――音楽室
唯「ただいまー」
律「お、来たか」
憂「大丈夫だった？お姉ちゃん」
唯「大丈夫！」
律「よし、作戦会議だ」
律「現在の状況を整理すると、連邦は見張りを１人廊下に配置」
律「恐らく澪はまだあっちの世界から帰ってきていないだろう」
唯「ふむふむ」
律「さっきも言ったが、これはチャンスだ」
唯「そうですな」
律「敵の勢力は衰退の一途をたどっている」
律「ここでさらに追い打ちをかけるんだ」
唯「というと？」
律「人質を取る！」
唯「おお！」
律「澪の捕獲は失敗したが、今度は大丈夫だ」
律「勢力衰退の上、人質なんて取られたら降伏するしかないだろ」
唯「そうなの？」
律「そういうものなんだ」
律「見張りの純ちゃんあたりが狙い目だな」
唯「でもまたあずにゃんが来たら？」
律「そう、ここで一つ重要な事がある」
唯「ふむ」
律「連邦は憂ちゃんの裏切りに恐らく気づいていないということだ」
律「澪捕獲作戦の時も姿を見られていないはずだ」
唯「なるほど！」
律「憂ちゃんなら簡単に敵の内部に潜入できる」
律「そこで梓の足止めをして、その間に私と唯が純ちゃんをさらうんだ」
憂「任せてください」
律「要領は澪の時と同じだ」
唯「分かった！」
律「よし今度こそ成功させるぞ！」
律「出撃だ！」
――２年生教室付近の廊下
律「先行部隊、行動を開始せよ」
憂『わかりました』
憂「……」ﾃｸﾃｸ
純「あ、ういー」
憂「純ちゃんなにしてるの？」
純「梓に見張りしろって言われたんだよ」
純「いやいやだったけど……」
純「憂はどうしたの？」
純「偵察に行ったっきり戻ってこなかったけど」
憂「う、うん」
憂「ちょっと先生と話をしていたんだ」
純「ふーん」
憂「あとで交代してあげるね」
純「なるべく早くね……」
律「どうやら潜入に成功したようだな」
唯「さすが憂！」
律「時が来たら私達も行動を開始する」
律「いつでも行けるように準備をしておくんだ」
唯「了解！」
唯」「いつでも行けるよ！」
――２年生教室
憂「……」ｶﾞﾗｯ
梓「あ！憂！」
紬「随分遅かったわね」
憂「ちょっと先生に会って話をしていたんです」
紬「そうだったの」
憂「ねえ梓ちゃん」
梓「ん？何？」
憂「窓際でお話しない？」
梓「え？どうして？」
憂「いいからいいから」ｸﾞｲｸﾞｲ
――２年生教室付近の廊下
律「どうやらうまく梓の気をそらしているようだ」
唯「そうだね」
律「そろそろいくか？」
唯「いつでも！」
律「よし、では……」
律「突撃ー！」
唯「おー！」
純「疲れた……」
『突撃ー！』
『おー！』
純「ん？」
律「りゃりゃりゃー！」
唯「どりゃー！」
純「うわあああああ！？」
律「唯！足をもて！」
唯「はい！」
純「いやああああああ！」
律「おとなしくするんだ！」
律「梓が来るだろ！｣
――２年生教室
憂「それでね、お姉ちゃんがね」
『うわあああああ！？』
梓「！？」
梓「今廊下で悲鳴が！」
憂「き、気のせいだよ」
梓「いや、たしかに聞こえたよ」
『いやああああああ！』
梓「ほら！」ﾀﾞｯ
憂「あ！」
梓「純！？」ｶﾞﾗｯ
律「おとなしくするんだ！」
律「梓が来るだろ！」
梓「……」
律「……」
唯「あー、あずにゃんだあ」
梓「あー！」
律「まずい！逃げるぞ！」
律「人質を落とすな！」
唯「了解！」
律「そりゃー！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
唯「とりゃー！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
純「いやああああああ！？」
梓「純ー！」
憂「梓ちゃん、ごめんね！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
梓「憂！？」
梓「まさか……！」
梓「憂はすでにあちら側だったのか！？」
梓「憂め！裏切ったな！」
律「ふははははは！」
律「人質を返してほしくばおとなしく降伏するんだ！」
律「返答がない場合は人質にあんなことやこんなことしちゃうぞー！」
唯「しちゃうぞー！」
純「ちょ！？」
梓「くっ！」
梓「……」
梓（よく考えたら純いなくても支障はないな）
梓「この恨み、はらさでおくべきかー」ｽﾀｽﾀ
純「え！？なんで梓帰って行くの！？」
律「ふははははは！」
唯「ふははははは！」
――２年生教室
紬「どうしたの？」
梓「また律先輩たちです」
梓「純を人質にとられました」
紬「そうだったの」
梓「『人質を返してほしかったら降伏しろ』っていってました」
梓「でもスルーして結構です」
梓「純は強い子ですから」
紬「そうね」
紬「わかったわ」
梓「それより澪先輩は……」ﾁﾗｯ
澪「ﾐｴﾅｲｷｺｴﾅｲ」
梓「……」
紬「よほどショックを受けたのね……」
梓「……」
――音楽室
律「大成功だ！」
唯「やったー！」
憂（やったね！お姉ちゃん！）ﾆｺﾆｺ
純「……？……？」
律「憂ちゃんのお陰だな」
唯「憂！よくやった！」
憂「えへへ」
純「あの……」
純「なんで私が？」
律「手頃だったからな」
純（もういや）
律「これで我が軍が完全に優位に立った！」
律「あとは敵が降伏するのを待つだけだ！」
唯「長かった……でもそれも報われるんだね！」
律「わははははは！」
唯「わはははは！」
憂「純ちゃん」
純「な、なに？」ﾋﾞｸｯ
憂「お姉ちゃん、楽しそうだね！」
純「……」
純「そうだね……」
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純の犠牲は尊い犠牲だった。
必要な犠牲などあってはならない。
無駄な犠牲もあってはならない。
そう考えるとやっぱり一応、純の犠牲は無駄ではなかった。
しかし憂の裏切りは予想外だった。
戦いが起きてから初めての武力衝突もおこった。
しかし私は戦う。
華麗に散った純の分まで。
――
中野梓「猫とギターとネット通販」より抜粋
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反乱軍メンバー 秋山連邦メンバー
――音楽室
唯「……」
律「……」
唯「なかなか降伏してこないね」
律「そうだなー」
律「せっかく人質とったのになー」
純「……」
唯「そういえばりっちゃんが言ってたあんなことやこんなことって
どんなこと？」
律「え……そ、それは」
唯「うんうん」
律「こ、こちょこちょとか……？」
憂（考えてなかったんだ）
唯（考えてなかったんだね）
純（疑問形だし）
律「そ、そういうことだ」
律「唯」
律「やれ」
唯「まかせて！」
純「え！？」
唯「ぬふふふ……」ｼﾞﾜｼﾞﾜ
純「え？え？」
唯「覚悟！」ｶﾞﾊﾞｯ
純「ひええ！？」
唯「おらおらおらー！」ｺﾁｮｺﾁｮｺﾁｮｺﾁｮ
純「あひゃひゃあああああ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ
純への拷問はこの先も続いたのであった
――２年生教室
梓「……」
梓（今再び襲撃されたらまずい……）
梓（やはり澪先輩の力が必要だ）
澪「ﾐｴﾅｲｷｺｴﾅｲ」
梓「強制的に呼び戻すか……」
梓「澪先輩！しっかりしてください！」
澪「あうあう」ﾕｻﾕｻ
梓「帰ってきてください！」ﾊﾞｼﾊﾞｼ
澪「痛ーい！」
梓「復活した！？」
澪「あ、梓ー」
梓「大丈夫ですか？」
澪「え？」
梓「律先輩たちに襲われたじゃないですか」
澪「そ、そうだった」
澪「くっそ～！」
澪「律め！」
澪「絶対に許さない！」
梓（よかった）ﾎｯ
澪「なんか頭がヒリヒリするんだけど、これも律の仕業なのか？」
梓「そ、そうじゃないですか？」ｷﾞｸｯ
澪「まったく……」
澪「あれ？そういえば純ちゃんは？」
梓「実は……」
梓は澪がこっちに居ない間ことを話した
澪「そうか……人質に……」
梓「はい」
澪「やられっぱなしじゃないか！」
梓「そうですね……」
澪「もうこうなったら音楽室に直接乗り込む！」
梓「おお！」
澪「いくぞ！」
梓「はい！」
最終更新：2010年06月19日 21:45
