唯「え、どういうこと?」

唯「あーずにゃん♪」ダキッ

梓「ちょ、唯先輩やめてくださいよー」

唯「もうあずにゃんったら~、照れちゃって~」

律「お二人さん、いちゃいちゃするなら人のいないところでやりなさい」

唯「え~」

梓「唯先輩ふざけすぎですよ」


---------

純「唯先輩」

唯「はい?あ、えーっと憂と同じクラスの……」

純「鈴木です」

唯「どうしたの?」

純「いきなりなんですが、妹の憂さん、付き合ってますよ」

唯「へ?だれと?」

純「梓とです」

唯「憂とあずにゃんが付き合ってる?」

純「はい」

唯「え、どういうこと?」

純「そういうことです、それでは」タタタ

唯「仲が良いってこと……?」


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律「唯」

唯「はい?」

律「唯にはさ、好きな人っていないのか?」

唯「好きな人…?みんな大好きだよー!」

律「あーそうじゃなくて!」

唯「ほぇ?」

律「大切だなぁーとか触れたいなーとか、……キ、キスとかしたいなーとか思う人がいるかってこと」

唯「キスっ!?」

律「ちょ、声がでかい」

澪「なんだ?何の話だ」

律「……好きな人がいるのかって話」

澪「む…、だれの?」

律「唯の」

澪「そ、そっか……あはは、唯のか」

律「?」

澪「で、唯はだれが好きなんだ?」

唯「さっきりっちゃんが言ってたことを思う人は……いるかも」

律「ほぉ~?だれだ?だれなんだ」

唯「で、でも、なんかよくわかんないよ…」

律「それが恋なんだ、気づいた時に恋はしているものなんだ!」

澪「なに興奮してるんだよ」

律「だって恋愛とか無関係そうじゃん唯って!その唯が恋に悶々とする姿って面白いじゃん」

唯「りっちゃんヒドイよ~」

律「おぉすまんすまん、ちなみにどんなイケメンなんだ?それとも王子様かな?」

唯「……」

唯「ぅ…、憂……かな」

律「え……?」
澪「妹……?」
紬「」


律「まぁ待て、この学校は女子校だ。だから同性である女子に恋をするのは分からんでもない、いや分かる」

律「ただ、んー…、妹……だよな?」

唯「だめなの…?」

澪「ま、まぁ姉妹愛みたいなものだろ?」

唯「そうだよ!うん、姉妹愛!ほっぺにキスぐらいできるからこれは恋じゃなくて姉妹愛!」

律「キスって口にだぞ」

唯「……(口には無理だよ…憂怒るよ…)」

澪「なんだか、唯の恋を見たら私の悩みなんてちっぽけだなって思ったよ、ありがとう!」

律「おい澪、それどういうことだ?」

澪「唯は憂ちゃんに告白するのか?」

唯「し、しないよ~(……そんなことしたら憂どんな顔するんだろ…?)」

律「妹にラブレター書くのってなんか良くない?あえて他人行儀みたいな」

澪「おぉ~良いなそれ」


唯「憂は大切な妹だからそういうことはしないー!」

律「ちぇ~つまんな~い、付き合ってみればいいのにー」

唯「ねぇりっちゃん…?付き合うってどういうことなの?」

律「そう訊かれると答えづらいんだけど…んー……澪、良い答え方ないか?」

澪「恋のお試し期間」

律「うわくっさいけど、的を得てるな」

唯「そうなんだ…(あれ?じゃああずにゃんと憂って……)」

澪「で、律、話があるんだ、ちょっと来てくれないか」テクテク

律「なんだ澪?」テクテク…


---------

唯(別に付き合わなくたって姉妹なんだから、それでいいじゃん)

唯「ただいまー!」

ガチャ

唯「うい~(だって憂は笑顔で迎えてくれるから――)」タタタ

ギュッ

憂「っ、だ、だめっ」バッ

唯「ぇ……」

憂「……」

憂「あ…ごめんね、お夕飯作ってるから…」

唯「ぅぃ……(なんで…?)」


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唯「ねぇ、あずにゃーん」ダキッ

梓「な、なんですか?」

唯「最近、憂が相手してくれなんだよぉ」

梓「憂にも色々あるんですよ」

唯「…(うい……)」ウルウル

梓「なに弱気になってるんですか、先輩は笑顔の方が似合いますよ」キリッ

唯「あずにゃん…」

梓「突然ですが、唯先輩には好きな人っています?」

唯「!」

唯「……」

唯「いないよ」

梓「」ニヤリ


梓「年下ですか?」

唯「ぅ……そうだよ」モジモジ

梓「誰ですかね?」

梓「で、告白しないんですか?」

唯「無理だよぉ」

梓「待ってる人の気持ちも考えてください」

唯「……」

梓「いつでもいいですからね」


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唯(ラブレターじゃないけど、日頃の感謝を込めて手紙を書こう!)

唯「えーっと、う~ん難しいなぁ」

唯「」カキカキ

……

唯「よしできた!」

律「ん~?何ができたんだ?」

唯「憂への手紙だよ!」

澪「ラ、ラブレターか!?」

唯「違うよ~、日頃の感謝を込めた手紙」

律「な~んだ、どれどれ『あなたをいつも傍で見ています―――』」
澪「ぶふっ!ちょこれラブ…」

律「まてまてまてまてまてまて」

唯「なんか変?」

律「いやイイ!凄くいいぞ!唯」

唯「うへへ~もっと褒めて~」

澪「どうやって渡すんだ?」

唯「手渡しだけど」

律「違うな、下駄箱に入れなさい」

唯「憂の下駄箱に?」

律「そうだ、そしてこの手紙を読んだ憂ちゃんのところに駆けつけるんだ」

律「そしたら憂ちゃん泣いて喜ぶぞ」

唯「本当に~?憂、喜んでくれるの?」

律「あぁ」

唯「よしっ」


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唯「憂の下駄箱は……あ、あったあった」ガチャ

パサッ

唯「ん?紙?……」ペラ

唯「……ラブレター!?」

唯(憂ってやっぱりモテるんだ…)

唯(…うい……)

ガチャンッ

唯「……」タタタ

唯(自分のと入れ替えちゃった…)

唯(なんか嫌だった……この気持ちって…)


……

ガチャ

唯(あ、憂が来た)ソー


唯(よし、手紙に気付いたみたい)


唯(あんなに真剣に読んでる…)


唯(……そろそろいいよね?)サッ タタタ


唯「う、ういー!」

憂「!?」ササッ

唯「」ジー

憂「……」

唯「あれ…?(喜んでくれないの…?)」

憂「あ、お姉ちゃんも今帰り?」

唯「へ?うん、そうだよ」

憂「……」

唯「」ジー

憂「…?」

唯「」ジーー

憂「お姉ちゃん?」

唯「あれ…?(手紙間違えた?)」

憂「え?」

梓「唯せんぱーい」タタタ

唯「っ!」

憂「ぁ」

梓「どうしたんですかこんなところで」

唯「えーっと、あ、憂とお話してたんだよ!」

憂「……」

梓「そうなんですか、三人で帰りませんか?」

唯「ぇ、あ、うん、いいよね憂?」

憂「いいよお姉ちゃん」

梓「じゃあ帰りましょう」

2
最終更新:2010年07月21日 21:24