澪「うわ、うわ!乗れてる!律!わたしのれてるうっ!!」 シャー

律「おー!完璧じゃねえか!やっぱペダルがネックだったなー」

澪「うわあ、うわあ!走れてる、走れてるう!」 シャー

律「カーブの前で止まっとくかー!ブレーキはやさーしーくー!」

澪「う、うんっ!」

キュッ キューーッ

澪「ふう……っと」 タン


唯「やったー!澪ちゃん走れた!走れたよー!」

紬「おめでとう、澪ちゃん!!」

律「へへ、やったな、澪っ!」

澪「みんな……!」


唯「へへ、どうだった、澪ちゃん?自転車のれて」

澪「ああ…今まで嫌だ嫌だと思ってたけど、実際乗ってみると……気持ちいいな!」

唯「でしょー?」 パアァァ

澪「ふふっ」


澪(うん、今までずっと嫌だったこの自転車も……、今なら、好きになれそう)

澪(それに、子供の頃からずっと避けてきた、この自転車公園も、今なら……)


     クスクス>


澪「……」


<ワラワラ


澪(小学生に笑われてる……) グスン


律「ん?……あっ、こらー!一生懸命やってる奴を笑ってんじゃねー!」 ぷんすか

澪「こっ、こら律っ」

唯「そうだー!自転車乗れない高校生の気持ちをかんがえたことあるのかーっ!」

澪「」

紬「たいへんなのよ!ちょっとそこまでって時も運転手さんにお願いしなきゃいけないんだからっ!!」

澪「」

律「……なんか親御さんの視線まで痛くなったような気がする」

紬「あら?」


シャーーーーー

律「よーし澪、安定してる安定してるーー」

澪「うん、うんっ」

律「そのままカーブに!」

澪「むりー!!」 キキーッ

律「ありゃー。まあ、でも直線ならほぼ完璧になったじゃん!」

澪「うんっ!」 ハァハァ

律「次はカーブだな。そのままいけないか?」

澪「うーん、ハンドル切りすぎると転びそうになっちゃうし……」

律「曲がる方向に体重かけるんだよ。バイクレースとかでよくナナメになってるじゃん?」

澪「えっ……」 サァァーッ

律「あ……やべ」

澪「ムリムリムリ!ナナメになるなんて絶対無理!絶対転ぶからっ!!」

律「誰も斜めになれとはいってねーだろっ!ちょっとだけ体重移動してみりゃいいんだよ!」

澪「ちょっと!?ちょっとって簡単に言うけどな!ダムの決壊は小さな小石から」

律「だあああっ!!」



紬「あらあら」

唯「澪ちゃん澪ちゃーん」

澪「唯?」

唯「曲がる方に顔を向けるといいんだよ。私はお母さんにそう教えてもらったの」

律「うん?……ああ、なるほどな」

紬「顔を向けることで自然に体重移動ができるわけね!」

澪「顔を…わかった、やってみる!」


澪「わっ、わっ、わっ!」 ススーイ

唯「澪ちゃん、曲がれてる!曲がれてるよー!!」

澪「やった!曲がれたーっ!」

律「曲がれたらこっちのもんだー!コース一周できるってことだからなー!」

澪「そ、そうか!うん!してみる!コースまわってみるー!!」

律「いってらっしゃーい」

澪「おおーっ!」

唯「澪ちゃんもこれで一安心だねー」

紬「そうねー」

紬「……」 ハッ


紬「澪ちゃんまって私も一緒にはしるー!」 キコキコ

シャーーーーーー

澪「すごい…私走ってる!自転車で、一人で、自転車に乗って!」

リーマン「wwwwwww」

リーマン「がんばれーwwww」

澪「 //// 」

澪「うう、休憩中のサラリーマンにはげまされた…… //// 」

紬「澪ちゃん!」 シャーーー

澪「おっ、ムギ!」

紬「一緒に走りましょ!」

澪「ああっ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ブーン ブーン

唯「ほら見て!りっちゃん見て!ハイスピードブランコ!!」

律「足近いんだからあんま無茶すんなよー」


キキッ


紬「ただいまー♪」

唯「あ、ムギちゃんおかえりー」 ブーンブーン

紬「あ、私も乗る!ブランコ!」 ふんす


律「澪は?」

紬「まだ乗ってるって。ほら、あそこ」



澪「うおおおおお!」 キコキコキコ

小学生「うおおおおおお!!」 キコキコキコ



律「小学生とガチレースしてやがる……」



シャーーーーーーー


小学生「ねーちゃん…上達したな!」 キリッ

澪「そっちこそ!さっきまで私と同レベルだったくせに!」

小学生「へっ!」

澪(この男の子…一周するごとに上達してる!)

澪(…でもそれは、私だって同じはずだ!)

澪(勝負は……この先のゆるやかな一連Uの字カーブ!!)


澪「このカーブで勝負だあああっ!」

小学生「おおーーーーっ!!!」


キコキコ

シャーーーーー


小学生「おおーっし!」 キコキコキコ

澪「くっ、はやい!どういうことだ!」

澪「やはりナナメになってるからか!ナナメになってるからカーブをうまく曲がれるのか!」

澪「ようし、だったら私もナナメになってやる!ナナメになることでこのカーブを克服してやるうっ!!」




唯「澪ちゃんがんばってるねー」

律「今度自転車でどっか一緒に行ってみるかなぁ」

紬「あ、私も!私もいきたい!」

律「へへっ、もちろんムギも」


ガシャーーーン

律「!?」


小学生『ねーちゃんっ!!』


唯「あっ!りっちゃん、澪ちゃんが!!」

律「やったか!?」

紬「澪ちゃんっ!!!」 だっ




小学生「ねーちゃん、大丈夫か?」

澪「あたたたた……うん、大丈夫。すごいな、このプロテクター」



トタタタタタ


紬「澪ちゃん!」

唯「澪ちゃーんっ!!」

澪「あ、みん」

唯「澪ちゃん大丈夫だった!?怪我とかない!?」

澪「あ、うn」

唯「澪ちゃん強い子だから!泣かないで!」

澪「え!?」

唯「自転車で転んだぐらいで泣かないの!ね?」

澪「お、おい!唯!ちょっとまて!」


ワラワラ

小「えーなに?」 小「このおねーさん、じてんしゃでころんでないてんだってー」 小「えー」


澪「あ、あ、あ……」 ウルッ

唯「ああっ、だめ!ないちゃだめ!澪ちゃんがんばれ!がんばれ!!」

澪「う……ぐすっ」

唯「澪ちゃん!だめ!澪ちゃんは強い子だよ!!」


小「うわマジで泣いてるwww」 小「じてんしゃ転んで泣くのが許されるのは低学年までだよねー」 小「くすくす」


澪「う、うわあああああんっ!!」

唯「ああーっ!澪ちゃーん!!」


紬(唯ちゃん……恐ろしい子!)


小学生「おい!てめーらどっかいけよ!!」


小「なんだよー!」 小「てめーこのねーちゃんすきなんだろー!」 小「すきなんだすきなんだー!」


小学生「な!ち、ちがわいっ!」 カァ


小「赤くなった赤くなったー!」 小「やーいやーい!」


小学生「うるせー!どっかいけったらどっかいけー!!」 ぶんぶん


小「わー!なんだよー!」 小「今日からおめーのことアベックってよぶかんな!アベックー!」


サササー


小学生「はあ、はあ……もう大丈夫だから、ねーちゃん」 キリッ


澪「あ……ありがとう」 キュン

律「おい」

唯「すてき……」 キュン

律「もどってこい!」

紬「あらあらまあまあ♪」 ニコニコ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



唯「今日は楽しかったね♪」

澪「うん。すてきな出会いもあったし」 ポォー

律「もどってこーい」

紬「うふふ♪」


唯「じゃあ、みんなで自転車乗って帰ろうよ!」

律「そうだな!ムギも澪も、もう充分乗れるだろ?」

紬「どんとこいです」 むふー

澪「い、一般道か……うんっ」 ドキドキ


シャーーーー

唯「風がきもちーねー!」

律「おーー!」

紬「自転車って最高ねー♪」



澪「ちょ、ちょっとまって!この道細っ、あぶなっ!」



シャーーーー


紬「みんなでこういうとこ走ってると、青春って感じ!」

唯「いいねー♪」

律「じゃあ部活ぽく叫んでみるかー?せーのっ」

唯律紬『けいおん部、ふぁいとーっ!おーっ!!』



澪「え?なに?お、おーっ!?」



~~~~~~~~~~~~いちねんご!~~~~~~~~~~~~~~~


梓「こんなんじゃだめですーっ!」 ばたばた

梓「だいたい、先輩がたにはやる気が感じられません!」

唯「はうぅー」



律「お、おい澪!まずいぞ!後輩が増長し始めたっ」

澪「ん?いや、最近お前達がたるんでたのは事実だろ」

律「いいから!ここはひとつ、先輩の威厳を示してやれっ!」

澪「おまえがやればいいだろ!」

律「いいから!」 ぐいぐい

澪「いいからって……うーん。」



澪「あ、梓?」

梓「はい?」

澪「わ、私はな……自転車に乗れるんだぞっ!」 ふんす

梓「……」

澪「……」

梓「……はい?」




             梓が部長になりました。
                                         完




                   \ー-::::::'⌒^ ̄:::`丶
                    >:::/:::::::::∧::::ヽ:::::::\
                   /:::::::∧:::::::/_人::::::::::::::::::ヽ
                    :::::/厶ハ::::/xテぅト、:::!:: ト(:::、}
                   |::::i|{ トィi∨  ヒ.ソ∧|::::|::ヽ::\
                   |::::リ ゞ'   ⊂⊃/j:::从:ハ::::::ヽ
                   .:':i:从⊃ rァ `ヽ  :::::|_ノ'ハ:::::::::
                 /:::::{:::i:::..   、  _ノ  |:::リ   ':::::::.|
                   /:::::/|:::i:: リ> _..  イ |::,′   i::::::::ヽ
               /:::::/,,」八:/─-く \ ∧|/    |:::::::i八
                 /:::::/ (:>、     \/爪:.:\     |:::::::ト、::.
              /::::://::.::.:ハ   ぶ  Ⅵ{))ヘ:: \   |:::::::| :::i
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              ∨::.::.: 八 \ {::.::.::.::∧.    \::.∨::.:::\/:/
             |\::.::.::.::\ ヽ〉::\.::.::\  う \{/::.::.:: ∨
             |::::::`ト、::.::.::.ヽ∧::.::.::.::.::.::. \     ∨::.::.:/
              ::::::::{ \_::ノっ:\::.::.::.::.::.::.::\    ∨::/
              ヽ:::::\ じ_ノ::.::.:/::.::.::.::.::.::.::.:∧    ∨
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                 丶、_>‐┘::.::.::.::.::.::.:::.:/::.::.:\ /


最終更新:2010年07月14日 21:56