽しいなぁ」
澪「でもブランク多いとミスも増えるな。ちょっと自主練するか」
唯「さんせーっ」
~♪
~♪
~♪
梓「(み、皆がちゃんと練習してる……)」
梓「(それだけのことで……)」
梓「(なぜだろう、涙が出そうになるのは……)」
唯「~♪」
梓「え?」
梓「(唯先輩……今、私のパート弾いてなかった……?)」
梓「…………」
梓「もうこんな時間か。さ、部室行こ」
梓「……今日も、先輩達ちゃんと練習するのかな……」
とてとてとて
梓「……?」
?「おねがいします、私のスールになってください!」
?「わ、私でいいんですか?」
梓「校舎裏からだ。」
梓「…………。」
梓「……の、覗き見ってあんまりお行儀よくないけど……」わくわく
そろー……
梓「うー、あんまりよく見えないな…………って…………え!?」
唯「あなたじゃなきゃだめなんです!」
梓「唯先輩!?」
唯「あなたしかいないんです!おねがいです……」
?「うぅ……分かりました。それじゃあこのロザリオを……」
きらっ
梓「あ……」
梓「(……緑だ、一年生なのかな。後ろ姿じゃよく見えないけど……)」
唯「あ、ありがとーーー!」
?「わっ、そんな……」
梓「(……でも、そんなことはどうでもいい。)」
唯「これからは、ずっと一緒にいよう!いようね!」
?「はい……」
梓「…………」
梓「…………」
梓「(唯先輩が他の誰かを選んだことが…………こんなにショックだなんて……)」
梓「…………。」
梓「……今日は行けそうにないな、部活……」
ガチャ
唯「ちゃおー!」
律「おー唯、もうお菓子開けてんぞ」
唯「おっとこうしちゃいられませんなぁ」いそいそ
澪「で、うまくいきそうか?」
唯「ふぁひが?」
澪「プロポーズの練習。立花さんに手伝ってもらったんだろ」
唯「ごく。うん、完璧だよ!ふふふー、唯先輩のテレンテクダにあの立花さんもたじたじのでれでれだったのですよ?」
澪「おい、マジか」
律「立花って照れんのか?意外ー」
紬「見たかったわ(迫真)。それにしても、立花さんのスールは1年生なのね」
唯「そうなんだよー!緑のロザリオ、かわいかったよぉー。…………そういえばあずにゃんまだ?」
澪「それが、今日休むんだってよ。……『頭痛が痛い』とかで」
唯「えー、つまんない!」
澪「心配だよな。月曜日までに持ち直してくれたらいいけど……」
梓「…………」
梓「……唯先輩……」
(唯「私のスールになってください!」)
梓「……やっぱり、決まった人がいたんですね。」
梓「…………当然だよね、だって私断ったじゃん」
梓「せっかく唯先輩から声かけてきてくれたのに……自業自得にも程があるよね、ふふ」
梓「……笑えてきちゃう、ふふふ」
ぽろ
ぽろぽろぽろぽろ
梓「………わらえてきちゃう……」
未完
最終更新:2010年06月16日 00:34