梓(今日で4日目か…)トボトボ

梓(みんな…、澪先輩に会いたい…)トボトボ

梓(でもあったら…)トボトボ

唯「あーずにゃん♪」ダキ

梓「!!ゆ、唯先輩!?」

唯「おひさしぶり~」

梓「ぶ…、部活はどうしたんですか?」

唯「今日はりっちゃんと澪ちゃんがお休みだからなしになりました!!」

梓「そ、そうですか」

唯「それであずにゃんを見つけたから…ってこと!」

梓「…」

唯「よければ一緒にかえろ?」

梓「…、はい」

唯「あずにゃんさ?」

梓「はい?」

唯「澪ちゃんのこと…、好き?」

梓「///!!」

唯「あずにゃんみてると私でもわかるよ!」ニコニコ

梓「…で」

唯「ん?」

梓「でも…、おかしくないですか?女の子が女の子を好きって///」

唯「そ~う~か~な~?」

梓「そ、そうですよ」

唯「私はそうは思わないけど?」

梓「え?」

唯「私だって軽音部のみんなが好き、憂が好き、和ちゃんが好き…」

梓「でも、そんな好きじゃないんです!!」

唯「…?なら、それだけ好かれてる澪ちゃんがうらやましいかなぁ」ニコニコ

梓「え?」

唯「いいと思うよ?」

唯「何かを好きになったり、夢中になったり、」

唯「それって今しか出来ないんじゃないかな?」

唯「それが音楽だったり男の子だったり、女の子でもいいんじゃないかな?」

梓「…」

唯「だから、迷ったときは、先輩に相談してください!!」フンス

梓「…はい」

唯「…それでね?あずにゃんがいない時に」

 「お、おい!やめろ」

 「ケチケチするなよ~!このぉっ!」


澪「や、やめろバカ律!!く、くすぐった」

律「最近私につめたかったじゃないかぁ?ん?」

澪「ちがっ、別にそんな訳じゃないって!」

律「そうかな~?最近はあずさにべったりだったクセに」コノコノ

澪「バカ!やめろ」

律「一緒にバンドやってずっと一緒って約束したのに~?」

澪「それとこれとは…」

唯「…」(グットタイミングだよ!りっちゃん!澪ちゃん!)

律「…」(え?これがグットタイミング?)

澪「…」(あからさま空気が…)

梓「…」プルプルプルプル

澪「あ、あのな?梓、これには…」

梓「…」ダッ




律「…第1回梓奪還作戦反省会を始めたいとおもいまーす」

唯「…わーい」

紬「…わーい♪」

唯「…澪ちゃんは落ち込んで不在でーす」

律「で、今回の反省点は…」

唯「…」

紬「計画の時点で破綻してたんじゃないかな?」フフッ

律「…反対意見の方はー?」


唯「…てへっ」

律「…、いらっしゃらないようですねー」

唯「はーい」

律「まぁ、のった私達も私達だけどどういうつもりだったんだ!?唯」

紬「まあまあまあまあ」

唯「ほ…、本当はね?私が素直なあずにゃんの気持ちに気づかせて」

紬「…」

唯「りっちゃんと澪ちゃんがいちゃいちゃしてるところを見せつけて」

律「…」

唯「あずにゃんの澪ちゃんへの恋心を焚きつける完璧作戦だったのです!」フンス

律「…」

紬「…まぁ♪」

律「あぁ、その完璧作戦もものの見事に玉砕だけどな!」

唯「えへへ~」

紬「…でも、これからどうなっちゃうのかな?」

律「…また、4人にもどっちまうかもなー」

唯「……ごめんなさい」



……

梓(…)キーコ

梓(唯先輩が相談にのってくれた…)

梓(ちょっと自信がついた…)キーコ

梓(でも澪先輩には律先輩がいた…)

梓(どうして気づかなかったんだろ…)キーコ

梓(いくら自分の気持ちに踏ん切りがついたところで…)

梓(澪先輩が私のことを好きとはかぎらないもんね…)キーコ

梓(なんだか一人で盛り上がってバカみたいだったな…)

梓(もうみなさんと会えない…)キーコ

梓(澪先輩とも会えない…)グスッ



澪(あれはどう考えても失敗だったろ唯!)

澪(作戦にのったはのったで泥舟もいいとこだった!)

澪(なんできがつかなかったんだ!?)

澪(なんで事の好転にしか思考が働かなかったんだ!?)

澪(私にとって…)

澪(梓はなんだったんだ!?)

澪(…)

澪(…電話、ムギからか)ピッ

澪「も、もしもし?」

紬『もしもし澪ちゃん?あの、今日のことだけど…』

澪「…今日のこと、ね」

紬『あまり、悲観的にならないで落ち着いてきいてね』

澪「…うん」

紬『作戦はうまくいかなかったけど、きっと一生懸命考えたと思うの』

紬『みんな軽音部が大好きなの、みんなが軽音部の幸せを願ってるの』

澪「…うん」

紬『…梓ちゃんの気持ち』

澪「…」

紬『気付いてないわけじゃない…よね?』

澪「気付いてない、訳じゃ…ない」

紬『じゃあ…澪ちゃんは?』

澪「…」

澪「…わたしは」

紬『…わたしは?』

澪「…わからないんだ、わたしの思いが」

紬『…』

澪「だって、だってさ?おかしいだろ?後輩…しかも女の子が好きかもなんて!!」

紬『おかしくなんてないわ!』

澪「!!」

紬『別にいいと思うの、好きな人、好きな物は人それぞれであって…』

紬『勝手な線引きをして、本能で好きな人を理性が止めてしまうなんて…』

紬『わたしはそっちの方がおかしいと思うわ!!』

澪「…ご、」

紬『?』

澪「ごめんな、…ムギ」

澪「それと、……ありがとう!」ガチャッ



澪「…はぁはぁ」タタタ

澪「まだ、日暮れ前だ、はぁ…けど」ハァハァ

澪「…もう」タタッ

澪「帰っちゃったのか?」ハァハァ

澪「…くそ、運動不足が身にしみるぅ」タタタ



梓(…)キーコ

梓(…何やってるんだろ私)

梓(…一人で)キーコ

梓(…バカだよね)

梓(…日も暮れてきたのに)キーコ

梓(…誰もこない)

梓(…誰かがなんとかしてくれるわけでもないのに)キーコ

梓(…)

梓(…)



澪「…はぁはぁはぁはぁ」

澪(通学路はこれで2往復)ハァハァ

澪(…流石に帰っちゃったか)タタ

澪(!?)ピタッ

澪(あそこは!?)

澪(…あそこに)タタッ

澪(いてくれ!あずさ!!)タタタタタタ


梓(…)キーコ

梓(明日先生に退部届けをだそう…)

梓(…そして)キーコ

梓(…全部なかったことにしよう)

梓(…)キーコ

梓(…かえろう)





 「となり、…いい?」


梓(…なんで)

梓(…なんで?)

梓(…あれだけ待って)

梓(…あきらめよう、全部なかったことにしようと思ったのに)

梓(…来てくれたらどれだけうれしいか)ウグッ

梓(…それだけ待ってたのに)グスッ



澪「…あーずさ」

梓(…)

梓(…顔が、上げられないのはなんで?)ヒック


澪「…待たせたみたで、…ごめんね」

梓「…べ、別に待ってたわけじゃないです」グス

梓「…こういう気分だったんです」

澪「そうか、なら」

澪「いろんな意味で待たせて、ごめん」

梓「…」ヒック

梓「…ほ、ホントに、…待ちくたびれました」スン

澪「…あぁ……」

梓「…こんなとこ」

澪「ん?」

梓「…こんなところ律先輩に見られたら、お…怒られますよ」ヒク

澪「あははははは!バカだな梓!わたしと律にはかたーい友情はあれど恋愛感情はないよ」

梓「で、でも…、羨ましいくらい仲いいし…」

澪「…気付いたから、ここに来た」

梓「!?」フッ

澪「梓が私のとっても大切な存在なんだって」

梓「……」

梓「…うっ」

澪「…?」

梓「私も…」

梓「澪先輩が大好きで…」

梓「嬉しいのに…」

澪「…」

梓「涙がとまらないです…」ポロポロ

澪「…」ダキ

澪「まぁーったく、困った後輩だな!」グシグシ

梓「…う、うぅ」ポロポロ

澪「両思いの先輩からの告白にこんな泣いちゃうなんてな!」

梓「だ、だって…」ウゥ

澪「それとも、こういうの気に入らないか?」

梓「…」フルフル

澪「…じゃあ、ほら」

梓「…?」

澪「鯛焼き…一緒に食べよう?」

梓「…そ、その前に」ポロポロ

澪「…あぁ」

梓「…ん」

澪「…」チュ



おわり



最終更新:2010年07月25日 22:01