屋上のドアを開けるとフェンスにもたれかかってる憂ちゃんが見えた
風になびく彼女のポニーテール、振り向きざまの彼女の横顔に見とれてしまう
まるでドラマの1シーンのようだ。
「ごめんなさい……遅れてきちゃって」
「そんなことないですよ」
「私、呼び出された側だけど憂ちゃんに謝りたいことが……」
「紬さん!」
「は、はいっ」
思わず声が上ずってしまう
「今日の放課後予定ありますか?もしよかったらうちで夕食とりませんか?」
ついにきた!!
「大丈夫だけど……」
「それなら今日部活が終わったら一緒にうちまで行きましょうね!」
どうやら逃がさないつもりらしい。
「どうしても口で伝えたくて……じゃあ私戻りますね」
そう言い残し彼女は屋上から消えていった。
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それからいつも通りの学校、部活を終えて私たち三人は彼女たちの家に向かった。
左手に憂ちゃん。右手に唯ちゃん。
普段だったら両手に華だなんて思ってるはずだけど、今は私を逃がさんと彼女たちが私を囲っているようにしか思えない。
彼女たちの住む家が見えてきた。
お母さん、お父さん。
今まで紬は幸せでした、先立つ不孝をお許しください
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「じゃあ私たち料理作るからむぎちゃんは待っててね、すぐ終わるから」
そういうと私は一人ポツンと残され彼女たちは台所に消えてしまった。
養豚場の食材にされるのをただ待つ豚の気持ちもこうなのだろうか?
時計の秒針が、ただ無情に私の耳に時間を刻んでいく。
それから昨日のことに全く触れずに私たちは食卓を囲み、料理を口にした。
見ただけで素晴らしい出来とわかる品々だが、残念なことに味はほとんど感じられない。
食後の満腹感を感じるのもそこそこに、彼女たちは真剣な眼差しでこちらを見つめてきた。
それにしてもほんとうによく似てる、似た顔の美少女が並ぶ様はなかなか圧巻だ
そんなくだらないことを考えるとついに唯ちゃんが口を開いた
「昨日のことなんだけど……」
***
「むぎちゃんに告白された」
「………」
そうおねえちゃんから聞いてた時は心臓が止まるかと思った
「それでなんて答えたの?」
「何も言わずに帰ったよ」
「そっか……」
「ごめんね、うい」
「なんで謝るの?」
「………」
「おねえちゃんが感じたこと、思ったこと、全部教えて……?」
「……うん」
それから紬さんの告白の内容を
おねえちゃんがどう思ったのか
何もかも聞いた
「ムギちゃんに努力してる私が魅力的だって、言われて……」
「私今まで褒められたことあまりなかったからその……」
胸が締め付けられるようだった。
普段親のいなかった私たち
私は幼いころからおねえちゃんに甘やかされてきたが、おねえちゃんはどうだっただろう?
おねえちゃんから愛をもらうのに夢中で、私は少しでもおねえちゃんのことを………
事あるごとに私のことを褒めてくれたおねえちゃん
あれは自分が寂しかった思いを私にさせないよう、おねえちゃんの姉としての気配りだったかもしれない
そう思うとおねえちゃんの気持は痛いほどわかる。
今のおねえちゃんが紬さんを思うように、私もおねえちゃんが好きだから……
「でもね、憂はもちろん1番だよ?」
「でも………おねえちゃん……」
「だからさ、こういうのはどうかな?うい」
「……?」
そういっておねえちゃんは一つの提案をした
***
「むぎちゃん、昨日の事なんだけど……」
「……うん」
「むぎちゃん私のこと好きなの?」
「うん……」
「やっぱり……付き合ったりしたい?」
首を縦に振る。もうごまかすのはやめよう
「そっか………ごめんね」
「私にはういがいるから……」
口ではっきりと拒絶されるとやはり胸がつらい。
彼女はそのまま言葉を続ける
「むぎちゃん、私はムギちゃんと付き合うことはできないけど……」
「………」
「私達ならいいよ。もしムギちゃんが私たち姉妹が好きって言うなら……」
「……え?」
「もしむぎちゃんがういのこと好きになれるんなら……だけど」
「それって……」
憂ちゃんと唯ちゃんが頬を染めながらこっちを見つめてくる
唯ちゃんはいったい何を言って……
これはまた夢だろうか?
憂ちゃんのこと好きにならない人間なんていない、だけど本当に……本当にこれは夢なんじゃ……
つい確認をしてしまう
「唯ちゃん……本当に私なんかでいいの?」
「うん……私むぎちゃんのこと好きだから……」
自分の顔が真っ赤になってしまうのがわかる
「憂ちゃんは……いいの?私おねえちゃんを盗ろうとしてたのよ?」
「紬さんならいいです。おねえちゃんが好きな人、そんな人になら私も愛して貰いたいです……」
彼女達のまっすぐな視線を受け止めきれず俯いてしまう
「で、でも……私憂ちゃんのこと余り知らないし……憂ちゃんもそうだと思うんだけど……」
「えへへ、だから今日は憂の手料理をむぎちゃんに食べてもらって、二人の中を深めてもらうと」
「そうだったの?」
「そうだよ、むぎちゃん」
こんな幸せ許されるのだろうか?
余りの出来事に硬直してると彼女たちが身を寄り添うようにしてそれぞれの手を突き出してきた
「もしよかったら、むぎちゃん」
「つむぎさん」
「「私達と付き合ってください」」
私は涙を流しながら彼女たちの両手を握り返した。
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私たちは生まれたままの姿でベッドに寝転がっていた。
唯ちゃんにもっと仲良くなるために裸の付き合いをしよう!って言われて了解したものの、こんなことになるなんて……
「唯ちゃん、私てっきりお風呂に入るのとばかり……」
「えへへ、それもよかったんだけど、こっちの方が深く仲良くなれるよ」
そう無邪気な笑顔で言う彼女だか、雰囲気は普段のはそれとは違う。
憂ちゃんも同じで、どこか甘えるような、艶めかしい表情でこっちを見てくる。
「じゃあムギちゃん触るよ?」
「ちょ、ちょっとまって唯ちゃん……んっ!」
「むぎちゃんのおっぱいエッチだね。しっとりしめってて手に吸いつくようだよ」
そう言いながら耳の裏側を舐めてくる唯ちゃん。
もはや私に抵抗する理性は残されていなかった。
気がつけば目の前に憂ちゃんがいて、私にやさしく口付けをする。
前には憂ちゃん、後ろから唯ちゃんに抱きつかれて女の子の柔らかい感触を全身で感じる。
でも、それをゆっくりと感じる余裕はなく、彼女たちは私に次々と快楽を与えていく。
こういう知識が無い私は彼女たちに身を預け、ただ快楽に身をまかせるしかなかった。
そのうち唯ちゃんと憂ちゃんはそれぞれ私の両脇に抱きつき両方の乳房を口で刺激し始めた。
ただでさえ普段触ることの無い場所を同時に刺激され、体中が痺れるようになってしまう。
乳房に吸いつく二人をみて子供のようだと感じてしまうが
私の下半身に伸びてく彼女達の手によって、その思いはすぐかき消される
自分で触るのとは全く違う快感が全身を襲い、甘い痺れが腰を襲う
胸と大事なところを一度に襲われて、息も絶え絶えになり頭の中が少しずつ真っ白になっていく
「紬さん……」
「ムギちゃん……」
「はぁ……もう…駄目っ……っ!」
二人にキスをされそのまま私は果ててしまった。
薄れ行く意識の中で彼女たちにもう一度キスをねだる
そのまま彼女たちの甘い匂いに抱かれ眠りの海に沈んでいった。
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この先、どんなことが待ってるかわからない
でも、それでもいいんだ
彼女たちと一緒にいること、それが私の……いや、きっと私達幸せなのだから
おしまい
最終更新:2011年01月16日 02:41