澪(そうか、毎日こんな素敵な仲間に囲まれて……)

澪(だから……あなたはいつも笑っていたのか)

澪「ふふっ」

澪「はははっ」

澪「わっはっはっは!」



宮藤「坂本さん……!」


ウゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


宮藤「!」

ペリーヌ「警報!?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ガチャ


美緒「律」

律「なんだ、澪か」

美緒「ああ。ネウロイの情報だが」

律「……」

美緒「どうした?律」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ズガガガガ 


ペリーヌ「ありましたわ!コアです!」

バルクホルン「おおおおっ!!」 ズガガガガガ


パキン!


バルクホルン「仕留めたッ!」


ンミ゙ーム


バルクホルン「わあっ!?」

ハルトマン「トゥルーデ!!」 ズガガガガ

バルクホルン「どういうことだ?確かにコアを貫いたはず!!」


ズガガガガ


シャーリー「見つけたぞ!こっちにコアだ!」

バルクホルン「なにっ?」

ルッキーニ「いっただきぃ!!」 ズガガガ


バキン!

ンミ゙ーム


ルッキーニ「ほえぇ!?」

宮藤「ルッキーニちゃん!」

シャーリー「どういうことだよ、こりゃあ!」


ハルトマン「とりあえず、考えられる可能性は二つだな」

バルクホルン「複数のコアを持つか、体内でコアを移動させているか…!」

ルッキーニ「え゙ー!それどっちも坂本少佐いないと駄目なタイプじゃん!」

バルクホルン「泣き言を言うな!いくぞおっ!」

ルッキーニ「に゙ゃー!!」


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『きゃああーっ!』
『ひるむなああーっ!!』

キュン キュン ズガガガガ


澪「……やっぱり私、何もできない…」

澪「私は…美緒じゃないから……」 グス

ミーナ「美緒!?力がなくなっても…あなたはあなたじゃない!」

ミーナ「気をしっかり持って。戦うの、ここで!みんなが戦えるように!」

澪「違うんだ、違うんだ……」

澪「私はやっぱり…なにもできないんだ、なにも…っ」

ミーナ「……」


パシン


澪「っ……」


ミーナ「状況の報告くらいはできるわね?」

澪「……あ、ああ…」

ミーナ「頼むわ。私は現場に行き、指揮を取ります」

澪「えっ…む、無茶だ!あんな戦いの中に入っていくなんて!!」

ミーナ「……あなた、変わったわ」

澪「……っ」


ガチャ バタン


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


美緒「どんな些細なことでもいいんだ。何か情報は」

律「……」

美緒「律!」

律「……もう」

美緒「ああ」

律「いい加減にしろよ」

美緒「なに?」

律「いい加減にしろっていってんだよ!毎日毎日毎日押しかけて!!もうその話はいいだろ!」

美緒「い……いいわけがあるか!この世界にとっても他人事ではないはずだろう!!」

律「それがいい加減にしろってんだよ!もうお前のたわごとに付き合うのもうんざりなんだよっ!」


ガチャ バタン


美緒「なっ……」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ドーン ドカーン キャー


澪「みんな……」

澪「しょうがないじゃないか……しょうがないじゃないか!だって、私は…私がっ……」


シャーリー『これじゃいくらやってもキリが…うわっ!?』

ルッキーニ『シャーリー!』

宮藤『シャーリーさん!!』


澪「私が……坂本って人だったら…みんなを、みんなを……助けられるのに!」


ルッキーニ『このおおおおおっ!』

バルクホルン『ルッキーニ!?うかつに飛び込むなあっ!』

ルッキーニ『にゃああああああっ!!!』


澪「……律っ…」

澪「…律……助けてょぅ……律ぅ……」 グスッ


ドカーン!!


ルッキーニ『わああああっ!?』

シャーリー『ルッキーニぃぃぃっ!!』

バルクホルン『ルッキーニが堕ちた!宮藤ぃっ!』

宮藤『はいっ!!』


澪「…うっ……ううっ」 グスグス


ペリーヌ『くうっ……こんな時に、坂本少佐がいてくれたら……!』

ハルトマン『馬鹿か!居ない者に頼ってどうなる!泣き言をほざいてる暇があったら撃てえ!』


澪「………っ!」


澪「……そうだ、この世界には…」

澪「律も…和も…紬も唯もいない……私一人しか…」

澪「私が……やらなきゃ…っ」


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美緒「たわ…ごと?どういうことだ……」

美緒「……」

美緒「……」

美緒「……」

美緒「…ふ」

美緒「ふざけるなあっ!」 ガタン


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ガチャ バタン


澪「誰か!誰かいませんか!」

軍人達「はっ!」

澪「管制室を頼みます!」

軍人「はっ!少佐殿は」

澪「私は…ストライカーで出ます」

軍人「し、しかし少佐殿は!」

澪「いいから、早く準備をしろおっ!!」

軍人達「「「はっ!!」」」


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美緒「ふざけるな!私をからかっていたのか?」

美緒「こうしている間にも…みんなは、ネウロイと命を懸けて戦っているというのに!」

美緒「ふざけるな、ふざけるなあっ!」 ガンッ

美緒「私が…無駄に過ごしたこの時間で、誰が、誰が死んでもおかしくないんだぞっ!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


エンジニア「ストライカーユニット!異常なしであります!!」

澪「ふざけるなよ!なんで異常がないのに飛ばないんだっ!!」

エンジニア「や、やはり少佐殿の魔法力は、もう……」

澪「ふ、ふざけるな、ふざけるなっ!」

澪「こうしてる間に、みんなが、みんなが死んでしまうかもしれないんだっ!!」

澪「動け!動けっ!動けよお!!」

澪「お前は美緒のストライカーなんだろう!あたしがみおだ!あたしが美緒だあっ!!」

エンジニア「少佐殿……」



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美緒「くそっ………くそおおおおっ!なんとかして元の世界にっ!」

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澪「ちくしょう、ちくしょうっ!どこほっつき歩いてるんだよ、美緒ってやつは!」

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美緒「私は!まだ、飛ばねばならないんだっ!まだっっっ!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

澪「お前がいないと、お前の仲間が、…みんなが!みんなが死んじゃうんだよおっ!!」

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美緒「私は!元の世界に帰るんだあああああああああああああっっ!!!」

澪「もどってこいよおおおおおお!美緒おおおおおおっ!!」




その時、次元を超え共鳴した二人の叫びが、奇跡を呼んだ!!




パパラパッパパー

ド「こんにちわ、ぼくドラえもんです!」

澪「うわあああ!?ドラえもんだあ!?」


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美緒「ぬうっ、面妖な!切り捨てる!!」

ド「ま、まってまって!テレレレッテテー!次元通りぬけフープぅー」

ぺた


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澪「あ、あなたは……」

美緒「……お前…」


澪「あなたが……美緒」

美緒「おまえが、澪か」 チラ

澪「あ、ああ。これは、その……」

美緒「魔法力もないのに…ふふっ、はっはっはっは!なるほど、あの楽団を背負って立つだけのことはある!」

澪「そ、それどころじゃないんだよ!はやく行かないと、みんながっ!!」

美緒「ああ!足を抜け。私がストライカーで出る!状況を説明しろ!」

澪「わかった!!」

澪「みんなを……みんなを!お願い!」

美緒「ああ、まかせろっ!!」 ブロロロロロロロロロロ

ロロロロロロロロロロォォォォォォ!!      ォォォォン......



澪「…頼んだぞ。坂本、美緒……」

ド「澪ちゃん澪ちゃん!はやくいかないと!次元フープは不安定なんだ!」

澪「ま、まって!少しだけ!あのっ」

エンジニア「えっ」

澪「紙とペンを、お願いします!!」


ミーナ「そう…書置きを残して、止める暇もなかったと」

美緒「そうか……」

ルッキーニ「ちぇー、あっちの少佐の方が面白かったのになぁ」

ペリーヌ「ちょっと!ルッキーニさんっ?わ、私はもちろん坂本少佐のほうが!いやでも、別にあちらの少佐の方も嫌いというわけでは…もごもご」

宮藤「お別れも言えなかったのは、ちょっと残念かな……」

リネット「うん……」

サーニャ「でも、忘れないよ。ずっと」

エイラ「サーニャ……」

ハルトマン「もう、湿っぽいのはいいから、早くそれ読んでみてよ!」

坂本「ああ。なになに…」

坂本「ウィッチーズ隊のみんなへ。本当は、別れの挨拶とかちゃんとしたいのに、悲しいけど、時間がありません。考えをまとめることもできないので、私の気持ちを、みんなへの気持ちを、詩に込めて、みんなに送ろうと思います!題名は……」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


律「うー、顔あわせづらいなぁ……」

澪「おはよう、律っ!」

律「わわっ、澪っ!?」

澪「ん、どうした?早く行かないと遅刻だぞっ」

律「え、いや……うん」


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梓「あれ?澪先輩、またなんか雰囲気変わりました?」

澪「ん?ふふっ、大丈夫!私は私だ!わっはっはっ!」

唯「なんかよくわからないけど、元気になってよかったね、澪ちゃん!」

澪「ん?昨日までの私…元気なかったのか?」

梓「なんか、辛さを押し殺して……無理に気勢を張ってるって感じだったので」

紬「もしも悩み事があったら、私達に相談してね?澪ちゃん…」

律「あっ、いや!」

澪「そうか……ふふっ、大丈夫大丈夫!悩み事は昨日の夜全部解決したから!」

律「えっ(あれでよかったのか?)」

澪「わっはっは!さあ練習だ練習ー!!」

唯「ええーっ!?」


澪(そう…全て解決したんだ。ウィッチーズ隊のみんなは、きっと美緒が救ってくれる。)

澪(思い残すことがあるとすれば……あの)

澪(いや、仕方ないんだ仕方ないんだ。あれはあまりにも時間がなかったから。忘れよう忘れよう)

澪(願わくば…あのエンジニアの人が渡すのを忘れて制服のポケットに入れたまま洗濯してくれますように……)









その後、澪が遺した詩にサーニャが曲をつけた「ぷかぷかおそらで RUN☆de☆BOO!」は、
異国の英雄の唄として世界中の教科書に記されることとなる───


HAPPY☆END



最終更新:2010年06月17日 01:47