梓「…窓、開けちゃった方が早いと思うんだけどな」ガチャッ
純「ふぁあ~たすかった……」バタン
梓「ちょ…顔真っ赤だし汗すごいよ?! 水持ってくるから待っててっ」
純「あー…いまはいいや。いろいろあって、疲れたし、ちょっと座んなよ」
梓「ほんとに? …じゃあちょっと涼んでって」
純「恩にきるよあずさぁ~…」ギュッ
梓「きゃ、ちょっといきなり抱きつかないでよ」
純「いいじゃん、私の苦しみをおもいしれっ」
梓「あーわかった、わかったからちょっとおちつこ?」
純「いけずぅ」
純「…あずさー」
梓「なに?」
純「どうだったの」
梓「思ってた通りだった」
純「ちがくて」
梓「じゃあなんなの」
純「きもちてきに、どうだったのかなって」
梓「思ってた通り――では、ないかな。さすがに」
純「ふぅん。そっか」
梓「きかないの?」
純「きいてほしいならきく」
梓「…なんか子供みたいだね。きょうの純」
純「…どっちが、ってかんじだよ」クスッ
純「あのさー、」
梓「なにー?」
純「ねごこちわるい。そっちいかせろ」
梓「…ちょ、ひざおもいよ」
純「おもいとか、いうなし」
梓「……まったく」
純「…やなの?」
梓「別にいいよ」
純「ならいっか」
純「こないね」
梓「そうだね」
純「あのさー」
梓「なにー?」
純「……」
純「…えっと。私の陰ながらの八面六臂の活躍に、梓はもうイチコロだったっしょ!」キリッ
梓「……」
純「……なんちゃって」
梓「変わんないね」
純「変わりたいよ」
梓「変わんなくていいよ」
純「うざいよ」
梓「別にいいよ」
純「ならいっか」
純「…すずしいね」
梓「そうだね」
純「時が止まったみたい」
梓「うわ、ベタだ」
純「やなの?」
梓「やじゃない」
純「ならいいよね」
純「まだ、すき?」
梓「…どうだろね」
純「どして」
梓「なんか、ぶつけたらおさまりついちゃったのかも」
純「ふぅん」
純「ハッピーエンド?」
梓「あは、まさか」
純「…憂のおねえちゃんって、すごいよね」
梓「すごくないのにすごい人だから」
純「…ほれた?」
梓「どうだろね」
純「ふぅん」
梓「そろそろ、くるかも」
純「そっか」
純「…あのさー」
梓「なにー?」
純「すきだよ」
梓「…ベタだね」
純「やなの?」
梓「やじゃない」
梓「でも。私と、ちがう」
純「ここ、さわってみて」
梓「…どきどきしてる」
純「変わんないでしょ」
梓「変わんないね」
純「…やだった?」
梓「別に、いいんだって」
純「なら…いいよね」
梓「…ごめん」
純「いいって」
梓「あの、返事なんだけど――」
純「いいって」
梓「え?」
純「気持ち決まったら聞かせてよ。不安、なんでしょ?」
梓「……」
純「利用とか依存じゃないってわかったころに、またセッションでもしよ」
梓「そうだね」
純「…あっでもセッションっていうのは音楽の方で、べつn――」
純「やっぱいいや」
梓「無理しなくていいよ」
純「これが素だよ」
梓「無理しないように、無理してるくせに」
純「…えへへ」
きょうしつ!
律「…部室、戻んなくていいの?」
澪「今さら戻りづらいだろ……」
律「はー、あっきれた」
澪「逃げてるとかじゃないってことぐらい分かるだろ」
律「あいあい、さーせんっした」
澪「……まったく」
澪「…律のせいだ」
律「…澪のせいじゃん」
澪「わかってるよ」
律「私だって、分かってるし」
澪「ばかりつ」
律「…うっせーし」
澪「どこまで聞こえてたんだ?」
律「クーラー入るまで」
澪「……」
律「…梓ふったところまで」
澪「本当なのか?」
律「途中聞いてないけど、そこは本当」
澪「聞けよ」
律「悪かったって」
律「空…今日晴れてたなー」
澪「そうだな」
律「ちょーあつかった」
澪「自業自得だろ」
律「…唯に言われたんだし」
澪「また唯か」
律「憂ちゃんが、そうしようって言ったんだって」
澪「……人のためにはよく動くよな、二人とも」
律「自分のために動けるのも、いいことだろ」
澪「…まあ、そうだな」
律「今日ってさ、ドラマみたいに晴れてたじゃん」
澪「突き抜けるような空だったな」
律「そういう、まっすぐなもの見ると…引け目感じたりしない?」
澪「する、かもな」
律「ベタとかドラマとか、怖いじゃん」
澪「だからってキャラ作ってもしょうがないだろ」
律「……」
律「…みーおっ」ピト
澪「ひゃぁ!…な、なんだよいきなりぃ!」
律「へっへーん。昼休みの仕返しだよん」
澪「ったく…もう!」ポカッ
律「あいたっ」
澪「さすがにそろそろ大丈夫だろ。帰るぞ」
律「うわ、先いくなよ!」ダッ
澪「あ」
律「どした?」
澪「あれ見て」
律「…うわあ」
澪「……そっとしとこう」
律「分かってるって。梓ちゅわんは思春期だもんな!」
澪「まだそのネタ続くのか!」
澪「…はあ」
律「……ねーみおー」
澪「なんだよ、藪から棒に」
律「私たちも、手ぐらいつなごうぜ。たまには」
澪「なっ…ええっ///」
律「あら、みおしゃんなんか意識しちゃった?やぁ~ん澪ちゃんまで…お赤飯炊かなきゃねっ」
澪「うるさい馬鹿律!」ガッ
律「いだっ! 今の強いでしょ?!」
律「ああもうキレた。じゃあとりあえずあの夕陽に向かっ――」
澪「あははっベタだな、昭和じゃん!」
律「…今の、わざとだし」
澪「わかってるよ」
律「…うざ」ギュ
澪「いたっ、手つよい!」
ひらさわけ!
唯「ふあ…まだ、ねむい……」
唯「あれ。ここ、どこ?!」
唯「って。なんだぁ私の部屋じゃん」
唯「あれ…でも、教室で寝てたら……」
唯「ええええええっ?!」
唯「わ、私テレポーテーションしちゃったのかな?!」
唯「あ。メールきてる」
唯「……なんだあ~! 憂とムギちゃんが連れていってくれたのかあ」
唯「うーん…放課後に倒れちゃったんだ…。みんなに、心配かけちゃったなあ」
唯「あ。ムギちゃんがみんなには隠してくれたんだ」
唯「…そうだよね、大事な日だったもんね」
唯「みんな…大丈夫だったかな?」
フワッフワ ターイム♪
唯「あ。メールきた」
唯「そっか……あずにゃんたちは大丈夫そうだな」
唯「…よかったね、あずにゃん」
唯「ええっ?! わっわたしそんなすごくないよ!」ブンブン
フワッフワ ターイム♪
唯「こんどは…澪ちゃん?」
唯「……あははっ、りっちゃんセンスふるい! 純ちゃんみたいだねっ」
唯「…だといいなあ。」
唯「えっ? ち、ちがうよ! 今日のは憂のおかげだよっ」
唯「……えへ」
唯「よかったぁ、ほんとに」
グゥー
唯「……ほっとしたらおなかなっちゃった//」
唯「お昼たべられなくてはらぺこだよぉ~!」
唯「いそがなきゃっ」
唯「ういーおはよおーごh」
ガチャ
憂「おっおおおっっおおねえちゃん?!?!!1!」
唯「……えっと、その…///」
憂「……////」
唯「………ちゅ、ちゅーにんぐだよね。としごろだもんね。ういだってぎたーひけるもんね////」
憂「お…おねえちゃんのばか!!////」
おわり
最終更新:2010年07月01日 23:29