【おまけ】
「ただいま・・・」
ガチャリと玄関のドアが開き、私の『お姉ちゃん専用耳(Ear)』でなければ聞き漏らしてしまうほどの小さな声でお姉ちゃんの帰宅を認識した。
おかしい!こんなに元気のないお姉ちゃんは今世紀始まって以来のこと!!
いつもなら・・・
『たっだいま~』
『お帰りお姉ちゃん』
はぐはぐ。
ぁあっ、私の『お姉ちゃん専用鼻(Nose)』でなければ嗅ぎ分けられない帰宅直後のうっすら漂う汗(最上級のフレグランス♪)の
におい&授業中の居眠りのときに流したであろう酸味の利いた涎のにおい&お姉ちゃん特有の子供じみた甘い甘いミルクの香りが
交じり合ってこの世のものとは思えない芳醇な香りを漂わせつつ子供特有の妙に高い体温で包み込まれるこの帰宅時のハグ!キターーーーー!
ダメ・・・ういイッちやう・・・イッちゃうのほぉぉぉぉぅぅぅっぅううぅぅぅぅぅ!!おちんぽみるくでちゃうのほぉぉおおぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!111
がくがくがく・・・
『うい?どうしていつも腰をがくがくさせるの?』
これが日常であり至高のひと時であり唯一無二絶対神のお姉ちゃん様の帰宅を祝う祭典であり行事であり祝詞であり始球式でありストラーーーイク!満塁ホームラン!憂選手ハットトリック成功!!・・・ハァハァ。
ハッと我に返り、お姉ちゃんを迎え入れる。
「お、お姉ちゃんおかえりなさい!ご飯できてるからね、あ、先にお風呂にする?そ、それとも・・・(私を///)」
「ごめん・・・ちょっと具合が悪いから横になるね・・・」
!11!!!!!!1!!!!11111111111!!
おおぉぅおあ・・・自衛隊を派遣・・・違う!NASAに連絡してMI6に出動要請を・・・そうじゃない、えっと、霊柩・・・じゃなくてそう!救急車!
「だっ、大丈夫!?救急車呼ぼうか?熱は?お腹痛いの?もしかして初潮がきたの?・・・お赤飯用意しなきゃ!!!1!!!1!!!11111111」
「大丈夫・・・」
パタン。
にべもなくお姉ちゃんにだけに許されたお姉ちゃん専用まいふぇいばりっとすいーとルームに入ってしまうお姉ちゃん・・・。
どうしたんだろうオロオロ・・・そんなに具合が悪いのかしら・・・ここは私の『お姉ちゃん専用第六感(6sense)』で探るしかないわ!
「ハッ!」
\ ¦ /
\ ¦ /
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ', /
\ ノ//, {0} /¨`ヽ {0} ,ミヽ /
\ / く l ヽ._.ノ ', ゝ \
/ /⌒ リ `ー'′ ' ⌒\ \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
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ぴきゅーーーん!
「・・・・・・和・・・殺す!!!」
お姉ちゃんの・・・私が今まで夜中にこっそりとお姉ちゃん専用ふかふか底上げウォーター快眠リラックス電動テンピュールベットにもぐりこみ、
においクンカクンカ堪能コース60分(2億円相当)、起こさないようにかつ大胆ながらもソフトタッチでコース60分(15億円相当)、
はぅぅん!この食感舌触りまさにお姉ちゃんの宝石箱やー!朝までコース(時価)でも傷つけず大切に来るべき『うい・・・ういにならいいよ・・・』と
頬を赤らめつつでも大胆に女豹のポーズで誘ってくれるのをずっと我慢してきた私を差し置いてお姉ちゃんの神聖な膜を~~~~~!
のどかーーーーー!!!!1!!!!!!11111殺す!故Ross!子ロス!くぇdrftgyふじこlp!!!!!111!1!111111
……
泣き疲れ、涙も枯れ果てて呆然とベットに横たわっていた。
頭の中でグルグルと私が唯に行った行為を思い返し自己嫌悪に陥り、達成感を味わい、恐怖を感じ、絶頂を思い出し、絶望に苛まれていた。
玄関の扉が開く音がした、母が帰ってきたのだろうか。
こんな姿を見せてはいけない、涙をぬぐい服を着て身支度を整えた。
こんな状況でも自己保身を考える自分の行動に嫌悪した。
バンッ!!
刹那、部屋の扉が開かれそこに一人の少女が立っていた。
「う・・・憂ちゃん!?」
ゴゴゴゴゴッ!と効果音が入りそうなほどの形相で唯の妹、憂ちゃんが仁王立ちしていた。
「コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・コロス・・・」
まるで呪文のようにひとつの言葉を繰り返している・・・どう考えてもまともじゃない!?
身の危険を感じ踵を返そうとした私の腹部に「ガッッ!」とゴンさん並の重い蹴りが入る。
「ぐぅっ・・・」
その衝撃に思わず声が漏れる。
「ごらぁぁぁあぁあぁぁっ!のどかーー!てめー私のお姉ちゃん様になにしてくれてんねん!ボテクリかますぞゴラァーーーッ!!!111!!1111111111」
そう叫んで弧を描きながら右のコークスクリューが私に迫った。
「なっ、避けた!?・・・ぐふっ!!」
私は間一髪でそのパンチを受け流し、肩幅に脚を開き全身から丹田へ気を集中する基本の姿勢を整え、憂ちゃんのがら空きになった鳩尾にそっと手を沿え一気に気を放出した。
部屋の扉を突き破り廊下の壁に打ち付けられる憂ちゃん、良かった万が一に備えて東林寺拳法の通信教育課程を取得していて。
師であるヨーセン道士に感謝しながら廊下に向かって構えを改める、まだ憂ちゃんの気は衰えていない!
「クックックッ、やるじゃないですかぁ和さん!ただのゴミだと思っていましたが・・・なかなかどうして楽しませてくれますねぇ」(CV:中尾隆聖)
緩みかけた髪のリボンを解き捨て、うれしそうに話す憂ちゃん。
「ですがその程度の力でこの宇宙最強と言われる私を倒せるとでも思っているのですか!?」
確かに力の差は歴然、私の懇親の力を込めた通背拳を食らってもなお衰えていない憂ちゃんの気に私は焦りを覚えていた。
「どうしたのですか?来ないなら私から行かせていただきますよ!」
「!」
そう言った途端私の視界から憂ちゃんが消えた。
シュンッ!ドカッ!!
「ぐほっっ・・・」
突然背後に現れた憂ちゃんが繰り出したキックで床に叩きつけられる。
まったく見えなかった、ここまで力の差があるなんて・・・。
「もうお終いですか?残念ですねぇもう少し楽しませてくれると思ったんですが」
ピピピピピピピピピッ・・・
私に差出した憂ちゃんの右人差し指に光が集まっていく・・・このままでは!!
「これで最後です!!」
ピピピピピピピピピッ・・・
※
-----
「!!!」
柔らかな朝の日差しが頬に当たる、けたたましく鳴る目覚ましを消すためにぐったりした体を起こした。
部屋の中を見渡す、壊れたはずの扉は昨日までと同じように何事もなくその機能を果たしていた。
ふぅーっと安堵のため息をつく。
まだあの日の事を気にしているからだろうか、この一週間悪夢しか見ていない。
唯とは毎日幸せにすごしていたが、心の底にあるあの時の罪悪感が夢と言う形で現れているんだろうと自己分析した。
それにしても、憂ちゃんが悪役だなんて・・・あの日の「絶対許さないですよ?」って言葉のせいだろうか。
気を取り直してシャワーを浴びるために着替えを持って部屋を出た。
部屋の扉を開け、浴室に向かった時に何かが足に絡まった。
「!」
そこにはあの時に憂ちゃんが捨てたリボンが残されていた。
※から
もう一つのエンド
私が死を覚悟した瞬間、部屋の窓を突き破って男の人が私たちの間に割って入った。
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
「破ぁ!!」とTさんが叫んだ途端憂ちゃんは苦悶の表情で塵と消え去った。
「ありがとうございますTさん、でも何でここへ?」そう聞いた私にTさんは
「なぁに、たまたま通りかかっただけだから気にしないでくれ」そうつぶやいてTさんは去っていった。
寺生まれはスゴイ、私は感動を覚えずにはいられなかった。
最終更新:2010年06月28日 22:12