おひる!

唯「さ、ムギちゃん、憂が用意してくれたこのお人形で練習だよ!」

紬「え?」

律「え?」

唯「あ、みんな疑ってるね? じゃあ、私がやるよ! とりゃ!」

紬「人形の胸が……」

律「お、大きくなっただってぇ!?」

唯「そう、乳揉み師は乳なら何でも大きくしたり、小さくしたりできるんだよ」

律「でも、なんでこれ、梓に似てるんだ?」

唯「憂が作ってくれたの!」

紬「(唯ちゃん……もしかして……)」

紬「分かったわ、唯ちゃん」

唯「諦めないでくれた?」

紬「ええ、唯ちゃんの想いに答える!」

律「なんかいい話っぽくなってるけど……」

澪「おー、こんな所にいたのかー」

梓「どうしたんですか、音楽室にそろってーって、それ、私ですか!」

唯「憂が作ってくれたんだよー」

梓「え、あの、サンドバックとかにされてないですよね?」

唯「これは、乳揉み師用の鍛錬道具だよー」

梓「は、はあ?」


澪「人形の胸も大きくさせる!?」

梓「あ、じゃあ、もしかしてこれ、胸が大きいのは……」

律「びっくりしたぜ、梓が急にCカップになったからな」

紬「梓ちゃん、私もやりたいんだけど」

梓「え、ああ、いいですよ、もともとは憂のですし」

紬「もしかしたら、とても見ることのできない惨状になるかも知れないから……」

梓「へ?」

紬「それじゃあ、乳揉み師八級……! 琴吹紬! 行きます!」

澪「すごい気合いだ……!」

律「え、てか、こんなセリフ言うのか……」

梓「す、すごい! 胸がどんどん大きくなっていきます!」

澪「GHI……まだまだいくぞ!」

律「む、ムギ!」

紬「私の全てを込めます! やぁー!」

唯「……!」

梓「あ、私の人形に光が……!」

憂「……!」

唯「へ、う、憂!?」

憂「皆さん伏せて! 爆発します!」



唯「……!」

紬「あ……あ……!」

憂「お姉ちゃんの力と、ムギさんの力、二つが重なって∞パワーが発動してしまった……」

唯「あ、そうだー、練習するときは他の人の力が混ざらないようにしなきゃいけないんだったー」

紬「へ?」

梓「……こ、これがおっぱいの力? 澪先輩の胸に……」

澪「お、恐ろしいこと言うな!」

紬「わ、私の力が暴走したんじゃないの?」

憂「違います、お姉ちゃんと仲の良い力が反応を起こし、膨張してしまっただけです」

律「音楽室……ヤバイな……」

澪「が、楽器を持ってきてなくてよかった……」

律「……」

紬「わ、私の責任だから……みんな、ちょっと待っていてくれる?」




ほうかご!

律「すげー、直ってるよ……」

澪「ティーセットも律のドラムも無事だ……てか、元に戻ったのか?」

紬「みんなごめんね」

律「いや、いいけどさ、てか、傷の位置まで完璧に把握してあるのはコエーな……」

梓「ムギ先輩、これからも練習するんですか?」

紬「ええ、なんだか今回のことで自信をつけた気がするの」

律「自信?」

紬「鍛錬の方法は沢山ある、ひとつの方法を否定されたからと言って諦めてはいけないって!」

唯「そのいきだよムギちゃん!」

紬「さあ、ティータイムにしましょう!」


律「なあ、唯」

唯「んー?」

律「乳揉み師って誰でもなれるのか?」

唯「んー、そうだなー」

紬「はっきり言うと、才能のありなしがはっきりと出るわね」

律「マジか!」

唯「マジもマジだよ、サジマジバーツだよ!」

澪「バーツは使えるよな」

梓「レニー可愛いですよね」

澪「そっちじゃねーよ」

紬「えーっと、たしか乳揉み師の才能を測る道具があったはずだけど……」

唯「ああ、スカウターだね」

梓「あの爆発するしかとりえのない……」

澪「五三万の戦闘力ってどうやって測ったんだろうな……」

紬「あったわ!」

律「あるのかよ!」

唯「じゃあ、私が付けるねー」

律「なんでだ?」

唯「∞力が強いほうが、多くの力を測れるからだよー」

律「ま、まあ、いいけどさ……」

唯「スイッチ・オン!」

唯「んー」

律「ど、どうだ?」

澪「あ、梓、ちょっと私の胸触ってみるか?」

梓「え?」

澪「さっきの爆発見て思ったんだけどさー、人形自体は無事で胸のサイズだけ小さくなってたじゃないか、もしかしたら爆発すれば……」

紬「ああ、さっきのは、調整用の人形だからそうだっただけよ」

澪「へ?」

紬「……ここじゃ言えないような状態になっちゃうわ」

梓「澪先輩、この不肖中野梓、秋山澪先輩の胸を揉んじゃいます!」

唯「(いら……)」

澪「ま、まて梓! は、はやまるな!」

紬「梓ちゃんは∞パワーがないから大丈夫よ」


※∞=パイ とお読みください



唯「りっちゃん……」

律「な、なんだ?」

唯「すごいよ! すごいよさすが∀のお兄さん!」

律「何がだよ!」

唯「20∞パワーだよ」

律「20? 多いのか、少ないのか?」

紬「私が35∞パワーだわ」

唯「私が1200∞パワー」

憂「そして私が4000∞パワーです」

紬「なん……とぉー……?」

律「憂ちゃんくれ」


憂「お姉ちゃん」

唯「ん、どうしたのー」

憂「最近∞パワー使いすぎだよ、ちゃんとお勉強もしなきゃだめだよ?」

唯「うー」

律「どっちが姉で妹だか分からないな……」

唯「おねえちゃーん」

憂「唯ちゃーん」

梓「……憂の背中に修羅が見えます……」

律「もしかして、逆鱗に触れた?」

澪「な、なあ、4000∞パワーっていうと、どれくらいなんだ? 名人クラスか?」

紬「4000って言うと……世界でもトップ3にはいるくらいだから……」

澪「め、名人以上とか?」

紬「神人ね」

澪「この中に未来人宇宙人超能力者がいたら私の前に来なさい!」

エスパー伊東「呼んだ?」


憂「私よりもすごい人もいますから……」

澪「てか……、すごい力っていっても、胸のサイズを小さくしたり大きくしたりするだけだろ?」

律「そう……なのか?」

憂「……」

澪「きゃ!? ちょ! 身体が! 浮いてる!」

唯「∞パワーを集めることによって、身体を浮かせているんだよ……!」

紬「初めて見たわ……」

澪「ごめんなさいごめんなさい! 謝りますから!」

梓「(憂には絶対逆らわないようにしよう……)」

憂「梓ちゃんは逆らってもいいよぉ」

梓「え? なに、∞パワーって何? 心まで読めるの!」


澪「な、なあ、乳揉みってそんなにすごい力だったら、もしかして、世界征服を狙うやつとかいたりしてなー」

憂「……」

唯「……」

紬「……」

澪「嘘……だろ?」

律「いるのか、そんなやつ、聞いたことないぞ……?」

梓「う、嘘だよね? 憂! そんな変なことに巻き込まれてないよね!」

憂「……」

唯「本当はね」

憂「お姉ちゃん!?」

唯「みんながここに集まったのって、私の∞パワーのせいなんだ……」

紬「え、でも、その時軽音部には」

律「私と澪、少し遅れてムギが……」

澪「な、なんだよ唯、冗談なら今のうちに」

唯「∞パワーはね、未来を作る力があるの」

梓「未来を……」

憂「お姉ちゃんの強すぎた力は、軽音部を作ってそして……」

唯「世界を終わらせてしまった」

澪「……?」

律「……世界って?」

唯「そう、そしてもうすぐ終わってしまう」

憂「……」

紬「この∞パワー……忌々しき力……!」

澪「へ?」

梓「それはつまり」

和「投げっぱなしジャーマンってことね?」

唯「そうです!」


澪「はは……冗談だろ……!」

律「いや、悲しいけど、私には分かる、このSSは終わり……スレが落ちる……!」

梓「嫌です! まだ嫌です! 全然活躍してないじゃないですか! 伏線だってあったじゃないですか!」

憂「ごめんね梓ちゃん、あずさちゃんに関する伏線は色々あったけど私が壊しちゃった☆」

梓「唯先輩! 唯先輩私のこと好きですよね!」

唯「好きだよー」

憂「……」

澪「や、やめろ梓! 憂ちゃんが種割れしてるから!」

梓「もうこうなったらヤケです!」

紬「きゃー! 梓ちゃんが脱いだわー!」

梓「犯ってヤるです!」

憂「ふふ……」

憂「梓ちゃん……この私の∞力をくらっても無事でいられる……?」

梓「私の唯先輩への愛は、憂くらいじゃ破れません!」

憂「いい度胸だよ……それでこそ、私のライバル……!」

梓「でも憂! 甘かったね!」

憂「何!?」

梓「不思議な力を使われる前にパーンチ!」

憂「きゃぁぁぁぁぁあぁぁぁ!」

唯「ういー!」

澪「梓のパンチが決まった……!?」

律「なんて動きだ……これが……愛なのか……」

紬「すてきね!」

梓「はっはっは! やりましたよ唯先輩!」

憂「……くく……どこの誰かな……戦場で恋人の名前をつぶやいちゃうようなやつは……!」

梓「う、憂、まだ動けたの……!?」

律「動けなかったら梓犯罪者だぞ……」

憂「そういうの……虫酸が走る……! それもよりによって、お姉ちゃんの名前だなんてぇ!」

梓「く! 不思議な力を使われる前にキーック!」

憂「踏み込みが足りない!」

梓「う! っと見せかけて、力を使われる前にチョーっぷ!」

憂「間合いが甘い!」

梓「なんてこと……すべての攻撃が……払われるなんて……!」

憂「さあ、今度は私の番だよ……このギャリック砲をうけても無事でいられる……?」

唯「う、憂!?」

紬「なんてこと……∞パワーを口から放出する必殺技……! 世界でも数人しか使えないって言う……!」

律「数人使えるのかよ!」

和「私も使えるわよ」

澪「のどかー!?」

梓「へ……へへ……憂……甘いなあ……」

憂「そんな減らず口は、私のギャリック砲をくらってからにして」

梓「はは……何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ!」

憂「言ってる意味が……はっ!?」

梓「つべこべ言っている間にパーンチ!」

律「せけぇ……」

梓「……」

憂「く……いいパンチです……このパンチなら……お姉ちゃんを任せても……」

梓「憂!」

憂「家事炊事……宿題……お姉ちゃんの身の回りのお世話……梓ちゃんになら……ぜんぶ……ぜんぶ……」

梓「憂! 死なないで憂!」

憂「はぁ……夢見てた……いつかお姉ちゃんが……独り立ちを……」

梓「無理だよそんなの!」

憂「私もそう思った……だから……あずさちゃんに……お姉ちゃんの……一生……任せるね……」

梓「無理だよそんなの!」

律「おい梓」

澪「気持ちはわかるな……」

憂「お姉ちゃんの子どもができたら……憂じゃなくて、優って付けてあげて…・唯と優……いい……名前でしょう……」

梓「う……い……?」

唯「うわぁぁぁぁぁ、憂! 憂!」




 こんにちは、平沢唯です!

 憂が死んじゃいました!

 でも、代わりに梓ちゃんが家に来てくれることになりました!

 ただ時々、和ちゃんが世話を焼きにやってきます!

 梓ちゃんがそのたびに可愛くなるので幸せです!




唯「ねえ、憂」

唯「私も最近ちょっとはあずにゃんの力を借りずに生きて行けるようになったんだよ」

唯「それに、就職も決まったしね」

唯「和ちゃんは唯なんかとってくれるところがあるのって驚いてたけど」

唯「ムギちゃんに頼んだんだけどね」

唯「もつべきものは縁故とコネだよね」

唯「ねえ、憂聞こえてる?」

唯「いつの日か、そっち行くから、また私の妹になってね!」

終わり



最終更新:2010年07月22日 00:31