商店街!

澪「律~、今日はレフティフェアやってるみたいだぞ!」

律「はいはい、どうぞごゆっくり見てくださいね」

アッ、アズニャン!アソコニタイヤキヤサンガアルヨ!!
チョッ!キュウニハシラナイデクダサイ!!

澪「ん?何か今聞き覚えのある声が・・・、わっ!律なにすr」ムグムグ

律「静かにしろ!唯と梓がデートしてるぞ!」コソコソ

澪「本当だ・・・、楽しそうだな」コソコソ

ダカラユイセンパイ、アンコガクチノマワリニツイテマス!!
トッテ、トッテェ~!モウ・・・ホントウニショウガナイデスネェ


律「・・・私たちも周りからは、ああいう風に見えるのかな?」

澪「・・・ああいう風に見えるようになりたいのか?」ドキドキ

律「澪・・・」ドキドキ

紬「ハァハァ」

律・澪「!?むぎいつのまに!」

紬「さっき、この辺から乙女電波を受信したの~、気にせず続けて」ニコニコ

律「それは、無理だろ・・・」

澪「無理だ・・・」ガックリ


紬「ねぇねぇ、さっきから梓ちゃん、手を繋ぎたくて必死みたいよ」ワクワク

律「唯は気付いてない無いみたいだけどな」

澪「梓、本当に嬉しそうだな」

律「唯も楽しそうだ。・・・邪魔しちゃ悪いな。私達はバッティングセンターでも行くか」

紬「・・・そうね、邪魔しちゃ悪いものね」ションボリ

澪(今、明らかに落胆したな)

律「じゃあ、いくぞぉ~!」

澪「お、おぉ~!」

紬「・・・おぉ~」

律(明らかに落胆してるな・・・)



梓(うぅ、さっきから何回か手が当たってるのに全然気付いてくれないです><)

唯「あそこのたいやき美味しかったねぇ~、もう一個食べたいなぁ」ニコニコ

梓「そうですね、でもあんこを必ず口の周りに付けるのはどうなのかと・・・」

唯「う、違うんだよあずにゃんさん!普段は付かないんだけどね、今日は調子が悪くて」アセアセ

梓「何の調子ですか、何の・・・あっ!」ドン!

ドレッドヘアの通行人「あ、すいませ~ん」

唯「あずにゃん大丈夫!?」

梓「はい、軽くぶつかっただけですから」

唯「ちゃんと謝ってください!怪我したらどうするんですか!」プンプン

ドレッドヘアの通行人「チッ、反省してま~す」


唯「もう!何なのあの人!」

梓「唯先輩、良いですよ。私が周りをちゃんと見てなかったのもあれですから・・・」

唯「・・・う~ん」シアンチュウ

梓「??」

唯「うん!そうだね。あずにゃん。ハイ!」

梓「??なんですか?その手は?」

唯「あずにゃん、ちっちゃいし、はぐれちゃいそうだから、手を繋ご」ニコニコ

梓「あっ・・・、ハイ!!」

唯「えへへぇ~、ちょっと照れるね」テレテレ

梓「はい、でも凄く嬉しいです・・・」テレテレ

まだ三月の寒い日だけど私の手は暖かかった。
心もポッカポカで、唯先輩もそうなら良いなと考えていた。

唯「あ、そうだ!隣町の遊園地に行こうあずにゃん!」

梓「でも唯先輩、もう結構遅い時間ですよ?」

唯「この時間が良いんだよ!」フンス!

梓「何で得意げなのかは解りませんが・・・とりあえず行きましょうか」ニッコリ

唯「・・・う~ん、あずにゃん可愛い~!!」スリスリ

梓「ちょ!こんなところでスリスリ禁止!」

唯「まだまだ~」スリスリスリスリスリ

梓「だから、スリスリきんs・・・ふにゃ~」トロン



遊園地!

唯「ふぅ、閉園時間ギリギリだぁ」

梓「あんなところで、時間使っちゃうからです!」プクー

唯「・・・」ホッペオシ

梓「・・・」プシュ~

唯「・・・」プクー

梓「・・・」ホッペオシ

唯「・・・」プシュ~

梓「何か、言ってください!」

唯「えへへぇ~」

梓「・・・もぅ」

唯「あ、あずにゃん!あの観覧車だよ!」ウキウキ

梓「わぁ、結構大きいですね」

唯「最近出来たんだ、
  この時間帯だと夕日が綺麗だからあずにゃんと乗ってみたくて・・・」テレテレ

梓「唯先輩・・・」テレテレ

唯「じゃあ、乗ろっか!」

梓「ハイ!」


最近出来たばっかりの観覧車は、ペンキの新しいにおいがして、
自分が生まれたばっかりだと主張していた。
乗り始めの頃は、唯先輩がはしゃいでいたが、
だんだん、二人とも会話が無くなっていった。
もう直ぐ一番上に付きそうな私たちのゴンドラから見る景色は、
とても綺麗で幻想的だった。
でも、私は唯先輩から目が離せなかった。

唯「・・・あずにゃん、そっち行って良い?」

梓「・・・はい、来てください」ドキドキ

唯「失礼しま~す」ヨイショ

唯「夕日、綺麗だね」

梓「はい」ドキドキ

唯「あずにゃんと一緒に見たかったんだ」


唯先輩が隣に来たから、私にも外の景色が見えるようになった。
前に唯先輩が居ると、視覚が狭くなったんじゃないかってぐらい、
唯先輩しか見えなくなる。
綺麗な夕日に感動して、自分の気持ちが素直に出せた。

梓「唯先輩、・・・好きです」

唯「私もだよ、あずにゃん」

梓「キスしても・・・良いですか?」

唯「・・・うん、しよっか」ドキドキ

梓・唯「・・・」チュッ

その後は二人で手を繋いで下までゆっくりと景色を眺めていた。
観覧車でのキスはデートの定番って感じがするけど、
あの雰囲気じゃ絶対にしたくなりますよね、唯先輩。



平沢家!

梓「お邪魔します・・・」ドキドキ

唯「緊張してるの?あずにゃん」

梓「うっ、してます。だって、恋人になって初めてのお泊りですから」カァ~

唯「あずにゃんのエッチ」ニマニマ

梓「・・・すみません」シュン

唯「フフフ、嘘だよ、あずにゃん。私も・・・期待してるんだよ」ドキドキ

梓「唯先輩」ドキドキ

唯「あずにゃん、先にお風呂入って来て。その間にちょっと憂の事するから」

梓「!?駄目です!私も手伝います!!」

唯「うん、そうだね。ありがと、あずにゃん」

憂は苦しそうでも無く、辛そうでもなく、
ただ普通に寝ているだけに見えた。
でも意識が無いのは体に繋がっている、チューブや機器が否応に伝えていた。

唯「ふぅ、これで良しっと」

梓「本当に手際良いですね。憂が起きたら唯先輩の変わりようにびっくりしますよ」

唯「そうかな?喜んでくれると良いな・・・」

梓「必ず、喜びます・・・」

唯「ありがと。じゃあ、先にご飯にしようか?準備するからちょっと待っててね」

梓「あ、手伝います」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

ご飯を食べ終わり、お風呂に入ってから唯先輩の部屋で他愛無い話をしていた。
今までと変わらない会話。しかし、たまに間が出来てしまう。
その度に見詰め合っては照れ笑いでお互いに誤魔化した。
何回かの照れ笑いの時に唯先輩がさっきと同じ言葉を言った。


唯「緊張してるの?あずにゃん」

梓「二人きりは流石にドキドキします」テレテレ

唯「あずにゃん、こっちに来て」

唯先輩は私の右手を軽く掴み、自分の胸に抱きかかえる。

唯「私の心臓。凄いでしょ?」

ドキドキドキ

梓「はい、私も多分・・・凄いです」

ドキドキドキ

今度は逆に私が唯先輩の右手を掴んで、自分の胸に当てる。
お互いの心拍数が、お互いの緊張している気持ちを崩して行く。

唯「・・・ん、ちゅ、ちゅぷ」

梓「あ、ん・・・ちゅく、ちゅく」

何も言わずに口づけを交わす。

今までとは違う大人のキス。舌と舌を絡めて唾液を交換する。
      • 甘い。
そっと、唯先輩が口を離す。

梓「あっ・・・」

そのまま、唯先輩は立ち上がり、部屋の電気を消した。
私は暗闇の中で、耳を澄まして、唯先輩が服を脱ぐ音に興奮していた。

唯「あずにゃんも脱いで」

梓「・・・はい」

裸になった私を、唯先輩はそっとベットに押し倒した。
唯先輩が恐る恐ると言った感じで私の体を撫でて来る。

お腹。

脇。

肩。

首。

ゆっくり触って居た手はやがて、慣れた用な愛撫に変わる。
触れられた箇所が熱を持ち、意識がそこに集中する。


唯「おっぱい、舐めても良い?・・・ちゅっ」

首筋にキスをされながら、囁かれ、声が出せずに頷いてしまう。
私の体に絡んでいた、両腕が脇の下辺りで固定され唯先輩の頭頂部が見える。

梓「あ、ん!」ビクッ!

本当に電気が流れたかと思った。
体が勝手に反応し、声まで漏れた。

唯「あずにゃん、可愛いよ」

梓「ん!・・・あ、ぅん!き、気持ち良いで、す・・・」ハァハァ

完璧に硬くなっている乳首を舌で転がし、たまに吸い付きながら、
唯先輩の右手が私の恥丘に触れてきた。


ちゅく、くちゅくちゅ、
恥かしい音、凄い濡れている。声も止まらない。

梓「ゆ、い!・・あんっ!・・・せん、ぱい!ぅ、はっ・・・ぁ!」

唯「あずにゃん、イっちゃいそう?」

私を弄りながら、唯先輩も自分で触っているようだ、
私の秘部以外からも水音が聞こえる。

梓「はっ、い、あっ!!・・・イキ、そぅ、んん!!・・・です、あぁん!」

唯「わ、私も、ん!気持ち、・・・良いよ!あずにゃん・・・、ク○触ってあげるね」

梓「ん!え?・・・あ、ダ、ダメ、いっちゃいます!ん、あ、あ、あ、あぁぁ~!」ビクビク

唯「いっちゃえ!あずにゃん」キュッ

梓「イヤ!唯先輩も一緒に!!イ、イクイク!いっちゃうぅぅぅ~~~~~!!ん・・・あ、ん・・・・」ピクッ ピクッ

唯「わ・・・、私も、イクぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~~っ!!!」フゥ~ フゥ~


梓「はぁ、はぁ」

唯「はぁ、はぁ、はぁ」

梓「はぁ、はぁ、気持ち良かった・・・です。唯、先輩」

唯「・・・うん、私もだよ」

梓「でも、凄い疲れました」ハハハッ

唯「え~っ!ほとんど私主導だったのに?私の方が疲れたよぉ!」プクッ~

梓「確かにそうですね、でも、次も唯先輩主導でお願いします」ニコッ

唯「もぅ~!しょうがないなぁ」テレテレ

梓「ずっと、一緒にいてください、唯先輩」

唯「・・・ありがとう、あずにゃん」

梓「・・・唯先輩・・・ちゅ」



唯「あ~、喉乾いたぁ~、あずにゃんもお水飲むよね?」

梓「あ、欲しいですぅ!」

唯「実は部屋に用意しておきました!」

梓「あ、ありがとうございます。ん?水じゃなくて炭酸水なんですね」ゴクゴク

唯「ふぅ~、あずにゃん、あのね。実は私、あずにゃんに言わなきゃいけない事があるんだ」

梓「なんですか?」

唯「あずにゃんさ、憂が落ちちゃった日って何の日だか覚えてる?」

梓「あっ・・・はい、私の誕生日です、うっ・・・?」

何か、

唯「そうだよ、あずにゃんの誕生日だよ。ちゃんと覚えてたんだね」ニコッ

梓「え、えと、覚えて、ました、じ、人生で、一番最悪の、誕生・・・日・・・」

身体から力が・・・

唯「あの日、私って居なかったよね?大好きなあずにゃんの誕生日なのに」ニコニコッ

梓「・・・は、はい、さびし、かった・・・です」


眠気?ううん、違う。
少しビリビリする。

唯「そんな訳無いんだよ。私が居ないはずないじゃん。
  私があずにゃんの誕生日を祝わない訳がないじゃない。
  なんで、そんなこと、気付かないの?」

梓「ゆ、い、せん、ぱい?」

唯「・・・私はね、憂だよ。梓ちゃん」

憂「あの日ね、お姉ちゃんが梓ちゃんを驚かせようって、私と入れ替わるサプライズを企画してたんだ。
  お姉ちゃん、梓ちゃんと思いが通じ合ったって、大喜びでいつも梓ちゃんの事考えてたよ。
  いっつも、いっつも、梓ちゃんの話もしてくれた。
  だから、お姉ちゃんと梓ちゃんの話は私もほとんど知ってるんだよ?
  私の為に、高校卒業するまでに色々な事出来るようになるとか。
  それまでは、梓ちゃんと付き合わないとか。
  付き合ったら初デートは観覧車でキスをするとか。
  全部、全部、知ってるの」


憂「お姉ちゃん、梓ちゃんと付き合うために本当に努力してたんだ。、
  だから、その努力を無駄にしたくなくて、私がお姉ちゃんの代わりになることに決めたの。
  でも、もう限界。
  昔から私たち姉妹は双子のようにそっくりだって、言われてきたから他はしょうがないけど、

  な ん で、梓 ち ゃ ん が 気 付 か な い の ?」

梓「・・・そ、そ、んな・・・」

憂「さっき梓ちゃんが飲んだのは一酸化炭素の詰まった炭酸水だよ、
  量を調節するとね、意識だけが無くなるんだって。漫画でやってたんだ」ニコニコニコニコ

憂「コ○スわけじゃないから、安心してね♪」

憂「だってさ、梓ちゃんはさ

  お姉ちゃんが寝てる間は”抱き枕役”でしょ?」



・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

一酸化炭素中毒の私は意識が無い。
だから、これは誰の思考なのか解らない。

私が誕生日に唯先輩だと気付いていれば良かったのだろうか?
それとも、唯先輩を演じている憂を見抜ければ良かったのだろうか?
答えは解らない。

憂は毎日、唯先輩と私の世話をしながら、寂しそうに私にこう囁く。
「結局、梓ちゃんのお姉ちゃんへの愛なんてそんなものなんだよ」と。





最終更新:2011年01月16日 03:50