唯「あ。ねえ、流れ星ってどこ?」

澪「どこかに定まってるものじゃないぞ…流れる星なんだから」

唯「あ、そういえばそうだよねぇ…じゃあ頑張って見つけようっと」

梓「そうそう見つかるものでもないですよ?」

唯「でも頑張ります!」

紬「何かお願い事するの?」

唯「うん!でもまだ内緒!」

律「はは…がんばれよ」

律「…それにしても、思えば色々あったなぁ…軽音部」

澪「いきなりどうしたんだ?」

律「星を見てたらさ、なんかちょっとセンチメンタルっていうの?色々振り返りたくなったんだよ」

澪「そうだな…」

梓「律先輩も感傷に浸ることがあるんですね」

律「はは、まあな。だってもう私達三年生だぜ?」

紬「本当にあっという間だったわね」

律「一から部活立ち上げてさ…よくここまで来たもんだ」

澪「ふふ…まあ一時はどうなる事かと思ったけどな」

律「ムギも唯も梓も。よく入ってくれたよ」

唯「うん…」

紬「いえいえ。こちらこそ誘ってくれてありがとうね」

梓「私も、軽音部に入って良かったと思います…」

律「二人ともありがとうな」

澪「本当に色んなことがあったな…ギー太の為にバイトしたり」


律「やったやった…海で合宿したり…」

澪「毎回のティータイムといい今回の事といい、ムギにはお世話になりっぱなしだな…」

紬「気にしないでね。私もすっごく楽しんでるから」

梓「学園祭では唯先輩がギー太を忘れたり…」

律「その前の学祭では澪がパンツ見せたり」

澪「お、おい!それはもういいだろ!」

律「いや、あれも含めて軽音部の活動だからな」キリッ

澪「は、恥ずかしいからその思い出は忘れてくれ…」カアア

紬「あらあら」

律「本当に色々あって今ここにいるんだなぁ…なぁ澪?」

澪「…今度は何?」

律「身構えるなよ…軽音部がここまで来れたのも、最初に澪が私のわがままを聞いてくれたおかげだと思ってる…」

澪「律…」

律「私のわがままを聞いてくれてありがとうな」

澪「…いいって。私も軽音部が大好きだ。こちらこそ、最初に軽音部に誘ってくれてありがとう」

律「ムギも唯も梓も、軽音部の大切な仲間たちだ。これからもよろしくな」

紬「こちらこそよろしく♪」

梓「よろしくお願いします!」

唯「うん…」


梓「といっても私は後一年あるんですけど…」

律「そうだよなぁ…来年こそは新入部員見つけないとな」

澪「後輩がトンちゃんだけっていうのは哀しすぎるからな…」

梓「あ、でも。もし来年新入部員が入らなかったら、純が軽音部に入ってくれるっていってました」

律「おー、ジャズ研のあの子か…よかったじゃないか」

澪「それ本当か?」

梓「嘘をつく子じゃないと思いますけど…」

紬「じゃあなんにせよ来年梓ちゃんは一人じゃないのね」

律「ああ。心配してたんだぜ。一人寂しく活動するハメになるんじゃないかーって」

梓「なんかすいません…」

律「気にすんなって。後輩の問題は私達の問題だから」

紬「それに、いざとなったら大学でまたHTTを結成すればいいんじゃないかって話もしてたの」

梓「そうなんですか」

律「おう!ずっとみんなでバンドやってきたいからな!」

澪「…ほんとうに出来るのかな」

律「澪?」

梓「どういうことですか?」

澪「ああ、いやごめん…こうやって、星を見ているとさ」

律「うん?」

澪「すごく寂しくなってくるんだ」

律「そうなのか?」

梓「なんとなく分かります…」

澪「…宇宙はさ、空気もなくて真っ暗で」

律「うん」

澪「星と星の間も、気が遠くなるくらい離れてる」

律「…うん」

澪「孤独な数千億の星達は、何を考えてるんだろうな。暑がったり、寒がったり、寂しくなったりしないのかな…」

紬「澪ちゃん…」

澪「それに、星座っていうのも、実際は孤独なものなんだ」

梓「…」

澪「星座を作っている星達も。本当は何の関係もないんだ」

澪「ただ、この地球からから見て近くにあるように見えたというだけなんだ」

澪「孤独な光を人間が地球で受け取って、勝手に星座を創り出した」

澪「織姫と彦星だって、本当は何光年も離れてる。見かけはあんなに近いのに…」

唯「…」

澪「…私達だって、この星達と同じようなものなのかもしれない」

律「え?」

澪「今はこうしてみんなで軽音部をやっているけれど…」

澪「これから受験して、大学に行って、就職して、結婚して…みんなの距離はどんどん離れて行ってしまうかもしれない…」

澪「…いつか私達も何も関係なくなってしまうんじゃないかって、思うんだ」

澪「星が発した光が宇宙の一点で交わって…それきりなんの関係もなく通り過ぎてしまうように」

澪「いつか…軽音部のみんなのことを忘れてしまう日が来るのかもしれない…」

澪「そうはなりたくない…でも」

澪「でも、ちっぽけな私に出来ることなんて何もないんじゃないかと…この星達をみて思うんだ」

律「澪…」

梓「先輩…」

澪「みんな…私、みんなとずっといっしょに…いたい」ポロポロ

紬「…大丈夫よ、澪ちゃん」ナデナデ

澪「…」

紬「軽音部のこのメンバーが集まったのは偶然かもしれないけれど」

紬「私達のこれからは、私達が自分で作っていけるわ」

澪「ムギ…」

紬「覚えてる?私最初合唱部に入ろうと思ってたの」

紬「でも澪ちゃんとりっちゃんの二人をみて、とっても楽しそうだから軽音部に入ったのよ」

紬「軽音部での活動はとっても楽しくて、毎日が新鮮だった。これからもそんなみんなと楽しくバンドをやっていきたい…」

紬「…私達は確かに、星に比べたら小さな存在かもしれないけれど」

紬「だからこそ…お互いに影響を与えあい、助け合って…一緒にいることが出来るわ」

梓「ムギ先輩の言うとおりです」

澪「梓…」

梓「私達は星とは違います。自分の生き方を、自分で決められるんです」

梓「私だって軽音部のみんなと離れたくありませんよ…」


律「二人の言うとおりだ。離れ離れになんかなるもんか」

澪「…そうかな」

律「そうともさ。ムギも梓も、軽音部が大好きなんだ」

律「それに、この前唯もいってたじゃないか。ずっとバンドやろうって」

律「なあ、唯?」


唯「…」


律「…唯?」




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唯「よっしゃ!」

梓「にゃっ!?」

律「!?いきなりどうした?」

唯「今流れ星が通ったんだよ!」

梓「本当ですか?」

紬「どこどこ?」

唯「もう通り過ぎちゃったよー」

紬「あら残念。お願い事したかったのに…」

唯「へへーん。私はできたもんね」フンス

澪「何をお願いしたんだ?」

律「あ…ひょっとして『軽音部のみんなが一緒にいられるように』…とか?」

唯「え?全然違うよ?」


唯「私の願いはね!『アイスをお腹いっぱい食べられますように』だよ!」

梓「え…」

律「ちょ…」

紬「あらあら」

澪「 」


唯「…あれ、みんなどうしたの?」

梓「先輩…少し空気を読んでください…」

唯「へっ?なんの空気?」

律「唯、お前今までの話聞いてなかったのかよ…」

紬「そういえば途中から空返事だったような…」

唯「でへへ…流れ星を探すのに集中してたもんで…すいやせん」

梓「しっかりしてください…」


澪「…」

律「澪、大丈夫か?」

澪「ああ…なんとか」

唯「何の話をしていたの?」

紬「…澪ちゃんがね、軽音部のみんなはこれからどうなるんだろうっていう話をしていたの」

律「そうそう…大学に行ったり結婚したりして、みんな離れ離れになるんじゃないか、ってな」

澪「…星を見ていたら…寂しくなってきちゃってな」

唯「…えっとさ。澪ちゃんはさ、みんなといつまでもバンドやっていたいんだよね?」

澪「ああ。当たり前だ」

唯「みんなもそう思う?」

律「おうとも」

紬「もちろん♪」

梓「ずっとこのメンバーといっしょでいたいです!」

唯「そうだよね…じゃあきっと大丈夫だよ」

唯「みんながそう願うなら…流れ星におねがいしなくても、私達はいつまでも一緒にいられるよ」

唯「だって私達は、軽音部だもん。私達なら大丈夫だよ」

梓「その自信はどこから来るんですか…」

唯「だって私達だもん!」

澪「…ふふ。そんなに自信満々に言い切られると、そうかもって気がしてくるから不思議だよ」

律「だな。なんかこう、上手く言えないけど…安心できるんだよな」

唯「だって私達ここまでやってこれたじゃん。これからもきっと大丈夫だよ!」

澪「…なんだか吹っ切れたよ…みんなごめんな?暗い話しちゃって」

紬「いーえいえ♪」

梓「悩んでる時はお互い様です」

澪「本当にありがとう。みんなも困った時は言ってくれよ」

澪「私も…みんなと同じくらいみんなのことが好きだから」


律「きゃー♪澪に告白されちゃったー♪」

澪「なっ…!?いや、軽音部のみんなが好きって意味だ!」

唯「りっちゃんおめでとう!」

梓「お似合いですよ」

紬「結婚式には呼んでね♪」

澪「みんなもノるなぁっ…!」


梓「それにしても…さっき唯先輩が自分の願いを言った時、ちょっと時間が止まりまりたよね」

律「ああ…澪が能面みたいに無表情になったからな…」

澪「ちょっと恥ずかしいんだけど…正直、悩んでいる自分に酔ってた部分が少しあったんだ…それが一辺に冷めた」

律「ははは…ですよね~」

紬「まあまあ、それも含めて唯ちゃんらしいじゃない?」

唯「えー?だってアイス食べたいじゃん!」

律「食欲の権化だな」

唯「…それにね、ほら。さっきりっちゃんが言ってた願い事があったでしょ?」

律「えーっと、『軽音部のみんなが一緒にいられるように』か?」

唯「そう!そういうお願いは自分たちで叶えるものだと思うし、私達なら叶えられると思ったんだ。だからお願いしなかったの」

律「…唯ってさ、たまに本当にスゲーと思う時ってあるよな」

梓「私もそう思います…」

唯「え?なんで?」

紬「あらあらうふふ」




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梓「もう夜が白んできましたね」

律「夏の夜は短いよなぁ」

澪「星が消えていくな…」

唯「織姫と彦星、また来年も会えるといいね!」

澪「…そうだな!」

律「さーて、そろそろ帰りますか」パンパン

梓「睡眠時間がズレまくっちゃいましたね…」

澪「ここで寝ると生活リズムを立て直すのが難しそうだな」

唯「お腹空いたよぉ…憂のご飯が食べたいよぉ…」

紬「じゃあちょっと斎藤を呼んでくるわね」

唯澪律梓「よろしくお願いします」


律「あ、そうだ…唯」

唯「なになに?」

律「帰ったらアイス奢ってやるよ」

澪「あ、私も」

梓「右に同じく」

唯「ええっ!?なんで!?」

律「いやまあなんというかな、唯がいてよかったなーって思って」

梓「そうですね。流石唯先輩というかなんというか…」

澪「ああ。私からも感謝の気持ちを込めてな」

唯「え~?私そんなにありがたられることしてないよ?」

律「いいからいいから。気にするなって」

紬「電話してきたわ。もう少しで来るわよ…って、唯ちゃん?そんなにニコニコしてどうしたの?」

唯「あのね、みんながアイスを奢ってくれるんだって!私早速願いが叶いそうだよ!」ニコニコ

紬「…あぁ!なるほど!唯ちゃん、私も奢るわ♪」

唯「ホントに!?流れ星ってすごいね!」

律「あーあ。私も何か願い事しときゃあよかったかな…」

斎藤「お嬢様、お迎えにあがりました」

紬「ありがとう。さ、みんな帰りましょう」

澪「あ、そうだ。ちゃんと言っておかないと」

唯「?」


澪「…みんな、これからも、よろしくな」

唯「うん!」

律「もっちろん!」

紬「こちらこそよろしく♪」

梓「よろしくです!」





澪「ふふ…みんな、ありがとう」



終わりです。



最終更新:2010年07月19日 03:27