八九寺「おやおや、私と阿良々木さんの中もここまでのようですね。さようなら」

阿良々木「引き止めてくれええ!
本当は僕、お前のこと大好きなんだよ!」

八九寺「知ってます。ていうか十八にもなって本気で泣かないでください」

八九寺「ああ、そういえばメララギさん」

阿良々木「確かに、僕のツッコミはそれなりに鋭く速いと自負しているが、
だからと言って速砲射のような名前で呼ぶな」

阿良々木「僕の名前は阿良々木だ」

八九寺「失礼。噛みました」

阿良々木「違う、わざとだ……」

八九寺「はにかみました。えへっ!」

阿良々木「けいおん!のキャラクターよりお前のほうがはるかに可愛いよ!」

八九寺「当たり前です。えっへん」

阿良々木「ロリコンになりそうだ!」

八九寺「キサマはすでにロリっている……えへっ!」

阿良々木「意味がわからないけど可愛いから許す!」

八九寺「私、今やっと阿良々木さんに聞きたかったことを思い出しました」

阿良々木「それに至るまで長かったな」

八九寺「阿良々木さんが私をきちんとリーチしてくれれば
もっと早くこの話題に行き着けたのに」

阿良々木「は?それを言うならリーチじゃないだろ」

八九寺「ああ、失礼。阿良々木さんはさっき泣いてたからリーチは無理でしたね」

阿良々木「小学生のくせになんで麻雀知ってんだよ!
ていうかうまいこと言ってんじゃねえ!」

八九寺「それはそうと、阿良々木さんはけいおん!のキャラクターの中で誰が一番好きなんですか?」

阿良々木「それが僕に聞きたかったのか?」

八九寺「はい。もう気になって気になって」

阿良々木「好きなキャラって言われてもなあ……そういう八九寺はどうなんだよ?」

八九寺「私ですか?私、ぶっちゃけ、けいおん!の中には好きなキャラクターはいませんね」

阿良々木「なんだそりゃ」

八九寺「でも嫌いなキャラクターは、はっきりしてますよ」

阿良々木「誰だよ?」

八九寺「中野梓さんです」

阿良々木「あずにゃん、だっけ?」

八九寺「はい、それです」

阿良々木「何が駄目なんだ?」

八九寺「ずばり……」


八九寺「私とキャラクターが被ってるところですかね」

阿良々木「被ってるか?」

八九寺「正直、私と中野さんが入れ代わってもきっと、誰も気づいてくれないと思います」

阿良々木「そこまで言うか。て言うか、具体的にどこが被ってるんだ?」

八九寺「まず、このツインテール」

阿良々木「そういえば、あずにゃんもツインテールだったな」

八九寺「非常に腹立たしいです」

阿良々木「でも、あずにゃんのツインテールはお前のツインテールみたいに動いたりしないよな」

八九寺「当然です。
そこら辺の萌えキャラに私のツインテールの動きがコピーできるわけがありません」

八九寺「先に断っておきますがツインテールだけじゃありません」

阿良々木「まだあるのか?」

八九寺「はい。次は更に重要です。
おそらく阿良々木さんもぎゃふんと言ってしまうことでしょう」

阿良々木「期待してよう」

八九寺「それは、中野さんも私も敬語キャラだという点です」

阿良々木「……そうか」

八九寺「どうしました、阿良々木さん。鳩が弾丸に打たれたような顔して」

阿良々木「いや、死体みたいな顔にはさすがになってないと思うぞ」

八九寺「しっかりしてください。
喋らない阿良々木さんとか生ゴミ以下ですから」

阿良々木「……」

八九寺「だいたい、中野さんはあざといと思いませんか?阿良々木さん」

八九寺「まったく……ツインテールに敬語というキャラをパクるなんて」

阿良々木「いや、お前以外にも絶対いるだろ。ツインテールに敬語のキャラ」

八九寺「まあ、私もホシノルリ大先輩に憧れてこんなキャラになったんですけどね」

阿良々木「初耳だ」

阿良々木「ていうか、なんでお前はそんなにアニメキャラクターに対して敵愾心剥き出しなんだよ」

阿良々木「それにアニメのキャラクターがあざといのは仕方がないだろう?」

阿良々木「ニーズだよ、ニーズ」

八九寺「ニーズ、ですか?」

阿良々木「そうそう、ニーズだって」

八九寺「なるほど。阿良々木さんのようなロリコンのために中野さんはあんなキャラなんですね?」

阿良々木「だから僕はロリコンじゃない!」

八九寺「え?阿良々木さんは私と同じロリっ娘の中野さんがお好みじゃないんですか?」

阿良々木「そんなこと一言も言ってねえよ!」

八九寺「おかしいですね。
私を好きな方のほぼ全員が中野さんのことも好きという統計があるんですが……」

阿良々木「どこで取ってんだよ、その統計」

八九寺「全世界のロリっ娘を、自分のものにするため立ち上がった
ロリータコンプリーター、略してロリコンの阿良々木さんの眼鏡に適わないなんて……」

阿良々木「お前、ロリコンの意味間違ってるぞ」





後日談というか、今回のオチ


戦場ケ原「阿良々木くん」
阿良々木「はい」

戦場ケ原「私がけいおん!に対して並々ならぬ関心を持っていることを
阿良々木くんは知っているはずなのにどうして会話に入れてくれなかったのかしら?」

阿良々木「いや、お前がけいおん!知ってるなんて初耳も初耳だ!」

戦場ケ原「何を言ってるの阿良々木くん?」

戦場ケ原「私よりけいおん!に詳しい人はこの世にはいないわよ?」

阿良々木「マジかよ」

戦場ケ原「けいおん!の原作はヤングジャンプで連載してるんでしょ?」

阿良々木「何も知らねえじゃねえかよ!」

戦場ケ原「冗談よ。アニメは目茶苦茶詳しいわよ」

阿良々木「いや、別に詳しくなくても僕は構わないんだが」

戦場ケ原「阿良々木くんみたいなクズの意見は聞いてないわ
とりあえず、けいおん!について語らせなさい」

戦場ケ原「やま無しオチ無し意味無し、ついでに価値無しのアニメね。
いったい視聴者はこのアニメに何を求めているのかわからないわ」

阿良々木「お、おい戦場ケ原……」

戦場ケ原「黙りなさい。チビでロリコンの早漏」

阿良々木「……ハイ」

戦場ケ原「だいたいこのアニメ、裸シーンどころかパンチラすらないなんて……一話冒頭で
パンチラどころかモロパンした羽川さんやストリップした私を見習ってほしいわね」

戦場ケ原「ねえ、阿良々木くん?」

阿良々木「……」

戦場ケ原「質問には答えなさい」

阿良々木「耳に鉛筆を突っ込むなああああああ」

戦場ケ原「あら、ヤダ。鉛筆にカスの耳カスがついちゃったわ」

戦場ケ原「こんなアニメを見て、面白いとか言えるオタクは素晴らしいわね」

阿良々木「あのー、ガハラさん?」

戦場ケ原「あずにゃんは俺の嫁!とか阿良々木くんが、ハアハアしてる姿を見たら死にたくなってきたわ」

阿良々木「言ってねえよ!言わねえよ!」

戦場ケ原「本当かしら?影で、ムギの沢庵になりたいとかほざいてないかしら?」

阿良々木「当たり前だろ?僕の本命はお前だ、戦場ケ原」

戦場ケ原「キメ顔で、嬉しいこと言ってくれるわね、阿良々木くん」

戦場ケ原「でも、私の胸にはあの台詞じゃなきゃダメなの」

阿良々木「あの台詞?」

戦場ケ原「そう、あの台詞よ」

戦場ケ原「アレを言ってくれたら、今日は許してあげる」

阿良々木「僕、お前に悪いことしたっけ?」

戦場ケ原「存在自体が害の阿良々木くんのすべてを受け止めてるのよ、私は。
本来ならもっと色々払ってもらいたいところだけど、あの台詞一つで勘弁してあげる――そう言ってるのよ」

阿良々木「わかったよ」

戦場ケ原「さっさと言いなさい」

阿良々木「ムードもへったくれもないな……」

阿良々木「はやるといいよな」

戦場ケ原「ええ」


阿良々木「戦場ケ原、蕩れ」





最終更新:2010年07月17日 01:35