帰り道

梓「(ふう…なんとか乗り切ったよ…部活)」

梓「(顔真っ赤なの、バレてなかったかな?)」

梓「(お祭りか…唯先輩は行けるのかな?)」

梓「あの…唯先輩」

唯「ん?なーに?」

梓「(子供を諭すような目…こんな顔もできるんだ…)」ドキ

梓「その…ムギ先輩からメール届きました?」

唯「うん、届いたよ」

梓「ゆ、唯先輩は都合悪くないですか?」

唯「私は休みの日は一日中ゴロゴロしてるからね、大丈夫」

梓「(なに?言ってる事はアレなのに、大人っぽいからそれを感じさせない)」

梓「よ…よかったです」

唯「3人ってなんかしんせ…ん?」ピロピロ

唯「ムギちゃんからだ」



……

澪「はあ…(またミスしちゃったよ…)」

律「どした、まだ気にしてるの?」

澪「んっ!なんでもない!大丈夫!(顔を覗き込むな~…)」

律「そっか、よかった」

律「てっきりまだ引きずってるのかと思ったよ」

澪「あ、ありがとう…(律、女の子っぽいな…かわいいな)」

律「あ、そうだ!澪は週末のお祭り、いける?」

澪「うん!もちろんいく!(律の浴衣…見てみたい!)」

律「はは、よかった。澪とムギは浴衣で来るのかな?」

澪「あ…私は…その…律がそうして欲しいなら…」

律「…へへ」

律「じゃあ私も…って、あれ」ピロロロ

律「ムギからメールだ」





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to   唯ちゃん
Bcc りっちゃん
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title お祭りなんだけど…
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本文
ごめんね…私急用が入っちゃって、
週末は一緒にいけないんだ…

また、お祭りがあるときは一緒にいこ
うね!

ps.トロピカルジュースってなーに?
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紬「(送信完了っと…)」

紬「(さあ、思う存分遊んできてね、みんな)」

紬「(きっとうまくいくよね!)」

紬「(トロピカルジュースってなんだろう?)」

紬「(広島焼きも気になるな~)」

紬「(白たい焼き…はっ!)」

紬「(今はみんなのことを優先しなきゃ!)」


……

律「だってさ。残念だな、ムギ…」

澪「多分、一番楽しみにしてたんだろうな…」

律「そうかもね…ま、まだお祭りはたくさんあるから大丈夫でしょ」

澪「うん…(今回は、ナシかな…)」

律「じゃあさ、澪」


唯「2人でいこっか?」

梓「へっ?」

唯「せっかくの機会だもん、あずにゃんとデートしたいな」

梓「う…(なに?クールな顔して"デートしたいな"なんて…)」

梓「そ、そんなに言うなら仕方ないです!」

唯「…ふふ、ありがと」


梓「(唯先輩と…)」

澪「(2人きりで…)」


梓「そうだ…唯先輩」

唯「どうしたの?」

梓「お祭りの時…その」

唯「んー?」

梓「(やめて!その微笑!すごくドキドキするから!)」

梓「あの…今日みたいに」


澪「カチューシャ、外して来てくれないか…な」

律「え?どうして?」

澪「いや…ほら…せっかく浴衣で来るんだからさ」

律「…」

律「…あはは、なにそれ!理由になってないじゃん!」

澪「んんー(その髪型でそんな満面の笑顔浮かべるな…!胸が…)」キュン


律「うん、わかった。澪が言うなら、そうする」



……


梓「ほんとですか!?」

唯「うん、ほかならぬあずにゃんのお願いだもん、聞かないわけにはいかないよ」

梓「あ、ありがとうございます!」

唯「そのかわり」

梓「は、はい!」

唯「あずにゃんは」


律「ポニーテールにしてくること」

澪「えっ…なんで?」

律「私ばっかり恥ずかしいかっこしてるでしょ」

澪「恥ずかしくなんか…!」


唯「いいの!とにかくポニーテールだからね?」

梓「わ、わかりました!」

唯「ふふ、楽しみだね」

梓「はい!」




律の家

律「って事で、週末はお祭りにいくから、ご飯、適当に食べててな」

聡「え~俺は連れてってくれないの?」

律「2人きりのデートを邪魔するもんじゃないぞ!」

聡「姉ちゃんに彼氏が…!?」

聡「姉ちゃん…大人になったんだな」

律「こら、勘違いしてるぞ!澪だ、澪」

聡「なーんだ」



律「ま…彼氏っていうか彼女って言うか…」

律「そういう関係になれたら…とは思ってるけどな」


律「えーっと…浴衣はまだあったかな?」

律「何年ぶりだろ?またこんなの着るなんて思ってもいなかったからな~」

律「あったあった」

律「へへ…なんか、浴衣なんてガラじゃないよな」

律「でも澪が着て欲しいって言ったんだから、着るしかないだろ!」

律「澪、喜んでくれるかな?」

律「それとも、似合わないって笑われるのかな?」

律「…どっちでもいいや、2人でお祭りいけるんだから」

律「さて、寝ようっと」



唯の家

唯「憂~、私の浴衣どこ~?」

憂「あっちの部屋のタンスにしまってあるはずだよ」

憂「お姉ちゃん、お祭りいくの?」

唯「えへへ…まあね~!」

憂「ふふ…相手は梓ちゃんかな?」

唯「な、なぜそれを…!」

憂「わかるよ~!だってお姉ちゃん、梓ちゃんの話してるときすごく幸せそうだもん!」

唯「さすがは憂だよ…」

憂「2人で行くの?」

唯「うん!なんだかデートみたいでしょ?」

憂「ふふふ、よかったね!お姉ちゃん」

唯「えへへ…」



夏祭り前日

紬「ついに…ついに明日よ!」

紬「頑張ってね、みんな!」

紬「勝負をかけるなら明日しかないわ!」

紬「だって…さすがに何回も監視は送れないもの…」

紬「ううん!ちがうちがうちがう!」

紬「私達が受験勉強で忙しくなるから…」

紬「特に梓ちゃんはみんなとの距離ができちゃうもの」

紬「…ホントに頑張ってね」



夏祭り当日

澪のケース

律「澪~、きたよ」

澪「い、今行く!」

律「2人でお祭りなんて、中学校以来だね」

澪「う、うん(は、恥ずかしい…)」

律「浴衣着てみたよ、どうかな?似合ってる?」

澪「うん!うん!すごく似合ってるぞ!」

律「…よかった、浴衣にこの髪型じゃ、私じゃないみたいだからね」

澪「!(悩ましげな表情…律、こんな顔もするんだ…)」

澪「そんなことない!律は律だよ!」

律「ほんと?ありがとう、澪もすごく可愛いよ」

澪「!!」カァァ

律「さ、行こう!」



梓のケース

梓「…もうすぐシャトルバス来ちゃうよ…」

梓「唯先輩…ちゃんと来るかな」

サワッ

梓「ひゃっ!」

唯「あずにゃん、待った?」

梓「いえっまま待ってないです!!」

梓「(急に後ろから頭なでないで~…ホントにやばいから!)」

唯「ふふ、あずにゃんの言うとおり、ちゃんとヘアピン外してきたよ」

梓「あ、ありがとうございます」

唯「どうかな?やっぱり片目、隠れちゃってるけど」

梓「き…綺麗…です」カァァ

唯「ふふ、ありがと。あずにゃんの浴衣とポニーテールも似合ってるね」

梓「っ!」ドキ

唯「可愛いねー、じゃあ…行こ?」



律のケース

律「花火までまだ時間あるね、どうしようか?」

澪「お、お店でも回ろう」

律「わかった…って澪、どうしてそんなに恥ずかしがってるの?」

澪「は、恥ずかしがってなんか…」

律「でも、顔赤いよ?」

澪「…律の浴衣なんて珍しいし…その、髪型も…可愛いから」

律「…ありがとね、澪」

律「(澪の方がずっと可愛いっての)」

律「じゃ、おなか減ったし、何か食べ物買おうか?」

澪「う、うん!」


澪「あ…私大判焼食べたい!」

律「澪はあんこ派?」

澪「クリーム!」

律「そっか、じゃあちょっと待ってて」


律「クリーム2つと、あんこ1つください」

おじちゃん「あいよ!300円ね」

律「どうも」


律「はい、買ってきたよ」

澪「あ、ありがと…あれ?律、あんこだよね?」

律「うん?そだよ」

澪「クリーム2つ入ってるぞ?」

律「ああ、私は1個でいいから、澪食べなよ」

律「(澪の食べてる姿…可愛いからさ)」




澪のケース

澪「はむ…おいひいよ、りふ」

律「そっか、よかったね」

澪「うん!…はっ!」

澪「(私…律に甘えてた?)」

澪「(だって、律がこんなにかっこよくて可愛いから…)」

澪「…律が悪いんだぞ」

律「ん?なにが?」

澪「なっ、なんでもない!律はどこ回りたい?」

律「うーん、金魚すくいかな」

律「んー…またダメだった…おっちゃん、もう1回!」

おじちゃん「あいよ、ほら」

律「今度こそー」

澪「(こういう所は変わらないんだな…)」

澪「あんまり熱中するなよ?お金なくなるぞ」

律「わかってるけど…なんか悔しいからさ」

澪「(そっか…昔から負けず嫌いだったっけ、律)」

澪「はいはい、じゃあそれで最後な」

律「えー」

澪「えーじゃない」

澪「そろそろ花火も始まるしな」

律「うん、わかった」


―――
律「取れなかった…」

澪「律は昔から金魚すくい下手なんだよな」

律「はは…そうだね、いつもおじちゃんにおまけしてもらってるな」

澪「あ…もうすぐ打ち上がるぞ」

律「じゃあ…あそこの高台、が少なそうだから、行こうか」

澪「う、うん」


澪「…」

澪「(どうしよう…言うべきかな?)」

澪「(…もしダメだったら律との関係が崩れちゃうかも…)」

澪「(でも…大学に行ったら律が離れちゃう…)」

澪「(…怖いよ…どうしよう)」


ドーン


律「あ、始まったみたいだね」


ドーン

澪「(やっぱり…言わない方がいいのかも…)」

澪「(律はこれから大学に行って…彼氏も作って…)」

澪「(…考えたくない)」

ドーン

澪「(あ…律の横顔…花火の光に照らされて…すごく綺麗)」

澪「…」

澪「(うん…やっぱり…)」


澪「(この気持ちは言うべきじゃ…ない)」



ドーン

律「(澪は今、何を考えてるんだろう)」

律「(進路のこと…?将来のこと…)」

律「(私のこと…?)」

律「(…なんてね)」

ドーン

律「(ここで私の気持ちを伝えたら…どうなるのかな)」

律「(馬鹿だな、で済まされちゃうのかな…)」

律「(でも…伝えたい。澪に知っていてもらいたい。)」


律「(伝えるべき…だよな!)」


律「澪」

澪「…ん」

律「…私のこと、どう想ってるの?」

澪「え…?」

澪「…大事な親友…かな」

律「そっか…」

ドーン

澪「…」

律「…あのさ」

律「…」


律「…それ以上の関係になりたい…て言ったら?」


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最終更新:2010年07月19日 02:29