律「で、ムギはどこに行きたい?」

紬「え?えーと」

律「どこでもいいぞー?」

紬「りっちゃんと二人きりで遊ぶの初めてだし、本当にどこでもいいよ?」

律「んじゃ、あそこだな!」

紬「?」

律「ラブホテル!」

紬「」

律「なんつってー」アハハ

紬「・・・聞いたことないわ!すごい!行きたい!」

律「え」


紬「すごいわ、ビジネスホテルとかは聞いたことあるけど・・・ラブホテル・・・?」ワクワク

律「って、あれ?ムギはラブホテルって知らないのか?」

紬「うん!どういうホテルなの?」キラキラ

律「え?えーと・・・(うわ、言いにくい)」

紬「りっちゃん、早く!」

律「うーんとな、外観はパチンコ屋に通ずるものがあるっていうか」

紬「キラキラしてるのね!?」

律「キラキラっていうか、チカチカっていうか」

紬「メルヘンチックで楽しそう!」

律「え、いや、冗談のつもりだったんだけど」

紬「え・・・」

律「てっきり『なんでやねーん!』みたいなツッコミがくるかと思ってだな」ゴニョゴニョ

紬「そうだったの。ごめんなさい、私世間知らずでツッコミもまともにできなくて」シュン

律「いや、ムギは悪くないよ!?私が際どい冗談言ったのが悪かったんだから」

紬「うん、でも・・・」

律「ほらほら、行こうぜ?」

紬「どこに?」

律「とりあえずゲーセンでもどうだ?」

紬「ゲームセンターのことね!」エッヘン!

律「ん?あぁ、そうだぞー」

紬「えへへ、私あそこ賑やかで大好きなの!」

律「そうかそうか。それじゃ行くか」

紬「うん!」


・・・

・・・


ゲーセン


律「ほら、着いたぞー」

紬「どれからやったらいいかな!?」

律「慌てるなって。とりあえず店内見て回ろうぜ」

紬「うん!」

律「いやー、やっぱ夏休みは人多いなー」

紬「りっちゃん!」

律「なんだー?」

紬「これは何?」

律「それはレーシングゲームだよ」

紬「へー・・・!あとでやろうね!」

律「おう、負けないぜ?」

紬「私だって負けないもん!あ、あれは何?」

律「あぁ、あれは相性を診断するゲームだよ」


紬「そんなものもあるのね」ヘー

律「あとでやってみるか?」

紬「え!?いいの?」

律「いいよ。なんで?」

紬「そ、そういうのは澪ちゃんとやった方が・・・」

律「ん?なんて?」

紬「あ!ごめんなさい、なんでもないの!」

律「?・・・そうか?」

紬「りっちゃん!あのシャンデリアみたいにキラキラしてるのは何!?」

律「あれはメダルゲームだよ。確かにメダルゲームは派手なの多いよなー」

紬「すごい!ラブホテルもあんな感じかしら!」


ザワ・・・ザワザワ・・・ザワザワ・・・


律「」


客1「え、今あの人・・・」

客2「なんかラブホテルって言ってた・・・?」

律「ちょっとこっちこい」ガシッ

紬「きゃっ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


律「はぁ・・・はぁ・・・」

紬「りっちゃん、大丈夫?」

律「ここなら、比較的人も少ないな」

紬「どうしたの?」

律「ムギ」

紬「なぁに?」

律「ラブホテルって大きい声で言うの禁止な」コソッ

紬「え?駄目だった?」

律「うん、絶対駄目」

紬「そう・・・」シュン

律「え、えっとな、ラブホテルって言うのは、その・・・///」

紬「?」

律「すごい恥ずかしい言葉なんだ」

紬「そうなの?どうして?」

律「え゛。そ、そりゃ、その・・・って、ムギ」

紬「なに?」

律「確認するけど、本当に知らないんだな?」

紬「うん、ごめんなさい・・・」

律「あ、謝らなくていいんだ!とりあえず、みんなに聞こえるように言っちゃ駄目なんだ、わかるな?」

紬「うん、わかった。今度からはりっちゃんと二人のときだけ言うようにするわ!」

律「あ、うん」

律(それもどうかな)

紬「あ、私あのゲームやりたい!」

律「へ?・・・よっしゃ、やるか!」

律(ムギもわかってくれたみたいだし、もう大丈夫だよな)

紬「りっちゃん!早く!」

律「おう!って、足速ぁっ!!」

律「おーい!待てよ、ムギー!」


・・・

・・・

律「はぁ、疲れた・・・でも、面白かったな」

紬「うん!すっごいすっごい楽しかった!」

律「そっか、そんな喜んでくれたら連れてきたかいがあるってもんだよ」

紬「この縫いぐるみもありがとう」ギュー

律「いいんだよ、大切にしてくれよー?」ニシシ

紬「もちろんっ。名前を律にして可愛がるわ!」

律「それはやめような」

紬「ちぇー」

律「次は・・・どこに行きたい?」

紬「えっと・・・」

律「実は一つ行きたいところがあるんだ」

紬「そうなの?」

律「あぁ、ムギは多分行ったことないんだろうなーってところだよ」

紬「わかった!ラブホテr」

律「すとーっぷ!!!///」ガシッ

紬「もう、冗談よ」ウフフ

律「だ、だよなー!?あははは、ちょっと焦ったぜー」

通行人A「え、今・・・」

通行人B「すごい単語が聞こえたような・・・」

律(洒落になってない!)


・・・

・・・


律「じゃーん」

紬「りっちゃん、ここは・・・?」

律「駄菓子屋だよ」

紬「だが、しや・・・?」

律「おう、ここはすごいんだぞー?これは20円だし、これは30円だ!」

紬「すごい!」

律「だろー?」

紬「じゃあこれは?」

律「20円」

紬「じゃあこのチョコレートは!?」

律「馬鹿だなー、書いてあるだろ?」

紬「へ?」ジー

紬「・・・あ!りっちゃん、これ・・・!」

律「そう、5円だよ」

紬「つまり価格破壊ってこのことを言うのね!?」

律「それはちょっと違うかな」

紬「そう・・・」シュン

律「ほら、好きなもん買って外のベンチで食べようぜ」

紬「うん!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


律「ムギ、それ美味しい?」

紬「うん、すごい甘い」

律「そっか、一口くれ」

紬「はい、どうぞ」

律「さんきゅー」モグモグ

紬「私、知らなかった・・・」

律「うん?」ガサッ

紬「こんなお店があるなんて、知らなかったの」

律「そうか。まぁ、確かにムギとは無縁そうだよなー」モグモグ

紬「こんな風に・・・身近なところにも私の知らない世界がいっぱい広がってるのね」

律「あぁ。ちょっとクサいこと言うけどさ。そういうのって、きっと足元に転がってるもんだと思うよ」

紬「りっちゃん」

律「なに?」

紬「・・・ありがとう」

律「あ、あぁ・・・///」

紬「今日りっちゃんに連れてきてもらえなかったら、私はこのお店のこと、一生知らなかったかも」

律「ばか、大袈裟だって」

紬「ううん、そんなことないと思うの」ガサッ

律「あーもー、いいってば」

紬「あれ?りっちゃん、照れてるの?」ビヨーン

律「そ、そんなんじゃねぇやい///」プイッ

紬「うふふ・・・うふふふ・・・うふふふふふふふふふふふ」ビヨーン・・・ダラァー・・・

律「おいムギどうした」

紬「どうしよう」ベタァ・・・

律「おおぉい!!?」

紬「このお菓子、どうやって食べるの?」

律「それ水あめ!・・・ちょっと服!服につくって!」

紬「ここのことかしら?」ベッタァ

律「って、手遅れかよ!」

紬「ごめんなさい、気付いたらこんなことに・・・」

律「いいけどさ。服、汚れちゃったな?」

紬「そうだね・・・」

律「うーん、もうその服は諦めて、被害が拡大しないように阻止するぞ!ムギ隊員!」

紬「了解であります!・・・で、どうしたらいいの?」

律「よっしゃ、そのまま箸持ってろよ?」

紬「う、うん、わかった」

律「これはこーやって」グルンッ

律「そんでもってこーやってー」グルグル

律「さらにこうして・・・」グルグルグルグル・・・

律「こうだ!」グイッ

紬「むぐっ!?」

律「あははは、ムギ今の声!」

紬「むー!むっはんはひひはひいえうはらー!(りっちゃんがいきなり入れるからー!)」


律「で、どう?」

紬「ふぇ?」

律「美味いか?」

紬「・・・」ハムハム

律「・・・」

紬「うぅ、ほいひー(うん、美味しい)」

律「そっか、よかった」ニシシ

紬「・・・」モグモグ

律「慌てなくていいぞー?」

紬「・・・」ガジガジ

律「こら、噛むな。気持ちはわかるけど」

紬「・・・」フゥ

紬「・・・りっちゃん!」

律「うを!?ど、どうした?」

紬「りっちゃんは・・・」

律「うん?」

紬「例えばこういうお菓子の食べ方とか、どこで習うの?」

律「いや、習うっていうか・・・どうだろうな。よくわかんない」

紬「そう」

律「あぁ」

紬「育った環境なのかな」

律「うーん、それはあるかも」

紬「だよね・・・」

律「ムギさ、気にしすぎ」

紬「うん。でもね、りっちゃんは私の知らないことをたくさん知ってるの」

律「そんなことないって」

紬「それでね、私には聞こえない声が聞こえるの」

律「いや、ホラーかよ」

紬「そうじゃなくて、よく周りを見てるなーって思うっていうか、すごい気遣いが上手っていうか」

律「だからー、そんなことないってば」

紬「私はね、りっちゃんのそういうところが大好きだし、尊敬してるんだよ」

律「は、はぁ?///また急にどうしたんだよー」

紬「いいから聞いて」

律「お、おう」

紬「りっちゃんはすごい物知りじゃない?」

律「んー?まぁ、そんなことあるかな」エッヘン

紬「それでね、もう一つ教えて欲しいことがあるの」

律「なんだ?」

紬「・・・その前に、絶対に教えてくれるって約束して」

律「おう、私の知ってることならなんでも答えるよ」

紬「そう。よかった・・・ラブホテルについてなんだけど」

律「」


紬「私ね、ゲームセンターにいるときからずっとどういうところなのか気になってたの」

律「え、あ、うーん?」

紬「だから後で二人きりになったときにりっちゃんに教えてもらおうって考えてたんだ」

律「え゛」

律(何これ。いままでの流れは私達の友情再発見!的なアレじゃないの?)

紬「ズバッと聞くとりっちゃん恥ずかしがると思ってたら、どうでもいいことばっかりですごい回りくどくなっちゃったんだけど・・・」

律(言っちゃったよ、私が言われて内心嬉しかった言葉をどうでもいいとか言っちゃったよ)

律「う、うんうん」

紬「知らないことがあって、その答えを知っている人がいて・・・そんな状況じゃ夜も眠れないの!」

律「あーそっかそっかー」

紬「りっちゃん!!」

律「あー、はい?」

紬「このとーりです!」ガバッ!

律「ばっ、ばか!頭下げなくていいから!」キョロキョロ

紬「りっちゃんだけが頼りなの!」オネガイ!

律「う、うーん・・・」

紬「・・・」ジー

律「わ、わかったよ」

紬「本当!?やったぁ!」

律「ムギの好奇心には敵わないよ。それに元々私のくだらない冗談から始まった話だしな」

紬「そうね!」

律「あ、そこストレートに肯定しないで欲しかった」

紬「それで?」ワクワク

律「えっとな、ラブホテルっていうのはアレだ」

紬「どれ?」

律「恋人達のためのホテルだよ」

紬「恋人達のホテル・・・?え、どういうこと・・・?」

律(う、うー・・・///)

紬「恋人同士じゃないと泊まれないの?」

律「いや、そういうわけでもないんだけど・・・」

紬「わからないわ・・・」

律「つ、つまりだな。エッチするためのホテルってことだよ!///」

紬「えええぇぇぇぇぇ!!!?!」

律「そそんなに恥ずかしがるなよ!///ムギが教えてって言うかr」

紬「どうしてエッチするのにホテルに行くの!?」

律「」


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最終更新:2012年06月30日 23:43