梓「人が見てるじゃないですか///」
唯「別にいいじゃーん。えへへ」スリスリ
梓「こんなにベタベタしてたら……こ、恋人と思われちゃいますよ///」
唯「へ?」
梓「///」
唯「いやあ、それはないよー」
梓「えっ……」
唯「女の子同士なんだから恋人なわけないよー」
梓「な、なんでですか?」
唯「だってそれじゃレズじゃん!異常だよ!」
梓「そ、そうですよね。気持ち悪いですよね」
梓「でもそういう人がいてもいいんじゃないでしょうか?人それぞれだと思うし」
唯「えー、私はやだよ。鳥肌が立っちゃうよ」
梓「……」
…
唯「ということがあったんだよ」
澪「ふーん」
唯「っていうか何でいきなり恋人とかになるのかな?」
律「その発想がわからないよな」
紬(梓ちゃんは唯ちゃんの事が好きなのよ、気づいて!)フンフン
律「もしかしてレズなんじゃないのか?」
澪「おいおい、いくら女子高とはいえありえないだろ」
律「梓のカバン調べてみようよ!」
唯「えっそれはだめだよ、やめようよー」
律「いや見たほうが良い!このままだと部内がギスギスしちゃうぞ!」
紬「うんうん、見たほうがいい!」
律「澪は梓がこないか見張っててよ」
澪「わかったよ……」
律「グフフ、梓ちゃんは何を持ち歩いてるのかな」
ジジーッ
紬(あっ写真が入ってる!)
律「これは……唯の写真だ!唯の写真が入ってるぞ!」
唯「えっ?」
澪「どれどれ」
唯「ほんとだー。なんで私の写真持ちあるいてるんだろう」
澪「っていうかこの写真自分が写ってないじゃん」
律「普通自分が写ってない写真持ち歩くか?これは怪しいぞ」
紬「他は?他は何かある?」
律「待て待て。こっちの手帳も怪しいぞ」
ペラリ
唯「!」
澪「これは……」
唯「私とあずにゃんのプリだー」
律「なんだこれ……。唯と写ってるのばっかじゃん。私達のは一枚も無いぞ」
紬「唯ちゃん、梓ちゃんとよく撮るの?」
唯「学校帰りに結構寄るけど私だけじゃないよ。いつも皆で一緒じゃん」
澪「なのに唯とのしか貼ってないのはおかしいだろ」
律「唯、お前やばいよ。狙われてるって」
唯「狙われてる?」
澪「唯の事好きってことだよ」
唯「私もあずにゃんのこと好きだよ?」
紬「唯ちゃん、これはそういう好きじゃなくて、唯ちゃんに恋してるってことよ」
唯「ええーっ!?」
律「だって梓のこれ見ただろ?これははっきりいって普通じゃないよ」
澪「友達とかそういうレベルじゃないよな……」
紬「ちなみに唯ちゃんとしてはどうなの?」ハァハァ
唯「気持ち悪いよー……」
律「レズとかほんとにいるんだなー。引くな」
澪「そ、そうだな」
紬(そんな……)
律「どうすんの?知らないふりする?」
澪「そうするしかないだろ。勝手にカバン漁ったのばれちゃうし」
紬「待って!決め付けるのはまだ早いわ。もう少し様子をみましょうよ!」
唯「そうだよね。あずにゃんはレズなんかじゃないよ!」
律「よし、じゃあ今までどおり接して反応を見よう」
ガチャ
梓「あれ?皆さん早いですね」
律「ま、まあな(間一髪だったな)」
シーン
梓「?」
澪()
梓「皆さんどうしたんですか?棒立ちしちゃって」
澪(唯、いつものを!)
唯「あ、あずにゃーん」ギューッ
梓「にゃっ!?もう、唯先輩ってば///」
紬(改めて見ると)
律(どうみても喜んでるなあ……キモいなあ)
梓「皆さん、助けてくださいー///」チラチラ
律(絶対そんな事思ってないわ……)
澪「こらこら、そのへんにしておけー」
唯「ちぇっ、もっと抱きついていたかったなー」
梓「れ、練習が終わってからにしてください!」
唯「う、うん」
紬(また抱きついてほしいのね)ハァハァ
律(うわー……)
部活後
律「じゃあ皆帰ろー」
梓「あ、私トイレ行ってきます」
紬「待ってるね」
バタン
澪「で、どう思った?」
律「口では否定してたけど、どう見ても抱きつかれて喜んでたぞ」
紬「唯ちゃんはどんなつもりで抱きついてたの?」
唯「私はただ可愛いなーって抱きついてただけだよ。ただのスキンシップだよ」
律「じゃあ梓が勝手に勘違いしてるってことだな」
澪「唯大丈夫か?嫌だったら私が梓に言ってあげるよ」
唯「うん……」
紬「待って!梓ちゃんは唯ちゃんに何かしたわけじゃないでしょ?」
律「それはそうだけどキモいじゃん。ストーカーだよ」
澪「唯はどうなんだ?」
唯「私は大丈夫だよ。今までどおりでいようよ」
紬「うんそうしよう(危なかった……)」
ガチャ
梓「お待たせしました……あれ?唯先輩達は?」
紬「用事があるって先に帰っちゃったの。私でよかったら一緒に帰ろう?」
梓「そうですか。じゃあ行きましょう」
帰り道
梓「」
紬(どうしよう。梓ちゃんにさっきの事言ったほうが良いのかな)
紬「梓ちゃんって唯ちゃんと仲いいね」
梓「えっ!?そ、そうですかね?」
紬「よく二人でイチャイチャしてるじゃない。ラブラブよー」
梓「あれは唯先輩が一方的に抱きついてきてるだけです!」
梓(ラブラブかあ……。やっぱりそう見えちゃうんだ///)
紬(梓ちゃんてば嬉しそうな顔しちゃって)
梓「唯先輩って、どう思ってるんですかね?」
紬「どうって?」
梓「廊下とか、周りに人がいても平気で抱きついてくるじゃないですか」
紬「そうね」
梓「いくら女子高とはいえ、あんなにベタベタしてたら周りから変な目で見られちゃいます///」
紬「変な目って何?」
梓「そ、それは……。わ、私達が付き合ってるとか勘違いされるかもしれないじゃないですか///」
紬「そうねー。少なくとも私はそう見えちゃうかも」
梓「ですよね!唯先輩にはもう少し人目を気にしてほしいですよ///」
梓(やっぱり周りからはそう見えるんだ。きゃー!)
紬(梓ちゃん嬉しそう)
梓「やっぱり唯先輩って私の事お人形か何かだと思ってるんですかね?」
紬「お人形?」
梓「えっと、なんていうかマスコットみたいな存在っていうか。可愛いーって抱きついてくるじゃないですか///」
紬(これはどんな答えを期待してるのかな?)
紬「深い意味はないと思うな」
梓「そうですかねー。そうとは思えないんですけどねー……」チラッ
紬「……」
紬(あんな事があったし、下手に気を持たせないほうがいいよね。どうしよう)
紬「もしかして好きだったりして!」
梓「えっ、誰がですか!?」
紬「唯ちゃんが梓ちゃんのことを」
梓「あ、ありえないです!変な事言わないでくださいよ、ムギ先輩///」
梓(やっぱり唯先輩って私の事好きなのかも!)
紬(どうしよう。これで梓ちゃんが自信をつけて今の唯ちゃんにアプローチしたら……)
紬「あの……梓ちゃんって唯ちゃんの事好きなの?」
梓「!?」
梓「と、突然何を言い出すんですか?」
紬「前からそんな気がしてたの。気のせいかな?」
梓(どうしよう。ムギ先輩ならいいかな?応援してくれそうだし)
梓「まぁ、結構すっ好きですね///」
紬「それはloveって意味?」
梓「ま、まあそんな感じですかね///」
紬「そうなんだ……」
梓「やっぱり変ですよね?」
紬「そんなことない!普通よ!」
梓「……」
梓(やっぱりムギ先輩は私の味方だ。言ってよかった)
紬(あっ。軽々しく後押ししちゃまずいよね)
紬「でも梓ちゃん。これはちょっと難しい問題だから、焦らないほうがいいわ」
梓「ですよね……。唯先輩の気持ちが重要ですもんね」
紬(これで梓ちゃんから直接行動にでることはないよね。一安心かな)
風呂
梓「ふぅ……」
梓(また今日も唯先輩に抱きつかれちゃった///)
梓(やっぱり唯先輩って私の事好きなのかな。ムギ先輩もそう言ってたし)
梓(あ。でもレズは異常って言ってたし……)
梓(でも本当に嫌だったらこんなにベタベタするはずないよ)
梓(女の子の事好きなんて軽々しく言えないことだし、きっと咄嗟に言っちゃったんだ)
梓(うん、そうに違いない!今までの唯先輩を見れば脈ありだよね!)
梓の部屋
梓(あれ?宿題のプリントがない)
梓(こっちのバッグだっけ?)ゴソゴソ
梓「あれ?」
梓(写真と手帳が無い。どこいったんだろう)
梓(部屋にもない……なんで?)
梓(もしかして学校に忘れてきちゃったのかな。どうしよう)
梓(明日朝早く行って探さなきゃ)
翌日
梓「ない……ない……」キョロキョロ
梓(どうしよう、誰かに拾われちゃったのかな)
梓(ううん、もしかしたら家のどこかにあったのかも。きっとそうだよね)
ガチャ
梓「!」
律「あれっ梓じゃないか。随分早いなー」
梓「は、はい。ちょっと用事があって」
澪「何キョロキョロしてたんだ?」
梓「いえ、なんでも……」
律「もしかしてこれを探してたのか?」
ペラッ
梓「あっ!」
澪「昨日この写真が部室に落ちてたんだよ。誰のかなあ」
律「唯が写ってるんだし、唯のだろ?」
澪「自分の写真を自分で持ち歩くわけないだろ」
律「ああ、そりゃそうだな。梓はどう思う?これ誰の写真かな」
梓「……」
梓「……わかりません」
律「ふーん、じゃあこれは?」
スッ
梓(あっ、私の手帳!)
律「梓と唯のプリが貼ってある。梓のだよな?」
梓「……なんで先輩が」
律「そんな事はどうでもいいんだよ」
澪「梓、唯の事好きなの?」
梓「……」
律「まあ聞かなくてもわかるけど。唯とのツーショットでびっしりだし」
梓「それは……たまたま唯先輩のだけ貼ってあるやつだったんです……」
律「とにかく、こういう事はもうやめろよ。部内の雰囲気が悪くなるからな」
梓「わ、私何もしてないです!」
律「でも唯の事をいやらしい目で見てるんだろ?」
澪「唯はああ見えて繊細なんだ。梓がこんなストーカーみたいな事してると知ったらショックを受けるよ」
律「ああ。ただの友達が自分の写真を大量に持ち歩いてたら普通引くよ」
梓「……」
澪「梓、私達が言ってる事は間違ってるか?」
梓「いえ……」
律「じゃあこんな事はもうするなよ?」
梓「……」グスッ
澪「泣いてちゃわからないよ。わかった?」
梓「もうしません……」グスッ
律「うん、ならいいんだ」
梓「あ、あの」
律「ん?」
梓「好きでいてもいいですか?何もしませんから……」
澪「……」
律「だめだ。梓の気持ちが唯に知られたらどうするんだよ」
澪「そういうのはうまく隠してるつもりでもいずれバレるよ。そうしたらどうなる?」
律「唯も梓の事を色眼鏡で見るようになるだろ。今までどおりとは行かないんだ」
梓「……」
澪「もしかして唯が自分の事を好きかもしれないと思ってる?」
梓「い、いえ……」
律「やっぱりそうか」
澪「梓、それは勘違いじゃないのか?唯は誰にでもああするんだよ」
律「私達やムギや和にだってああやって抱きついて甘えてるだろ?」
梓「……」
律「ほら、梓は唯にとって友達の中の一人、ただの後輩なんだよ」
澪「本当に唯の事が好きならすっぱりと諦めるのが相手のためでもあるんじゃないか?」
律「そうだ。梓の気持ちを押し付けて唯を苦しませるのはおかしいぞ」
梓「……」グスッ
澪「梓……」
梓「諦めます……」グスッ
澪「わかってくれたか。よかったよ」
律「じゃあこの写真と手帳は唯に渡す。諦めるならその方がいいよな?」
梓「はい……」
澪「じゃあ私達は教室行くから。梓も遅れるなよ」
バタン
梓「うっ……うっ……」グスグス
最終更新:2010年07月08日 22:11