――部室!

ガチャ
梓「こんにちはーって、誰もいない……」

唯「おお、あずにゃんが来たでありますりっちゃん隊員!」
モノカゲコソコソ
梓「ちょ、唯先輩いたんですか……って電話?」
律『待ちくたびれたぞ梓のやつ!っと……
そんじゃ唯、後よろしく。私は澪に』

唯「りょーかいであります!」フンス
ピッ
梓「……電話、終わりました?っていうか
なんで隠れてたんですか。しかもひとりで」
唯「あずにゃんを待ってたんだから当たり前だよー」
梓「え?私ですか?皆さんはどこに」
唯「まあまあいいじゃん♪ところであずにゃん、
今日はね、織姫と彦星が1年に一度だけ会える日なの」
梓「?……知ってますよ、七夕ですよね。それがどうかしました?」
唯「もうーあずにゃんつべたいっ!せっかくだし祝ってあげようよ!」
梓「どうやってですか?パーティーでも開くってことですか」
唯「察しがいーね、あずにゃん♪ほめてつかわす」
梓「祝うって言ったらそういうことになるじゃないですか」
唯「そ、そんじゃ、私はりっちゃん隊員と打ち合わせがあるからっ」シュタ

梓「あ、はい……」シュン


唯「もう少ししたらみんな来ると思うから、これ書いて待ってて」
梓「短冊?それとあそこにあるの竹……ですよね?」
唯「むぎちゃんに頼んで持ってきてもらったの。だからこの短冊にあずにゃんのお願いごと書いてて、ね!」
梓「ムギ先輩の家、なんでもあるんですね。わかりました……
いえ、よくわからないですけど、短冊書いて待ってますから」
唯「うん!あずにゃんは素直でいいこいいこ」ヨシヨシ
梓「なっ……///」
唯「またあとでね~」
ガチャ

梓「……なんなんだろ、もう。訳わかんないよ」ムッ

「……」
短冊に願いごと書くなんて久しぶりだな
私の願いごとは――。
(トンちゃんが元気に長生きしますように)
「違うな、なんか。私がちゃんと世話すればいいんだし
お願いするようなことじゃない」
(おこづかいが上がりますように)
「現実的すぎていやだ……」
(先輩たちがもっと練習してくれますように)
「うん。これだ……でも、 正直、ティータイムは
……必要、かな」


じゃあ、なんだろう。

ガチャ
梓「…………」ボーッ
唯「おっまたせ~。あずにゃん」ギュウッ
梓「っにゃあ///」
律「よっ!」
澪「ごめんな遅れて、私もよくわからないんだけど」
唯「みおちゃんとあずにゃんはVIPだからいいの

律「そうそう、知らぬが仏」シャキーン
紬「りっちゃん、それなんか違うとおもうわ」
唯「ではではみんな集まったことだし、今日の七夕パーティーの予定を教えます~」
律「まーすっ!」
唯「まず7時に私の家に集合!……あと2時間くらいあるから、それまでに着替えてきましょー。私は憂とお料理して待ってま
す」
梓「あ、あの急にお邪魔していいんですか?憂に迷惑じゃ、」
唯「だいじょーぶだよ、もう1週間前に伝えてあるか」
澪「1週間も前にか?私はきいてないぞ」


梓「わ、私もです!」
律唯「だって言ってないもん」イバリッ
紬「ごめんね2人とも」
唯「っと、ほかに質問ある人いますか」
律「はいはいはーい!」
唯「ほいりっちゃん」ビシッ
律「短冊に願いごと書いただろ、それを実現させるってのはどうだ?」
澪「え、律!お前短冊は誰にも見せないって言ってただろ!?」
梓「そうなんですか!私なにも言われてないです」
律「あ、言っちまった」
唯「言うのわすれてた」
紬「ちょっとりっちゃんと唯ちゃん来て」クイクイ
澪梓「?」
律唯「はい」シュン

紬(なんで短冊を見せること言っちゃうの?りっちゃん)
律(ごめん、なんかテンション上がっちゃって……)
紬(唯ちゃんはどうして誰にも見せないって言わなかったの?
ほんとのお願いわからないじゃない)
唯(はうあ、むぎちゃんごめんよ~。あずにゃんの顔見たらすっかりわすれちゃって)
澪「おい。なにこそこそしてるんだよ。私たちには言えない話か?」
唯「!ちがうよ……澪ちゃん」


梓「さっきからひどいです。私たち先輩たちになにかしましたか?」

律「ま、まあ、落ち着け梓」

澪「いやだ。もう気分悪いよ。な、梓」

梓「はい。私パーティーするなんてきいてなかったですし、こそこそされても楽しくないです。帰りましょう、澪先輩」

澪「ああ」スタスタ

唯「そんな……」グスッ
律「……ムギ、頼む」
紬「ええ」
律「悪いな」
唯「うぇっ、ひぐ……」ポロポロ

バタン

廊下!
紬「あ、あの2人とも、そんな仲間はずれとかじゃなくてね」
澪「じゃあなんだよ、だいたい初めから言ってくれれば私だって……いろいろ手伝ったりできたんだ」
梓「そうですよ。私たちは軽音部の仲間なのに」
紬「……それは、その」
梓「お客様みたいじゃないですか。いやですよそんなの」
澪「なあ、ムギ。どうして教えてくれなかったんだよ」

紬「ごめんなさい。言えないのよ。でも、澪ちゃんと梓ちゃんにはどうしても知られたくなかったの、二人は」
澪「なんで……!」イラッ
紬「今日が、七夕だから、かな」
梓「澪先輩……もういいです。
わかりました、理由は訊きませんよ
そんなに言いたくないことなら。でも、伝えられるときがきたら
必ず教えてくださいね」
紬「梓ちゃん……」
澪「そうだな。今は訊かないよ。
とりあえず、部室に戻ろうか。……全部、楽しくなきゃ
意味がないよな。七夕なんだから」

梓「はい。私もなんだか大人げなかったです。
唯先輩たちの気持ち考えずに怒って……。
許して、くれますかね」
紬「大丈夫よ。もとはといえば梓ちゃんたちの言うことは
もっともだわ」
澪「……っ」
紬「泣かないで、澪ちゃん。ほら、行きましょ」

部室前!

唯「りっちゃぁん。どうしようぅぅ……グスッ
あずにゃんも澪ちゃんもカンカンだったよ……っ」
律「おおよしよし。泣くな唯。泣きたいのはこっちも同じだ」
唯「もうパーティできないかな?仲直りも。
七夕終わっちゃったら意味ないよぉ……」メソメソ

ガチャ
澪「ごめんな……唯、律」
唯「みおちゃん!」
梓「ほんとにごめんなさい!もう怒ってないですから
泣かないでくださいっ!」
律「梓」
唯律澪梓「……」
紬「こ、こほんっ。みんな、もう6時になっちゃうわよ。お家に帰って着替えてきましょ」
唯「なんだかむぎちゃん、お母さんみたい」


澪「あはは、ほんとだな、ムギは」

紬「ふふっ、困ったわ。こんなかわいい子供たちが
いるなんて」

唯「おかあさーん♪」

紬「あらあら唯ちゃん」

律「さーて!落ち着いたところで一旦帰りますか!」

澪「そうだな。悪かった、律」

律「いいよいいよ澪ちゅわんー」

澪「調子に乗るな」ポカッ

唯「あずにゃん!ごめんよう!」ぎゅうっ

梓「べ、べつに大丈夫ですっ!くるしっ」

紬「よかったわ。本当に」




[ PM7:00] 平沢家!
唯「うぎゃ、うーいー、お皿割っちゃったよー」

憂「えっ?おねえちゃん!怪我ない?怪我!」

唯「私は大丈夫だけどお皿くんが死んじゃったよ」グスッ

ピンポーン

憂「もう、私が片付けとくからおねえちゃんは
玄関出て」

唯「ごめん憂」しょぼん

憂「いいよいいよ」にこっ



律「ゆーいーちゃん」

唯「はーあーいー」

ガチャ

澪「トトロかっ」

梓「え?何がですか?」

澪「なんでもないよ///」カアッ

唯「さ、あがってあがって♪」

紬「お邪魔します」

憂「皆さんこんばんは!ゆっくりしていってくださいね」

澪「うおっ、部室にあった笹がなんでここに」

唯「へっへーん、驚いた?がんばって運びました!」フンス

梓「気付かなかったです」

律(普通気付くだろ)

紬(だって帰り道、澪ちゃんたちはりきって
ずっと前を歩いてたもの)

律「いやでも気付くだろうに」

澪「なんか言ったか?」


律「いやいや」

唯「さあて、食べよ食べよ、じゃなくて、
澪ちゃん、あずにゃん、短冊持ってきた?」

梓「はい、一応」

澪「み、見せないぞ!」

律「澪ちゃん」

澪「ひ、」

律「さっきはごめんね、律にだけ見せてくれない?」

澪「は?キャラおかしいだろ!ぜっったい見せないからな!」

紬「じゃあママにだけ見せて澪ちゃん」

澪「ふたりして乗るな!嫌ったら嫌だ」



未完




※竹→笹



最終更新:2010年07月11日 20:14