澪「うん?」

律「だからお姉ちゃんが欲しいんだって」

澪「いや物理的に無理だろ」

律「細かいことはいいんだよ。ようは雰囲気さえ出れば」

澪「雰囲気って・・・」

律「誰かにお姉ちゃん代わりになってもらう!」

澪「ムギとかか?」

律「ムギもいいんだけどな。どっちかと言うとお母さんって感じしないか?」

澪「あー、なんかわかるな」

律「かと言って唯はな・・・」

澪「唯は実際お姉ちゃんだしいいんじゃないか?」

律「私は頼りになるお姉ちゃんがいいの!」

澪「さりげなくひどいぞ」

律「しっかりしてて、優しくて、私の代わりに宿題をやってくれるような人いないかなぁ」

澪「わがままな奴」


律「・・・澪」

澪「なんだ?」

律「澪がお姉ちゃんになってよ」

澪「いや」

律「なんでだよ。こんなに可愛い妹が出来たら澪も嬉しいだろ?」

澪「自分の宿題やらせようとする妹なんか要らない」

律「ケチ!もういい帰る!」

澪「ん、またな」

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「帰らないの?」

律「澪がお姉ちゃんになるまで帰らない」

澪「どっちだよ・・・」

律「私はここを一歩も動かないぞ!」

澪「好きにしろ」

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・澪」

澪「今度はどうした?」

律「トイレ行きたい」

澪「行ってきなよ」

律「いや」

澪「漏れちゃうぞ」

律「澪が首を縦に振るまで動かない」

澪「はぁ・・・」

律「・・・」

澪「わかったよ。だからトイレ行ってきな」

律「うん!」

澪「・・・現金なやつ」




律「ふぅ、危なかったぁ」

澪「まったく、膀胱炎になったらどうするんだ」

律「澪がお姉ちゃんになってくれるなら膀胱炎ぐらい安いもんだよ」

澪「なんだよそれ」



律「エヘヘ、お姉ちゃ~ん」

澪「ちょっ、こら、どこ触ってるんだ」

律「ん~、澪は可愛い妹を叩くのかなぁ?」

澪「く・・・」

律「優しいお姉ちゃん大好き~」

澪「調子にのるな」

律「いたっ!」


澪「大体、姉妹になってなにするんだよ」

律「そうだなぁ、一緒に遊んだり」

澪「うん」

律「一緒にお風呂入ったり」

澪「うん?」

律「一緒の布団で寝たりするんだよ」

澪「それは姉妹じゃなくて恋人じゃ・・・」


律「何言ってるんだよ。恋人だったらもっと・・・」

澪「あーあー、言わなくていい、言わなくて」

律「と言うことで遊ぼうぜ!」

澪「遊ぶって言われてもな、トランプくらいしかないぞ」

律「いいよそれで、ババ抜きしよ」

律「うーん・・・」

澪「早く選びなよ」

律「ちょっと待ってよ・・・」

澪「ほらー、早く」

律「見えた!右だ!・・・なぁー!」

澪「ふふ、私の番だな」

律「ねぇ、お姉ちゃん」

澪「ん?」

律「こっちの取って」

澪「そんな時だけお姉ちゃんって呼ぶな!」

律「お姉ちゃん・・・」

澪「・・・」スッ

律「わぁー、お姉ちゃん大好き!」

澪(・・・ずるい)

澪(結局全部負けた・・・)

律「さー、次はお風呂だな」

澪「私は後でいいから、先に入ってきなよ」

律「えー?やだ!一緒に入るって言っただろ!」

澪「本気だったのか・・・」

律「ほら行くぞー」

澪「こら、引っ張るな」

律「ふぅ、生き返りますなぁ」

澪「おっさん臭い事いうなよ」

律「・・・ねぇ、お姉ちゃん」

澪(来た!)

律「背中洗って欲しいなぁ」

澪「どうせ頷くまで言うんだろ、洗ってあげるよ」


律「やったぁ!」

澪「馬鹿!立つなら前隠せ!」

律「姉妹なんだからいいだろー、よいしょっと」

澪「まったく、お前の中の姉妹像を見てみたいよ。ほら洗うぞ」

律「あぁぁん、気持ちいぃぃ」

澪「変な声出すな」


律「ふぅ・・・澪に洗ってもらうなんて久しぶりだな」

澪「どうしたんだ急に」

律「ちょっと小さい頃を思い出してさ」

澪「ふーん・・・律、流すぞ」

律「はぁ、気持ちよかったぁ。お姉ちゃんの背中も洗ってあげるよ」

澪「いや、私はいいよ」


律「いいからいいから」

澪「ちょっと・・・強引な妹だな」

律「エヘヘ、お客さんどうですかー?」

澪「あー、確かに気持ちいいな」

律「だろ?ほらほら」

澪「胸もむんじゃない馬鹿律!」ゴチン

律「いてっ!」


澪「お風呂入ったのに逆に疲れた気がする」

律「そうかー?私は楽しかったぞ」

澪「お前のせいだろ」

律「さて、後は一緒に寝るだけだな」

澪「・・・聞いてない」

律「もっと詰めてくれよ」

澪「シングルなんだから仕方ないだろ」

律「そうだ、こうすれば。ぎゅー」

澪「ちょっと律」

律「エヘヘ」


澪「まったく・・・」

律「・・・澪」

澪「ん?トイレか?」

律「ううん・・・今日はありがとな、私のわがままに付き合ってくれて」

澪「なんだそんなことか、律のわがままは今に始まったことじゃないだろ」

律「澪はお姉ちゃんじゃなくても優しいな」

澪「律がそんなこと言うなんて珍しいな」

律「なんでだろ、自分でもわからないや。そろそろ寝ようか」

澪「そうだな・・・おやすみ律」

律「おやすみなさい、お姉ちゃん」


終わり



最終更新:2010年06月27日 00:35