紬「前に唯ちゃんがおいしいって言ってたでしょ」
紬「だから買い置きしておいたの!」
唯(あちゃー!!!)
ムギちゃんはいい子だからそういうところ、気を利かせすぎちゃうんだよね
チョコパイをおいしいっていったら数日間チョコパイだったし
紬「さあさ、たんと召し上がれ」
唯「…」
カントリーマアムなんてすぐ飽きちゃうよ!!
誰か助けてー!
紬「もしかして、カントリーマアムは嫌だった?」シュン…
唯「すっごく食べたいと思ってたんだよ、いただきます!!」
口の中に広がるちょっぴり苦いような甘ったるいお味
唯(塩辛いものが食べたい…)
今の私にとってポテトチップスはごちそうだよ…
紬「よろこんでくれてうれしいわ!」
唯「え、えへへー…」
ああ、もうパサパサしてるっ
おなかにたまってきて気持ち悪い
ぐふっ…
最後のひとつ、無理やり口に押し込んで…
むぐぐ…
唯「ご、ごちそうさま…」
紬「唯ちゃんのために今日は3箱用意したのよ♪」
唯「ヘコーッ!!」
紬「うふふ、遠慮しなくていいのよ」
わざとなの?
その沢庵面にカントリーマアムを押し付けてやりたいよ!
唯「も、もういいよお~私はもうおなかいっぱいだよ~」
紬「あ…」
紬「ご、ごめんなさい…」
唯「あ…」
ちょっと言い方がきつかったかな…
ムギちゃんは私に喜んで欲しかっただけなんだよね…
私のためにスーパーに行ってお菓子コーナーを探して…
そしてカントリーマアムを見つけたときのムギちゃんの顔はどんなに輝いていたんだろう
ムギちゃんの事だもの
私が喜んでくれる姿を想像して、すごく嬉しい気持ちだったんだろうな
それなのに私は自分の都合で…
唯「あ、あ~も、もう一箱食べたくなってきたかも…」
紬「ほんとう!?」キラキラ
結局3箱食べました
もうカントリーマアムは一生食べなくていいレベル
唯「うう…今日はカレーがいいなあ…」
ガチャッ
唯「ただいまーういー」
憂「お姉ちゃんおかえりー」
唯「今日の晩御飯はなあに?」
憂「カントリーマアムだよ!」
唯「!?」
憂「とみお婆ちゃんがね、お姉ちゃんがカントリーマアムが好きなことを覚えてくれててね」
憂「安かったからって10箱もくれたんだよ」
憂「だから今日は特別にカントリーマアムを晩御飯にしたよ!」
お婆ちゃん…
もうカントリー(故郷)に帰ってください…
唯「ういー、気持ちは嬉しいけどね。私はもう…」
憂「ジャーン!!ただのカントリーマアムじゃ寂しいのでお皿に盛り付けてみました!!」
憂「はやく食べないとしけちゃうよ!いっしょに食べよ!!」
なんてことをしてくれたんだ…
なんということでしょう
カントリーマアムはパティシェ憂の手によって、きれいにお皿に盛り付けられているではありませんか
憂「召し上がれ」ニコニコ
唯「う…う…」
憂「あ、お姉ちゃんうれしくて泣いちゃったんだね」
憂「そんなにカントリーマアムが好きなら朝ごはんもカントリーマアムにしてあげるよ!」
唯「あの、その、おなかの具合が悪くて…」
憂「え…」
唯「だからもう晩御飯はいらないかなーっなんて…」
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V{ 八i: :.| と)こソっ と)こソっ: :八/
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}.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.|::.::.:: ∧ >vく |::.::.::\::.::.::.::.::.:}
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::\::.::.::∧ / ハ i ハ |::.::.::.::/:.::.::.::.::.:{
{::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.>::.::.::∨ /| 川、∨::.::./::.::.::.::/.::ノ
唯「あっおなかの調子が良くなってきたかも…」
本日4箱目、カントリーマアムに換算すると40枚ぶんだよ!
唯「うっう…」
込み上げてくる気持ち悪さ
チョコクッキー系統を食べた後の口に残る後味の悪さ
このままじゃカントリーマアムに殺されちゃうよ…
唯「うぷ…」
産まれちゃう…
このままじゃカントリーマアムの赤ちゃん産まれちゃう…
産まれてきたらきっと箱入りの田舎娘に育つんだろうな…
翌日
憂「昨日のカントリーマアムの残りがまだ…」
なんて憂が言い出したもんだからすかさず学校に走ってきました
朝ごはん抜きで大丈夫かって?
カントリーマアム(バニラ)
1枚(標準10.5g)当り
熱量:49kcal
たんぱく質:0.5g
脂質:2.1g
炭水化物.6.9g
ナトリウム:21mg
それを40枚も食べたんだからエネルギーはありあまってるし
おなかにたまってて空腹感はないです、むしろ吐き出したいぐらい
カントリーマアムは飢えで苦しむ子供達に送るべきだよね!
ただしカントリーマアムに苦しんじゃうかもしれないけどね!
梓「唯先輩♪」
唯「ほえ?」
梓「実は昨日親戚にお菓子を貰ったんですが、私だけじゃ食べきれないので唯先輩にもおすそ分けをしようかと」
えっ嫌な予感がしてきたよ…
梓「これです」
そこにあったのはカントリーマアム
じゃ、ないよ!?
唯「これは!」
ポテトフライ、フライドチキン味だよ!!
梓「友達に1枚づつ配ってるんですよ、よかったらどうぞ」
唯「あっあっあっ…」
唯「ありがとーあずにゃああん!!」ギュッ
梓「に゛ゃんっ!?」
梓「喜びすぎですよー///」
私の中であずにゃんがあずてんしに格上げになった瞬間です
これだよ、これが欲しかったんだよ!
これでカントリーマアムの呪縛から逃れられたよ!
ポテトフライ、フライドチキン味
やおきんが販売してる30円の駄菓子だよ
たった1枚だけどすごく満足感のあるお菓子です
カントリーマアム地獄を潜りぬけた私には別格
なにせ丁度辛いものを食べたかったんだもん
唯「いただきまーす!!」びりりっ
あ、でもこれだけじゃ味気ないかも
そうだ、購買でなにか飲み物も買って一緒に食べよう!
ちょっとだけなんですよ
席を離れたの
で、数分で戻ってきたんです
そしたら
和「ぼりぼり」
は?
和「食べてないわよ」
和「チキン味だけにきっと羽が生えて飛んでいったのよ、とんでもない話ね」
唯「チキンは空を飛べないよ、そして口元にポテトフライの欠片がついてるよ」
和「ごめん」
和「ポテトフライは子供の頃に食べてて、つい懐かしくって…」
和「一口だけ食べようと思ったの」
和「気がついたら、全部食べちゃってたの」
懐かしくって、お菓子を食って?
唯「和ちゃんはやっぱりおかしいよ!!」
まず人のお菓子を食べようとするのがおかしいよ!!
和「ごめんごめん、お詫びに…」ゴソゴソ
唯「!」
和「カントリーマアムが3枚私のポケットにあったからこれをあげるわ」
呪縛は解けていなかった!!
和「私の体温でじゃっかん溶けかかってるけど」
和「さあどうぞ」
げえっ!?
ただのカントリーマアムでもしんどいのに
カントリーマアムin和ちゃんの体温だって!?
もう本当に勘弁してください
唯「いらな…」
和「あーんして」びりっ
ああっ勝手に封を切っちゃったよ!
封を切られたカントリーマアムはシケちゃうから早く食べなきゃいけない
私が食べなかったらきっともう誰も食べないだろうし
捨てるのはもったいない、シケちゃうから食べるならいますぐにっ
結局今すぐ私が食べるしかないんだね…
唯「むぐっうう・・・」ポロポロ
もう味をいつでも頭のデータベースから取り出せるまで覚えちゃったよ…
びりっ
和「はい、2枚目」
唯「えっ!?」
和「唯のポテトフライを勝手に食べちゃった事、反省してるわ…」
和「だから私が唯に食べさせてあげる」
そんなサービス誰も頼んでないよお!?
和「唯、あーんして」
唯「やっやめ、もごっ!」
和「もう、そんなに焦らなくてもカントリーマアムは逃げないわよ」
いますぐにここから逃げだしたい!
和ちゃんの体温でヌルく溶けかかったカントリーマアム
そんなものを食べられる私はきっと特別な存在だと感じたよ
もし孫が生まれたらカントリーマアムを連続一週間食べさせて私と同じ苦しみを与えたいよ!
唯「うっ…」
込み上げてきた
なみだ目になる私、チョコレート味のゲップが出たよ
汚い話になってごめんなさい
きっといまの私とキスをしたらカントリーマアムの味がすると思います
誰かしませんか
うー…このままじゃ、おしっこもカントリーマアムの味になっちゃうよ…
唯「はやくお昼にならないかな…」
とにかく別の味のするものを食べたい
もう食べ物じゃなくてもいい
カントリーマアムを忘れることが出来るなら
どんな苦いお薬も飲めるよ、今なら
未完
最終更新:2010年07月22日 21:07