梓「えぇ、倉庫を掃除してたら出て来たんです」ジャラジャラ

唯「へぇー、じゃあさじゃあさ勝負してみようよ!」

梓「勝負って…先輩ルール知ってるんですか?」

唯「うん!憂に貸して貰ったマンガで大体覚えたよ」

梓「へぇ、そうなんですか。では少しやってみますか?」

唯「おうさ!臨む所だよあずにゃん」

梓「でも麻雀って四人でやるもんじゃ無かったでしたっけ?」

唯「サンマって言って三人でやる場合もあるみたいだし大丈夫じゃないかな」ジャラジャラ

梓「そうなんですか?じゃあ大丈夫かな」ジャラジャラ

ジャラジャラ

唯「ふんふーんふふん!」ジャラジャラ

梓「あの…さっきから牌掻き混ぜてるだけなんですけど」

唯「そうだねー、もう良いかな。積立るね」

梓「はぁ…?分かりました」

梓「それで積立るのってどうやるんですか?」

唯「え……?そだね、じゃああずにゃんはコッチ適当に並べてて」カチャカチャ

梓「て…適当ですか?それで良いんですか」

唯「だってマンガにはそんなシーン無かったからね!」フフン

梓「ちょっと!?それじゃ全くルール知らない様なもんじゃないですか!」

唯「そう言われたらそうかもしれないねぇ。まぁ、細かい気にしない気にしない」

梓「気にしますよ!…唯先輩を信用した私がバカでしたよ」

梓「それじゃ仕方ないから、見よう見まねでやりますよ」ガチャガチャ

唯「流石あずにゃんだよ頼りになるねぇ」

梓「それじゃ真ん中に積んでっと…、まずは一つづつ配りますね」ヒョイ

唯「ほうほう、それでそれで?」

梓「そして自分の手配を確認します。ふーむ、そうきたか」チラッ

唯「どらどら…、ほほぅこれは中々強そうな牌だねぇ」

梓「うーん…私はもう一つ取りますけど、先輩どうします?」

唯「よく分かんないけど、じゃあ私も貰うよ」


梓「じゃあ行きますよ、同時に牌を晒しますから。準備はいいですか!」

唯「うん、いつでもどんとこいだよ!」ジャラ

梓「それでは……ロォォォン!」バシィィィ!

唯「あずにゃんカッコいいー!そのロンっていうの聞いた事あるよ!」

梓「さて、お互いの手配は…。私は円いのが五つと棒が三つで、合計八ですね」

唯「えっと…私は、漢字の八と七で十五だね」

梓「くっ!負けましたね…流石唯先輩と言った所ですか」

唯「なるほど、これで合計した数字が高かった方が勝ちなんだね!」

梓「はい、そういうことです。うろ覚えですけどね」

唯「そんな事ないよ!確か憂のマンガもこんな感じだった気がするから」

唯「でも、それなら沢山牌をドローしたら勝てるんじゃないかな?」

梓「甘いですね、そうならない為に合計が二十一を超えたら流局でノーテン罰符を払うことにします!」

唯「なるほど!まーじゃんって奥が深いんだね」

梓「それじゃ東二局行きますね。唯先輩が勝ったからチャンチャでいいですよ」

唯「りょーかい!あずにゃんはサンチャだね。じゃあ配るよ」ジャラジャラ

梓「ふーむ…まずは無難か、ドローします」

唯「ほいほい、私はまとめてツードローいっちゃうよ!」

梓「なっ!なんて強気な積み込みなんですか…」


唯「それじゃロンいくよー、準備はいいかな?」

梓「うーん、まだ少し手牌が心許無いけど…これ以上は流局するかも」

唯「あれ…?なんだか真っ白い牌が来たけどコレってハズレかな」チラッ

梓「そんなわけ無いじゃないですか、ハクって言って…えっーと」ゴソゴソ

唯「ん?何これ、サインペン?」

梓「自分で好きな数字を書き込めるボーナス牌ですよ」

唯「そっかーラッキーだね!それじゃ、こうやってっと」カキカキ


梓「じゃあ行きますよー。私は合計十三!おっきい数字とサンだから大三元ってヤツですね」バシィィッ!

唯「うぐっ!大三元だなんて…やるねあずにゃんも」

梓「私も負けてられませんからね!この勝負頂きます」

唯「ふふ…それは甘いねあずにゃん……」

梓「な、なんですか!その不敵な笑みは」

唯「私の合計は四と六で十。このままじゃあずにゃんには敵わない…でも!」バシィィッ!

梓「なっ!?こ、これはさっきのハク!書いてある数字は…」

唯「私が記したのは十一!これによって私の合計は上限数ピッタリの二十一、えっーと…、こくしむそうっ!!」

ズギャァァァッン!!

梓「こ、国士無双!?マンガで読んだ限りじゃとっても強い役じゃないですか!」

唯「ふっふーん!ゴメンねあずにゃぁん。まーじゃん強過ぎて」フフン

梓「やっぱり唯先輩の飲み込みのよさは尋常じゃない…。一体どうすれば」


梓「ハンチャンだからあっと言う間にトンバなんか過ぎちゃうなんとかしないと…」

唯「今の私は負ける気がしないねぇ。あずにゃんの点棒全部頂いちゃうよ!」ジャラジャラ

梓「はぁ、ダメだ…勝てる気がしない」カチャ

唯「んじゃ次のドローだね、ほいどうぞ」

梓「いえ…、私はもう結構です」

唯「え!?もういいの、まだ一個しかとって無いをだよ」

梓「大丈夫です…、必要ありませんから」ニヤリ

唯「あのあずにゃんが凄い自信だよ…。でもツキは私にあるはず、どうせハッタリだよ!」バッ

梓「ハッタリかどうか今直ぐ分からせてあげますよ。いきますよ、ロォォォン!」バッ

唯「なっ!これは、初手に来たハクに、にじゅういちって書いてある!?」

梓「必殺、国士無双返し!どうですか、しっかりカリは返しましたよ!!」

唯「…………ねぇ、あずにゃん」

梓「……なんですか?」

唯「ハク強過ぎない?」

梓「強過ぎますね」

唯「これじゃすぐ飛んじゃうからさ、自由に書けるの一から九くらいにしない?」

梓「なるほど、それいいですね。唯先輩天才じゃないですか!」

唯「いゃあ、それほどでも無いよぅ。じゃあこのノートに今までのまーじゃんのルール書き記しとくね」カキカキ

梓「そうですね、忘れちゃいそうですし!」



=東四局=

梓「むむ、合計が二十一オーバーか…。では続けてドローする事を条件に、点棒を支払いいま引いた牌を切る!」ヒョイ

唯「大分思い切った手にでたね、迂闊だったんじゃないかな」

梓「ふふん、そんな事ありませんよ!なんとか次牌は二十一以内に収まりましたからね」フフン

唯「で、そのドヤ顔のあずにゃんが捨てた牌をポン!」サッ

梓「なっ!?しまった、あの牌を拾うだなんて!」

唯「だから言ったんだよ、迂闊じゃないかなって」

梓「くっ、仕方ない…こうなればヤケですよ!チートイツでロォォォン!」ビシッ!

唯「むだむだだよっ!すーあんこう!」バッシゥ!

梓「な、なんて強運なんですか!?」



=南二局=

梓「なんだか今日は勝てる気がしない…。唯先輩に麻雀で勝負を挑んだのが間違いだったのかな」カチャカチャ

唯「ついてるねぇ、ノッテルねぇ!今日の私ならさわちゃんすら陵駕する勢いだよ」ガチャガチャ

梓「その顔だと、また良い手牌みたいですね…。流局しても仕方ない、これでロンしときます」サッ

唯「甘いよぉあずにゃん!そんな弱気な役で勝てると思ったら、昨日のムギちゃんのお菓子より甘いよ!」バンッ!

梓「はわぁ、唯先輩は二十…?また私の負…」ピクッ

唯「ん…?どしたのあずにゃん」

梓「この手牌の中にチュンが入ってるじゃないですか!?」

唯「そだけど、この牌がどうかしたの?」

梓「チュンは手牌の数字から真ん中の数字を加算する効果があるんですよ!」

唯「…て、ことはどういう事なのかな?」

梓「二十の真ん中、つまり十プラスで合計三十!つまり流局ですよ」

唯「え!えぇ、そんなぁ!?チュンに足元をすくわれるなんて…」

梓「やった!ようやく私にもツキが回ってきましたね」

唯「まだまだ勝負は決まったわけじゃないよ!いくよギー太!」サッ

梓「ギターを構えて投牌…どうやら本気のようですね!」



=南四局=

梓「ついに…、ついにここまで来ましたね。これで泣いても笑っても最後ですよ!」

唯「あずにゃんは悪いけど、私が勝って終わらせてもらうからね!」

梓「それはどうですかね…、唯先輩の背中煤けてますよぉ…」

唯「残念だけど、私の背中はライジング・サンしか輝かないんだよ…」

梓「それは無いですね…、ライジング・サンが輝くのは私ですから!」バッ

唯「いや、私とギー太だよ!…いくよあずにゃん!!」バッ

梓「ばっちこいです!…いきますよ!!」ダッ

唯・梓「ロォォォォッン!!」


梓「赤伍満!?赤は三倍なので五×三で十五。さらに「西」は画数が六だから足して二十一。なんて変則的な手で国士無双を繰り出してくるんですか……このヒトはッ!?」

唯「あずにゃんこそ、春と秋の字牌で四月と十一月を選択し、六の状態から字牌の十五を足して、こくしむそうまで持ってくるとはね…。私もギー太も驚きを隠せないよ!」

梓「……でも同じ役になっちゃいましたね」

唯「…うん、こうなる場合はまーじゃんってどうするんだろ」



ガチャリ!

律「うーすっ、掃除用の洗剤買ってきたぞ!…ってお前ら遊んでたのかよ」

唯「あ、おかえりー。ずいぶん時間掛かっちゃったんだね」

澪「すまないな、律のヤツがゲーセンなんかに寄り道したせいで…」

律「んだよ、澪だって一緒にエアホッケーやってたじゃん!」

澪「そ、それは!律がせがむから仕方なくだな…」

梓「もぅ、仕方ないですねぇ律先輩は。エアホッケーなんか…」

唯「そうだよ律っちゃんだけずるいよー。エアホッケーなんか…」

唯・梓「………………」バッ

ガチャガチャ

律「ん…?何やってんだお前ら」


梓「それじゃ先輩、両手に一つずつ牌は持ちましたか?」サッ

唯「ばっちオーライだよ!じゃあ雀卓の真ん中にハクを置いて…」サッ

梓「これがサッカーでいう所のPK戦にあたる…」

唯「空気曲棍球だね!ルールはエアホッケーに限り無く近いよッ!」スッカーッン!

梓「くっ!この牌、良く滑りますね…高級なのかなっ!」ガッキィン!

唯「たわらばーっ、ライジングサァァァッン!」ズギャァン!!

澪「な、何やってるんだ、あの二人は…?」

律「良く分かんないけど、麻雀じゃねーの?」

澪「へぇ、麻雀ってマンガでしかみた事ないけどあんなのなのか…?」

梓「せいやぁ!チートイツショット!」ガッツン!

唯「なんのぉ!点棒も同時に投げるリーチショットだよ!!」ガッツン!


ガチャリ!

紬「はぁ……はぁ…、はぁ…!」

澪「ム、ムギ!?どうしたんだよそんなに慌て」

紬「ご、ゴメンなさい…。どうしても気になる事があって…」

澪「なんだよ?気になる事って」

紬「部室の倉庫に麻雀牌が入って無かったかしら?ケースに派手装飾がしてあるんだけど…」

律「麻雀なら…、ほれ。そっちの二人が使ってるトコだぞ」

唯「ざわざわタイムショットォォォ!」ガッキィン!

梓「くっ!牌の欠片が目に…卑怯ですよッ!」ヅガッ!

紬「…………………」

澪「どしたムギ?あの二人が使ってる麻雀牌がどうかしたのか」

紬「唯ちゃん、梓ちゃん…。とっても楽しそうねぇ」

唯「あれ?ムギ帰ってたんだ。まーじゃんってとっても面白いんだよ!ムギちゃんも一緒にやる?」

梓「ちょっとー、まだ私との勝負が付いてないですよ!」

紬「そうねぇ、その前に一つ言ってもいいかしら…?」

唯「ふぇ?何を言うのかな」

紬「その麻雀牌ってね、ウチのお父さんの取引先の相手から預かってる麻雀牌なのよ」

唯「そうなんだぁ、通りで良く滑る訳だね!」

梓「でも流石にここまで勝負が付かないと、ハクが少し欠けてきますね」

紬「そうなの、欠けてきちゃってるのぉ?あら、こっちは白牌に文字を書いたのね」

唯「うん、ボーナス牌だからね!…でも勝負が終わったら次の時どうするんだろうね」

梓「麻雀の事ですし、薄く削るんじゃ無いですか?」

唯「そっかー、流石あずにゃん賢いね!」


ギリッィィィッギリィィィッ…

紬「……………………」パラパラ

梓「あ、あれ?何してるんですかムギ先輩。牌を握りつぶしたら麻雀が……」

紬「……………………」パラパラ

唯「どうしたのムギちゃん?ルールが分からないなら私達が教えてあげるよ!」

紬「……牌を良くこんな状態になるまでにしてくれたわね。ふざけた戯れはここでお終いにしましょう。……いい加減始めるわよ!麻雀をッ!!」ブォォォン!ブォォォン!ブォォン!!

ズギャァァァン!ズギャァ!ズギャァンッ!!

梓「へぶぅんッッ!?」バダンッ!!

唯「あ、梓ちゃんの身体に大量の萬子がめり込んでる!?ムギちゃん一体なにするの!」ビクッ

紬「今のが本当のチートイツよ…。そして、これが……、字牌七種と一九牌六種を一枚ずつ揃えた……。唯ちゃんの大好きな、国士無双よぉぉぉッ!!」

ブォォォン!ブォォォン!ブォォン!!

ズギャァァァン!ズギャァ!ズギャァンッ!!

唯「たわらばぁッッ!?」ビダーンッ!!



澪「な、なぁ……本当にあれが麻雀なのか?」

律「ム…ムギがそう言うんならそうだろうよ。私は見て無い…何も見て無い」

紬「さぁ、まだ東一局…。お楽しみはこれからよ二人とも」グイッ

梓「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ……」ガタガタガタ

唯「ま、まーじゃん……こあい」ガクッ

親・琴吹紬 125000点
南家・中野梓 -25000点
西家・平沢唯 -25000点

=終局!=



最終更新:2010年07月17日 02:30